立ち去った女
第73回 ベネチア国際映画祭 金獅子賞受賞
世界が絶賛する “怪物的映画作家”が、ついに全貌を現す!
“怪物的映画作家”と称され、ベネチア、ベルリン、カンヌをはじめ世界の映画賞を席巻してきたフィリピンの鬼才ラヴ・ディアス。本作は、『ラ・ラ・ランド』『メッセージ』ら華やかな話題作がひしめくなか、ベネチア国際映画祭最高の栄誉に輝いた。前々作『昔のはじまり』でロカルノ国際映画祭金豹賞、2016年2月には『痛ましき謎への子守唄』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞し、ベネチアでついに頂点に登りつめたラヴ・ディアスに、サム・メンデス監督率いる審査員団や批評家、観客たちから満場の拍手が贈られた。
映画『ショーシャンクの空に』の原点ともなったロシアの文豪レフ・トルストイの短編小説に着想を得た人間ドラマ「God Sees the Truth, But Waits(神は真実を見給ふ、されで待ち給ふ)」。フィリピン現代史を背景に、哲学、宗教、寓話、そして豊かな詩情を織り込み、光と闇、善と悪、罪と赦しの間を彷徨う人間の本質をゆっくりと炙り出す。ラヴ・ディアス作品の特徴である、美しくも徹底的な長回しと、蠱惑的なロングショット。圧倒的な映画体験に身をゆだねる、至福の映画体験が待っている。
光と闇、善と悪、罪と赦し。人間の本質を炙り出す、美しき復讐のドラマ。
かつて小学校の教師だったホラシアは、身に覚えのない罪で投獄され、30年の歳月を刑務所で過ごしてきた。ある日、同じ受刑者でホラシアの親友・ペトラが思いがけない告白をする。ホラシアが犯人とされた殺人事件の真犯人はペトラ、そして彼女に殺人を指示し、ホラシアに罪を着せた黒幕は、ホラシアのかつての恋人・ロドリゴだというのだ。ペトラは罪を告白後、自殺した。
釈放されたホラシアは家に戻るが、一家は離散し息子は行方不明、夫はすでに亡くなっていた。家族を失い、人生を壊されたホラシアは、自分を陥れた男ロドリゴを追って復讐の旅に出る。そして彼女の前に現れる、バロット(アヒルの卵)売りの貧しい男、物乞いの女、心と身体に傷を抱える謎の「女」―。
観る者をとりこにする「長尺」の快感。映画的興奮に溺れる3時間48分!
ラヴ・ディアスの作品は、平均で5~6時間、時に10時間を超えるなど、観客の度肝を抜く「長尺」をトレードマークとする。その長さにも関わらず、観客はディアス独特のリズムがもたらす“魔術的魅力”に引き込まれ、メリル・ストリープ、サム・メンデスなどハリウッドの映画人らも巻き込んだ《ラヴ・ディアス中毒》を世界中に増やしてきた。しかし本作は、ラヴ・ディアス作品の中では“異例の短さ”となる3時間48分!ベネチア金獅子賞受賞作にして最高傑作の『立ち去った女』は、ラヴ・ディアス入門編として、映画好きであれば必見の一本!!この愉しみを知ったら、もう普通の長さでは物足りないかもしれない。
*第73回 ベネチア国際映画祭 金獅子賞受賞
上映日時
12/23(土)~12/29(金) | 12/30(土)~1/5(金) ※1/1(日)は休館 |
1/6(土)~1/12(金) |
12:10〜16:05(休憩なし) | 13:45〜17:40(休憩なし) | 18:00〜21:55(休憩なし) |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥2200 | ¥1500 | ¥1200 |
会員 | ¥1800 | ¥1500 | ¥1200 |
※ポイントカードでのご鑑賞及び招待券はご利用いただけません。