近日上映作品

3/22(金)・23(土)

クレール・ドゥニ特集 予想不可能な世界へ

〈横浜フランス映画祭2024〉関連企画

クレール・ドゥニ特集 予想不可能な世界へ

3/22(金)・23(土)

[特別ゲスト]クレール・ドゥニ監督

CLAIRE DENIS

〈横浜フランス映画祭2024〉関連企画

クレール・ドゥニ特集 予想不可能な世界へ

3/22(金)・23(土)

[特別ゲスト]クレール・ドゥニ監督

CLAIRE DENIS

つねにあらたなジャンル、スタイルを追求しながら、人間の奥深くにある欲望、暴力性、愛の形などをときに瑞々しく、ときに生々しく、ときに禍々しくスクリーンに映し出し、観る者たちを魅了してやまない映画作家、クレール・ドゥニ監督。3月20日(水・祝)から24日(日)の全5日間、みなとみらい21地区を中心に開催される横浜フランス映画祭でカルト的作品『美しき仕事 4Kレストア版』が上映されるクレール・ドゥニ監督の5年ぶりの来日を記念して特集を開催します。長編デビュー作『ショコラ』4Kレストア版を初上映するほか、再びそれから22年後、ふたたびアフリカの地に戻ってイザベル・ユペールを主演に迎えて撮った秀作『ホワイト・マテリアル』(上映会場:東京日仏学院)、ベルリン映画祭最優秀監督賞を受賞した『愛と激しさをもって』を特別上映します。3月23日(土)にはクレール・ドゥニ監督を迎えたマスタークラスも開催します。

横浜フランス映画際オフィシャルサイト https://unifrance.jp/festival/2024/
東京日仏学院オフィシャルサイト https://culture.institutfrancais.jp/fr 

*3/31(日)東京日仏学院の上映スケジュールはこちらからご確認ください

入場料 一般1,600円/大専・シニア・シネマリン会員・東京日仏学院&横浜日仏学院会員1,200円/高校生以下800円

共催 アンスティチュ・フランセ、横浜シネマリン
助成 ユニフランス
フィルム提供及び協力 CNC、グッドフェローズ、MK2、マーメイド・フィルム

上映スケジュール

3/22(金) 3/23(土)
愛と激しさをもって14:00-16:00
愛と激しさをもって

*上映前に坂本安美さんによる作品紹介あり

ショコラ16:20-18:25
ショコラ

*上映前に坂本安美さんによる作品紹介あり

ショコラ14:50-16:35
ショコラ
愛と激しさをもって16:45-18:45
愛と激しさをもって
クレール・ドゥニ監督のマスタークラス19:20-20:50
クレール・ドゥニ監督のマスタークラス
有料

予定表 横にスクロールできます

作品紹介

ショコラ Chocolat 

1988年/フランス・西ドイツ・カメルーン/106分/カラー/デジタル
監督・脚本:クレール・ドゥニ
出演:ジュリア・ボッシ、フランソワ・クリュゼ、イザック・ド・バンコレ、ミレーユ・ペリエ
ンヤミン・クリステンセン、ヴァルター・シュレザーク

植民地行政官の娘としてアフリカ諸国で過ごした幼少期を題材にしたクレール・ドゥニの記念すべき半自伝的長編デビュー作。西アフリカを旅する女性フランスは、独立直前のカメルーンで過ごした幼少期を回想する。少女フランスと献身的な使用人プロテとの間には友情が深まっていく。しかしプロテと母親エメとの間に芽生える欲望、植民地における人種差別を目にすることに…。監督自ら監修した美しいレストア版での上映は今回が日本初となる。
「ショットごとに、継ぎごとに、この最初の作品を見ると、自分がいかにカメルーンを愛していたかを思い知らされました」―クレール・ドゥニ

愛と激しさをもって Avec amour et acharnement 

2022年/フランス/117分/カラー/デジタル
監督:クレール・ドゥニ
出演:ジュリエット・ビノッシュ、ヴァンサン・ランドン、グレゴワール・コラン、マティ・ディオップ、ビュル・オジエ

10年近く共に暮らすサラとジャンは情熱的に愛し合っている。ある朝、サラはかつての恋人フランソワと偶然再会する。フランソワはサラを親友であるジャンに紹介し、彼女がそのジャンのために別れを告げた人物だった……。現代フランス文学を代表する作家クリスティーヌ・アンゴの恋愛小説を映画化した3人の大人の男女が織り成す息苦しいまでに濃密な愛憎劇。第72回ベルリン映画祭最優秀監督賞受賞。
「サラという女性はリスクを取りたがっています、それが傷つくと知っていても。彼女は自由でありたい。正しくありたい、でもその自由を望んでいるのです」―クレール・ドゥニ

3/23(土)~

テルマ&ルイーズ 4K

テルマ&ルイーズ

Thelma & Louise © 1991 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

1991年/アメリカ/129分/配給:アンプラグド
原題:TELMA&LOUISE
監督・製作:リドリー・スコット
製作:ミミ・ポーク・ギトリ
脚本:カーリー・クーリ
撮影:エイドリアン・ビドル
音楽:ハンス・ジマー
出演:スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン、ブラッド・ピット
※当館での上映は2K

公式ホームページ

90年代を代表する傑作ロード・ムービー
リドリー・スコット監督自身の監修により4Kレストア化

平凡な主婦のテルマ(ジーナ・デイヴィス)とウェイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)は週末のドライブ旅行に出発した。その途中、立ち寄った店の駐車場でテルマが男に襲われるという事件が発生。テルマがレイプされそうになった寸前、助けに入ったルイーズが護身用の拳銃で男を射殺。ルイーズにはかつて、レイプの被害を受けたトラウマがあった。次から次へとトラブルが重なり、警察に指名手配された2人は、車でメキシコを目指し逃避行を続けるうちに、自分らしく生きることに目覚めていく……。

女2人の冒険と友情を描き‟90年代の女性版アメリカン・ニューシネマ“と評されたリドリー・スコット監督渾身の傑作ロード・ムービー。1991年10月に日本で劇場公開され高い評価を受けたのち、1992年、第64回アカデミー賞で6部門にノミネートされ脚本賞を受賞。女性の自立を描いた画期的な作品として世界中から評価され続け、その存在感は年々増し続けている。
2016年には、半永久に保存する価値のある作品が選ばれるアメリカ国立フィルム登録簿に登録されるなど、後世に残すべき作品となった。性的被害を受けた女性の自由というテーマや、友情か愛情かで議論が巻き起こった親友2人のラストシーンなど時代を先取りした映画だったと言え、今なお輝き続けるシスターフッド映画の金字塔である。また、今ではブラッド・ピットの出世作としても知られており、本作で演じたJ.D.役で出演時間が短いながらも強烈な印象を残し、ここから一気にスターダムに上り詰めた。コロラド川とキャニオンランズ国立公園を眼下に眺めるデッド・ホース・ポイントの壮大な風景美に彩られたドラマは、公開から30年経った今も全く色褪せない。今回、リドリー・スコット監督の監修のもとオリジナルネガからの4Kレストアが実現した。


3/23(土)~

アリランラプソディ

アリラン・ラプソディ

(C)Kimoon Film

2023年/日本/125分/配給:Kimoon Film
監督:金聖雄
撮影:池田俊已
録音:吉田茂一
音楽:横内丙午
出演:川崎のハルモニたち

公式ホームページ

イベント情報
3/23(土)10:00回上映後、ご出演のハルモニたちの舞台挨拶がございます。
3/24(日)10:00回上映後、金聖雄監督の舞台挨拶がございます。

「もう死ぬのは怖くない」
パワフルに生きたハルモニたちの日々が
今、ささやかに弾ける!

映画の主人公は、川崎に生きるハルモニたち。戦争に翻弄され、生きる場を求めて幾度も海を往来し、たどり着いた川崎でささやかにたくましく生きてきた在日たちだ。
波乱万丈の人生を歩み、故郷・朝鮮半島への思いも貧困と差別の記憶も封印してきたが、老いてようやく文字を学び、歴史を知り、静かに力強く生きている。

ハルモニたちは、戦争を語れる最後の世代
ハルモニたちが、今、語っておきたいこととは?

監督は在日二世の金聖雄。デビュー作品『花はんめ』(2004年)の撮影で川崎に通い始めてから四半世紀、「ハルモニたちの過去と今をきちんと記録しておかなければ」と、小さな使命を背負って完成させた。
想像を絶する苦労を、シワいっぱいの笑顔で語るチャーミングなハルモニたちに、スクリーンを通して出合ってください。


アリラン・ラプソディ アリラン・ラプソディ アリラン・ラプソディ

3/30(土)~

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版 

© Göess Film, Von Vietinghoff Filmproduktion, 13 Production

2000年/ハンガリー=ドイツ=フランス/モノクロ/146 分/配給:ビターズ・エンド
監督・脚本:タル・ベーラ
原作・脚本:クラスナホルカイ・ラースロー
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
編集・共同監督:フラニツキー・-アーグネシュ
出演:ラルス・ルドルフ、ペーター・フィッツ、ハンナ・シグラ、デルジ・ヤーノシュ
※当館での上映は2K

公式ホームページ

破壊とヴァイオレンスに満ちた、漆黒の黙示録

ハンガリーの荒涼とした田舎町。天文学が趣味のヤーノシュは老音楽家エステルの身の回りを世話している。エステルはヴェルクマイスター音律を批判しているようだ。彼らの日常に、不穏な“石”が投げ込まれる。広場に忽然と現れた見世物の“クジラ”と、“プリンス”と名乗る扇動者の声。その声に煽られるように広場に群がる住人達。彼らの不満は沸点に達し、破壊とヴァイオレンスへと向かい始める。全編、わずか37カットという驚異的な長回しで語られる、漆黒の黙示録。扇動者の声によって人々が対立していく様は、四半世紀前の製作ながら、見事なまでに現在を予兆している。

世界に衝撃を与えたラディカルでパンクな傑作が4Kで蘇る。

『ニーチェの馬』を最後に56歳という若さで映画監督から引退したタル・ベーラ。伝説的な7時間18分の『サタンタンゴ』の直後に発表され、日本での初劇場公開作となった『ヴェルクマイスター・ハーモニー』が4Kレストア版で蘇る。本作をきっかけに2001年にニューヨーク近代美術館(MOMA)でタル・ベーラ監督の特集上映が組まれ、ジム・ジャームッシュ、ガス・ヴァン・サントなどを驚嘆させ、同年のヴィレッジ・ヴォイス誌が選ぶベスト・ディレクターにデヴィッド・リンチ(『マルホランド・ドライブ』)、ウォン・カーウァイ(『花様年華』)と並んで、タル・ベーラが選出されるなど、世界に衝撃を与えた記念碑的作品である。ファスビンダー作品のミューズとも言えるハンナ・シグラが物語の重要なカギを握る役で出演しているのも見逃せない。


ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版  ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版  ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版 

4/6(土)~1週間限定

IL VOLO in 清水寺~京都遺産ライブ~

IL VOLO

©2024 TATE CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

2024年/99分/企画・製作:テイトコーポレーション/配給:ギャガ
出演:イル・ヴォーロ、ジャンルカ・ジノーブレ、イニャツィオ・ボスケット、ピエロ・バローネ
指揮:マルチェロ・ロータ
演奏:パシフィックフィルハーモニア東京
撮影協力:音羽山 清水寺、京都東山 即成院
後援:イタリア大使館

公式ホームページ

オペラ界のレジェンド プラシド・ドミンゴも絶賛した若きヴォーカル・ユニット“イル・ヴォーロ”
世界遺産 古都・京都の清水寺で一夜限りのプレミアムライブ!

圧巻の歌唱力と美しいハーモニーで、三大テノールを継ぐ新世代のヴォーカル・ユニット“イル・ヴォーロ”。2016年にイタリア・フィレンツェの世界遺産・サンタクローチェ広場、2019年に南イタリアの世界遺産マテーラで行ったコンサート映像が劇場公開され、日本でも高い評価を得て大ヒットとなった。そして2022年の夏、彼らの3度目の来日に合わせ、アジア・日本で初めて、世界遺産・京都「音羽山 清水寺」での映像制作プロジェクトが始動した。京都の空から世界の空へ、平和への願いを込めて、全27曲のライブ映像を完全収録。約1250年に亘る清水寺の歴史の中で、海外アーティストの奉納ライブは今回が初となる。良き伝統を守りながらも、新しい風を取り入れた彼らの圧巻の歌声と、幻想的な清水寺との夜景が見事にマッチし、今までに見たことのない、美しく優雅なライブ映像がここに完成した。

“イル・ヴォーロ”、その意味は“The Flight”(飛ぶこと・飛翔)――歌声を翼に世界へ羽ばたく、イタリアの稀代の若きヴォーカル・ユニットである。ジャンルカ・ジノーブレ、イニャツィオ・ボスケット、ピエロ・バローネの歌が大好きな三人の若者がイタリアの人気オーディション番組に出場したことが機となり、2009年にユニットを結成。以来、アメリカ、ヨーロッパ、南米、オーストラリアなど世界各地で多数の公演を開催し、その若さに似合わぬ芳醇な歌声と深い表現力で、幅広い層のファンを魅了している。大ヒット曲「グランデ・アモーレ」は動画再生サイトで、驚異の2億回再生を突破。

SETLIST

誰も寝てはならぬ/グラナダ/広がりゆく愛/忘れな草/帰れソレントへ/カタリ・カタリ/ノッテ・ステラータ/恋する兵士/フニクラ・フニクラ/星は光りぬ/オー・ソレ・ミオ/乾杯の歌/グランデ・アモーレ  ※他、全27曲


4/6(土)~

成功したオタク

成功したオタク

2021年/韓国/85分/配給:ALFAZBET
原題:성덕
英題:FANATIC
監督:オ・セヨン

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,500円(税込)を当館受付にて発売中!特典:성덕(ソンドク)ステッカーをプレゼント!

ある日、「推し」が犯罪者になった
韓国芸能界を震撼させた大スキャンダル
ひとりのファンが映画を撮った

推しが性加害で逮捕された。私は、私たちは、どうすればいいんだろう。
あるK-POPスターの熱狂的ファンだったオ・セヨンは、「推し」に認知されテレビ共演もした「成功したオタク」だった。ある⽇、推しが性加害で逮捕されるまでは。突然「犯罪者のファン」になってしまった彼⼥はひどく混乱した。受け⼊れ難いその現実に苦悩し、様々な感情が⼊り乱れ葛藤した。そして、同じような経験をした友⼈たちのことを思った。
信頼し、応援していたからこそ許せないという⼈もいれば、最後まで寄り添うべきだと⾔う⼈もいる。ファンであり続けることができるのか。いや、ファンを辞めるべきか。彼を推していた私も加害者なのではないか。かつて、彼を思って過ごした幸せな時間まで否定しなくてはならないのか。
「推し活」が⼈⽣の全てだったオ・セヨン監督が過去を振り返り傷を直視すると同時に、様々な⽴場にあるファンの声を直接聞き、その社会的意味を記録する。「成功したオタク」とは果たして何なのか?その意味を新たに定義する、連帯と癒しのドキュメンタリー。

*成功したオタク:自分が好きな分野で成功している人物や、好きな歌手や俳優に会ったことのあるファンなどを意味する。原題の성덕(ソンドク)は“成功したオタク”の略語。


成功したオタク

4/12(金)~

劇場版 再会長江

再会長江

©2024『劇場版 再会長江』/ワノユメ

製作:ワノユメ/配給:KADOKAWA
監督:竹内亮
ナレーション:小島瑠璃子

公式ホームページ

【前売券】ムビチケカード1,600円(税込)を当館受付にて発売中!

中国全土で話題騒然!!
長江源流、最初の一滴を求める6300キロの旅、
驚きと感動のドキュメンタリ一

中国の母なる大河·長江。上海、南京、武漢、重慶、雲南、チベット高原まで、広大な中国大陸を横断する、全長6300キロのアジア最大の大河だ。日本人監督の竹内亮は、10年前にNHKの番組で長江を撮った時、一つの後悔があった。それは北極・南極に次ぐ地球第三の極地と呼ばれるチベット高原にある「長江源流の最初の一滴」を撮れなかった事。あれから10年、日本から中国南京市に移住し、「長江沿いの民」の一人になった竹内は、2021年から2年かけて再び長江6300キロを走破する。旅の途中で10年前に撮影した友人たちと再会しながら、一本の大河を通して中国の10年の変化を見つめ、今度こそ「最初の一滴」をカメラに収めるべく、長江源流をめざす。

テレビが伝えない中国激動の10年、衝撃の変化!
2021年Newsweekの「世界が尊敬する日本人100」に選出、
中国NO1インフルエンサ一竹内亮監督最新作

第28回中国ドキュメンタリ一長編映画ベストテン選出、第12回中国ドキュメンタリ一アカデミ一賞ノミネ一トをした「再会長江」は中国全土で旋風を卷き起こした話題作回、この「再会長江」を新たに再編集した新作が『劇場版 再会長江』だ。56の民族をえながら、経済大国として世界を牽引する中国の母なる長江を辿り、その源流の最初滴を目指す6300キロの旅を描く感動のドキュメンタリ一。その旅先では、大河と共にきる心優しき人々との温かな再会があり、テレビでは伝えない中国激動の10年の驚異正体が明かされる!本作を手掛ける竹内亮監督は、個人及び関連の総SNSフオロワ一娄約1000万人を超元、中国全土でナンバ一1のインフルエンサ一(Weibo旅行関連※)て活躍し、リアルな中国を映し続ける日本人。そんな竹内が、2年に渡り撮り続けた身の一本だ。ナレ一ションは、「再会長江」に続き、中国好きで知られるタレントの瑠璃子が担当する。
※Weibo旅行関連インフルエンサ一ランキングNo.1(22年12月時点)


4/13(土)~1週間限定

オリガ・スミルノワのジゼル in cinema

オリガ・スミルノワのジゼル in cinema

© Pathe Live

撮影場所:オランダ国立歌劇場/撮影時期:2023年10月/115分/配給:ALFAZBET
主演:オリガ・スミルノワ、ジャコポ・ティッシ
新演出・振付:ラシェル・ボージャン、リカルド・ブスタマンテ
改訂振付:マリウス・プティパ
原振付:ジャン・コラリ、ジュール・ペロー
美術・衣装:トゥール・ヴァン・シャイク
音楽:アドルフ・アダン
伴奏:オランダ・バレエ・オーケストラ
指揮:エルマンノ・フローリオ

公式ホームページ

ウクライナ侵攻に反対し祖国ロシアとボリショイを離れた
オリガ・スミルノワがスクリーンに舞い戻る!

ワガノワ・バレエ・アカデミー仕込みの優美さとボリショイ・バレエのダイナミックさを兼ね備え、ボリショイの次代を担う新女王と目されるも、ウクライナ侵攻に反対し祖国ロシアを離れたオリガ・スミルノワ。「私の魂のすべてで、この戦争に反対する。ロシアを恥じることになるとは思っていなかった」と語りオランダ国立バレエに電撃移籍したスミルノワを、ロシアのウクライナ侵攻までの過去12年間「ボリショイ・バレエ in シネマ」を製作してきたパテ・ライブがスクリーンに呼び戻した!

ヨーロッパ名門バレエ団、オランダ国立バレエが送る
ロマンティック・バレエの最高傑作

全世界20か国から90名以上のダンサーが所属する名門オランダ国立バレエは、芸術監督テッド・ブランセンの下、豪華絢爛な古典作品のレパートリーに加えて、数多くの現代作品を生み出してきたことから世界でも最も先進的なバレエ団の一つと高く評価されている。本作は、従来の「ジゼル」に見られる伝統的側面を重んじながらも、アルブレヒトの内面描写に重きを置くなど、普遍的で偉大なロマンティック・バレエの金字塔に新たな命を吹き込んだ意欲作。アルブレヒトを演じるのは、スミルノワと同じくボリショイを離れたプリンシパル、ジャコポ・ティッシ。イタリア出身のティッシは、長身を生かした優美な踊りに定評がある正統派ダンスール・ノーブル。彼の華麗な演技も必見です。

STORY

農民の娘ジゼルはアルブレヒトと恋に落ちるが、彼はジゼルに貴族であること、婚約者がいることを隠していた。真実を知った彼女は絶望と悲しみの中で取り乱し、息絶えてしまう。 結婚前に死んだ花嫁の精霊「ウィリ」の集まる森に、ジゼルが眠る墓はあった。ジゼルはウィリの仲間入りをする。迷い込んできた人間や裏切った男を死ぬまで踊り狂わせるウィリたちは、ある夜ジゼルの死を悔いて墓を訪れたアルブレヒトを捕らえるが……。


オリガ・スミルノワのジゼル in cinema オリガ・スミルノワのジゼル in cinema オリガ・スミルノワのジゼル in cinema

4/13(土)~

ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ デジタルリマスター

ボブ・マーリー

© 2022 Stefan Paul All Rights Reserved

1980年/西ドイツ・ジャマイカ/英語/109分/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム
原題:Reggae Sunsplash
監督:ステファン・ポール
撮影監督:ライナー・ハインツェルマン、ハンス・シャルク
編集:ヒルデガルト・シュレーダー
出演:ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ、ピーター・トッシュ、バーニング・スピア、サード・ワールド

公式ホームページ

差別を嫌い本当の平和を願う、魂の歌声と陶酔のリズム。
誕生の地ジャマイカ、狂熱のラスト・パフォーマンス。

1979年7月、ジャマイカで開催された第2回レゲエ・サンスプラッシュの模様を収録したライブ・ドキュメンタリー。母国ジャマイカでのラストライブとなった、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ圧巻のパフォーマンスが記録されている。同年4月に実現した、最初で最後の来日公演直後、その熱狂を追体験できるだろう。他には、ピーター・トッシュ、サード・ワールド、バーニング・スピアが出演。ラスタファリアニズムの象徴としてのボブ・マーリー。ドレッドロックス、ガンジャ(大麻)、赤・黄・緑・黒のラスタカラー。貴重なインタビュー映像からは、差別を嫌い、平和を願う、剝き出しのメッセージが溢れている。また当時のジャマイカのスラム街、カラフルで雑多な街並み、混沌とした気だるい風景がスクリーンから匂い立ち、極上のトリップ感を体験できる。さあ、ようこそ、45年前のジャマイカ、狂熱のモンテゴ・ベイ、ジャレット・パークへ!chill out!

“ヤバいリズム”と“刺さるメッセージ”いまこそrebel music[反逆の音楽]レゲエ!
カリブ海の小さな島ジャマイカで生まれたレゲエ・ミュージック。

70年代その“ヤバいリズム”はロック界に大きな衝撃を与え、クラプトンやストーンズ等様々なミュージシャンに多大な影響を与えた。そして英国のパンク・ムーブメントともrebel music(反逆の音楽)レゲエは激しく共鳴し合い、鬱屈した当時の若者達をたちまち虜にした。戦争、自然災害、貧困、孤独、未曽有の危機が日常になってしまった現代社会でこそ、“ヤバいリズム”と“刺さるメッセージ”が“永遠の真理”へと導くrebel music(反逆の音楽)それがレゲエ。


ボブ・マーリー ボブ・マーリー ボブ・マーリー

4/13(土)~

わたしのかあさん―天使の詩―

わたしのかあさん

ⓒ現代ぷろだくしょん

2024年/日本/114分/配給:新日本映画社
監督・ゼネラルプロデューサー:山田火砂子
プロデューサー:上野有
脚本:坂田俊子・山田火砂子
音楽:朱花
撮影監督:髙間賢治J.S.C
美術:山下修侍A.P.D.J
製作:現代ぷろだくしょん
出演:寺島しのぶ、常盤貴子、安達祐実、落井実結子、渡辺いっけい、東ちづる、宅麻伸、春風亭昇太、辰巳琢郎、渡辺梓、窪塚俊介、山田邦子、小倉蒼蛙、堀内正美、松木路子、磯村みどり、高島礼子、船越英一郎

公式ホームページ

92歳、日本最高齢の女性映画監督、山田火砂子
70歳より映画監督としてデビュー、記念すべき10作目

児童福祉文化賞受賞の児童文学『わたしの母さん』(菊地澄子作)を原作に、溢れる愛で子どもたちを育てる両親と、両親が知的障がい者であることを知り葛藤する少女を描き出す。子供は親を選べないが、親子の絆のかけがえのなさは簡単に他人と比較できるものではない。知的障がいのある子を育ててきた監督自らの経験から、少女の葛藤を希望として描き出す。
舞台を原作の書かれた80年代後半に設定しつつ、戦後間もない時代に孤児と知的障がい児のため生涯を捧げた教育者・糸賀一雄の哲学にも触れ、現代日本で置き去りにされている問題を見つめ直す。
母・清子を演じるのは寺島しのぶ、成長した娘の高子に常盤貴子。その他、難役の吃音の父を渡辺いっけい、清子の主治医に船越英一郎、その娘に安達祐実、近所の老人に山田邦子、養護学校の教員に東ちづる、さらに清子の兄に春風亭昇太、祖母に高島礼子と豪華キャストにて映画化された。

知的障がい者の両親のもとに高子は生まれた。
一時は周囲と違う両親を恥じたが、時は流れ…
高子を変えた、母・清子の思い出とは――

障がい者特別支援施設の園長である山川高子はある日、親友から母親の清子のことを本にしないかと声をかけられた。今でこそ福祉に従事する高子だが、かつては障がい者をうとみ憎んですらいた。高子は聡明な子だったが、両親は知的障がい者でありそれを恥じた時期があったからである。親友の言葉に高子は小学三年生の頃を思い出す。同級生に母親を見られたくなくて、授業参観のお知らせを隠していた高子だったが、それを見つけた清子は授業参観にやってきてしまう。騒がしくおどけ、同級生から失笑を買ってしまう清子。その後、両親が知的障がい者であることを知らされ、高子は動揺する。そんな高子の心を癒したのは母・清子の裏表のない、何より高子を愛する気持ちであった。


わたしのかあさん わたしのかあさん わたしのかあさん

4/20(土)~

ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ

美に憑りつかれた鬼才による毒に満ちた世界が蘇る

ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ
美を患った魔術師

プロスペローの本│数に溺れて4Kリマスター│ZOO│英国式庭園殺人事件4Kリマスター

4/20(土)―5/3(金)

美に憑りつかれた鬼才による毒に満ちた世界が蘇る

ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ
美を患った魔術師

プロスペローの本│数に溺れて4Kリマスター│ZOO│英国式庭園殺人事件4Kリマスター

4/20(土)―5/3(金)

公式サイト https://greenaway-retrospective.com/

配給宣伝協力 Gucchi’s Free School  配給 JAIHO

入場料 当日一般1,800円/会員1,500円/大専・シニア1,200円/高校生以下800円

アリ・アスターやヨルゴス・ランティモス、ジャンポール・ゴルチエが絶賛!
英国史上最もエレガントで偏執狂的な紳士 ピーター・グリーナウェイ

英国アート映画の先駆者として、世界中でカルト的人気を誇る映画監督。作品毎に一貫したコンセプトを設け、徹底した構図と色彩、それらと融合する巧みな音楽を用いたアブノーマルな映像は、観る者を夢中にさせ、アリ・アスター(『ミッドサマー』)を始め、現代の鬼才と呼ばれる映画監督やクリエイターに影響を与えた。映画監督だけでなく画家としても活動し、パリのルーブル美術館で企画展を行う等、唯一無二の芸術的センスで活動している。

観客に強烈なインパクトを与えるグリーナウェイ作品に、海外では再び注目が集まっており、2023年ヴェネチア国際映画祭では初期作『英国式庭園殺人事件』が再上映され、大きな話題となった。本特集上映では、『髪結いの亭主』『ピアノ・レッスン』等の世界的音楽家マイケル・ナイマンが劇伴を手掛けた作品を選定。異彩を放つグリーナウェイの世界に、音で更なる煌めきを与えたナイマンとの世紀のコラボレーション全4作を一挙上映する。(当館では4Kリマスター素材を2Kで上映)

ピーター・グリーナウェイ プロフィール/ Peter Greenaway Profile

1942年4月5日生まれ、イギリス・ウェールズ出身。幼少期はアートに関心を持ち、画家を志す。美術学校卒業後、イングマール・ベルイマン監督の作品に出合い映画の世界へ。82年の『英国式庭園殺人事件』で世界的に注目され、以降独特な世界観をもった映画作家として活躍している。主な作品に『数に溺れて』、『コックと泥棒、その妻と愛人』、『ピーター・グリーナウェイの枕草子』、『レンブラントの夜警』などがある。2014年に英国映画界への貢献を称えられ第67回英国アカデミー賞英国映画貢献賞を受賞。

作品紹介

プロスペローの本
※2011年にHDリマスターされたものを編集無しのオリジナル版で劇場初上映 

1991年│イギリス・フランス・イタリア│英語│カラー│ヨーロピアンビスタ│2.0ch│126分│原題:Prospero’s Book
監督:ピーター・グリーナウェイ/音楽:マイケル・ナイマン/衣裳:ワダエミ
出演:ジョン・ギールグッド、マイケル・クラーク、ミシェル・ブラン、エルランド・ヨセフソン他

シェイクスピアの戯曲テンペストを原案に、24冊の魔法の書を手に入れた男による復讐劇衣裳は日本を代表するデザイナーのワダエミ

ミラノ大公プロスペローは、ナポリ王アロンゾ―と共謀した弟アントーニオに国を追われ、娘のミランダと共に絶海の孤島に幽閉される。アロンゾ―への復讐を片時も忘れなかったプロスペローは友人ゴンザーローから譲り受けた24冊の魔法の書を読み解いて強大な力を身に着け、島にいる悪魔の力を持つ怪物キャリバンや妖精エアリエルを操り、魔法の力で復讐を実行する。

数に溺れて4Kリマスター
※2022年に4Kリマスターされたものを編集無しのオリジナル版で初上映 

Ⓒ1988 Allarts/Drowing by Numbers BV

1988年│イギリス│英語│カラー│ヨーロピアンビスタ│2.0ch│118分│原題:Drowing by Numbers 監督:ピーター・グリーナウェイ 音楽:マイケル・ナイマン 出演:ジョーン・プロ―ライト、ジュリエット・スティーヴンソン、ジョエリー・リチャードソン、バーナード・ヒル他

同じシシーという名前を持つ3人の女性による殺人を描いたサスペンス。第41回カンヌ映画祭芸術貢献賞受賞

英国サフォーク州の水辺に暮らす同姓同名の3人の女性シシー・コルピッツたちは、愛の冷めてしまった夫をそれぞれで殺そうとする。1人目のシシーは若い女と浮気している夫を湯に沈め、2人目のシシーは自分に関心のない夫を海で溺れさせ、3人目のシシーは、新婚早々熱が冷めた夫をプールで溺れさせた。検視官のマジェットは3人から一連の出来事を全て事故死として処理するように脅されるが…。

ZOO
※2000年初期にHDリマスターされたものを編集無しのオリジナル版で劇場初上映 

Ⓒ1985 Allarts Enterprises BV and British Film Institute.

1985│イギリス│英語│カラー│ヨーロピアンビスタ│2.0ch│116分│原題:A Zed & Two Noughts 監督:ピーター・グリーナウェイ 音楽:マイケル・ナイマン 出演:アンドレア・フェレオル、ブライアン・ディーコン、エリック・ディーコン他

腐敗していく動物の死骸に捉われた双子の兄弟を描いたトラウマ級の衝撃作

オランダ・ロッテルダムの動物園で働く双子の動物学者オズワルドとオリヴァーは交通事故で同時に妻を亡くし、車を運転していた女性アルバは一命をとりとめるが片足を失う。事故後、オズワルドとオリヴァーは何かに憑かれたように動物の死骸が腐敗していく過程を映像に記録する事に没頭する。やがて2人はアルバと親しくなり、アルバも2人に好意を抱き始める。

英国式庭園殺人事件4Kリマスター
※2022年に4Kリマスターされたものを編集無しのオリジナル版で初上映 

Ⓒ1982 Peter Greenaway and British Film Institute.

1982│イギリス│英語│カラー│ヨーロピアンビスタ│モノラル│107分│原題:The Draughtsman’s 監督:ピーター・グリーナウェイ 音楽:マイケル・ナイマン 出演:アントニー・ビギンズ、ジャネット・スーズマン、ルイーズ・ランバート、ニール・カニンガム他 Contract

主人を殺したのは誰?屋敷の庭を描いた画家の12枚の絵の中に浮かび上がる、完全犯罪の謎。ピーター・グリーナウェイの名を有名にした初期の傑作ミステリー!

17世紀末、画家ネヴィルは英国南部ウィルトシャーにあるハーバート家の屋敷へ招かれる。主人のハーバート氏は不在で、代わりに出迎えた夫人のヴァージニアは、夫が戻るまでに屋敷の絵を12枚完成させること、報酬は一枚8ポンドに寝食の保証、そして夫人はネヴィルの快楽の要求に応じると言い、契約を結ぶ。ネヴィルは絵を描き始めるが、描こうとする構図の中に誰かがハーバート氏のシャツ、裂かれた上着等、何かを暗示するような物を紛れ込ませようとする。

4/20(土)~

かづゑ的

かづゑ的

©︎Office Kumagai 2023

2023年/日本/119分/配給:オフィス熊谷
監督:熊谷博子
ナレーション:斉藤とも子
撮影:中島広城
録音:奥井義哉
編集:大橋富代
音楽:黒田京子

公式ホームページ

「私、みんな受けとめて、逃げなかった。」
10歳からハンセン病療養所で生きる 宮﨑かづゑさんの、長い道。

瀬戸内海にある国立ハンセン病療養所、長島愛生園。宮﨑かづゑさんは10歳で入所してから約80年、ずっとこの島で生きてきた。病気の影響で手の指や足を切断、視力もほとんど残っていない。それでも、買い物や料理など周囲の手を借りながらも自分で行う。
「本当のらい患者の感情、飾っていない患者生活を残したいんです。らいだけに負けてなんかいませんよ」と力強く語るかづゑさん。患者同士のいじめに遭い、つらかった子ども時代。家族の愛情と、たくさんの愛読書が、絶望の淵から引き上げてくれた。そして夫の孝行さんと出会い、海沿いの夫婦寮で自然とともに暮らしてきた。
かづゑさんはいつも新しいことに挑戦している。そしてどこか可愛いらしい。76歳のときにパソコンを覚え、84歳になって初の著作となる『長い道』(みすず書房)を出版。類まれな表現力で日常を瑞々しく綴り、版を重ねている。
90歳も半ばになったかづゑさんは言う、「できるんよ、やろうと思えば。」

熊谷博子監督メッセージ

宮﨑かづゑさんは、私が初めて会ったハンセン病の元患者さん(回復者)でした。 信頼する知人に、会わせたい人がいるからと、半ば強引に長島愛生園に連れていかれました。10歳からハンセン病療養所で生活している、という人に。その日々の暮らしを描いた著書「長い道」を会う前に読み、大変心をうたれました。かづゑさんの部屋で話しながら、この人生を撮って残しておかねばと心に決め、2016年から愛生園に通い始めました。それから8年間、私たちはカメラとマイクを携えて、かづゑさんの人生に伴走することになりました。この映画はハンセン病を背景にしていますが、決してハンセン病だけの映画ではありません。人間にとって普遍的なことを描いたつもりです。


かづゑ的 かづゑ的 かづゑ的

4/27(土)~

すべて、至るところにある

すべて、至るところにある

© cinemadrifters

2023年/88分/日本/宣伝デザイン:阿部宏史/配給:Cinema Drifters/宣伝:大福
監督・プロデューサー・脚本・編集:リム・カーワイ
撮影:ヴラダン・イリチュコヴィッチ
録音・サウンドデザイン:ボリス・スーラン
音楽:石川潤
出演:アデラ・ソー(蘇嘉慧)、尚玄、イン・ジアン(蔣瑩)

公式ホームページ

旧ユーゴスラビアの巨大建造物を背景に、現実と虚構を行き来するラブサスペンス!

エヴァは旅先のバルカン半島で、映画監督のジェイと出会う。その後、パンデミックと戦争が世界を襲う。ジェイはエヴァにメッセージを残し、姿を消してしまう。エヴァはジェイを探しに再びバルカン半島を訪れ、かつてエヴァが出演した映画が『いつか、どこかで』というタイトルで完成していたことを知る。セルビア、北マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナでジェイを探す中で、エヴァはジェイの過去と秘密を知ることになり…。

パンデミック、戦争、混沌とした現代に問いかけるサイバーパンクな叙事詩──

大阪を拠点に、香港、中国、バルカン半島などで映画を製作し、どこにも属さず彷徨う“シネマドリフター(映画流れ者)”を自称する映画監督リム・カーワイ。未知の場所をひとりで訪ね、その場所の人々と出会い、その土地の、その瞬間を切り取っていく前代未聞の制作スタイルの原点になったのが、バルカン半島だ。『すべて、至るところにある』は、リム監督の『どこでもない、ここしかない』(2018)、『いつか、どこかで』(2019)に続くバルカン半島3部作の完結編である。

ある映画監督の消息を訪ねてバルカン半島を旅する主人公エヴァ役に、『いつか、どこかで』の主役で2013年度ミスマカオのアデラ・ソー。エヴァをバルカン半島に再び呼び寄せるきっかけを作る、映画監督ジェイ役に、『COME & GO カム・アンド・ゴー』(2020)『あなたの微笑み』(2021)にも出演する、リム・カーワイ作品に欠かせない存在となっている尚玄。 劇中の重要なキーアイテムとなるのは、リム監督がバルカン半島で撮影した、『どこでもない、ここしかない』と、アデラ・ソーが主演した映画『いつか、どこかで』だ。なんとジェイがエヴァを主役に撮影した映画として登場する。『どこでもない、ここしかない』に出演したトルコ人のフェルディがジェイの友人として登場し、ジェイとの思い出を語りだすなど、バルカン半島3部作が絡み合い、現実と虚構が混ざり異空間にいざなわれていく。

本作は2020年に撮影されるはずであったが、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックによりストップしてしまった。リム監督は、パンデミック、戦争という全世界が体験した未曾有の現実の中で感じた孤独を、映画監督のジェイに投影し、バルカン半島3部作の完結編を完成させた。


すべて、至るところにある すべて、至るところにある すべて、至るところにある

4/27(土)~

映画 ◯月◯日、区長になる女。

映画 ◯月◯日、区長になる女。

©️2024 映画 ◯月◯日、区長になる女。製作委員会

2024年/日本/110分/配給:映画 ◯月◯日、区長になる女。製作委員会
監督:ペヤンヌマキ
プロデューサー:松尾雅人
音楽:黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)、向島ゆり子、ブランシャー明日香
主題歌:『黒猫同盟のミュニシパリズム』
作詞・作曲:ブランシャー明日香
歌唱・編曲:黒猫同盟
出演:杉並区民のみなさま

公式ホームページ

市民選挙の裏側を「自分ごと」として、カメラで捉えた草の根ドキュメンタリーが完成。

東京都杉並区。57万人が暮らす緑豊かな街で、行政主導の再開発、道路拡張、施設再編計画が進んでいた。そんな状況のなか迎えた2022年6月の杉並区長選挙。住民たちは、ひとりの候補者を擁立する。ヨーロッパに暮らし、NGO職員として世界の自治体における「公共の再生」を調査してきた岸本聡子だ。地縁なし、政治経験なしの彼女の相手は3期12年続く現職区長。しかも岸本が日本に帰国したのは投票日2ヶ月前。ここから岸本と彼女を擁立した住民との当選を目指しての本気の対話が始まる。

監督は杉並区在住の劇作家・演出家ぺヤンヌマキ。彼女が長年住むアパートが道路拡張計画により立ち退きの危機にあることを知り、止める方法を自身で調べ動き始めたのが本作制作のきっかけです。監督自身が地域問題の当事者となり、今まで無縁の世界だった選挙、政治の世界へカメラ片手に飛び込み、住民たちと連携し、学び悩む記録でもあり、それ以上に候補者と支援者たちと悩み考えぶつかりながら、合意形成のため対話を積み重ねていくリアルなやり取りが数多く記録されています。「この選挙方法で良いのか?」「住民要求とは?」「政策とは?」「そもそも公共とは?」
本作主題歌は、杉並区民が作った応援歌『ミュニシパリズム』を、黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)がカバーした『黒猫同盟のミュニシパリズム』。「ミュニシパリズム」とは、地域に根付いた自治的な民主主義や合意形成を重視する考え方で、本作の重要なテーマとなっています。そして選挙後に起こった動きに、新たな光を感じます。
私たちの生活は、政治と繋がっている、もう黙っていられない。◯月◯日、次はあなたかもしれない。


区長になる女 区長になる女 区長になる女

5/3(金)~

悪は存在しない

悪は存在しない

© 2023 NEOPA / Fictive

2023年/106分/日本/配給:Incline/配給協力:コピアポア・フィルム
監督・脚本:濱口竜介
音楽:石橋英子
撮影:北川喜雄
美術:布部雅人
出演:大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁、菊池葉月、三浦博之、鳥井雄人、山村崇子、長尾卓磨、宮田佳典、田村泰二郎

公式ホームページ

『ドライブ・マイ・カー』から3年――
監督:濱口竜介 × 音楽:石橋英子 の新たな試みに世界が騒然。

きっかけは、石橋から濱口への映像制作のオファーだった。『ドライブ・マイ・カー』(21)で意気投合したふたりは試行錯誤のやりとりをかさね、濱口は「従来の制作手法でまずはひとつの映画を完成させ、そこから依頼されたライブパフォーマンス用映像を生み出す」ことを決断。そうして石橋のライブ用サイレント映像『GIFT』と共に誕生したのが、長編映画『悪は存在しない』である。自由に、まるでセッションのように作られた本作。濱口が「初めての経験だった」と語る映画と音楽の旅は、やがて本人たちの想像をも超えた景色へとたどり着いた。
第80回ヴェネチア国際映画祭では銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞、濱口に世界3大映画祭制覇の快挙をもたらしたのち、各国での上映や映画祭へと広がり、世界中から絶賛の声が止まない。
主演に、当初はスタッフとして参加していた大美賀均を抜擢。新人ながら鮮烈な印象を残す西川玲、物語のキーパーソンとして重要な役割を果たす人物に小坂竜士と渋谷采郁らが脇を固める。
穏やかな世界から息をのむクライマックスまでの没入感。途方もない余韻に包まれ、観る者誰もが無関係でいられなくなる魔法のような傑作が誕生した。

これは、君の話になる――
観る者誰もが無関係でいられない、心を揺さぶる物語

長野県、水挽町(みずびきちょう)。自然が豊かな高原に位置し、東京からも近く、移住者は増加傾向でごく緩やかに発展している。代々そこで暮らす巧(大美賀均)とその娘・花(西川玲)の暮らしは、水を汲み、薪を割るような、自然に囲まれた慎ましいものだ。しかしある日、彼らの住む近くにグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりを受けた芸能事務所が政府からの補助金を得て計画したものだったが、森の環境や町の水源を汚しかねないずさんな計画に町内は動揺し、その余波は巧たちの生活にも及んでいく。

*第80回 ヴェネチア国際映画祭 銀獅⼦賞(審査員グランプリ)、 国際批評家連盟賞
*第67回 BFIロンドン映画祭 最優秀作品賞
*第16回 アジア太平洋映画賞 審査員特別賞
*第15回 ウランバートル国際映画祭 観客賞
*第28回 ケララ国際映画祭 最優秀作品賞


悪は存在しない 悪は存在しない 悪は存在しない

5/3(金)~

無名

無名

Copyright2023© Bona Film Group Company Limited All Rights Reserved

2023年/中国/131分/配給:アンプラグド
監督:チェン・アル
出演:トニー・レオン、ワン・イーボー、ホアン・レイ 森博之 チャン・ジンイー ジョウ・シュン
字幕:渡邉一治

公式ホームページ

【前売券】ムビチケカード第1弾、第2弾2種、各 1,500円(税込)を当館受付にて発売中!特典:特製ポストカードをプレゼント!

2大スター競演!映像美に浸るスパイ・ノワール
トニー・レオン VS ワン・イーボー
信じるか、裏切るか。究極の心理戦

二次世界大戦下の上海を舞台に、中国共産党、国民党、日本軍の間で繰り広げられる名もなきスパイたちによる一進一退の攻防戦を描いたスパイ・ノワール。
主演は、『花様年華』(00/ウォン・カーウァイ監督)で第53回カンヌ国際映画祭 最優秀主演男優賞を受賞し、近年は『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(21)への出演で若い世代からも注目を集めている香港スター、トニー・レオン。そして、もう一人の主役として出演するのは、中韓合同ユニット「UNIQ」のメンバーとしてデビュー、さらに俳優としてTVドラマ「陳情令」(19)でブレイクし、いま中国で最も注目を集める若手俳優のワン・イーボー。本作でついに映画初主演の座をつかみ、次々と主演作が公開され、第20回映画チャンネル メディア大賞にて、主演2作目となった『長空之王』(23)と共に主演男優賞を受賞している。スタント無しで取り組んだ迫真のアクションで対決シーンを演じた二人の圧倒的な緊張感と比類なき美しさに目を奪われる。
監督は、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海』(16)を手掛けたチェン・アル。本作では、脚本と編集も担当し、わずか長編4作目にして手がけたこの脚本にトニー・レオンも惚れ込み出演を決めた。
そして、去年の11月に行われた、中国映画界最高の賞とされる第36回中国映画金鶏賞にて作品賞、主演俳優賞を始め8部門にノミネート。今回が、映画初出演となったワン・イーボーは、助演男優賞にノミネートされた。そして、トニー・レオンが主演俳優賞、チェン・アル監督が監督賞と編集賞の3冠受賞へと輝いた。

スパイ同士がしのぎを削る心理戦の応酬。信頼と裏切りの果てに待つものとは……。激動の時代を背景に描く、麗しくも哀しき宿命のドラマがいま、始まる。


無名 無名 無名

5/11(土)~

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター

ⓒ1992 JAN CHAPMAN PRODUCTIONS&CIBY 2000

1993年/オーストラリア・ニュージーランド・フランス/英語/121分/提供:カルチュア・エンタテインメント/配給:カルチュア・パブリッシャーズ
原題:The Piano
監督・脚本:ジェーン・カンピオン
音楽:マイケル・ナイマン
出演:ホリー・ハンター、ハーベイ・カイテル、サム・ニール、アンナ・パキン
※当館での上映は2K版

公式ホームページ

レッスンと引き換えに手に入れたのは、世界にひとりだけの「私」。
「私」らしくありのままに生きようとするヒロイン像の原点が観る者の魂の深奥を激しく揺さぶる物語

19世紀半ば、ニュージーランドの孤島。エイダ(ホリー・ハンター)は父親の決めた相手と結婚するために、娘のフロラ(アンナ・パキン)と1台のピアノと共にスコットランドからやって来る。「6歳で話すことをやめた」エイダにとって、ピアノは声の代わりだった。ところが、夫になるスチュアート(サム・ニール)はピアノを重すぎると海辺に置き去りにし、先住民との通訳を務めるベインズ(ハーヴェイ・カイテル)の土地と交換してしまう。エイダに惹かれたベインズは、ピアノ1回のレッスンにつき鍵盤を1つ返すと提案する。渋々受け入れるエイダだったが、レッスンを重ねるうちに彼女も思わぬ感情を抱き始める――

レッスンジェーン・カンピオン監督の不朽の名作が30年の時を超えて4Kの美しい映像で蘇る

1993年、ジェーン・カンピオンの名前が一夜で映画史に劇的に刻まれた。ヴィム・ヴェンダース、ケン・ローチ、マイク・リー、ホウ・シャオシェン、スティーヴン・ソダーバーグと錚々たる巨匠&奇才の新作が競い合うカンヌ国際映画祭のコンペティションで、女性監督初のパルム・ドール受賞を成し遂げたのだ。2021年には『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でアカデミー賞監督賞に輝いたカンピオンの最高傑作『ピアノ・レッスン』が今、4K映像によって繊細かつ壮麗に蘇る。
ホリー・ハンターが演じた主人公のエイダは、近年大きな共感を呼んでいる、抑圧や生きづらさから解き放たれ、ありのままの自分を肯定し「私」らしい生き方と幸せを探すヒロイン像の原点。本作で名声を得たマイケル・ナイマンによる、秘めた情熱が香り立つ哀切なピアノ曲「楽しみを希(こいねが)う心」、エイダの激しい想いと彼女が自ら切り開く運命の物語が、観る者の心に永遠に刻まれる、感動を超越した映像体験。


ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター

5/18(土)~

走れない人の走り方

走れない人の走り方

©2023 東京藝術大学大学院映像研究科

2023年/82分/宣伝協力:平井万里子/配給:イハフィルムズ
監督:蘇鈺淳
脚本:上原哲也、石井夏実
プロデューサー:黄申知、大槻美夢、小池悠補
撮影:齊藤夏寛
照明:織田知樹
美術:茅蘅
サウンドデザイン:城野直樹
録音:浪瀬駿太
編集:張馨予
音楽:スカンク/SKANK
出演:山本奈衣瑠、早織、磯田龍生、BEBE、服部竜三郎、五十嵐諒、荒木知佳、村上由規乃、谷仲恵輔、綾乃彩、福山香温、齊藤由衣、窪瀬環、平吹正名、諏訪敦彦

公式ホームページ

私はどこだ。
前はどっちだ。

ロードムービーを撮りたい映画監督の小島桐子。だが、理想の映画づくりとは裏腹に、予算は限られ、キャスティングは難航するなど、問題は山積みだ。
ある日桐子は、プロデューサーの滝本千夏に内緒でロケハンに向かうが、その途中で車が故障。さらにその夜に飼い猫が家から逃げ出した上、妊娠中の同居人が産気づく。様々なトラブルに見舞われ動揺した桐子は、翌朝の大切なメインキャストの打合せを反故にしてしまう。キャストが決まらず車を直す金もない中で、撮影を実現させるための方法を模索する桐子は、あるアイデアを思いつく――。

PFFアワード2021審査員特別賞(『豚とふたりのコインランドリー』)の蘇鈺淳(スーユチュン)監督による初長編作品『走れない人の走り方』。新人映画監督として葛藤する主人公・キリコ役に、モデルとしての活動だけでなく『猫は逃げた』以降俳優としての活躍も目覚ましい山本奈衣瑠。プロデューサー役に『辻占恋慕』などの早織、カメラマン役に磯田龍生、キリコの同居人役にBEBE、制作部役に服部竜三郎など多彩なキャストが脇を固めているほか、キリコの映画に出演する俳優役として五十嵐諒、荒木知佳、村上由規乃、キリコの父親役に谷仲恵輔、そして蘇監督の恩師でもある諏訪敦彦がチャーミングな役どころで出演を果たしている。2023年3月に実施されたユーロスペースでの修了展での上映が全回満席となるなど好評を博し、2024年3月に開催される第19回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門への出品も決定した本作。悩みながらも理想の映画を追い求め、奔走する主人公はもちろん、映画に関わるあらゆる登場人物たちの切実さとおかしみが切り取られた一編となっている。


走れない人の走り方 走れない人の走り方 走れない人の走り方

5/18(土)~1週間限定

あずきと雨

あずきと雨

©2023 BOTA Inc.

2023 年/日本/70 分/配給:BOTA
監督:隈元博樹
脚本:久保寺晃一
プロデューサー:永山正史、隈元博樹
撮影:神野誉晃
編集:冨永圭祐
音楽:重盛康平
出演:加藤紗希、嶺豪一、秋枝一愛、望月綾乃、篠田諒、宮本行、立川らく人

公式ホームページ

わかっていたけど、わかりあえなかった
――そんな些細で、ささやかな二日間のはなし。

別れても未だに同棲を続けているノブとユキ。ノブは今日も、大好きな“ あずきアイス” が生産中止になることを阻止するため、生産会社へ抗議の手紙を書き続けている。ユキはそんなノブにあきれつつ同居を続けているが、ある日、恋人ができたことを彼に告げ、家を出て行くように促す。そこへひょんなことから家出少女のリコがやってきて…。
そんな三人の二日間の“ 小さなできごと” を通じて、繊細に揺れ動く男女の交流を丁寧に掬い上げた本作。監督はこれが長編初となる隈元博樹。脚本・久保寺晃一のオリジナルシナリオに惚れ込み映画化へ乗り出した。

主人公・ユキを演じたのは昨今俳優だけでなく『距ててて』など監督としての活躍も著しい加藤紗希。リコは『天然☆生活』で映画デビューを果たした秋枝一愛、ユキの同僚・カナコは演劇集団ロロを中心に活動する望月綾乃が演じ、篠田諒、宮本行、立川らく人など個性に富んだ俳優陣が脇を固めている。そして印象的な存在感を放つノブを演じたのは、主演作『風のゆくえ』『almost people』が立て続けに公開されるなど、今後の活躍から目が離せない嶺豪一。『あずきと雨』のふたつの“ 粒” が紡ぎ出す、ちょっと切なく明日を彩る、瑞々しい作品が誕生した。


あずきと雨 あずきと雨 あずきと雨

5/18(土)~1週間限定

光る鯨

光る鯨

©️studio solars

2023年/日本/127分/製作・配給・宣伝:studio solars
監督・脚本:森田博之
撮影:上川雄介
照明:大西辰弥
録音:濱田耕司 望月亮佑 三塚俊輔
出演:関口蒼、佐野日菜汰、古矢航之介、中神円、瀧石涼葉、小吹奈合緒、西巻大翔、下鳥時穏、田中里念、宮本行、渡辺力、ミネオショウ、山口友和、水沢朋美、影山祐子、桐生コウジ

公式ホームページ

一冊の小説をめぐるSFヒューマンストーリー

元TEMPURA KIDZの関口蒼が主人公・イト役で映画初主演。イトの幼馴染み・はかるを『明ける夜に』の佐野日菜汰、イトの姉・冬海を『空の瞳とカタツムリ』の中神円、謎多き女子高生・直子を瀧石涼葉、カフェのマスターを『馬の骨』の桐生コウジが演じている。ほかに古矢航之介、山口友和、水沢朋美、宮本行らが出演。監督は『ラストラブレター』でヒューマノイドによるSFラブストーリーを描いた森田博之。同作に主演した影山祐子(『さすらいのボンボンキャンディ』)、ミネオショウ(『MAD CATS』)も存在感あるキャラクターで登場する。

深夜2時の“異世界エレベーター”に乗って彼女が降り立った先はパラレルワールドだったー

幼少期に両親を亡くした23歳のコンビニ店員、志村イトは姉と二人で暮らしている。 幼馴染の新進作家、高島はかると音信不通となり数ヶ月が過ぎていた。 イトは彼への密かな想いを断ち切ることが出来ず、 かつて家族で暮らした高層団地へと向かう。はかるの処女作「光る鯨」を手に古いエレベーターに乗り込むと、上昇と下降を繰り返す。彼女の記憶は深く深く潜っていく。深夜2時、誰もいない11階に止まった時、ついに《異世界エレベーター》が発動する。イトはいなくなった人に会える世界=パラレルワールドへと足を踏み入れるー。


光る鯨 光る鯨 光る鯨

5/25(土)~1週間限定

青すぎる、青

青すぎる、青

©2023「青すぎる、青」製作委員会

2023年/日本/103分/配給・宣伝:アイエス・フィールド
原案・監督:今関あきよし
脚本:小林弘利
音楽・MA:種子田博邦
エグゼクティブ・プロデューサー:嶋田豪、肥後潮一郎
プロデューサー:星野晴美、西田建一
撮影・編集・VFX:三本木久城(JSC)
出演:上大迫祐希、原愛音、肥後遼太郎、松元裕樹、まっぴーさくらじま、森優稀、三浦結愛、穂原康博、新名真郎、田中千枝子、逢澤みちる、窪塚俊介、佐伯日菜子

公式ホームページ

その涙の先に、きっとわたしは私をみつける

唯一の家族だった父親を亡くし、心に穴があいたままの美巳。父の代わりに店を切り盛りする為にやって来た伯母・嘉子との向き合い方もわからず、訳もなく当たり散らしてばかり。目前に控えた美大の卒業制作も手を付けられず自分を見失いそうになっていた。 親友の希良は、何事も前向きな性格ながらも、そんな自分自身を持て余している。 美巳との向き合い方がうまくいかない嘉子もまた人には言えない深い秘密を抱えていた…。 そんな美巳に不可思議な変化が起こり始める。見えないはずのモノが見え、聴こえないはずの声が聴こえるようになってしまう…。

監督はウクライナ、ロシア、台湾など様々な国で現地の人々と向き合い、美しい風景を映像に閉じ込め、その地域ならではの人間模様を独特な感性で描き続けることで注目される今関あきよし。彼が次に見つけた美しい風景は、日本・鹿児島。
大林宣彦監督に師事し、大林イズムを継承する彼が、紡ぎだしたのは大人のためのファンタジー。脚本家に『江ノ島プリズム』の小林弘利、撮影は今関と何度もタッグを組み、自身も大林作品の参加経験を持つ三本木久城が参加。壮大な桜島を背景に、昔ながらの懐かしい風景と近代建物が共存する町、鹿児島市を中心にその美しい風景の中で繰り広げられる、心はぐれたあなたの心に寄り添う優しい物語が誕生した。


青すぎる、青 青すぎる、青 青すぎる、青

5/25(土)~

若武者

若武者

Copyright 2023 “若武者” New Counter Films LLC. ALL RIGHTS RESERVED

2024年/⽇本/103分/製作:コギトワークス、U-NEXT/制作プロダクション・配給:コギトワークス
監督・脚本:⼆ノ宮隆太郎
エグゼクティブ・プロデューサー:堤 天心、関 友彦
プロデューサー:鈴木徳至
撮影:岩永 洋
録音・整音・効果:松野 泉
美術:福島奈央花
出演:坂東龍汰、髙橋里恩、清水尚弥、木越明、冴木柚葉、大友律、坂口征夫、宮下今日子、純乃あみ、土屋陽翔、新名基浩、小林リュージュ、須森隆文、島津志織、大河内健太郎、五頭岳夫、矢野陽子、矢島康美、木野花、豊原功補、岩松了

公式ホームページ

北野武監督・是枝裕和監督とともにカンヌ国際映画祭に正式出品された⼆ノ宮隆太郎監督の最新作。
〝人間の生き様に独自の視点から光を当てる新たな映画〟

工場に勤める寡黙な渉、飲食店員の血の気の多い英治、介護士の一見温厚そうに見える光則は、互いに幼馴染の若者である。
「不幸はドラマになるからよ」ある晩秋の昼下がり、3人は首切り地蔵が見下ろす墓地を目指して歩いていく。そこには数年前に事故で亡くなった4人目の幼馴染が眠っていた。「嫌気、恐れ、怒り、悲しみ。その全てのドラマを”楽しみ”に変えて生きていけたら、そんなことできたら、最高の人生になると思えねえ?」「革命だよ。革命。革命起こそうぜ」
そうして彼らは”世直し”と称して街の人間たちの些細な違反や差別に対して無軌道に牙を剥いていく。その”世直し”は、徐々に”暴力”へと変化してしまうのだった。これは、寄る辺ない日常の中で、人生への疑問を問い続けながら、未来に抵抗する若者たちの物語。

前作『逃げきれた夢』が北野武監督『首』、是枝裕和監督『怪物』とともに、日本の長編映画として2023年第76回カンヌ国際映画祭に正式出品された、二ノ宮隆太郎監督。カンヌ映画祭上映会場では満席の観客が喝采を送った。世界中で新作が待ち望まれる二ノ宮隆太郎が監督・脚本を手掛けた最新映画が本作『若武者』だ。
二ノ宮隆太郎監督は一貫して、普遍的な日常を鮮やかなリアリズムで描き出している。本作はそのリアリズムを武器に、独特の言語表現の応酬と予測不能な展開で新境地を描き出した。
本作では、二ノ宮監督が幼馴染である三人の若者を描写している。渉は無表情ながら、義父に対する深い憎しみを秘めている。英治は居酒屋で働きながら、他人の負の感情に愉悦を覚える傾向がある。光則は介護職員として真面目に働きながら、周囲を鈍い視線で見つめている。
彼らは会話の中で「この世の人間」という言葉を頻繁に使用する。まるで自分が彼岸の人間のように。しかし実際は、自分も「この世」に包含され影響され、影響を与えていることを恐れながら深く考察しているのだ。


若武者 若武者 若武者

6/1(土)~

ボンゴマン ジミー・クリフ デジタルリマスター

ボンゴマン

© 2022 Stefan Paul All Rights Reserved

1981年/ジャマイカ・ドイツ/英語/93分/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム
原題:Bongo Man
監督:ステファン・ポール
編集:ヒルデガルト・シュレーダー
撮影監督:マイク・コンデ、ウド・ヒッツラー、ハインツ・レクサー、ヘリベルト・シュースター
出演:ジミー・クリフ、ナディーン・サザーランド、ムタバルーカ、バーバラ・ジョーンズ、ミリアム・マケバ、ボブ・マーリー

公式ホームページ

沸き踊る情熱のリズム、永遠なる魂の歌声。
キース・リチャーズ、ジョー・ストラマー、マッドネス、ランシド・・・ ロックレジェンド・パンクスからも愛される、不滅のレゲエヒーロー!

パトカーのサイレンが鳴り響き、燃えさかる街並みを前に「欲をかくものは、全てを失う」と高らかとアジテートするジミー・クリフ。映画は、二大政党JLPとPNPによる激しい抗争の最中、混沌とした熱気に包まれるジャマイカの風景からはじまる。1980年、故郷サマートンでのフリーライブ。丘を重機でならし、ステージを一から作る、ボランティアによる手作りのライブだ。地元愛に溢れた素晴らしい演奏を聴かせてくれる。そして南アフリカのソウェト、ドイツのハンブルグと続くツアーにクルーが密着。16ミリフィルムにその熱狂を収めていく。カルト的人気を得たジミー主演同名映画の大ヒット曲「ザ・ハダー・ゼイ・カム」のほか、日本では車のCM曲で馴染み深い名曲中の名曲「遥かなる河」などセットリストも強力だ。ボブ・マーリーへの敬愛を込めて歌う「ノー・ウーマン・ノー・クライ」も実に美しい。数多くのヒット曲を放つ、ポップなメロディセンスと伸びやかな歌声。そしてキース・リチャーズ、ジョー・ストラマー等々ロック界からも溺愛される反骨精神とドライヴ感。絶頂期ジミー・クリフのパフォーマンスを捉えた傑作音楽ドキュメンタリー。


ボンゴマン ボンゴマン ボンゴマン

近日上映

青春

青春

2023年/フランス=ルクセンブルク=オランダ/215分/配給:ムヴィオラ
監督:ワン・ビン
撮影:前田佳孝、シャン・シャオホイ、ソン・ヤン、リウ・シェンホイ、ディン・ビーハン、ワン・ビン
編集:ドミニク・オーヴレイ、シュー・ビンユエン、リヨ・ゴン
字幕:磯尚太郎

公式ホームページ

これは、アクション映画で、恋愛映画で、経済の映画で、そして何より青春映画
ワン・ビンの視線が一つの世代全体の運命を浮かび上がらせる

上海を中心に大河・長江の下流一帯に広がる、長江デルタ地域。ここだけで日本のGDPをはるかに上回る大経済地域だ。しかし、映画が描くのは、長江デルタの大企業でも大工場でもない。織里という町の小さな衣料品工場で働く10代後半から20代の若い世代の労働と日常だ。世界は彼らに注目しない。しかし、そこには驚くほどにみずみずしい青春がある。

猛烈なスピードでミシンをかける姿はアクション映画で、振り付けられたダンスのよう。恋愛をめぐる駆け引きはボーイ・ミーツ・ガール。あちこちで起こる言い争いは、暴力への沸点をはらむ。5元をめぐる経営者とのささやかな攻防。彼らがここで生きていることを徹底的に肯定し、それぞれの人物を注意深く見つめ、共感を寄せること。ワン・ビンの視線は、やがて中国という巨大な国に生きる一つの世代全体の運命を浮かび上がらせる。様々な題材に取り組んできたワン・ビンが、初めて若者にフォーカスした必見のドキュメンタリー体験。


青春 青春 青春

公開日未定

クローズ・アップ

© 1990 Farabi Cinema

1990年/イラン/98分/配給:ノーム、東風
原題:CLOSE-UP
監督・脚本・編集:アッバス・キアロスタミ
撮影:アリ=レザ・ザリンダスト
出演:ホセイン・サブジアン、ハッサン・ファラーズマンド、アボルファズル・アーハンハー、メフルダード・アーハンハー、モフセン・マフマルバフ

公式ホームページ

J・L・ゴダールに、「映画はグリフィスに始まりキアロスタミで終わる」と言わしめたアッバス・キアロスタミ監督、魔法的大傑作!

『友だちのうちはどこ?』やカンヌでパルムドールを受賞した『桜桃の味』などで知られる巨匠アッバス・キアロスタミ。その美しく独創的なフィルモグラフィにおいてもひときわ異彩を放ち、いまなお数多くのシネアストを魔法のように魅了し続けている本作『クローズ・アップ』。 ある男が映画監督のモフセン・マフマルバフになりすまし、裕福な一家を騙したという詐欺事件を知ったキアロスタミ監督は、すぐに裁判所を訪れ、その公判の模様をカメラに収めることに成功する。さらに、事件に至る過程を当事者たち自身に演じさせて再現することで、事の次第を明らかにしていく。ドキュメンタリーと再現、虚構と現実を精巧に織り上げていった果てに、ついに映画は詐欺容疑で逮捕された青年の心の奥に秘められた真実を探り当てる。めくるめくサスペンスと不意打ちをくらわされたような衝撃的な感動。時代を超えても色褪せない稀代の大傑作が、HDリマスター版でスクリーンに甦る!

嘘からはじまる、本当のはなし

バスで隣に座った婦人から声をかけられた映画青年サブジアン。持っていた映画の本について尋ねられ、思わず自分は本の著者である映画監督のモフセン・マフマルバフだと名乗ってしまう。すんなりとその嘘を信じた婦人は、家族全員が映画好きだと言って彼を家へ招き入れる。嘘に嘘を重ね、一家を架空の映画製作に巻き込んだサブジアンは、ついには詐欺罪で逮捕されてしまう。そして迎えた判決の時、サブジアンが明かす真実とは…。


クローズ・アップ クローズ・アップ クローズ・アップ
シネマリンインスタグラム