10/31(土)~1週間限定
眺めのいい部屋 4K
(c) 1985 A ROOM WITH A VIEW PRODUCTIONS LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
1986年/イギリス/117分/カラー/R15+/配給:ザジフィルムズ
原作:E.M.フォースター
製作:イスマイル・マーチャント
監督:ジェームズ・アイヴォリー
出演:ヘレナ・ボナム=カーター、ジュリアン・サンズ、ダニエル・デイ=ルイス、ルパート・グレイブス、ジュディ・デンチ、マギー・スミス
日本語字幕:小飯塚真知子
入場者プレゼント
ご来場のお客様に、アーマッドティー デカフェ3フレーバーセットをプレゼント!
その日の気分や時間に合わせて、カフェインをコントロール。
安全な製法でカフェインを除去したアーマッドティーのデカフェは、
豊かな香りと本格的な味わいが魅力です。アールグレイ、キャラメル、ストロベリーの3種類を飲み比べて、
気分に寄り添う紅茶時間をお楽しみいただけます。
※数量限定、なくなり次第終了です。
映画史にその名を刻む不朽の名作が、
作品生誕40周年を記念して4Kの美しい映像で甦る…
1987年7月、日本で初公開され大ヒット。90年代ミニシアターブームの先駆けとなった名作『眺めのいい部屋』が作品生誕40周年を記念して4K化、私たちのもとに帰ってくる。
20世紀初頭、イギリスの良家令嬢がイタリア、フィレンツェを訪れ、世界を広げ、真実の愛に出会い、大人の女性へと成長する様を描く文豪E.M.フォースター原作による文芸作品。世紀をまたぎ、世界中で愛され続けてきた至高の芸術をぜひスクリーンでご堪能ください。
監督はジェームズ・アイヴォリー、『君の名前で僕を呼んで』(17)の脚色、『モーリス』(87)、『ハワーズ・エンド』(92)の名匠として知られる。アカデミー賞作品賞を始め、主要8部門にノミネートされ、脚色賞、美術賞、衣装デザイン賞を受賞した。
1907年、若き令嬢ルーシーは、年上の従姉シャーロットと共にイタリア、フィレンツェを訪れるが、ペンションの部屋に案内され窓からの眺めを見て落胆。美しいドゥオモを臨むアルノ川に面した部屋ではなかったからだ。不満を耳にした同宿の客エマソンとその息子ジョージが、部屋の交換を申し出る。名所巡りの最中に遭遇した事件をきっかけに、ルーシーはジョージに惹かれ始めるのだが……。
10/31(土)~1週間限定
竜二 レストア&リマスター版
©1983 Momo KANEKO ALL RIGHTS RESERVED.
1983年/日本/92分/配給:マコトヤ
監督・リマスター監督:川島透
グレーディング監修:笠松則通
カラリスト:倉森武
デジタルレストア:堤琴音
アーカイブ・コーディネーター:水戸遼平
修復ラボ:IMAGICAエンタテインメントメディアサービス
脚本・原作:鈴木明夫(金子正次)
撮影:川越道彦
出演:金子正次、永島暎子、北公次、佐藤金造(現・桜金造)、小川亜佐美、泉アキ、菊地健二、もも、銀粉蝶、土方鉄人、檀喧太
【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,600円(税込)を当館受付にて発売中!
入場者プレゼント
『竜二』入場者特典が決定!
◼︎三東会 花城竜二 名刺
◼︎抽選で貴重な35mmポジフィルム
金子正次 初映画・初主演作
川島透 第一回監督作品
日本映画史に語り継がれる伝説が、鮮やかによみがえる!
スターになることを夢見て脚本を書いた金子正次が、プロ経験ほぼゼロの映画学校時代の友人を巻きこんで、35mm撮影で商業映画を作りあげた。友人の松田優作は脚本を手に動き、萩原健一は楽曲の使用を快諾、プロデューサーの川島透は監督不在となった現場を率い映画を完成させ、出演した菊地健二は金子とともに配給会社を探して奔走し、映画への思いだけで突っ走り、『竜二』は生まれた。ヤクザにもカタギにもなりきれない竜二の焦燥と葛藤を中心に描く青春群像映画。
日本アカデミー、毎日映画コンクールなど1983年度の映画賞を総なめにし日本映画の潮流を変えたといわれる傑作が、グレーディング監修に撮影監督の笠松則通を招き、リマスター監督を川島透がつとめて最終確認した完全版として、ついに4Kスキャン2Kリマスターで鮮やかによみがえる!
フッと、ヤクザの足を洗ってみたが…
舞台は80年代、新宿・歌舞伎町界隈。三東会の花城竜二といえば、新宿界隈ではちょっと名の知れたヤクザだった。闇のルーレット場をアパートの一室に開き舎弟二人に仕切らせ、ヤクザ稼業は順調だった。しかしある日、妻まり子と幼い娘のために堅気になると決め、酒屋で働き始める。平凡で質素な家族との生活に最初は心の安らぎを覚えた竜二だったが…
11/1(日)-11/27(金)
〈学生応援プライス500〉2026
11月は映画が500円!
今年もやります!
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神奈川のミニシアターは今年も若い映画ファンを応援! 学生証提示&SNSフォローでお得に映画を楽しもう!
〈学生応援プライス500〉は「かながわ映画部(仮)」で同時に取り組みます。
〈学生応援プライス500〉当館対象作品
11/7(土)~
春樹
2025年/中国/122分/カラー/北京語/配給・宣伝:株式会社サニーフィルム
英題:Mothertongue
監督:チャン・リュル
出演:バイ・バイホー、ワン・チュアンジュン、リウ・ダン、ポン・ジンほか
釜山国際映画祭と東京国際映画祭で3冠受賞——
チャン・リュル(張律)監督最新2作、
待望の同時公開
挫折の先で、それでも時間は流れていく——
女優としての夢が行き場を失い、恋愛にも行き詰まる春樹(チュンシュー)、37歳。20年離れていたかつての故郷・成都に戻った春樹は、かつての演技指導者・張梅(ジャン・メイ)を訪ねる。しかし張梅は認知症で言葉を失いつつあった。故郷に居場所を見つけられない春樹に、張梅の息子で、母の世話をするため上海から戻ってきた冬冬(トントン)が静かに寄り添う。過去の栄光も、教えも、学びも、時代の流れの中でいつのまにか忘れ去られ、朽ちたまま残る国立映画撮影所のように、停滞する人々の傍らで日々はささやかに過ぎてゆく。
今、最も注目すべき東アジア映画の名匠、チャン・リュル監督。中国・吉林省延辺朝鮮族自治州に朝鮮族3世として生まれる。延辺大学中国文学科卒業後、北京に拠点を移し小説家として活動。その後、映画監督へと転身し、以降、中国・韓国・日本を漂流するように長編16作品を手がけてきた。2025年、再び中国を舞台に、変わりゆく現代中国の中で揺らぐアイデンティティを主題に『春樹』(はるき)を完成させる。その『春樹』の撮影を終えた直後、休暇で立ち寄った四川省の古鎮・羅目鎮(ルオム)で着想を得て、同キャストで撮影した姉妹作が『ルオムの黄昏』だ。
*第38回東京国際映画祭コンペティション部門 最優秀監督賞 & 最優秀男優賞賞 受賞!
11/7(土)~
ルオムの黄昏
2025年/中国/99分/カラー/北京語/配給・宣伝:株式会社サニーフィルム
英題:Gloaming in Luomu
監督:チャン・リュル
出演:バイ・バイホー、ダン・リウ、ホァン・ジェンシン、ポン・ジン、ワン・チュアンジュン
釜山国際映画祭と東京国際映画祭で3冠受賞——
チャン・リュル(張律)監督最新2作、
待望の同時公開
消えた恋人の痕跡と、探すほど遠ざかる道——
3年前に突如消えた恋人・王(ワン)から、「羅目の黄昏」とだけ書かれた一枚の絵葉書が届く。劇団でダンサーをしていた白(バイ)は、その一文をたよりに、四川省の古鎮・羅目鎮(ルオム)の宿へ辿り着く。宿の女性亭主・劉(リウ)、その劉を20年間想い続けた黄(ファン)、そして行き交う旅人たち。かつて交易で栄え、いまは静かな時間が流れるこの街で出会うのは、王の姿ではなく、王が残した時間の痕跡だった。遠くからは汽笛の音が微かに響き、古鎮を彷徨う白の前に、王は幻のように現れては消える。ある日、白は王に似た男が山中の寺院で目撃されたという情報を知る——
今、最も注目すべき東アジア映画の名匠、チャン・リュル監督。中国・吉林省延辺朝鮮族自治州に朝鮮族3世として生まれる。延辺大学中国文学科卒業後、北京に拠点を移し小説家として活動。その後、映画監督へと転身し、以降、中国・韓国・日本を漂流するように長編16作品を手がけてきた。2025年、再び中国を舞台に、変わりゆく現代中国の中で揺らぐアイデンティティを主題に『春樹』(はるき)を完成させる。その『春樹』の撮影を終えた直後、休暇で立ち寄った四川省の古鎮・羅目鎮(ルオム)で着想を得て、同キャストで撮影した姉妹作が『ルオムの黄昏』だ。
*第30回釜山国際映画祭コンペティション部門 最優秀作品賞
11/7(土)~
Fire in Water 永田康祐映像作品集
Fire in Water 永田康祐映像作品集
11/7(土)-11/13(金)
Fire in Water 永田康祐映像作品集
11/7(土)-11/20(金)
世界の見え方が、ふと閃く
アーティスト・永田康祐、初の特集上映
写真、パフォーマンス、インスタレーション。ジャンルを横断しながら、「食べること」や「翻訳」「発酵」といった身近な営みを手がかりに、人間と世界の関係を問い続けてきたアーティスト、永田康祐。2020年の個展「イート」では、食と身体、他者との関係をめぐる知的で刺激的なイマジネーションを展開。2025年の恵比寿映像祭では、映画作家の小森はるか、小田香らとともに新作を発表するなど、その活動は近年のドキュメンタリーや文化人類学的フィールドワークとも響き合う。
本特集上映では、初期作から最新作までの映像作品を一挙上映。一見ばらばらに見えるテーマは、文化や歴史、人間と環境が絶えず影響し合いながら生成変化する世界の姿へとつながっていく。永田の作品は、「わかりやすい物語」から距離をとり、見過ごされてきた存在や関係に静かに光をあて、私たちの認識の枠組みそのものを揺さぶる。しかし、その語り口はどこか飄々として、心地よいユーモアをたたえている。
世界を見る方法は、ひとつではない。映画館の暗闇で、その新しい視点との出会いを体験してほしい。
永田 康祐 Kosuke Nagata
1990年愛知県生まれ、神奈川県を拠点に活動。自己と他者、自然と文化、身体と環境といった近代的な思考を支える二項対立、またそこに潜む曖昧さに関心をもち、写真や映像、インスタレーションなどを制作している。近年は、食文化におけるナショナル・アイデンティティの形成や、食事作法における身体技法や権力関係、食料生産における動植物の生の管理といった問題についてビデオエッセイやコース料理形式のパフォーマンスを発表している。主な個展に「イート」(gallery α M、東京、2020)、グループ展に「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」(東京都写真美術館、2022)、あいちトリエンナーレ(愛知県美術館、2019)など。
公式ホームページhttp://aggie-films.jp/fiw/
企画・配給 アギィ
パブリシティ 高田理沙
宣伝美術 畑ユリエ
協力 ポレポレ東中野、ANOMALY
入場料一般1,600円/会員・シニア1,300円/【学生応援プライス】大専・高校生以下500円
トークイベント
▼11/7(土)「ProgramB」上映後、永田康祐監督の舞台挨拶がございます。
作品紹介
Program A [上映時間 計78分] ※全ての上映作品に日本語字幕と英語字幕がついています
Fire in Water
2025年/DCP/41分
脚本・監督:永田康祐
撮影:奥祐司
編集:永田康祐、奥祐司
英語字幕編集:佐藤朋子
製作:恵比寿映像祭2025コミッションプロジェクト委嘱作品[東京都写真美術館]
日本でも人気のクラフト・マッコリ。その一杯には、知られざる歴史が発酵している。韓国語で酒を意味する「スル」は、「水(ス)」と「火(プル)」に由来するという説がある。泡立つ発酵の様子が、まるで水の中に火が宿るように見えたからだ。永田はこの「水の中の火」というイメージから、日本統治下の朝鮮半島における稲作と酒造の歴史へと分け入っていく。食料増産と税収確保のために導入された技術や制度、米品種、日本式の麹や酵母──。発酵という現象をひとつのメディアとして、遺伝子や微生物、法制度といった目に見えない存在に今なお宿る植民地主義の残響を映し出す。
Fish of Empire
2025年/DCP/15分
脚本・監督:永田康祐
編集補助:奥祐司
英語字幕編集:佐藤朋子
日本の南進政策とタイの開発政策を背景に東南アジアへ広がった魚、ティラピア。一匹の魚の移動から、生態系の変容と政治権力が交差する歴史の水脈をたどる。
Suddenly This Overview
2026年/DCP/22分
脚本・監督・語り:永田康祐
制作協力:岩田智哉
監修:飯笹佐代子、田村恵子
ポストプロダクション:奥祐司
英語字幕編集:佐藤朋子
第二次世界大戦中、大規模な捕虜脱走事件の現場となったオーストラリア・カウラ。日本人戦争墓地と日本庭園を往還しながら、戦争、植民地主義、和解と、幾層にも堆積した記憶を静かに掘り起こす。
Program B [上映時間 計76分] ※全ての上映作品に日本語字幕と英語字幕がついています
Purée
2020年/DCP/35分
監督・編集:永田康祐
文・語り:永田康祐
撮影・仕上げ:奥祐司
英語字幕編集:佐藤朋子
出演:きりとりめでる、佐原しおり、菅原伸也
17世紀フランスで生まれた「ピュレ」は、かつて富と権力を示す料理だった。だが今日では、乳幼児や高齢者を支えるケアの食でもある。その対照的な歴史を手がかりに、「食べる」という営みに潜む政治性を見つめ直す。食器や調理器具、作法、他者との関係のなかで絶えず形を変える「主体」と、人間の共同性について思索を巡らせる。
鮭になる
2024年/DCP/14分
脚本・監督:永田康祐
作画・演出:山本悠
音響効果:山形一生
声の出演:遠藤麻衣
製作:十和田市現代美術館
英語字幕編集:佐藤朋子
サーモン養殖場で寄生虫に感染した鮭と、老いた労働者が静かに時間を共にする。資本主義的な価値と生の尊厳のあいだに横たわる緊張をやわらかな手描きアニメーションで見つめる。
Translation Zone
2019年/DCP/27分
脚本・監督・語り:永田康祐
音響:山形一生
ポストプロダクション:奥祐司
英語字幕編集:佐藤朋子
「チャーハン」をめぐる各言語の呼称の違いや機械翻訳の限界、分子ガストロノミーを手がかりに、翻訳と文化生成の関係を探る。他国の料理を手持ちの食材で再現したり、異なる言語へと訳するときに生じる「ズレ」を、新たな創造の契機として鮮やかに描き出す。
11/7(土)~1週間限定
A Window of Memories
2023年/日本/67分/配給・宣伝:amieee/宣伝協力:プンクテ
監督・編集:清原惟
テキスト:砂子旭子、清原磋智子、清原惟
構成:岩﨑敢志、太田達成、清原惟
撮影:寺西涼、清原惟
音響:岩﨑敢志
助監督:太田達成
音楽:よだまりえ
出演:砂子旭子、清原磋智子、小山薫子、坂藤加菜
イベント情報
▼11/8(日)上映後、清原惟監督、清原磋智子さん(出演/監督の祖母)の舞台挨拶がございます。
二人の祖母と編んだ 暮らしの物語
記憶の窓をひらいて、あなたと出会いなおす
「私が聞かなかったら、この話はどこに行くんだろう」。ふとした時に聞いた祖母の若い頃の話に心動かされた監督は、母方と父方それぞれの祖母から人生の話を聞こうと思いたつ。忘れないようにと回し始めたカメラに映る、家族、戦争、仕事、結婚、飼い犬、友だちの話。同世代である二人の、交差しながらも全く違う世界を、祖母たちと共に文字に起こしていった。そうやって編まれた物語を、監督は二人の俳優に託し、一日をかけて朗読してもらう。やがて世界にたったひとつの物語が、見ている私たちの記憶に連なっていく。知らないはずの記憶があなたやわたしと呼び合い、こだまする。
誰かのことを思い出し、語りたくなる<聞き書き映画>
『A Window of Memories』は、これまでベルリン国際映画祭などで国際的に評価されてきた清原惟監督が、はじめてドキュメンタリー的手法で制作した<聞き書き映画>である。監督が母方と父方それぞれの祖母から聞いた人生の話を、祖母と一緒にテキストに起こし、それをふたりの俳優が朗読するというこれまでにない手法で紡がれている。
三宅唱監督『THE COCKPIT』、草野なつか監督『王国(あるいはその家について)』、小森はるか監督『空に聞く』、小田香監督『セノーテ』などの注目作を手がけてきた、愛知芸術文化センター・愛知県美術館のオリジナル映像作品として制作され、昨年開催の山形国際ドキュメンタリー映画祭2025ではインターナショナル・コンペティションに選出、観客から高い評価を受けた。
出演するのは、劇団ままごとに所属し演劇ユニットhumunusのメンバーでもある小山薫子と、パフォーミングアーツコレクティブ「バストリオ」や、バンド「山二つ」のメンバーとして活躍する坂藤加菜。スタッフには清原監督と旧知の仲である太田達成(『石がある』監督)、岩﨑敢志(『うってつけの日』監督)が助監督や構成としてクレジットに名を連ねている。
小さな声を拾い集めてきた清原監督のこれまでの作品とも共通するテーマをもつ本作は、日記を書くような親密さで、身近な人の声に耳を傾け、どんな人にもあるであろう人生のきらめきを信じる力に満ちている。誰かのことを思い出し、語りたくなる傑作が誕生した。
11/14(土)~
魂のきせき
©Kasama Film
2025年/⽇本/97分/⽇本語/カラー/DCP/配給:アギィ/配給協⼒:リガード
監督:⼩林茂
撮影:⼩⽥⾹
録⾳:川上拓也
編集:秦岳志
歌:結華
制作事務局:須藤伸彦
プロデューサー:⻑倉徳⽣、秦岳志
製作:カサマフィルム
助成:⽂化庁⽂化芸術振興費補助⾦(⽇本映画製作⽀援事業)独⽴⾏政法⼈⽇本芸術⽂化振興会
宣伝美術:成瀬慧
宣伝:⾼⽥理沙
イベント情報
▼11/14(土)上映後、⼩林茂監督、にのみやさをりさん(出演者)の舞台挨拶がございます。
問いは、ここにある。映画に何ができるのか?
映画監督の⼩林茂は、性暴⼒のサバイバーであることを公にしながら活動を続ける⼀⼈の写真家との出会いをきっかけに、本作の製作を決意する。⼤切な友⼈が、幼少期に受けた性虐待によるPTSDで⻑年苦しむ姿を⾒ていたからだ。やがてカメラは、それぞれ異なる痛みを抱えながら⽣きるサバイバーたちへと向けられていく。悔恨、怒り、うつ、不眠、解離、⾃傷、希死念慮。⾔葉にならない痛みとともに⽣きるということを、どう映すのか?
⻑期化する撮影のなかで、⼩林は映画製作の意義を問い、⾃分⾃⾝の過去と向き合う。幼いころの記憶をたぐり寄せると、そこに戦争の昏い影を背負って満洲から引き揚げてきた家族との⽇々が浮かんだ。異なる時代、異なる出来事に刻まれた傷は、ときに遠く、ときに近く、響きあうことがあるのだろうか――。
『魂のきせき』には2つの意味が込められている。深い傷つきとともに歩んできた魂たちの〈軌跡〉。そして、孤独な魂と魂とが、まるで地下⽔脈のように、とても深いところで、いつか静かにつながりあう〈奇跡〉。その〈きせき〉の先に、何があるのか? 本作は、このかすかな希望に⽬を凝らし、⽿を澄まし続けた、9年間の記録である。
ドキュメンタリー映画の現在を⽀えるスタッフが集結
映画史に残る傑作『阿賀に⽣きる』(佐藤真監督)のキャメラマンとしても知られる⼩林茂監督が本作の撮影を託したのは、当時まだ『鉱ARAGANE』を発表したばかりの⼩⽥⾹。録⾳に川上拓也、編集に秦岳志と、現在の⽇本のドキュメンタリー映画を⽀えるスタッフが集結。出演者たちとスタッフの 9 年にわたる協働によって完成した映画は、2025 年の⼭形国際ドキュメンタリー映画祭、東京国際映画祭で上映され、多くの観客に驚きと深い感動をもって迎えられ、⼤きな反響を呼んだ。
11/14(土)~
京都ALS患者嘱託殺人事件
Ⓒ『京都ALS患者嘱託殺人事件』製作委員会
2026年/日本/98分/DCP/ドキュメンタリー/配給:東風
監督:⼆村真弘
声の出演:田畑智子
撮影:松村敏行、佐藤洋祐
照明:尾山隆之
カラーグレーディング・オンライン編集:織山臨太郎
音響効果:増子彰
整音:富永憲一
プロデューサー:⽯川朋⼦
制作:digTV
製作:『京都ALS患者嘱託殺人事件』製作委員会
毎週日曜日と水曜日は日本語字幕版での上映
イベント情報
▼11/15(日)上映後、⼆村真弘監督の舞台挨拶がございます。
死の直前まで続いた二人のやり取り。なぜ一線を越えたのか?
2020年7月23日、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う林優里さん(当時51歳)から依頼され薬物を投与し殺害したとして、二人の医師が逮捕された。一人暮らしの彼女は事件当時、眼球しか動かせず、痰吸引や胃ろうからの食事、排せつなど24時間の介助が必要だった。主犯の大久保愉一と接触したのは、彼女が“安楽死”を望む言葉を度々投稿していたSNS。大久保らは事前に報酬として130万円を受け取り、初対面からわずか15分程度で殺害を実行した。さらに捜査で過去の殺人事件への関与も浮上。メディアは大久保の過去のブログなどから「ドクター・キリコ」への憧れや生命軽視の姿勢を大々的に報じ、〈狂った医者〉〈優生思想の殺人鬼〉と苛烈に非難。世間もまたそれに同調し責め立てた。そして25年、嘱託殺人罪などで懲役18年の刑が確定した。救命が第一義とされる医師の男は、なぜ一線を越え彼女を手にかけたのか?
監督は、「和歌山毒物カレー事件」に挑んだ『マミー』(24)で自らの闇をも曝け出し鮮烈な印象を残した二村真弘。優里さんの父親、SNS上での彼女を知る元看護師や難病当事者、医療とケアの専門家たちへの取材を重ね、彼女の人生を掘り下げていく。そのなかで見えてきた制度の未熟さ。明らかになる外界から完全に遮断されるかもしれない恐怖、そして、身体が訴え続ける生への渇望。一方で二村は、大久保の半生を辿るべく、母親やかつての医師仲間を訪ねる。さらに供述分析を独自に実施し、大久保が収監される大阪拘置所へ――。
「死にたい」、その言葉の奥にあるもの。ひとりの女性の声が受け止められない社会の空白地帯で、死の直前まで続いた二人だけのやり取り。私たちが目を背け続けている何かが、未公開のDMとそれぞれが語る“事実”から浮かび上がってくる。
11/14(土)~
さよなら、私のロシア
© 2025 LEWA productions – Revolver Amsterdam – Giorgio Savona productions
2025年/クロアチア・オランダ・フランス/ロシア語・イタリア語・フランス語・英語/90分/配給:doodler/配給宣伝協⼒:エスパース・サロウ
原題:A Little Gray Wolf Will Come
監督:ジャンナ・アガラコワ
出演:ジャンナ・アガラコワ、アリーチェ・サヴォーナ、ジョルジオ・サヴォーナ
⽇本語字幕:吉⽥ひなこ
字幕監修:⾼柳聡⼦
ジャーナリストとして、母として、私はふたつの嘘をついた
2022年3⽉、ロシア国営放送の海外特派員だったジャンナ・アガラコワは、ウクライナ侵攻に抗議し、職を辞した。「いつの間に私はプロパガンダに加担していたのか?」その答えを求めて彼⼥は過去を遡る。
ジャンナはイタリア⼈の夫と娘のアリーチェとニューヨークで暮らしていた。
三歳の時にロシアを離れ、思春期を迎えたアリーチェとはどこか“⾔葉”が通じない。そんな娘にルーツの祖国を知ってもらいたいと、休暇にあわせ三⼈は縦横無尽にロシアを旅した。四つの夏と⼀つの冬の旅を含む家族の記録には、⺟娘のズレとロシアのリアルが映っている。「ロシア⼈らしさ」を求める⺟を理解しつつも、受け⼊れることも、受け流すこともできないアリーチェ。ロシアを偉⼤で素晴らしい国だと信じ、誇りを胸に仕事を全うするジャンナ。広⼤な⼟地にまばらな⼈家、豊かとは⾔えない⼈々の暮らし、少しずつ濃くなる戦争の気配 。伝えられることのないロシアの現実ニュースと、語られることのない家族の秘密。そして、アリーチェの決定的なひと⾔をきっかけに、ロシアを巡る家族
旅⾏はジャンナの内省の旅へと変貌を遂げる。
ジャンナ・アガラコワは現在、「外国の代理⼈」に指定され、事実上の亡命⽣活を送っている。そんな彼⼥が3年の歳⽉をかけ、数百時間に及ぶ映像から編み上げた本作には、祖国と家族を愛するがゆえに犯した⾃らの過ちと悔恨が包み隠さず描かれ、世界各国の映画祭でソールドアウトが続出するなど密かに注⽬を集めている。ソ連崩壊という動乱の時代に⾃由と変化の兆しを感じて、ジャンナはジャーナリストになり、順調にキャリアを築いていった。
その⼀⽅で、テレビから市井の⼈々の姿が消え、ニュースはプーチン⼀⾊に染まっていった。そして始まった戦争は、今も続いている。世界は徐々に変わっていく。その変化に無⾃覚なまま沈黙と妥協を重ねてきた彼⼥が、ジャーナリストとして、⺟として、⾃⾝の良⼼と向き合い完成させた、愛と嘘、そして故郷喪失の痛みを綴った、私的かつ詩的なドキュメンタリー。
【ジャンナ・アガラコワ監督からのメッセージ】
私にとって、2022年2⽉24⽇は、私が信じていたこと、ロシア⼈であることについて教えられてきたこと、私のアイデンティティの基盤となっていたすべてが破壊され、崩れ去った⽇です。私たちは学校で、ロシア⼈は戦争を始めたり、同胞を⾒捨てたりせず、⽼⼈や⼦供たちを守るものだと教えられてきました。しかし、それらはすべて嘘であり、偽りでした。それは私の⼈⽣で最も強烈な衝撃でした。
今回、私の映画が⽇本で上映されることになり、この上なく誇りに感じています。私が⾃ら気づいたことを⽇本の皆さんにお伝えできればと思います。愛国⼼はファシズムからほんの⼆歩しか離れておらず、いかなる国家的・⽂化的アイデンティティよりも、⼈間性こそが重要なのです。
11/14(土)~
憎しみ 4K
© Copyright 1995 – LES PRODUCTIONS LAZENNEC – LE STUDIO CANAL+ – LA SEPT CINEMA-KASSO Inc PRODUCTIONS. © 2009 Le Pacte © Photos : Guy Ferrandis
1995年/フランス/98分/フランス語/1.85:1/モノクロ/配給:ディスクユニオン、alfazbet
原題:La Haine
監督・脚本・編集:マチュー・カソヴィッツ
撮影:ジョルジュ・ディアーヌ
照明:ピエール・エイム
⾳響:ヴァンサン・ツリ
録⾳:ドミニク・ダルマッソ
美術:ジョゼッペ・ポンツーロ
出演:ヴァンサン・カッセル、ユベール・クンデ、サイード・タグマウイ、フランソワ・ルヴァンタールほか
「これは、落下する世界のはなし」
パリ郊外〈バンリュー〉。暴動の翌⽇。異なるルーツを持つ3⼈の若者の24時間。
90年代を代表する⻘春映画にして、世界を撃ち抜く衝撃の傑作が4Kで蘇る
パリ郊外〈バンリュー〉。移⺠や低所得労働者が多く暮らす団地で暴動が発⽣した。ユダヤ系のヴィンツ、アラブ系のサイード、アフリカ系のユベール──異なるルーツを持つ3⼈の若者は、警察による少年への暴⾏事件をきっかけに緊張が⾼まる街で、警官が紛失した⼀丁の拳銃を⼿にする。
1995年、実際に起きた事件に着想を得て製作された『憎しみ』。当時27歳だったマチュー・カソヴィッツが、移⺠系住⺠への差別や貧困、警察による暴⼒といったフランス社会の⽭盾を背景に、鮮烈なモノクロ映像と緊迫感あふれる演出で、⾏き場のない怒りを抱えた若者たちの24時間を描き出した。第48回カンヌ国際映画祭では監督賞を受賞。作品を「反警察的」と受け⽌めた映画祭の警備担当警察官たちが、レッドカーペットを歩く監督・キャストに背を向けて抗議するという異例の出来事も⼤きな話題となった。
主演は、本作で⼀躍世界にその名を知らしめた、当時28歳のヴァンサン・カッセル。坊主頭にストリートファッション、鏡に向かって『タクシードライバー』のトラヴィスを真似るヴィンツ役で強烈な存在感を放ち、その後フランスを代表する俳優のひとりとなった。サイード役にはサイード・タグマウイ、ユベール役にはユベール・クンデ。街を歩き、くだらない冗談を交わし、時に苛⽴ちをぶつけ合う3⼈の姿を、ヒップホップをはじめとする当時のユースカルチャーとともに圧倒的な熱量でスクリーンに刻みつけた。
11/21(土)~
東京上空300メートル
©2026 大墻敦・毎日新聞社
2026年/日本/110 分/配給協力:ポレポレ東中野
監督・撮影・編集:大墻敦
プロデューサー:銭場裕司、大墻敦
ナレーション:武田真一
取材・撮影:大場弘行
編集:加藤隆寛
音響効果:細見浩三
イベント情報
【舞台挨拶】各日上映後
▼11/21(土)大墻敦監督
▼11/22(日)呉東正彦弁護士、銭場裕司記者(本作プロデューサー/毎日新聞)
▼11/23(月祝)福澤光一記者(毎日新聞横須賀通信部)、黒川晋史記者(本作出演/毎日新聞横浜支局デスク)、大場弘行記者(本作出演/毎日新聞社会部)
問われているのは、この国のあり方だ
本作は、東京・六本木の米軍施設「赤坂プレスセンター」と東京西部にある横田基地、そして基地が集中する沖縄を主な舞台として展開する。
第1章「日本の空は誰のものなのか」は、東京都心で米軍ヘリの問題に迫った記者たちの調査報道を軸に描いていく。見えてきたのは、日本のヘリであれば許されぬ飛行実態。東京・町田市(1964年)や沖縄国際大(2004年)で起きた過去の事故なども織り交ぜながら、戦後81年を迎えても変わらぬこの国の姿をあぶり出していく。
第2章「誰が犯人を逃がしているのか?」では日米密約の問題をひもとき、深刻な被害がなくならない米兵による性暴力と日本政府の姿勢を見つめる。
第3章「米軍基地は誰のためにあるのか?」は基地問題と向き合う市民らの思いに耳を傾け、 終章「星条旗と日本人」につなげる。「日米同盟」の名の下、放置されてきたこの国の“当たり前”を問い直す。
『春画と日本人』の大墻敦監督とタッグ
監督を務めるのは、『春画と日本人』(キネマ旬報ベストテン2018年文化映画第7位、第74回毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞ノミネート)、『スズさん 昭和の家事と家族の物語』(2022)、『わたしたちの国立西洋美術館』(2023)の大墻敦。毎日新聞の記者とともに、基地を巡る問題と向き合う市民運動の現場や、性暴力被害者らへの取材を約2年にわたって積み重ね、映画を完成させた。本作が監督4作目となる。
11/28(土)~
ムクドリと人生とレモンパスタ
© Copyright 2025 Cattleya S.r.l. unipersonale, Ruvido Produzioni S.r.l. unipersonale, Bartlebyfilm S.r.l.,Vision Distribution S.p.A, Buena Pinta Media S.L.U., Bteam Prods S.L., Perdición Films S.L.,Apaches Entertainment S.L., Tres Cuencos A.I.E. Tutti i diritti riservati.
2025年/イタリア・スペイン/122分/スタンダード/日本語字幕:関口英子/配給:チャイルド・フィルム/後援:イタリア大使館/特別協力:イタリア文化会館、インスティトゥト・セルバンテス東京
原題:tre ciotole
監督・脚本:イザベル・コイシェ
共同脚本:エンリコ・アウデニーノ
原作:ミケーラ・ムルージャ「Tre Ciotole 3つのボウル 危機の1年のための儀式 」
撮影:グイド・ミケロッティ
編集:ジョルディ・アザテギ
音楽:アルフォンソ・デ・ヴィラジョンガ
出演:アルバ・ロルヴァケル、エリオ・ジェルマーノ、シルヴィア・ダミーコ、ガラテア・ベルージ、フランチェスコ・カリル、サリタ・チョウドリーほか
『死ぬまでにしたい10のこと』『マイ・ブックショップ』イザベル・コイシェ監督最新作
複雑で変化の激しい世の中で、私たちに与えられているのは、生きていると感じさせてくれる儚い瞬間だけだ。別れは終わりではない。それは、静かに受け入れ、もう一度歩き出すための時間。
エンドロールが終わってもずっと心に残り続ける、
まだ誰も知らない、あなたの物語
イタリア文学の鬼才ミケーラ・ムルージャが晩年に遺した短編集『Tre ciotole』。死の直前に書かれたその物語には、痛みと優しさが同じ温度で息づいている。イザベル・コイシェ監督は、小さなディティールを重ね合わせ、映画という視覚的言語でそのまなざしを受け継いだ。流れるようなカメラワークと親密なクローズアップは、人生の重大な局面と向き合いながら安らぎを求める女性の姿を、そっとすくい上げる。主演はイタリア映画界を代表する名優アルバ・ロルヴァケル(『墓泥棒と失われた女神』)とエリオ・ジェルマーノ(『蟻の王』)。ロルヴァケルの繊細な表情と沈黙の演技、ジェルマーノの内面の葛藤を掘り下げる存在感が、マルタとアントニオの“静かな別れ”に深い陰影を与える。ローマの午後の光、石畳の質感、夜の静けさ。35mmフィルム、スタンダードサイズで捉えた街の息遣いが、マルタの心の動きと重なり、そっと画面に滲む。
恋人との些細な口論の末、突然ひとりになった高校教師マルタ。がらんとした部屋で、食べ物の味も、光の色も、世界の輪郭さえも失われていく。そんな彼女が始めたのは──三つのボウルに食材を丁寧に盛り付ける、奇妙で静かな“儀式”。K-POPスターの等身大パネルとの対話、キッチンの光に気づく瞬間、ローマの街を自転車で駆ける時間。小さな行為の積み重ねが、やがて彼女を再び世界へとつなぎ直していくー。
12/5(土)~
戦場のボヘミアン カメラマン 石川文洋
©ルミエール・プラス合同会社
2026年/日本/88分/配給:渋谷プロダクション
監督・撮影:河邑厚徳
撮影:仲松昌次
編集:荊尾明子
音楽監督:尾上政幸
主題曲:川田俊介
出演:石川文洋
モノローグ:滝藤賢一
ナレーション:山根基世
朗読:竹本英史
戦争の目撃者としての使命
ベトナムの戦場で地獄を見た石川文洋は、名もなき人々の中に希望を見出し、市井の人々を撮り続けた
日本写真協会年度賞、日本雑誌写真記者協会賞、日本ジャーナリスト会議 (JCJ) 特別賞、スウェーデン賞の他、ベトナム政府から文化通信事業功労賞も受賞した報道写真家の石川文洋。
ベトナム戦争中、同時期にサイゴンで親交があった作家の開高健は文洋を「つねに右の目は熱く、左の目は冷静でありつづけるカメラ青年」と表現した。ベトナムの取材で文洋と出会った石原慎太郎は、「沖縄という、祖国の中でも唯一、特異な状況にある故郷を持った彼が、あの邪悪な戦争を見る眼は確かに我々内地人間とは違っているに違いない」と書いた。ホーチミン市にある戦争証跡博物館の副館長のフィン・ゴック・ヴァンは、「単なる技術ではなく、心で撮っているから弱い者たちの本当の姿を表せるのだと思う」と絶賛した。
文洋は、ベトナムやカンボジアで戦争や大虐殺の現場を見てきたからこそ、他の人と違った視点で伝える必要性を感じていた。戦闘場面だけでなく、無名な人々の命を見つめた。
2025年、ベトナム戦争終結50年にあたり、ベトナム政府から式典への招待が届き、ホーチミンを再訪。そこで文洋が会ったのは…
9回死にそうになりながらも、命懸けで撮影を続ける戦争目撃者としての半生を、滝藤賢一によるモノローグで振り返る。
12/5(土)~1週間限定
みらいしのほこう
© 2026 埼玉県/SKIP シティ彩の国ビジュアルプラザ
2026 年/カラー/5.1ch/ビスタサイズ/66 分/配給:トラヴィス
監督・脚本:羽蚋拓未
出演:安⽥聖愛、盧礼欧、佐藤和太、近藤美鈴、紫藤楽歩、岩瀬亮、今里真、笠兼三
エグゼクティブプロデューサー:澁澤陽平
プロデューサー:廣瀬敏、小林徳行、吉野圭⼀
撮影:柳島克己
照明:長⽥達也
美術・装飾:寺尾淳
録音:郡弘道
編集:宮島竜治
助監督:金⽥健
タイトルデザイン:赤松陽構造
音楽:羽蚋涼
音響効果:齋藤昌利、久米志保
VFX:堀⽥弘明
スタイリスト:兼子潤子
ヘアメイク:澤⽥久美子
スチール:加藤義⼀
アシスタントプロデューサー:舟橋里枝
プロダクションマネージャー:杉崎隆行
プロダクション統括:木次谷良助
制作プロダクション:東映東京撮影所、デジタルSKIP ステーション
製作:埼玉県、SKIP シティ彩の国ビジュアルプラザ
人生迷走中の教師と予知能力者の生徒が逆転を目指す“不純な”SF青春エンターテインメント!!
人生迷走中の⾼校教師・柚季は、隕⽯の直撃から生徒の蒼に救われる。蒼は未来を予知できる超能力者だったのだ。教師の仕事にウンザリしていた柚季は蒼の能力を使い、人生逆転の⼀儲けを企む。
⼀⽅、孤独を抱える蒼は、不純でどこかズレているが、真っ直ぐに⾃⾝と向き合ってくれる柚季にほのかな恋⼼を抱き始める。しかし、実は柚季の未来にはある重⼤な秘密が隠されていて…世の中と⾜並みが揃わない⼆人の歩む「みらい」の先にあるものとは︖
メガホンを取ったのは、『Song for Laurel』がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2021にノミネートされ⼤きな話題を集めた、羽蚋拓未(はぶとたくみ)。独⾃の作家性で話題を集める新鋭が満を持して商業映画デビューを飾る。主人公のどこかズレた⾼校教師・柚季を演じるのは、NHK『光る君へ』『⻁に翼』(2024)『べらぼう』(2025)ほか、CMでも活躍する安⽥聖愛。予知能力を持つ生徒・蒼を盧礼欧(ろれお)が瑞々しく演じる。
信号待ちで車の中にいた⾼校教師・野⽥柚季(ゆずき)のところにクラスの生徒・村木蒼(あおい)がひっ迫した様子でやってくる。「先生!車からすぐ降りて!!」勢いに負けて降りると運転席の上から隕⽯が直撃する。蒼は未来を予知できる超能力者だったのだ。
彼らの⾼校は廃校となるため、転校の作業で忙しい。その最中柚季は単位の⾜りない⾼3⼆人の補習講義を請け負っていた。そのうちの⼀人が蒼だった。蒼の家は父も時間を止めることのできる能力を持っている。⾼校教師に嫌気がさしていた柚季は蒼の予知能力を利用して⼀儲けたくらむのだったが…。
12/5(土)~1週間限定
プリズン・サークル
©2019 Kaori Sakagami
2019年/日本/136分/配給:東風
監督・製作・編集:坂上香
撮影:南幸男、坂上香
録音:森英司
アニメーション監督:若見ありさ
音楽:松本祐一、鈴木治行
製作:out of frame
過熱する犯罪報道、厳罰化を叫ぶ声――
けれど私たちは、この国の「罪」と「罰」について多くを知らない。
「島根あさひ社会復帰促進センター」は、官民協働の新しい刑務所。警備や職業訓練などを民間が担い、ドアの施錠や食事の搬送は自動化され、ICタグとCCTVカメラが受刑者を監視する。しかし、その真の新しさは、受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促す「TC(Therapeutic Community=回復共同体)」というプログラムを日本で唯一導入している点にある。なぜ自分は今ここにいるのか、いかにして償うのか? 彼らが向き合うのは、犯した罪だけではない。幼い頃に経験した貧困、いじめ、虐待、差別などの記憶。痛み、悲しみ、恥辱や怒りといった感情。そして、それらを表現する言葉を獲得していく…。
取材許可まで6年、撮影2年――
始めて日本の刑務所にカメラを入れた
圧巻のドキュメンタリー
監督は、『ライファーズ 終身刑を超えて』『トークバック 沈黙を破る女たち』など、米国の受刑者を取材し続けてきた坂上香。日本初となる刑務所内の長期撮影には、大きな壁が立ちはだかった。取材許可が降りるまでに要した時間は、実に6年。この塀の中のプログラムに2年間密着したカメラは、窃盗や詐欺、強盗傷人、傷害致死などで服役する4人の若者たちが、新たな価値観や生き方を身につけていく姿を克明に描き出していく。
12/11(金)~
恋する地球人
©2026 PICORE
2026年/日本/101分/配給:NAKACHIKA
原案・脚本・監督・編集:上田慎一郎
企画プロデュース:鈴木伸宏
プロデューサー:渡部貴明、古波蔵洋平、渡邉真人、細谷蒼海
撮影・照明:山本周平
録音・整音:大野裕之
美術・装飾:布部雅人、金丸茜
スタイリスト:工藤唯
ヘアメイク:菅原美和子
助監督:谷川恵一
監督補・タイトルロゴ:ふくだみゆき
音楽:鈴木伸宏、伊藤翔磨
企画・制作:PICORE、au
出演:カトウシンスケ、清瀬やえこ、菊池豪、細川佳央、池田良、涼瀬一颯、安達木乃、有坂心花、松藤史恩、中川慶二、前出燿志、南久松真奈、佐藤旭、竹井洋介、上田心暖
きっと、また君に会える。
平成12年。海沿いの町に暮らす高校生の晋平(16)は、想いを寄せる同級生・舞をヒロインに誘い、初めての映画づくりを始める。役者、カメラマン、助監督、音楽担当――個性豊かな仲間たちとつくる自主映画のタイトルは『恋する地球人』。そんな矢先、晋平は舞の顔が”のっぺらぼう”になる不可解な現象を目撃してしまう…。
時は流れ2025年。映画監督となった晋平(41)は、若年性のアルツハイマー型認知症を患っていた。ここまで観ていた高校時代の物語は、「リアルメモリー」と呼ばれるVRシステムによって再現された晋平の記憶だった…。
これは、時を超えて紡がれる、記憶と記録の物語──。
『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督最新作
SNS版「恋する地球人」は、昨年Instagram、X、YouTube、TikTokで配信された縦型連続シネマ。1話2〜3分の物語が全30話、30日間に渡って配信されました。
予測不能な展開と押し寄せる感動。連日コメント欄には視聴者の熱い感想が寄せられ、SNSの累計再生数は約6,000万回を突破。各界著名な方たちからも多数の絶賛の声があがり、縦型ショート作品として異例の盛りあがりを巻き起こしました。
12/12(土)~
コール&レスポンス
© 2026 Kaori Sakagami
2026年/229分(前編130分、後編99分 [途中休憩あり])/日本/DCP/ドキュメンタリー/配給:東風
監督・編集・プロデューサー:坂上香
撮影:南幸男、坂上香
VE:伊奈勇人、徳山敦己
モーショングラフィックス:松尾豪
グラフィティアーティスト:SHIRO1
カラーグレーディング:池田聡
オンラインエディット:岩手美波
整音:富永憲一
音楽:永井カイル (THA NEON LILY)、NAGATA (THA NEON LILY)、J THE STREET
主題歌:「One Harmony」
法的監修:加毛修
製作:out of frame
【前売券】全国共通特別鑑賞券 2,500円(税込)を当館受付にて発売中!特典:オリジナルステッカーをプレゼント!
本当の自分を取り戻す、3時間49分
日本初、少年院でのラップ・ワークショップとその記録
誰にも描けなかった圧巻のドキュメンタリー
全国に40余りある少年院。健全な育成と社会復帰を目的に矯正教育を行う施設だ。そのうちの3か所で行われたラップ・ワークショップ。アルコールや薬物、さまざまな暴力に囲まれ、痛みを痛みと感じられない環境に生まれ育った少年たちが、自らに名前〈MCネーム〉を与え、言葉〈リリック〉に想いを乗せていく。塀の中のラップが届けられたのは、多様な背景を持つ8名の大人たちの〈市民ラップチーム〉。対面できないもどかしさをも超えて応答し合い、ある少年院では、地域住民17名と直接交流し、交わることのないと思えた人生が交差していく。そしてまた別の少年院では犯罪の加害者、被害者、異なる立場の大人たちとの出会いを通してラップを生み出していく。距離や時間を横断しながら呼応〈コール&レスポンス〉する中で、少年たちの言葉、声、まなざしには変化が訪れる。そしてそれは関わる大人たちにとっても同じだった──
『プリズン・サークル』(19/文化庁映画賞大賞)など、米国や日本で刑務所や受刑者を長年取材し、処罰から回復への実践を追い続ける坂上香による最新作。ワークショップは坂上と、彼女が率いるNPO団体out of frameが企画し、ラッパー、ダンサー、詩人といった仲間たちと共に立ち上げたかつてないプロジェクトだ。日本初の試みであり、実施や撮影許可にはいくつもの障壁があった。それらをひとつずつクリアしながら、言葉にならない想いを叫ぶ人、その声を掬う人──塀の中と外で生きる人々の姿をつぶさに記録し、6年の歳月を経て誕生した。これは、制度と司法のその先に確かにある、更生の最前線。願わずにはいられない「君の行く道に光がありますように」。
12/19(土)-12/25(金)
映画監督 篠田正浩 レトロスペクティブ 横浜シネマリン篇
映画監督 篠田正浩
レトロスペクティブ
横浜シネマリン篇
12月19日(土)-25(金)
鋭い感性と知性により独自の映像世界で観客を魅了した篠田正浩
その圧倒的な映像美、戦争への強い思いを描き出した、選りすぐりの5作品一挙上映
映画監督 篠田正浩
レトロスペクティブ
横浜シネマリン篇
12月19日(土)-25(金)
鋭い感性と知性により独自の映像世界で観客を魅了した篠田正浩
その圧倒的な映像美、戦争への強い思いを描き出した、選りすぐりの5作品一挙上映
比類なき映像美と鋭い知性で世界を魅了した映画監督 篠田正浩。彼の残した作品を未来へとつなぐ特集上映【映画監督 篠田正浩 レトロスペクティブ】では、各劇場がセレクションした作品を上映します。
篠田正浩 しのだ まさひろ
1931年岐阜県生まれ。1953年松竹撮影所に入社。1960年『恋の片道切符』で監督となる。その後、大島渚、吉田喜重らと共に松竹ヌーベル・バーグとして前衛的な作品を発表。1966年松竹を退社してフリーとなり、1967年独立プロ「表現社」を妻の岩下志麻と共に設立し自主制作を始める。以降、心中もの、歴史劇、ドキュメンタリーと幅広いジャンルを手がけ、独自の映像世界を確立していく。『心中天網島』(1969年)や『沈黙SILENCE』(1971年)は、国際的にも高い評価を獲得した。『はなれ瞽女おりん』(1977年)は、妻でもある俳優・岩下志麻を主演に迎えて圧倒的な映像美で描き出し、日本のアニミズムや土着の精神性を鋭く問い直し、篠田映画におけるひとつの到達点として今なお語り継がれている。その後も、叙情豊かな名作『少年時代』(1990年)などで多くの映画賞に輝き、鋭い知性と視覚美を兼ね備えた作品で観客を魅了した。2003年、日独合作の大作『スパイ・ゾルゲ』を最後に映画監督引退を表明。引退後も、日本文化や歴史に対する深い造詣を活かした執筆や講演活動を精力的に行った。日本映画の黄金期を支え、その精神を現代へと繋ぎ続けた知性派の映画監督である。2025年3月25日逝去。
公式ホームページhttps://www.cinemaclassics.jp/shinoda/
入場料一般1,600円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円
※ポイント鑑賞、招待券による鑑賞不可
トークイベント
12/19(土)『暗殺』上映後、春日太一さん(時代劇・映画史研究家)
上映スケジュール
| 12/19(土) | 12/20(日) | 12/21(月) | 12/22(火) | 12/23(水) | 12/24(木) | 12/25(金) |
12:20ー14:05心中天網島 |
12:20ー14:10あかね雲 |
12:05ー14:05少年時代 |
12:05ー13:55暗殺 |
12:05ー13:55あかね雲 |
12:05ー13:55心中天網島 |
12:05ー14:05はなれ瞽女おりん |
14:20ー16:05暗殺 トーク 春日太一さん |
14:25ー16:25はなれ瞽女おりん |
14:20ー16:10心中天網島 |
14:10ー16:10はなれ瞽女おりん |
14:10ー16:10少年時代 |
14:10ー16:05あかね雲 |
14:20ー16:10暗殺 |
予定表 横にスクロールできます
作品紹介
暗殺 Assassin
Ⓒ1964松竹株式会社
1964年/104分/モノクロ/35mm
原作:司馬遼太郎 脚本:山田信夫
撮影:小杉正雄 美術:大角純一 音楽:武満徹
出演:丹波哲郎、岡田英次、早川保、岩下志麻、木村功
司馬遼太郎の短編小説を松竹京都撮影所で撮った篠田初の時代劇。幕末動乱の京都を背景に、実在した幕末の策士・清河八郎(丹波)の謎に包まれた半生を描く。権謀術策から、勤皇派と佐幕派の両方を渡り歩き、ついには命を狙われることになる男を、独特の美学、鮮やかな映像美で描く。豪快な中にも滑稽味を加え、型破りな主人公を演じた丹波の代表作となった。
あかね雲 Clouds at Sunset
Ⓒ1967松竹株式会社
1967年/107分/パートカラー/35mm
原作:水上勉 脚本:鈴木尚之
撮影:小杉正雄 美術:戸田重昌 音楽:武満徹
出演:岩下志麻、山﨑努、佐藤慶、小川真由美
独立プロ「表現社」の第1回作品。昭和12年、能登の海を背景に、薄幸の中で必死に生きるまつの(岩下)は、小杉(山﨑)の勧めで仲居として山代温泉で働くようになる。二人は惹かれあうが、彼は軍隊に追われていた…。能登を舞台とした水上勉の同名小説を映画化したメロドラマ。二人の運命を象徴するかのように、真っ赤なあかね雲がパートカラーで描かれる。
心中天網島 Double Suicide
Ⓒ1969表現社
1969年/103分/モノクロ/35mm
原作:近松門左衛門 脚本:富岡多恵子、武満徹、篠田正浩
撮影:成島東一郎 美術:粟津潔 音楽:武満徹
出演:二代目中村吉右衛門、岩下志麻、河原崎しず江、左時枝
ATGと提携し製作された1千万映画でありながら、キネマ旬報ベストテン第1位、監督賞、女優賞など、この年の映画賞を独占した篠田の最高傑作。近松門左衛門の人形浄瑠璃をベースに、大阪天満御前町の紙屋治兵衛が、妻を捨てて遊女との情死行に至る狂おしく燃える愛の情念を描く。近松の“虚実の被膜”を、圧倒的な美術力、様式美、黒衣の登場で作り上げ世を驚かせた。
はなれ瞽女おりん Ballad of Orin
Ⓒ1977表現社
1977年/117分/カラー/35mm
原作:水上勉 脚本:長谷部慶次、篠田正浩
撮影:宮川一夫 美術:粟津潔 音楽:武満徹
出演:岩下志麻、原田芳雄、奈良岡朋子、樹木希林、西田敏行
水上勉原作をもとに、滅びゆく盲目の女芸人“瞽女”の姿を、北陸の美しい四季の景色を背景に描いた。ある男と一夜を共にしたことから一座を追われ“はなれ瞽女”となったおりん(岩下)は、憲兵隊に追われる脱走兵・平太郎(原田)と出会う…。『あかね雲』に続き、軍隊に追われる男を描く篠田の渾身の一本。ロケハンに2年、脚本に1年、映像美も素晴らしい。
少年時代 Takeshi
Ⓒ1990「少年時代」製作委員会
1990年/117分/カラー/35mm
原作:柏原兵三、藤子不二雄Ⓐ 脚本:山田太一
撮影:鈴木達夫 美術:木村威夫 音楽:池辺晋一郎
出演:藤田哲也、堀岡裕二、岩下志麻、細川俊之、河原崎長一郎
柏原兵三の小説「長い道」と藤子不二雄Ⓐの同名漫画を原作に、同じく疎開体験を持つ山田太一が脚色。戦争が激化する昭和19年の秋、東京から小学5年生の少年が富山県の田舎に縁故疎開してきた…。戦時中の都会と地元の少年同士の友情と確執を通して、戦争の体験と昭和とは何だったのかを問いかける。敗戦を迎え、東京に戻るラスト、かぶさる井上陽水の主題歌が涙を誘う。
12/19(土)~
まさゆめ
© WHITE LEOTARDS
2026年/⽇本/110分/配給:ホワイトレオターズ/配給協⼒:ブライトホース・フィルム
監督・出演・編集:吉開菜央
撮影:⼩⽥⾹、吉開菜央、宮川真⼀、横江れいな、仲本拡史
⾳楽:涌井智仁(⼤橋可也&ダンサーズ「END THE WORLD」より)
⾳響:北⽥雅也
振付:関かおり
出演:北村思綺、髙宮梢、真壁遥、内海正考、⼤迫健司、佐藤桃⼦、⼩池陽⾹、仲本拡史、加藤⼤輝、Osono、岩渕貞太、関裕美、吉開章⼦、吉開元彦、吉開⽉柊
34歳になった冬、体調を崩した─
母の突然の死。
食べて、手を動かし、そして眠って
世界と対話する方法をもう一度編み出す。
34歳になった冬、吉開は心身のバランスを崩し、そして続くように、故郷に住む母を亡くした。その後、ふとしたきっかけで禅寺に赴き、修行をしようと思い立つ。「意識が作り出す感情はすべて夢である」と教わり、食べることや呼吸といった身体の根源に立ち返りながら、生きることを捉え直す。誰しもに訪れる親の死と自身の病によって、人生の大きな通過点に突然直面したことをきっかけに、日常に起こる小さな喜びや驚きを拾い集めながら、映画という「夢」をつくり、自分の身に起きたことをあらためて受け入れていく。
映像作家・ダンサー吉開菜央による
生きるための「オン・スクリーン・エクササイズ」
小田香監督『Underground アンダーグラウンド』(2024)に出演し、鮮烈な印象を残した映像作家・ダンサーの吉開菜央。『ほったまるびより』(2015)、『Grand Bouquet』(2019/カンヌ国際映画祭監督週間出品)、『Shari』(2022/ロッテルダム国際映画祭短・中編部門出品)と、映像と身体表現の可能性を探求しながら、独自の映画世界を磨き上げてきた。
最新作『まさゆめ』は、監督自身の体験から生まれたドキュメンタリー映画である。心身の不調、母との別れ、禅寺での修行──人生の大きな転機をきっかけに、食べること、眠ること、呼吸することといった身体の営みを見つめ直しながら、生きることを問い直していく。身体表現、写真、アニメーション、8ミリフィルム、ホームビデオと、あらゆる映像的手法が積み重ねられ、セルフ・ドキュメンタリーの枠を超えたユニバーサルな視野を持った長編映画として完成した。
2026年・第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部門で初上映を迎えた本作は、その後もトルコ、スペイン、韓国、アメリカ、台湾など各国の映画祭で上映され、言語の壁を越えた共感を集め、北米での劇場公開も決定!
身体を通して世界と対話を重ねる本作は、映画という船に乗り、観客の記憶と五感を呼び覚ましながら、それぞれの旅へとひらいていく。
12/26(土)~
うそがほんとに ほんとがうそに
©Kimoon Film
2026年/日本/104分/製作・配給:Kimoon Film
監督:金 聖雄
音楽:谷川賢作、河野俊二
出演:袴田巖、袴田ひで子、石川一雄、石川早智子
語り:北村有起哉
冤罪に巻き込まれた人生を、あきらめない
真実をたぐり寄せる、ふたつの家族のストーリー
晴れる日を信じて苦難の道をゆく
石川一雄さん、早智子さん夫妻との出会いから冤罪をテーマにした映画を撮り続けてきた金聖雄監督。冤罪シリーズ5作目となる『うそがほんとに ほんとがうそに』は、無罪が確定した袴田事件と、未だ再審裁判の扉が開かない狭山事件の「うそ」と「ほんと」を見つめます。権力にあらがい、あきらめず前を向いて歩み続ける2つの家族。そのささやかな日常とおおらかな心は、理不尽極まりない日本の司法の残酷さを浮き彫りにします。怒りと希望、微笑みと涙が交差する104分。冤罪についてよく知らない人にも、わかりやすく親しみやすいヒューマンドキュメンタリーの誕生。
2024年9月26日、袴田巖さんの無罪判決が言い渡されました。その場には狭山事件の石川一雄さんと妻・早智子さんの姿がありました。「無罪」の瞬間、一雄さんは巖さんの勝利を心から喜びながら、複雑な表情を見せました。胸が締めつけられる思いでした。私は、石川一雄さん、早智子さん夫妻との出会いをきっかけに、罪をテーマにした映画をつくり続けてきました。3作目の『獄友』では、「一雄さんが無罪を勝ち取るまで撮影を続ける」と約束しました。その約束を果たしたいと思い撮影を再開したのですが、2025年3月11 日に、石川一雄さんは雪辱を果たせぬまま亡くなりました。私にできることは、一雄さんと早智子さんの闘いの背中をほんの少しでも後押しできる映画をつくること……。こうして、罪シリーズ5作目『うそがほんとに ほんとがうそに』が誕生しました。主人公は石川一雄さんと早智子さん、袴田巖さんとひで子さんです。罪の映画をつくり続ければならないこの日本の状況を何とかしたい。罪で苦しんでいる人がたくさんいることを映画を通して伝えたい。これからもあらがい続けています。
Kimoon Film 金聖雄
12/26(土)~6日間限定
シグロ40周年特集上映
シグロ40周年特集上映-差別と冤罪
12/26(土)~12/31(木)
シグロ40周年特集上映-差別と冤罪
12/26(土)~12/31(木)
あるがままの世界を記録し続けた
40年目の回顧上映
株式会社シグロ。
土本典昭監督の水俣の記録映画シリーズなどを製作していた青林舎から独立。1986年7月21日、代表の山上徹二郎が株式会社シグロを設立。社名の「シグロ」は『百年の孤独』(ガブリエル・ガルシア・マルケス著)からイメージしたもの。シグロはスペイン語で「世紀」を意味する。
公式ホームページhttps://siglo40th-anniversary.com/
企画・配給シグロ
入場料 一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円
トークイベント
▼12/26(土)『人間の街-大阪・被差別部落-』上映後、山上徹二郎さん(プロデューサー)の舞台挨拶がございます。
作品紹介
人間の街-大阪・被差別部落-
©1986, 青林舎/Palabra
1986年/80分/日本
監督:小池征人
企画:同和対策審議会答申20年記念映画製作委員会
製作:山上徹二郎
撮影:一之瀬正史
音楽:小室等
人間が人間を無視するってことほど、悲しくてつらいことはない。
けど、とことんしいたげられたから、とことんやさしい、あったかや
差別の重さ、人間の輝き。
映画は郵便局勤務の男性の語りから始まる。彼のところには名ざしで職場をやめろ、死んでしまえなどという手紙が来る。
差別は厳然と存在している。この映画は被差別部落の人びとのさまざまな語りから その差別の重さを感じさせる。いくつかの物語をつなぎ合わせて、人間のもつ輝きを拾い集めようとしている。
立ち上がる解放運動。
住宅要求闘争を語る女性。入居した時はうれしかったが、部落の共同性が失われていった。また、住宅がねたみの対象とされ、新しい差別をうんだ。部落の男性と結婚した女性は結婚後15年たっても家族との交流がない。しかし、彼らは差別にうちひしがれてばかりはいない。
「障害児も地或であたりまえに生きたらいい」と解放運動に教えられ、障害者の施設を部落の中に作った人びとがいる。「この地或やから生きてゆけるんとちがうかなー」と語る。水俣出身であることを隠してきた一家は子供の保育園入所をめぐって部落の人たちと知り合い、解放運動に立ち上がった。「部落は私のいのちです」と母は語り、息子も「部落がふるさと」と言い切る。
「誰れかが牛殺さな」
圧巻は屠畜場の屠畜シーンと屠畜技術者が小学校に出向いて自分の仕事について子供たちに語りかけるシーンである。ナイフ一本で肉にしていく確かな仕事は職人芸である。
彼はいう。「“誰れかが牛殺さな、たべてかれへんねん、肉たべられへんねん”て言えるくらいな、みんな子供になってほしいなと思う」
狭山事件-石川一雄・獄中27年-
1990年/90分/日本/製作:シグロ
監督:小池征人
企画:中央狭山闘争本部、部落解放同盟中央本部
製作:山上徹二郎
撮影:大津幸四郎
音楽:坂田明
踏みにじられた真実、冤罪事件を追う
1963年5月、埼玉県狭山市でおきた女子高校生殺害事件—
いわゆる狭山事件は届けられた一通の脅迫状に始まる。警察の捜査は被差別部落に集中し、一人の若者が別件で逮捕された。 石川一雄さん、24才。
逮捕から27年。石川さんは千葉刑務所の獄壁の中から無実を訴え、二回目の再審請求を東京高等裁判所に申し立てた。 映画は、当時の事件関係者の生なましい証言を追って、狭山事件とは何かにせまる。
当時、取材で現地にはいると、犯人は部落民だと言われ、ショックを受けたと語る当時の新聞記者。事件直後、石川さんの無実を信じ、支援にのりだした元市議会議員も、部落民ならやりかねないという言葉を何度も聞いた。当時から狭山に住むある在日朝鮮人は「事件があるといつも警察がねらいをつけるのは部落民か在日朝鮮人」だと語る。
共犯だとして別件逮捕され、自白を強要されて、警察で自殺をはかろうとしたという石川さんの友人の証言。映像がつきつける事実が薄れかけた記憶を激しく揺さぶる。
狭山事件で、捜査陣は何を考え、何をつくりだしたのか。映画は、事件の発端となった脅迫状の分析を試みながら、真犯人の像をさぐる。そして、石川さんの生い立ちを追って、文字と無縁だった石川さんの被差別の生活史を重ねていくと、そこには大きな落差があった。脅迫状と石川さんが逮捕前に書かされた上申書との大きな違い。
そして、つぎつぎに明るみに出てきた新事実。犯行現場とされる雑木林のすぐとなりの畑で農作業をしていた人の証言、家宅捜索の責任者だった元刑事の証言が、石川さんの自白と捜査の問題点を暴く。狭山事件の捜査本部長だった元埼玉県警刑事部長へのインタビューが、時を経たいまも、私たちに事件の真相を鋭く突きつける。
1/16(土)~
私がまだ知らない沖縄
© rude news films 2026
2026年/日本/110分/配給:boid,Voice of Ghost
監督・撮影・編集:猪股東吾
出演:具志堅秀明、小橋川共行、阿部岳、Yuuri、平良すみれ、
舟田志穂、高里鈴代、金城武政、野村浩也、山里節子、下地茜
製作:RUDE NEWS FILMS
私たちは何を見て、何を見ていないのか。
ここは「楽園」なのか、「植民地」なのか——
島々に暮らす人々の声から“沖縄”と“日本”の関係を静かに見つめ直すドキュメンタリー
沖縄――美しい海や亜熱帯の森などの豊かな自然、温暖な気候、琉球王国時代から引き継がれてきた独自の文化・風習を持つ島々は、戦争で20万人以上の犠牲者を出し、戦後も日本国内にある70%の米軍基地を抱え、県民所得が全国最下位、3人に1人の子どもが貧困状態にある。戦後81年、本土復帰54年が経った今、沖縄では何が起こり、そこに暮らす人々は何を見つめ、どんな問題と向き合っているのか。
海兵隊の友人がPTSDになるのを目の当たりにした青年。小学校に米軍機が墜落した事故が再び起こることを恐れ、オスプレイ配備に反対する元教師。辺野古の基地反対運動にまつわるデマを聞き、初めて現地を訪れる学生。観光業に依存した地元の経済構造を懸念する市議会議員。米国地質調査団の助手として参加した調査が軍事利用されたことを後に知り、贖罪の念を抱き続けてきた女性――。
本作では、10代から80代までの市井の人々の多角的な語りの集積から、沖縄の重層的な実像を浮かび上がらせる。
大袈裟太郎という芸名でも知られる監督の猪股東吾は、2016年、高江のヘリパッド建設に反対する市民を機動隊が強制的に排除する映像にショックを受け、現地に駆け付けたのを機に沖縄へ移住した。現地の実態が本土のメディアでほとんど報道されず、SNSで誤った情報が流布されていることを知り、それまで無関心だった自身の責任に向き合おうという思いからジャーナリスト活動を開始。高江や辺野古をはじめとする基地問題、オスプレイの墜落事故、米兵による犯罪事件、水質汚染などの基地公害を取材、発信してきた。
取材を続ける中で、沖縄が抱える様々な問題の根幹には日本という国、「本土」側の無関心と構造的差別があることを実感。“やまとんちゅ(本土出身者)”という立場から、沖縄の人たちが普段の生活の中で上げる声を聴き、一過性のメディアではない映画として記録することで、その当事者性を問い直したいと考え、初監督となる本作を4年がかりで制作した。
是か非か、賛成か反対かといった二項対立的な思考では片づけられない現実。そうした「複雑さ」や「割り切れなさ」と向き合い、その背景にある歴史や問題の本質を探っていくことは、沖縄について、さらには日本について考える一歩となるだろう。あなたがまだ知らない沖縄。それを知ることは、あなた自身を知ることにもつながるはずだ。
1/16(土)~
インサイド・ガザ 封鎖の内側から
© ARTE FRANCE, RTBF, FACTSTORY, FACTSTORY BELGIQUE, AGENCE FRANCE-PRESSE 2025
2025年/フランス・ベルギー/72分/配給:ユナイテッドピープル
原題:INSIDE GAZA
監督:エレーヌ・ラム・トロン
製作総指揮・プロデューサー:ヤン・オリヴィエ
題字揮毫:杉田 曠機
出演:マイ・ヤギ、モハメド・アベド、マフムード・ハムス、アーデル・ザアヌーン
立ち入りを禁じられたガザ
命がけで現実を世界に届け続けるAFP通信の記者たち
証言することは、彼らの使命であり、闘いだった。
2023年10月7日以降、ガザ地区は国際メディアの立ち入りが制限され、独立した取材アクセスは事実上不可能となった。この戦争を内側から記録した数少ない証人が、AFP通信ガザ支局の記者たちである。周囲に爆弾が降り注ぐ中、彼らは記事を書き、写真や映像を記録し続けた。自らが報道する人々と同じ危険や欠乏、先の見えない不安に直面しながらも、その証人であり続けた。彼らが命懸けで捉えた膨大な映像と写真で構成された本作は、当事者自身が語る唯一無二の証言記録である。
記者のマイ・ヤギ、モハメド・アベド、アーデル・ザアヌーン、マフムード・ハムスは、AFP通信の一員として数々の紛争を取材してきた。しかし、今回の戦争はかつてないものだった。彼らは、伝える義務、自らの生存をかけた闘い、そして常につきまとう「標的にされるかもしれない」という恐怖の間で引き裂かれていく。想像を絶する破壊と増え続ける死者を記録する証言者としての重責、そして自分と家族の命を守り抜こうとする人間としての切実な姿を描き出す。
© Mohammed Abed / AFP
© Said Khatib / AFP
©MAHMUD HAMS / AFP
1/23(土)~
2126年、海の星をさがして
©2026 WOWOWPLUS INC.
2026年/日本/86分/配給:渋谷プロダクション
監督:金子修介
脚本:梶原阿貴
プロデューサー:久保和明
キャスティングプロデューサー:小林良二
協力プロデューサー:金森郁東
撮影監督:上野彰吾
照明:浅川周
録音:吉岡渚咲
編集:洲崎千恵子
スクリプター:松澤一美
製作:釧路市シビックプライド醸成長編映像制作実行委員会
企画・プロデュース・製作著作:WOWOWプラス
プロデュース協力:キーストン・プラス
制作プロダクション:レオーネ
出演:渡邊圭祐、葵わかな、上川周作、小西桜子、萩原聖人、小林聡美ほか
あの日見た「未来」のつづきを・・
釧路で再会した幼馴染たちが、街の未来のために奮闘する
代わり映えのしない日々を過ごしていた釧路在住のゲームオタクの巌(渡邊圭祐)は、中学時代に友達と熱中した世界的ヒットゲームの次回作の舞台の候補地に、上海と釜山と並び、地元・釧路が挙がっていることを知る。市場で店を開く母と二人暮らしの巌は、ゲームの世界を通して、北極海航路開通時には北のシンガポールともなりえる港湾都市「釧路」が持つポテンシャルを世界に発信し、観光客を増やそうと考え、東京から戻ってきた燈(葵わかな)ら幼馴染たちと共に、ゲームのロケ誘致を目指して奮闘する。最大のピンチを乗り越え、国際プレゼンの準備が進む一方で、巌にはやり残したことがあった…
本作は、釧路市民の郷土愛(シビックプライド)の醸成を目的に「釧路市シビックプライド醸成長編映像制作実行委員会」を組成し、映画制作による地域活性化、地方創生を目指したプロジェクトから生まれた。2025年9月末~10月中旬にかけて、釧路港、新富士市場、釧路和商市場、釧路湿原、阿寒湖畔など、釧路市内の多彩な場所で撮影され、多くの市民エキストラも参加。広大で美しい自然やノスタルジックな町並み……かつて熱中したRPGゲーム『G.G.O』の続編の舞台誘致をきっかけに、地元・釧路で再会した幼馴染たちの街の未来をかけた奮闘が、釧路の多面的な魅力とともに色鮮やかに描き出されている。
監督は『ガメラ』シリーズ、『DEATH NOTE デスノート』等のヒット作を量産する金子修介、脚本は『夜明けまでバス停で』『「桐島です」』など話題作を発表する梶原阿貴が担当。
主人公のゲームオタク・巌(いわお)を演じる渡邊圭祐は本作で映画初単独主演となった。 ヒロイン・燈(あかり)を演じるのは葵わかな。二人に協力する幼馴染役には、上川周作と小西桜子、他に東京の不動産・金融コンサルタント役で萩原聖人、巌の母役で小林聡美が出演する。
2/13(土)~
倫敦から来た男 デジタル版
2007年/ハンガリー=フランス=ドイツ/139 分/モノクロ
原題:The Man from London
ハンガリー題:A londoni férfi
監督:タル・ベーラ
原作:ジョルジュ・シムノン
脚本:クラスナホルカイ・ラースロー、タル・ベーラ
撮影監督:フレッド・ケレメン
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
編集・共同監督:フラニツキー・アーグネシュ
出演:ミロスラヴ・クロボット、ティルダ・スウィントン、ボーク・エリカ、デルジ・ヤーノシュ
ある晩、静かな港で起こった殺人事件。
偶然にも大金を手に入れた男と失った男。
二人の人生が交錯し、運命の歯車が狂ってゆく。
推理小説家ジョルジュ・シムノンの同名小説に「これは私たちの物語だ」と一瞬にして魅了されたタル・ベーラが映画化し、タル・ベーラ監督作として初めてカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された野心作。果てることない海のそば。静かに生きる鉄道員のマロワンは毎晩、「ガラスの檻」のような制御室から、漆黒の港と駅を見下ろしている。ある夜、マロワンは偶然にも“倫敦から来た男”ブラウンが犯した殺人の現場を目撃してしまう。そして、殺された男が持っていた大金の入ったトランクを、マロワンは海中から見つけ出す。それはブラウンが必死に探していたものだった・・・。出会うはずのなかった男たちの人生が交差し、ゆっくり破滅へと向かってゆく。
「罪とは何か?」「罰とは?」と問いかけ、誰もが罪人になりえるという人間の脆さと哀れを描く物語を描くにあたってタル・ベーラは空間の概念を揺るがすカメラワーク、登場人物の心情をも見透かすような長回しを駆使し、完璧なモノクロームの世界を作り上げた。冒頭の港のシーンは、驚くことにコルシカのバスティア港に作られたセットであり、そのファーストショットを観ただけで、一切の妥協を許さないタル・ベーラの姿勢がうかがえる。インディーズ映画からハリウッド超大作まで幅広く活躍するティルダ・スウィントンが、退廃的な美しさを漂わせるマロワンの妻を見事に演じている。
この映画は、欲望について、自由で幸福な人生への人間の希求について、決して実現しない幻想的な夢について、そして、毎日眠りにつき次の日に起き上がり生き続ける私たちの強さについて、描いています。私はマロワンの物語が、誘惑に打ち勝ち、人間の尊厳を保つ勇気を持っている全ての人の物語であると確信しています。
――――タル・ベーラ
2/13(土)-2/26(金)
タル・ベーラ 凝視せよ、抵抗せよ
タル・ベーラ 凝視せよ、抵抗せよ
2/13(土)-2/26(金)
タル・ベーラ 凝視せよ、抵抗せよ
2/13(土)-2/26(金)
2026年1⽉6⽇に70歳の⽣涯を閉じたタル・ベーラ。
その死から⼀年、⻑らく⽇本では観ることが叶わなかった
『倫敦から来た男』のリバイバル公開に併せて、彼の⻑編5作を⼀挙上映!
⼀貫して、⼈を凝視し、型にはまることを拒絶し、世界に抗ってきたタル・ベーラ。その訃報は世界を駆け巡り、SNSは瞬く間に数多くの悼む声で溢れ、彼の存在の⼤きさを改めて知らしめるものだった。 今回の特集では、初公開以来、⻑らく⽇本では観ることが叶わなかった『倫敦から来た男』の初 のデジタル版でのリバイバル公開に併せて、映画史において伝説となっている7時間18分の『サタンタンゴ』、ノーベル⽂学賞受賞のクラスナホルカイ・ラースローと初めて組んだ『ダムネーション/天罰』、フィルモグラフィの中でも最もラディカルな『ヴェルクマイスター・ハーモニー』、カサヴェテスを彷彿とさせるドキュメンタリータッチのデビュー作『ファミリー・ネスト』、珍しいカラー作品『アウトサイダー』の5作品を一挙上映。
配給・宣伝 ビターズ・エンド
入場料一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円
作品紹介
ファミリー・ネスト 4Kデジタル・レストア版
1977年/ハンガリー/105分/モノクロ
原題:Családi tűzfészek
英題:Family Nest
監督・脚本:タル・ベーラ
撮影監督:パプ・フェレンツ
音楽:スレ-ニ・サボルチ、トルチュヴァイ・ラースロー、モーリツ・ミハーイ
編集:コルニシュ・アンナ
出演:ラーツ・イレン、ホルヴァート・ラースロー、クン・ガーボル、クン・ガーボルネー
住宅難のブダペストで夫の両親と同居する若い夫婦の姿を、16ミリカメラを用いてドキュメンタリータッチで5日間で撮影した、22歳の鮮烈なデビュー作。不法占拠している労働者を追い立てる警察官の暴力を8ミリカメラで撮影して逮捕されたタル・ベーラ自身の経験を基にしている。「映画で世界を変えたいと思っていた」とタル・ベーラ自身が語る通り、ハンガリー社会の苛烈さを直視する作品となっている。社会・世界で生きる人々を見つめるまなざしの確かさは、デビュー作である本作から一貫している。
ジョン・カサヴェテスやケン・ローチの作品を想起させるドキュメンタリー・スタイルで撮られた『ファミリー・ネスト』は、映像をとらえるタル・ベーラの天性の才能を示している。
―――NY Film Society of Lincoln Center
アウトサイダー 4Kデジタル・レストア版
1981年/ハンガリー/128分/カラー
原題:Szabadgyalog
英題:The Outsider
監督・脚本:タル・ベーラ
撮影監督:パプ・フェレンツ、ミハーク・バルナ
音楽:サボー・アンドラーシュ、ホボ・ブルース・バンド、ニュートン・ファミリー、ミネルヴァ
編集:フラニツキー・アーグネシュ
出演:サボー・アンドラーシュ、フォドル・ヨラーン、ドンコー・イムレ、バッラ・イシュトヴァーン
社会に適合できないミュージシャンの姿を描いた監督第2作にして、珍しいカラー作品。
この作品がきっかけで、タル・ベーラは国家当局より目をつけられることになる。本作以降すべての作品で編集を担当するフラニツキー・アーグネシュが初めて参加。酒場での音楽とダンスなど、タル・ベーラ作品のトレードマークと言えるような描写が早くも見てとれる。日本でも80 年代にヒットしたニュートン・ファミリーの「サンタ・マリア」が印象的に使われている。
当時のハンガリー映画に映っているのは嘘ばかりだった。本当の人々の姿を撮りたかった。『アウトサイダー』は映画に対するアンチテーゼだ。
―――タル・ベーラ
ダムネーション/天罰 4Kデジタル・レストア版
1988年/ハンガリー/121分/モノクロ
原題:Kárhozat
英題:Damnation
監督・脚本:タル・ベーラ
原作・脚本:クラスナホルカイ・ラースロー
撮影監督:メドヴィジ・ガーボル
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
編集・共同監督:フラニツキー・アーグネシュ
出演:セーケイ・B・ミクローシュ、ケレケシュ・ヴァリ、テメシ・ヘーディ、パウエル・ジュラ、チェルハルミ・ジュルジュ
クラスナホルカイ・ラースローが初めて脚本を手掛け、ラースロー(脚本)、ヴィーグ・ミハーイ(音楽)が揃い、“タル・ベーラ スタイル”を確立させた記念碑的作品。ラースローと出会ったタル・ベーラは『サタンタンゴ』にすぐに取りかかろうとしたが、時間も予算もかかるため、先に本作に着手する。
不倫、騙し、裏切りー。荒廃した鉱山の町で罪に絡みとられて破滅していく人々の姿を、『サタンタンゴ』も手掛けた名手メドヴィジ・ガーボルが「映画史上最も素晴らしいモノクロームショット」(Village Voice)で捉えている。
メランコリックな音楽、儀式とも言えるダンス、冷酷なキャメラの動きー『ダムネーション/天罰』は、まさに『サタンタンゴ』の前哨戦だ。
―――The New York Times
サタンタンゴ 4Kデジタル・レストア版
1994年/ハンガリー=ドイツ=スイス/438分/モノクロ
原題:Sátántangó
英題:Satantango
監督・脚本:タル・ベーラ
原作・脚本:クラスナホルカイ・ラースロー
撮影監督:メドヴィジ・ガーボル
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
編集・共同監督:フラニツキー・アーグネシュ
出演:ヴィーグ・ミハーイ、ホルヴァート・プチ、デルジ・ヤーノシュ、セーケイ・B・ミクローシュ、ボーク・エリカ
クラスナホルカイ・ラースローの同名小説を原作に、4 年の歳月をかけて完成させた、映画史上伝説の7 時間18 分。降り続く雨と泥に覆われ、活気のない村に死んだはずの男イリミアーシュが帰ってくる。彼の帰還に惑わされる村人たち。イリミアーシュは果たして救世主なのか?
タンゴのステップ<6 歩前に、6 歩後へ>に呼応した12 章で構成される本作は、秩序に縛られ、自由を求め、幻想を抱き、未来を信じ、なおかつ世界に幻滅する人間の根源的な姿を、全編約150 カットという驚異的な長回しで詩的かつ鮮烈に描いている。
7時間すべての瞬間が圧倒的で心を奪われる。残りの人生で毎年観たい傑作。
―――スーザン・ソンタグ
ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kデジタル・レストア版
2000 年/ハンガリー=ドイツ=フランス/146 分/モノクロ
原題:Werckmeister Harmóniák
英題:Werckmeister Harmonies
監督・脚本:タル・ベーラ
原作・脚本:クラスナホルカイ・ラースロー
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
編集・共同監督:フラニツキー・アーグネシュ
出演:ラルス・ルドルフ、ペーター・フィッツ、ハンナ・シグラ、デルジ・ヤーノシュ
本作をきっかけにNYのMOMAでタル・ベーラの特集上映が組まれ、ジム・ジャームッシュ、ガス・ヴァン・サントなどを驚嘆させ、世界に衝撃を与えた記念碑的作品。天文学が趣味のヤーノシュは老音楽家の身の回りを世話しているが、彼らの日常に不穏な“石”が投げ込まれる。広場に忽然と現れた見世物のクジラと、“プリンス”と名乗る扇動者の声。その声に煽られるように住人達の不満は沸点に達し、破壊とヴァイオレンスへと向かい始める。扇動者の声によって人々が対立していく様は、四半世紀前の製作ながら、見事なまでに現在を予兆している。
『ヴェルクマイスター・ハーモニー』は、忘れられない素晴らしい体験だ。催眠術のように染みわたり、“夢”へと導いてくれる。
―――ジム・ジャームッシュ