『よみがえる声』公開記念 朴壽南監督特集

『よみがえる声』公開記念

朴壽南監督特集

12/13(土)-19(金)

『よみがえる声』公開記念

朴壽南監督特集

12/13(土)-19(金)

沈黙を破る映像作家 朴壽南——
在日朝鮮人の歴史の闇に光を当てた人生の軌跡

広島や長崎で原爆被害を受けた朝鮮人、長崎の軍艦島に連行された徴用工、沖縄戦の朝鮮人元軍属、そして日本軍の「慰安婦」にされた女性たちの声なき物語を撮り続けてきた映像作家・朴壽南。全監督作品を上映することで、その貫かれた正義、その精神、そして偉大な軌跡に迫ります。この機会にぜひご鑑賞ください。

朴壽南 パク・スナム

1935年3月、三重県生まれ。在日朝鮮人2世。1958年、小松川事件の在日朝鮮人2世の少年死刑囚、李珍宇(イ・ジヌ)との往復書簡『罪と死と愛と』で注目を集める。1964年より植民地による強制連行、広島と長崎で被爆した在日朝鮮人一世の声を掘り起こし、証言集を出版。ペンをカメラにかえ、1986年『もうひとつのヒロシマ』初監督、1991年『アリランのうた−オキナワからの証言』、2012年『ぬちがふぅ(命果報)−玉砕場からの証言』、2017年『沈黙−立ち上がる慰安婦』、2025年『よみがえる声』最新作は、娘朴麻衣との初の共同監督。

公式ホームページhttps://nutigafu.wixsite.com/park-soonam

入場料 一般1,600円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円
『よみがえる声』のみ一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円

イベント情報 朴壽南監督・朴麻衣共同監督の登壇
★上映後トークイベント 12/13[土]・14[日]・19[金]各13:40の回
★上映前舞台挨拶 12/14[日]『よみがえる声』16:20の回

上映スケジュール

12/13(土) 12/14(日) 12/15(月) 12/16(火) 12/17(水) 12/18(木) 12/19(金)
沈黙-立ち上がる慰安婦13:40ー15:37
沈黙-立ち上がる慰安婦
上映後トーク
朴壽南監督・朴麻衣共同監督
アリランのうた13:40ー15:20
アリランのうた
上映後トーク
朴壽南監督・朴麻衣共同監督
ぬちがふぅ(命果報)13:40ー16:00
ぬちがふぅ(命果報)
よみがえる声13:40ー16:08
よみがえる声
よみがえる声13:40ー16:15
よみがえる声
もうひとつのヒロシマ13:40ー14:45
もうひとつのヒロシマ
ぬちがふぅ(命果報)13:40ー15:52
ぬちがふぅ(命果報)
上映後トーク
朴壽南監督・朴麻衣共同監督
よみがえる声16:30ー19:00
よみがえる声
よみがえる声16:20ー19:00
よみがえる声
上映前トーク
朴壽南監督・朴麻衣共同監督
よみがえる声16:30ー19:00
よみがえる声
アリランのうた16:15ー17:55
アリランのうた
ぬちがふぅ(命果報)16:30ー18:50
ぬちがふぅ(命果報)
沈黙-立ち上がる慰安婦15:00ー17:00
沈黙-立ち上がる慰安婦
よみがえる声16:50ー19:20
よみがえる声
もうひとつのヒロシマ18:05ー19:03
もうひとつのヒロシマ
アリランのうた17:15ー19:00
アリランのうた

予定表 横にスクロールできます

作品紹介

もうひとつのヒロシマ−アリランのうた

もうひとつのヒロシマ−アリランのうた

©1986朴壽南

1986年/58分/日本語・韓国語/カラー/16ミリ→Blu-ray
監督:朴壽南
撮影:星野欣一
編集:富塚良一
整音:甲藤勇
音楽:原正美
製作:青山企画、アリランのうた製作委員会

*2005年 山形国際ドキュメンタリー映画祭 在日特集
*2013年 被爆者の声をうけつぐ映画祭 正式出品
*2016年 釜山平和映画祭 正式出品

父や母たちは、未曾有の原爆惨禍を証言して、人類の未来を証言する

広島・長崎で十万人ともいわれながら、日本、南北朝鮮の政府からも棄民されてきた朝鮮人の原爆被爆の実態に初めて光をあてた監督第一作。1965年から広島、長崎、筑豊を旅して、南北の分断をこえた朝鮮人被爆者の沈黙を掘り起こし、73年に証言集を発表。85年からペンをカメラに替え、植民地下の強制連行と皇民化教育、差別と原爆障害に苦しむ同胞の声、治療のため来日した在韓被爆者の訴えをすくいとり、日本の反核運動に衝撃を与えた。

アリランのうた−オキナワからの証言

アリランのうた−オキナワからの証言

©1991朴壽南

1991年/100分/日本語・韓国語/カラー/16ミリ→Blu-ray
監督:朴壽南
撮影:大津幸四郎、宮内一徳
編集:富塚良一
整音:甲藤勇
音楽:原正美
製作:アリランのうた製作委員会

*2005年 山形国際ドキュメンタリー映画祭 在日特集
*2022年 ソウル国際女性映画祭 正式出品

私のあるべき場所はどこか。それを捜して、戦後なお隠蔽されてきた歴史の闇へ降りていった

歴史の闇に葬られてきた沖縄戦の朝鮮人「軍属」と「慰安婦」の実相を追う第二作。本作も死者の鎮魂と再生の思いに貫かれる。1989年、朴壽南は沖縄に移住し戦争体験を聞き取り、韓国の元「軍属」や日本兵ら100人以上を取材。慶良間諸島に強制連行された軍属の日本兵による虐殺や「慰安婦」の悲劇を明らかにする。「慰安婦」は「天皇の軍隊による性暴力」と提起した本作は、1990年代、日本の責任を問う韓国の元「慰安婦」の闘いを支えた。

ぬちがふぅ(命果報) -玉砕場からの証言-

ぬちがふぅ(命果報) -玉砕場からの証言-

©2012朴壽南

2012年/132分/日本語・韓国語・沖縄口/カラー/SD→Blu-ray
監督:朴壽南
撮影:大津幸四郎、照屋真治
録音:奥井義哉
編集:上嶋皓之、小俣孝行
音楽:原正美
制作コーディネーター:安井喜雄
助監督:朴麻衣
制作協力:プラネット映画資料図書館
製作:アリランのうた製作委員会

*2013年 第13回山形国際ドキュメンタリー映画祭 特別招待
*2013年 第18回あいち国際女性映画祭 正式出品
*2014年 第5回釜山平和映画祭大賞<夢見る平和賞>受賞
*2015年 CNEX 台北ドキュメンタリー映画祭 正式出品

私たちは恨の道で出会い、ぼう大な沖縄の民衆の「恨」を撮影してきた

沖縄人に強いられた「玉砕」(集団自決)と朝鮮から連行された「慰安婦」「軍属」の真実に迫る第三作。タイトルは命の幸せをかみしめる沖縄の言葉。1945年3月、米軍が上陸した慶良間諸島で日本軍の命令により玉砕の悲劇が起こる。2005年、元戦隊長らが自決命令は出してないと「大江・岩波沖縄戦裁判」を起し、教科書から「軍命」が削除される。真相を追い再び沖縄へ。玉砕訓示を聞いた男性や遺族の新証言を集めた。朝鮮人の「軍属」「慰安婦」と沖縄人の恨(ハン)を27人の証言で描く。

沈黙-立ち上がる慰安婦

沈黙-立ち上がる慰安婦

©2017朴壽南

2017年/117分/日本・韓国/カラー/HD→Blu-ray
監督:朴壽南
撮影:大津幸四郎、ハン・ジョング、チャン・ソンホ 他
編集・プロデューサー:朴麻衣
音楽:ユン・ソンヘ
うた:イ・オクソン
ハングル題字:朴壽南
製作・配給:アリランのうた製作委員会

*2016年 第18回ソウル国際女性映画祭 正式出品
*第9回ソウル老人映画祭 正式出品
*第8回韓国DMZ国際ドキュメンタリー映画祭 特別賞<勇敢な雁賞>

ハルモニたちは半世紀の沈黙を破って、立ち上がった

韓国・忠清北道に暮らす李玉先(イ・オクソン)さん90歳は、17歳で北満州の日本軍慰安所に連行された。半世紀の『沈黙』を破り1994年、14人の仲間と日本政府に謝罪と個人補償を求めて直接交渉を開始した。日本軍の犯罪を証言し名誉と尊厳の回復を訴え3年にわたり再三来日した。2015年、多くの主人公が亡くなった今、日韓両政府が合意した「解決」は当事者の問いに答えているのだろうか―。苦闘を共にした朴壽南が密着記録と李さんの人生をつむぎ、生き証人たちの沈黙を未来に伝える。

よみがえる声

よみがえる声

©2025朴壽南

2025年/148分/日本・韓国/カラー/DCP
監督:朴壽南、朴麻衣(共同監督)
助監督:佐藤千綋
撮影:大津幸四郎、星野欣一、照屋真治、朴麻衣、金稔万、キム・ミョンユン
編集・プロデューサー:朴麻衣、ムン・ジョンヒョン
フィルム復元協力:安井喜雄

*第74回ベルリン国際映画祭フォーラム部門 正式出品
*第28回釜山国際映画祭ドキュメンタリー部門最優秀作品賞
*第16回高円寺ドキュメンタリー映画祭コンペティション部門グランプリ

90歳を迎える映像作家・朴壽南と娘の朴麻衣が共同監督
歴史に埋もれる声なき者たちの物語を刻銘に記録したドキュメンタリー

約40年前から朴壽南が撮り続けていた16mmフィルムを基に制作された。広島や長崎で原爆被害を受けた朝鮮人、長崎の軍艦島に連行された徴用工、沖縄戦の朝鮮人元軍属、そして日本軍の「慰安婦」にされた女性たちの声なき物語を描き出す。時代の波に飲み込まれた記憶や歴史的事実を丹念に掘り起こし、多くの人々が見過ごしてきた真実に光を当てる。それは単なる過去の記録ではなく、私たちがいま直面する課題とも深く結びついている。