柳下美恵のピアノdeフィルムvol.5『警察官』

2022.2.5(土)・2.6(日) 各日13:30

柳下美恵の<ピアノdeフィルムvol.5『警察官』>

サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの生伴奏

映画が誕生して120年あまり。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。

1933年/日本/121分[18fps](予定)/35 mm/モノクロ/スタンダード/サイレント/製作:新興キネマ京都/フィルム提供:国立映画アーカイブ
監督:内田吐夢/脚本:山内英三/原作:竹田敏彦/撮影:相坂操一/美術:水谷浩司
出演:中野英治、小杉勇、松本泰輔、森静子、桂珠子、北岡勲、三保敦美、生方一平

1932 年に実際に起こった「大森ギャング事件」を元に竹田敏彦が新国劇へ書き下ろした戯曲が原作。内務省・警視庁全面協力で製作され、東京の街や警察署で存分に撮影された。国策的映画ではあるが、犯罪ドラマとしての魅力に加え、公僕としての警察官の使命と人間的な苦悩を描いた人間ドラマの傑作。張込みや指紋照合などの地道な捜査とラストの激しい銃撃戦の対比も鮮烈に描かれる。
伊丹警官は検問で車に乗っていた中学時代の親友富岡に出会う。ある日、銀行が襲われ、恩人の宮部警官が撃たれて亡くなってしまう。憤然と立ち上がる伊丹、だが犯人を追い詰めるうちに非情な現実を知り苦悩する。そしてついに警察官としての職務を全うすべく敢然と立ち向かう。


柳下美恵のピアノdeフィルムvol.1画像サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学有鍵楽器専修(ピアノ)卒業。1995年、山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕 リュミエール!』でデビュー。以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのフィルム・アーカイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料院、タイ・フィルムアーカイブ、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、ポルデノーネ無声映画祭やボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ)などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。ピアノで見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館にピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、同じサイレント映画作品を連日上映する“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。

チケット購入情報

2.2(水)より、横浜シネマリンオンラインチケット予約サイト、劇場受付にて、座席指定券を販売いたします。

次回予告
2022年6月4(土)、5(日)にvol.6を予定しています。詳細は当サイトやチラシをご確認ください。