近日上映作品

7/4(金)1日限定

ひとつの空

ひとつの空メイン画像

© ️株式会社ボーダレスナイン

2024年/138分/日本/製作・配給:ボーダレスナイン/配給:PEEPS/配給協力:オムロ
監督:遠藤一平
脚本:遠藤一平、めぐみ千尋
製作総指揮:島根智史、ペレス・メルセデス
エグゼクティブプロデューサー:榎本幹雄、松島輔時生
プロデューサー:笹沼亜也、小野田英雄
音楽:長谷川久、野島健太郎
主題歌「ひとつの空 ~no rain no rainbow~」T-BOLAN
出演:池上紗理依、川本淳市、白本彩奈、三木崇史、秋山真太郎、豊田博臣、一条貫太(特別出演)、加藤雅也(特別出演)、宮内洋、藤岡弘、(特別出演)

公式ホームページ

イベント情報
7/4(金)上映後に、スタッフ、キャストによる舞台挨拶がございます。

強さとは、何だと思う?
空手はケンカのためにあるんじゃないんだ。
空手に己を賭けた女子の大バトルアクション!!

高校3年生の横倉莉子は、憧れの先輩・松田樹をめぐり、親友の新堂愛羅の嫉妬によっていじめの標的にされてしまう。不登校になった莉子は家を飛び出し、不良の青年・生川悠斗と非行に走る中、空手の使い手である正田健吾と出会う。樹と愛羅が空手の大会に出ることを知った莉子は、自分も空手の試合に出場して見返してやろうと思い立ち正田に弟子入りを志願する。 空手の稽古を重ねるうちに自分が失っていたものを取り戻していく莉子。 そして大会当日、莉子と愛羅の試合が始まる…。
空手は14世紀に日本の沖縄(当時は琉球王国)で誕生した武術であり、現在では世界約200 ヶ国で競技が行われている。空手は相手を倒すことだけを目的とするのではなく、修行を重 ねていく中で自信と誇り、そして勇気が生まれ、精神的に成長することでそれが他者への優 しさになって表れるとされている。 遠藤一平監督が「空手しかない、独自の優しさ」を表現し、思春期特有の悩みを抱えた女子 高生が空手を通して成長を遂げていくという複雑な心情をリアルに描いた空手アクションドラマ。ヒロインの横倉莉子は、「ミスヤングチャンピオン」でグランプリ受賞経験がある池上紗理依。ライバルの新堂愛羅は、石井岳龍監督『箱男』出演で話題の白本彩奈。特別出演に、藤岡弘、。同じく加藤雅也、歌手の一条貫太。藤岡弘、と宮内洋の初期仮面ライダーシリーズ主役2人が揃っての出演が話題。


7/5(土)~7/8(火)

横浜フランス月間2025

横浜フランス月間2025

~食・環境にまつわるドキュメンタリー作品上映&トーク~

7/5(土)-7/8(火)

横浜フランス月間2025

~食・環境にまつわるドキュメンタリー作品上映&トーク~

7/5(土)-7/8(火)

映画監督 フランソワーズ・デボワ

日本人の母とフランス人の父の間に生まれる。グルノーブル政治学院を卒業後、ベルリンのメットフィルムスクールでドキュメンタリー映画を学ぶ。パリでシャンソン・レアリストの歌手として、またアムステルダムで料理研究家として活動。現在はベルリンを拠点にドキュメンタリー映画の製作に専念する。日本文化、なかでも美食をテーマにした、親密なポートレート作品を数多く手がけている。彼女は心惹かれるプロジェクトがあれば、世界のどこへでも足を運ぶ。
代表作『ジャン=マルク・ブリニョと佐渡のこと』は、数々の賞を受賞。最新作『KAZUO』では、佐渡の名高い蕎麦職人の厨房で過ごした1週間を丹念に描いている。

ロゴ

主催 アンスティチュ・フランセ

公式サイト https://culture.institutfrancais.jp/event/mdf2025_associe

入場料一般1900円/会員・大専・シニア1300円/高校生以下800円
※アンスティチュ・フランセ会員の方も会員証ご提示で、当館会員価格でご入場いただけます。

イベント情報
●『ジャン=マルク・ブリニョと佐渡のこと』7/5(土)・7/7(月)上映
 7/5(土)上映後は、フランソワーズ・デボワ監督のオンライントークイベントがございます。
●『KAZUO』7/6(日)・7/8(火)上映
 7/8(火)上映後は、斎藤和郎さん(本作出演)、フランソワーズ・デボワ監督のオンライントークイベントがございます。

作品紹介

ジャン=マルク・ブリニョと佐渡のこと

2020年/ドイツ/90分/カラー

日本人にもほとんど知られていない手つかずの島での私的な逃避行へと私たちを誘う。
本州の西、日本海に浮かぶ佐渡島。かつて流浪の地であったのと同時に、15世紀以降のゴールドラッシュの歴史をもち、ここに足跡を残した様々な個性によって築かれた日本の縮図と形容されることもある。今もその精神と独自の伝統が息づいている土地である。
10年前、フランスの自然派ワインの先駆者として知られるジャン=マルク・ブリニョは、フランスのジュラを離れ、家族とともに佐渡に移住することを決めた。彼はそれまで一度もワインのために耕されたことのない土地で、ゼロからワイン造りを始めたのだ。ヨーロッパ的慣習から遠く離れた場所で、ワイン栽培とパーマカルチャー農法の実験を行うために、新たなスタートを切った。果たして彼は、気候的、文化的、地質学的な制約の中で成功を収めることができるのだろうか。

KAZUO

2023年/ドイツ/97分/カラー

1968年、佐渡に生まれた蕎麦職人、KAZUOこと齋藤和郎さん。佐渡の人気蕎麦屋「茂左衛門(もぜむ)」を営む。東京で学び、働いたのち、生まれ故郷の佐渡に戻ることを決意、帰郷後は、改めて島を見つめ直し、佐渡の山々や豊かな自然を探求する日々。
そんな彼が、ここ数年佐渡に関心を持って度々来島しているデボワ監督と出会い、「1週間、僕の厨房で過ごしてみないか」と声をかけたことからこの作品は誕生した。彼が四季折々の恵みを生かし、正確でインスピレーションあふれる創作郷土料理を提供していく姿をとらえた作品。

7/5(土)~

無名の人生

無名の人生

©鈴木竜也

2024年/日本/93分/配給:ロックンロール・マウンテン/配給協力:インターフィルム
監督・原案・作画監督・美術監督・撮影監督・色彩設計・キャラクターデザイン・音楽・編集:鈴木竜也
プロデューサー:岩井澤健治(『音楽』『ひゃくえむ。』)
声の出演:ACE COOL、田中偉登、宇野祥平、猫背椿、鄭玲美、鎌滝恵利、西野諒太郎(シンクロニシティ)、中島歩、毎熊克哉、大橋未歩、津田寛治

公式ホームページ

数々の映画祭を席巻した鈴木竜也、満を持しての劇場長編デビュー
『音楽』『JUNK HEAD』に続く、 個人制作の長編アニメーションの新たな傑作誕生

2021 年、コロナ禍を機に独学で作り始めた短編アニメーション『MAHOROBA』が、ぴあフィルムフェスティバル、下北沢映画祭ほか国内の自主映画祭で数多くの賞を受賞した鈴木竜也監督が、たった1人で、1年半を費やし描き上げた長編デビュー作『無名の人生』。

『MAHOROBA』ではブラック企業に勤める男が逃亡を図る物語、続く『無法の愛』でははみ出し者の男女の関係を軸に、現実社会で起きた無差別刺傷事件にも焦点を当てるなど、一貫して“不条理な世の中に生きる者たちの生き様”をシニカルな描写で描いてきた鈴木監督。『無名の人生』は、仙台に暮らすいじめられっ子の孤独な少年が、父親の背中を追ってアイドルを目指すところから始まる物語。生まれてから死ぬまでに蔑称や源氏名などいくつもの呼称で呼ばれた主人公の波乱に満ちた100年の生涯を、高齢ドライバーや芸能界の闇、若年層の不詳の死、戦争など今まさに我々が直面する数々のセンセーショナルな社会問題を背景に全10章で描き切ります。そして、章ごとにタッチも色彩も変化し、観る者を飽きさせない変幻自在なアニメーションの果てに待つ、前代未聞の衝撃的なラストとは…。

制作期間7年半、総作画枚数4万枚超で国内外を席巻した岩井澤健治監督作『音楽』(19)、世界の映画賞で称賛されたストップモーションアニメ『JUNK HEAD』(21)のヒットが記憶に新しい、日本の個人制作の長編アニメーション市場。今回、岩井澤監督が『無名の人生』のプロデュースを手掛け、アニメ業界にさらなる多様性をもたらします。
鈴木監督たっての希望で主人公の声を務めたのは、ラッパーのACE COOL。その卓越したスキルで抒情的・哲学的なラップを放ち、聴く者を魅了。今回、映画初出演かつ声優初挑戦となりましたが、少ない台詞ながらも主人公の心の揺らぎと悲哀を繊細に表現しました。そして、実力派俳優から、フリーアナウンサー、お笑い芸人など、世代もフィールドも異なるキャスト陣が、そのほとんどが声優未経験ながら、監督の孤高の作品作りと唯一無二の作風に共鳴。個人制作の長編アニメーションの新たな傑作がここに誕生しました。


無名の人生 無名の人生 無名の人生

7/5(土)~

Away

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©2019 DREAM WELL STUDIO. All Rights Reserved.

2019年/ラトビア/75分/提供・配給:キングレコード
原題:Away
監督・製作・編集・音楽: ギンツ・ジルバロディス

公式ホームページ

革新的!独創的!言葉なき深淵なる映像世界!
それは、全く新しいアニメーションへの挑戦。

アニメーション映画祭として、世界最高の権威と影響力を誇るアヌシー国際映画祭において、本作は、2019年に新設され、実験性・革新性のある長編アニメーションを対象とする“コントルシャン”賞で、見事初代グランプリを受賞。これを皮切りに、世界中の映画祭で9冠を達成。2020年第92回アカデミー賞長編アニメーション部門の最終候補32作品に選ばれ、同年の第47回アニー賞でも『アナと雪の女王2』や『トイ・ストーリー4』とともにベストミュージック部門にノミネートを果たした。一躍時の人となったその新進クリエイターの名は、“ギンツ・ジルバロディス ”。ヨーロッパの小さな国、ラトビアで生まれ育ち、8歳からアニメーションをつくり始めたという弱冠25歳(当時)の青年が、365日、休むことなく3年半をかけ、たった一人で全てを作りあげた、渾身の長編デビュー作。世界中で新風を巻き起こしたヨーロッパの新星、遂に日本へ!!

美しい冒険の旅へ―
絶望 不安 孤独 そして希望をめぐるたった一人のロードムービー

飛行機事故で、たった一人生きのびた。少年は森で地図を見つけ、オートバイで島を駆け抜ける。黒い影から逃れて、黄色い小鳥とともに。


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7/12(土)~

黒川の女たち

黒川の女たち

2025年/日本/99分/配給:太秦/製作:テレビ朝日
監督:松原文枝
語り:大竹しのぶ
撮影:神谷潤、金森之雅
編集:東樹大介
プロデューサー:江口英明
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(日本映画制作支援事業)
支援:独立行政法人日本芸術文化振興会

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,400円(税込)を当館受付にて発売中!

なかったことにはできない

1945年 関東軍敗走の満州で待ちうけた、黒川開拓団の壮絶な運命―
戦争と性暴力の事実、いま知るべきことがここに在る。

80年前の戦時下、国策のもと実施された満蒙開拓により、中国はるか満洲の地に渡った開拓団。日本の敗戦が色濃くなる中、突如としてソ連軍が満洲に侵攻した。守ってくれるはずの関東軍の姿もなく満蒙開拓団は過酷な状況に追い込まれ、集団自決を選択した開拓団もあれば、逃げ続けた末に息絶えた人も多かった。そんな中、岐阜県から渡った黒川開拓団の人々は生きて日本に帰るために、敵であるソ連軍に助けを求めた。しかしその見返りは、数えで18歳以上の女性たちによる接待だった。接待の意味すらわからないまま、女性たちは性の相手として差し出されたのだ。帰国後、女性たちを待っていたのは労いではなく、差別と偏見の目。節操のない誹謗中傷。同情から口を塞ぐ村の人々。込み上げる怒りと恐怖を抑え、身をひそめる女性たち。青春の時を過ごすはずだった行先は、多くの犠牲を出し今はどこにも存在しない国。身も心も傷を負った女性たちの声はかき消され、この事実は長年伏せられてきた。だが、黒川の女性たちは手を携えた。 したこと、されたこと、みてきたこと。幾重にも重なる加害の事実と、犠牲の史実を封印させないために――。
『ハマのドン』松原文枝監督最新作。


黒川の女たち 黒川の女たち 黒川の女たち

7/12(土)~

スライ・ストーン

スライ・ストーンメイン画像

© Dwars Productions

2015年/75分/オランダ/オランダ語・英語/カラー/ドキュメンタリー/配給・宣伝:株式会社キュリオスコープ
監督:ウィレム・アルケマ
出演:スライ・ストーン、ウィレム・アルケマ
ジェリー・マルティーニ、グレッグ・エリコ、リッチ・ロマネロ、パット・リッツォ、シンシア・ロビンソン(from Sly & The Family Stone)、フランク・ワディ(Funkadelic/James Brown/Bootsy Collins)、ジョージ・クリントン(Funkadelic/Parliament)、シルヴェット・ファン・ロビンソン、ヴェット・ストーン、ノヴィ・ストーン、ナイル・ロジャース(プロデューサー/ギタリスト)

公式ホームページ

ファンク・ロック・バンド“スライ&ザ・ファミリー・ストーン”率いるミュージシャン、スライ・ストーン。
ベールに包まれていた波乱の半生が今、ここに明かされる。

「伝説のファンク・スター」スライ・ストーン。
1960年代後期から1970年代中期までのほんの短い期間に壮絶なファンク作品を生み出して、姿を消した男。彼の影響を受けたアーティストは数知れず。プリンス、マイケル・ジャクソン、マイルス・デイヴィス、ナイル・ロジャーズ、ジョン・レジェンド、最近ではディアンジェロ。そのファンクの伝染力は、すさまじくアメリカのみならず世界に広がった。そんなファンク伝染病にかかった一人がオランダに住む映像作家、ウィレム・アルケマだった。
アルケマは1993年、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの1974年のアルバム『スモール・トーク』に収録されている「アイ・キャント・ストレイン・マイ・ブレイン」を聴いて衝撃を受け、このファンク・スターの行方を探す決意を固める。
すでにその時点で伝説化していたスライ・ストーンは、音楽活動をしているのか、どこで何をしているのかさえつかめなかった。そこで彼はリサーチを始め、多くの人間に出会い、遅々としながらもスライへ迫る。同じくオランダに住むスライ・ストーンの双子のマニア、コニング兄弟は、スライの本を書こうと考え、すでにリサーチを進めており、その協力は大きな原動力となった。 様々な古いアーカイヴ映像を掘り起し、スライ・ストーンの足跡を追い、とあるルートからスライ・ストーンが税金を滞納していたことから住所を突き止める――。

【スライ・ストーン(1943年3月15日 – 】
幼少時から教会でゴスペルを歌い、9歳でシングルレコードをリリース。66年に結成したファンク・ロックバンド“スライ&ザ・ファミリー・ストーン”は「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」「エブリデイ・ピープル」など大ヒット曲をとばし、一躍全米音楽界のスターダムとなるも、75年に解散。ソロ活動を始めるが、麻薬所持等で幾度も逮捕され、そのうち長期間消息不明状態が続く。家を失くしキャンピングカーで生活しているとも伝えられた。
2010年、元マネージャーを詐欺横領で告訴。2015年1月に勝訴判決が出された。


スライ・ストーン画像1 スライ・ストーン画像2 スライ・ストーン画像3

7/12(土)~7/18(金)

アメリカ黒人映画傑作選

アメリカ黒人映画傑作選

アメリカ黒人映画傑作選

今まで見過ごされてきた
黒人監督による黒人映画の秀作たち

7/12(土)―7/18(金)

アメリカ黒人映画傑作選

今まで見過ごされてきた
黒人監督による黒人映画の秀作たち

7/12(土)―7/18(金)

長きにわたって日の目を見ることがなかったアフリカ系アメリカ人による映画。今回上映される3本は、いずれもアメリカ議会図書館の国立映画登記簿の保存に選ばれ、近年再評価が高まる傑作ばかり。あからさまな政治的、差別描写はなくとも、女性たちの眼差しやささやかな日常を通して浮き彫りになるのは、彼女たちのおかれた切実な状況社会のひずみ、そしてそれらを乗り越える限りない生命力。
ここにはイメージやステレオタイプを打ち破る“映画的瞬間”が満ち溢れている。

公式ホームページhttps://blackamericancinema.jp/

提供マーメイドフィルム

配給コピアポア・フィルム

入場料 当日一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円

上映スケジュール

7/12(土) 7/13(日) 7/14(月) 7/15(火) 7/16(水) 7/17(木) 7/18(金)
海から来た娘たち16:20ー18:15
海から来た娘たち
小さな心に祝福16:45ー18:15
小さな心に祝福を
ここではないどこかで16:20ー17:50
ここではないどこかで
小さな心に祝福16:20ー17:50
小さな心に祝福を
ここではないどこかで16:20ー17:50
ここではないどこかで
海から来た娘たち16:20ー18:15
海から来た娘たち
ここではないどこかで16:20ー17:50
ここではないどこかで

予定表 横にスクロールできます

作品紹介

ここではないどこかで Losing Ground

ここではないどこかで

©1982 Kathleen Collins, Courtesy of Milestone Films and the Kathleen Collins Estate

1982年/アメリカ/86分/カラー
監督・脚本:キャスリーン・コリンズ
出演:セレット・スコット、ビル・ガン

大学で哲学を教えるサラは、画家の夫ヴィクターとニューヨークに住んでいる。夏の間、リゾート地で創作活動に専念したいと言い出すヴィクターに対し、論文執筆のため街に残りたいサラだったが渋々付き合うことに。しかしヴィクターは現地の女性にちょっかいを出し、サラは腹いせに教え子から頼まれていた自主映画への出演を決めてしまう。アフリカ系女性監督による最初期の長編映画。正式公開には至らず、製作から6年後に監督のキャスリーン・コリンズは逝去。2015年に修復され上映を果たし、映画評論家のリチャード・ブロディが「ニューヨーカー」誌で「この映画が当時広く公開されていたら、映画史に名を刻んでいただろう」と評するなど絶賛された。エリック・ロメールを思わせるような軽妙かつ洗練された語り口で、男女の機微を活き活きと描く。

小さな心に祝福を Bless Their Little Hearts

小さな心に祝福

©1983 Billy Woodberry, Courtesy of Milestone Films and Billy Woodberry

1984年/アメリカ/85分/モノクロ
監督:ビリー・ウッドベリー
出演:ネイト・ハードマン、ケイシー・ムーア

ロサンゼルスのワッツ地区で暮らす失業者チャーリーは3人の幼い子を養うため、職探しの毎日。日雇いの仕事にありつければまだマシな方、なかなか金を稼ぐ手立てが見つからない。妻のアンダイスは夫の不甲斐なさに半ば諦め顔、家計のやりくりに苦心しながら家事に忙殺されストレスがたまる一方。そんな中、チャーリーの浮気が発覚、ついにアンダイスの怒りが爆発する。貧困地帯を舞台に、黒人家族の過酷な日常を抑制の効いたモノクロ映像で丹念に追う。監督は〈L.A.リベリオン※〉の中心人物の一人、ビリー・ウッドベリー。脚本と撮影を“最も偉大な黒人監督”と評されるチャールズ・バーネットが手掛けている。Rotten Tomatoesで100%の支持率を獲得。10分近く長回しで捉えたキッチンでの夫婦喧嘩は壮絶の一言。
※L.A.リベリオン:1960年代後半から1980年代後半にかけてUCLAで学び、ハリウッドの伝統にとらわれない自由な映画づくりを目指したアフリカ系の映画人たちを指す。代表的な人物としてチャールズ・バーネット(『Killer of Sheep』)、ラリー・クラーク(『Passing Through』)、ジュリー・ダッシュ、ビリー・ウッドベリーらがいる。

海から来た娘たち Daughters of the Dust

海から来た娘たち

Images Courtesy of Park Circus/The Cohen Film Collection

1991年/アメリカ/112分/カラー
監督・脚本:ジュリー・ダッシュ
出演:コーラ・リー・デイ、バーバラ・O・ジョーンズ

1902年、アメリカ大西洋沖シー諸島のある島。長年住んだ故郷を離れ、北への移住を決めたぺザント一族だったが、長老のナナは亡き夫が眠るこの地に残ると言い張る。それぞれの思惑が交錯する中、いよいよ島を出る時が来た。これから生まれてくる子供のモノローグで綴られる、ガラ族の女系家族の物語。虐げられても失わなかった高貴な魂と誇りを、詩的な映像美で高らかに謳いあげる。黒人女性監督による初めて公開された長編映画で、2016年にリリースされたビヨンセのアルバム『レモネード』が本作に多大な影響を受けていることから注目が集まり、2022年にはサイト&サウンド誌「史上最高の映画ベスト100」の60位に選出されるなど、今も語り継がれる名作。1991年のサンダンス映画祭で撮影賞を受賞。

7/19(土)~

犬の裁判

犬の裁判

©BANDE À PART – ATELIER DE PRODUCTION – FRANCE 2 CINÉMA – RTS RADIO TÉLÉVISION SUISSE – SRG SSR – 2024

2024年/スイス、フランス/81分/配給:オンリー・ハーツ
原題:LE PROCES DU CHIEN
監督:レティシア・ドッシュ
脚本:レティシア・ドッシュ、アン=ソフィー・バイリー
出演:レティシア・ドッシュ、フランソワ・ダミアン、ジャン・パスカル・ザディ、アンヌ・ドルヴァル、コディ(犬)、マチュー・ドゥミ、アナベラ・モレイラ、ピエール・ドラドンシャン
字幕:東郷佑衣

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,300円(税込)を当館受付にて発売中!特典:特製ポストカードをプレゼント!

彼は無罪か有罪か?
犬の罪を問う前代未聞の裁判が始まる
実話に基づいた傑作法廷コメディ

負け裁判ばかりで事務所から解雇寸前の弁護士アヴリルは、次の事件では必ず勝利を勝ち取ろうと決意する。そんなときある男から、かけがえのない伴侶で絶望的な状況にある犬コスモスの弁護を依頼される。アヴリルはどうしても見過ごせず、またも勝ち目のない犬を弁護するという不条理に飛び込んでしまう。犬の命がかかった裁判が、にぎやかにときにコミカルに展開する。人間と動物との関係に疑問を投げかける、実話に基づいた傑作法廷コメディ。


犬の裁判 犬の裁判 犬の裁判

7/19(土)~8/1(金)

フランス映画入門

Redécouvrons le cinéma français !

フランス映画入門

2025.7.19[土]→ 8.1[金]

Redécouvrons le cinéma français !

フランス映画入門

2025.7.19[土]→ 8.1[金]

「フランス映画入門」では、すでに映画史において確固たる地位を築いているフランス映画を、今あらためて見ることによって、その現代性を再考します。映画研究者、映画批評家によるトークとともに、新たな光のもとで、選りすぐりの作品を発見、再発見しましょう!

主催 アンスティチュ・フランセ、横浜シネマリン共催

公式サイト https://culture.institutfrancais.jp/

入場料 一般1900円/会員・大専・シニア1300円/高校生以下800円

※アンスティチュ・フランセ会員の方も会員証ご提示で、当館会員価格でご入場いただけます。

上映スケジュール

7/19(土) 7/20(日) 7/21(月) 7/22(火) 7/23(水) 7/24(木) 7/25(金)
ヒロシマ・モナムール14:55ー16:30
ヒロシマ・モナムール
パリ1900年14:55ー16:20
パリ1900年
アフタートーク
新田孝行さん
アウト・ワン スペクトル14:55ー19:30
アウト・ワン スペクトル
アフタートーク
筒井武文さん
微笑むブーデ夫人14:55ー15:45
微笑むブーデ夫人
レベル514:55ー16:45
レベル5
アウト・ワン スペクトル14:55ー19:35
アウト・ワン スペクトル
湖のランスロ14:55ー16:20
湖のランスロ
アリス・ギイ作品集16:40ー17:35
アリス・ギイ作品集
湖のランスロ17:10ー18:40
湖のランスロ
インディア・ソング15:55ー18:00
インディア・ソング
サン・ソレイユ16:55ー18:40
サン・ソレイユ
ヒロシマ・モナムール16:30ー18:01
ヒロシマ・モナムール
たそがれの女心17:45ー19:30
たそがれの女心
微笑むブーデ夫人18:50ー19:35
微笑むブーデ夫人
アリス・ギイ作品集18:10ー19:00
アリス・ギイ作品集
アフタートーク
坂本安美さん
シベリアからの手紙18:50ー19:51
シベリアからの手紙
パリ1900年18:10ー19:35
パリ1900年

予定表 横にスクロールできます

7/26(土) 7/27(日) 7/28(月) 7/29(火) 7/30(水) 7/31(木) 8/1(金)
レベル518:00ー19:50
レベル5
ヒロシマ・モナムール18:00ー19:31
ヒロシマ・モナムール
アフタートーク
筒井武文さん
湖のランスロ18:00ー19:25
湖のランスロ
アウト・ワン スペクトル18:00ー22:35
アウト・ワン スペクトル
インディア・ソング18:00ー20:05
インディア・ソング
たそがれの女心18:00ー19:45
たそがれの女心
アウト・ワン スペクトル18:00ー22:35
アウト・ワン スペクトル
シベリアからの手紙20:00ー21:01
シベリアからの手紙
インディア・ソング20:20ー22:25
インディア・ソング
たそがれの女心19:35ー21:20
たそがれの女心
ヒロシマ・モナムール20:15ー21:50
ヒロシマ・モナムール
パリ1900年19:55ー21:20
パリ1900年
サン・ソレイユ21:10ー22:55
サン・ソレイユ
アリス・ギイ作品集21:30ー22:25
アリス・ギイ作品集
微笑むブーデ夫人21:30ー22:20
微笑むブーデ夫人

予定表 横にスクロールできます

上映作品

≪アリス・ギイ作品集≫13作 13 courts métrages d’ Alice Guy

フランス/計50分

物語映画の最初期の監督であるアリス・ギイのフランス時代の短編13本。 多くの作品が屋外で撮影されており、様々な映画的技法の発見、アクション、コメディ、メロドラマとアイディアに満ちた物語が展開する。

  • 催眠術師の家で(1898年/1分/モノクロ)
  • 世紀末の外科医(1900年/2分/モノクロ)
  • オペラ通り(1900年/1分/モノクロ)
  • 全自動の帽子屋兼肉屋(1900年/1分/モノクロ)
  • カメラマンの家で(1900年/1分/モノクロ)
  • フェリックス・マヨル 失礼な質問(1905年/3分/染色)
  • マダムの欲望(1906年/5分/モノクロ)
  • フェミニズムの結果(1906年/8分/モノクロ)
  • キャスター付きベッド(1907年/4分/モノクロ)
  • ソーセージ競争(1907年/5分/モノクロ)
  • ビュット=ショーモン撮影所でフォノセーヌを撮るアリス・ギイ(1907年/2分/モノクロ)
  • バリケードを挟んで(1907年/5分/モノクロ)
  • 銀行券(1907年/12分/モノクロ)
  • 講師:坂本安美さん[アンスティチュ・フランセ 映画主任/映画批評]

微笑むブーデ夫人 La Souriante Madame Beudet de Germaine Dulac

1923年/フランス/43分/サイレント・伴奏つき/モノクロ
監督:ジュルメーヌ・デュラック
出演:ジュルメーヌ・デルモーズ、アレクサンドル・アルキリエール

1920年代の前衛芸術の先駆者であるジェルメーヌ・デュラックの『貝殻と僧侶』(1928)とならぶ代表作でフェミニスト映画の先駆と評される。自由を渇望するブーデ夫人は、平凡で退屈な存在の束縛から抜け出したいと思っている。残忍な夫に横暴に扱われる彼女が、日々の苦しみから逃れる唯一の方法は、夢を見ることだった。

パリ1900年 Paris 1900 de Nicole Vedrès

1947 年/フランス/83 分/モノクロ
監督:ニコル・ヴェドレス

1900年から1914年までのパリを、ナレーションと約700本以上の記録・劇映画からの抜粋で綴り、当時の人々の生活と戦争への予感を見事に描き出したニコル・ヴェドレスの傑作ドキュメンタリー。映画批評家アンドレ・バザンに「文学におけるプルーストに匹敵する」と称え、クリス・マルケルも「私はニコル・ヴェドレスにすべてを負っている」と敬愛の念を示している。

  • 講師:新田孝行さん[フランス映画史研究]

たそがれの女心 Madame de … de Max Ophüls

1953年/フランス/100分/モノクロ
監督:マックス・オフュルス
出演:ダリエル・ダリュー、シャルル・ボワイエ、ヴィットリオ・デ・シーカ

1953年舞台は1900年、ベル・エポックの華やかなパリ社交界。ダイヤの耳飾りをめぐり、運命の歯車にもてあそばれる上流階級の男女の人間模様をオフュルスが描くメロドラマの傑作。ルイーズ・ド・ヴィルモランの斬新な世紀末小説をオフォルスが映画化した本作では、この監督が得意とするエレガントで精緻なカメラワークが驚くほど効果的に使われている。

ヒロシマ・モナムール Hiroshima mon amour d’Alain Resnais

1959年/フランス=日本/91分/モノクロ
監督:アラン・レネ/脚本:マルグリット・デュラス
出演:エマニュエル・リヴァ、岡田英次

フランス人女優と日本人建築家は、戦後の広島で束の間の濃密な情事を交わし、互いに惹かれあう気持ちが、傷ついた愛と苦しみの記憶を呼び覚ます。斬新なフラッシュバックの構成と、マルグリット・デュラスの脚本による本作は、過去と現在、個人的な痛みとより大きな苦悩が繊細に織りなされ、「映画の限界を押し広げた」(ジャン=リュック・ゴダール)

  • 講師:筒井武文さん[映画監督]

アウト・ワン スペクトル Out 1 spectre de Jacques Rivette

1972年/フランス/264分/カラー/*途中休憩あり
監督:ジャック・リヴェット
出演:ジャン=ピエール・レオ、ジュリエット・ベルト、ベルナデット・ラフォン、ビュル・オジエ、ミシェル・ロンズデール

ジャック・リヴェットが13時間に及ぶ大作『アウト・ワン 我に触れるな』を短く再編集した本作は、オリジナルを凝縮したというより、過激に編集、アレンジされ、新たなつながりや意味が生まれた単独で成立する作品となっている。大筋は変わらない: パリを舞台に、ジャン=ピエール・レオとジュリエット・ベルトが演じる風変りなふたりは、ふたつの前衛劇団と秘密結社が絡む不吉な陰謀に巻き込まれていく。

  • 講師:筒井武文さん[映画監督]

湖のランスロ Lancelot du lac de Robert Bresson

1974年/フランス・イタリア/84分/カラー
監督:ロベール・ブレッソン
出演:リュック・シモン、ローラ・デューク・コンドミナス、アンベール・バルザン

時は中世。城に帰還したものの、聖杯探しに失敗し多くの戦死者を出したアルテュス王の円卓の騎士たち。その中のひとり、ランスロは王妃グニエーヴルとの道ならぬ恋に苦悩していた。神に不倫をやめると誓うランスロだったが、グニエーヴルにその気はない。団結していたはずの騎士の間に亀裂が入り始め、思わぬ事態に……。素人の俳優の起用、抑制された演出、緻密な音響・空間設計など、現代的感覚に満ちたブレッソンによる「極めて特異な内面の冒険」(ロベール・ブレッソン)。

インディア・ソング India Song de Marguerite Duras

1974年/フランス/120分/カラー
監督:マルグリット・デュラス
出演:デルフィーヌ・セイリグ、ミシェル・ロンダール、マチュー・カリエール、クロード・マン

全編においてオフの声を活用し、映像と音響の関係の新たな境地を開いたデュラスの映画における代表作。1930年代のインド・カルカッタ。豪華で朽ち果てた大使館の閉ざされた壁の中で、フランス大使夫人アンヌ=マリー・ストレッテルは複数の男たちとの情事を通して倦怠をしのいでいる。そしてその倦怠は、驚くべき狂気の噴出によって打ち砕かれていく……。

≪クリス・マルケル名作集≫ 3 films de Chris Marker

シベリアからの手紙 Lettre de Sibérie

© 1957 Argos Films

1957年/フランス=ソ連/61分/カラー

書簡形式のナレーションを決定づける台詞など、クリス・マイケルが独自のスタイルを持った映画作家として注目を集める契機となり、アンドレ・バザンに「エッセイ映画」と紹介された作品。開発途上のシベリアの街と大地、そこに生きる人々の風景が、随所に挿入されるアニメーションやアーカイヴ映像によって重層的にとらえられる。

サン・ソレイユ Sans soleil

© 1983 Argos Films

1983年/フランス/104分/カラー

世界中を旅するカメラマン、サンドール・クラスナから届いた手紙を朗読する女性。その声に合わせて、クラスナが「生の存続の二極地」と呼ぶ、日本とアフリカを中心とした映像がつながっていく。時間と場所、記憶と歴史、表象の問題について深い考察がなされたマルケルの代表作。

レベル5  Level Five

© 1996 Argos Films

1996年/フランス/110分/カラー
出演:カトリーヌ・ベルコジャ

ローラは、亡くなった恋人の代わりに、沖縄戦についてのコンピューター・ゲームを完成させようとする。『パリ1900年』や『ローラ殺人事件』、『光あれ』などの参照、引用がなされた映画史的記憶に満ちた作品であると同時に、インターネット的なネットワーク状に拡張していく編集に特徴付けられた、非常に複雑なメディア性を持った作品。

7/19(土)~

突然、君がいなくなって

突然、君がいなくなって

© Compass Films , Halibut , Revolver Amsterdam , MP Filmska Produkcija , Eaux Vives Productions , Jour2Fête , The Party Film Sales

2024年/アイスランド=オランダ=クロアチア=フランス/80分/アイスランド語/配給:ビターズ・エンド/PG12
原題:Ljósbrot
英題:When the Light Breaks
監督・脚本:ルーナ・ルーナソン
撮影:ソフィア・オルソン(『サーミの血』「ザ・クラウン」)
音楽:ヨハン・ヨハンソン(『メッセージ』『博士と彼女のセオリー』)
出演:エリーン・ハットル、ミカエル・コーバー、カトラ・ニャルスドッティル、バルドゥル・エイナルソン、アゥグスト・ウィグム、グンナル・フラプン・クリスチャンソン
後援:アイスランド大使館

公式ホームページ

わたしを”秘密”にしたまま、恋人が死んだ。
レイキャビクの長い夏の1日。孤独を抱えた彼女が行きつく先は—。
暮れない夜に喪失がつなぐ“絆” についての物語。

美大生ウナには、大切な恋人ディッディがいる。しかし、二人の関係は秘密だ。彼には遠距離恋愛をしている長年の恋人、クララがいる。ある日ディッディはクララに別れを告げに行くと家を出た後、事故に巻き込まれ帰らぬ人となってしまう。誰にも真実を語ることができないまま、ひとり愛する人を失った悲しみを抱えるウナの前に、何も知らないクララが現れる――。クララを励ます仲間たちを見て、ウナの心は追い詰められていく。そんななか、クララはウナに対するある思いを打ち明けるのだった…。行き場のない気持ちに翻弄されるウナの姿、徐々に近づいていく“愛する人を失った”二人の距離、そして仲間の死を受け入れようと寄り添い合う若者たちの姿を、狂おしいほどの緊張感とかつてない繊細さで映し出す。

カンヌ国際映画祭ある視点部門オープニング上映の後、世界中の映画祭を席巻‼
『わたしは最悪。』『コンパートメントNo.6』に次ぐ北欧発の現代(いま)を描いた人間ドラマの傑作!

監督は、これまで3作の長編映画でカンヌ、サン・セバスティアン、ロカルノなど数々の国際映画祭の賞や招待を受け、短編映画「The Last Farm」ではアカデミー賞®にノミネートされるなど、世界的に注目を浴びるルーナ・ルーナソン。今作では誰もが経験しうる身近な人の不在、そして集団のなかでの個についての儚くも美しいつながりを、真っすぐに描き切る。24年カンヌ国際映画祭ある視点部門オープニング作品として上映されるや「凄まじく引きこまれる」「美しい」と絶賛の声が集まった。秘密を抱えた主人公ウナを演じるのは、映像、音楽作品で広く活躍するエリーン・ハットル。親密さをもった繊細且つ力強い演技で、25年ベルリン国際映画祭にてヨーロッパ・シューティングスター賞を受賞した。


突然、君がいなくなって 突然、君がいなくなって

7/26(土)~

舟に乗って逝く

舟に乗って逝く

©2023 Fractal Star Film Production Co., Ltd., Infinina Media Co., Ltd.

2023年/中国/99分/配給:ムヴィオラ、面白映画
原題:乘船而去
英語題:Gone with the Boat
監督・脚本・編集:チェン・シャオユー(陳小雨)
製作:ホアン・ファン(黄帆)
撮影:ホアン・イーチュアン(黄一川)
美術:ドン・シャオジェン(鄧曉珍)
出演:ゴー・ジャオメイ(葛兆美)、リウ・ダン(劉丹)、ウー・ジョウカイ(呉洲凱)

公式ホームページ

⼤丈夫。私たちは⽣きてゆく。
中国の水郷・江南地域。
葬ること葬られること、逝くこと行くことが幾重にも重なり描かれる家族の物語。

たくさんの運河があり、かつては舟が生活の要だった町・徳清。母は、昔、舟で嫁入りした。ここは、母がようやく見つけた自分の居場所。ある日その母に重い病気が見つかる。その治療を巡って、アメリカ人の夫と上海に暮らす長女と、旅のガイドをしながら風来坊のように暮らす弟の意見は食い違う。母、娘、息子、孫、彼らの周囲の家族たち。誰にも訪れる、葬る葬られる物語。

胸にしまった真実を描く脚本と目を瞠る映像
1994年生まれのチェン・シャオユー監督デビュー長編!

1994年生まれの若手監督、チェン・シャオユーが、自身の故郷・徳清で撮影。台湾のエドワード・ヤン監督を愛し、日本の小津安二郎監督に影響され、チベットの名匠ペマ・ツェテン監督に指導を受け、「真実」を描くことの大切さを本作に込めた。長女役のリウ・ダンは映画『人生って、素晴らしい/Viva La Vida』、ドラマ「開端-RESET」などで知られ、本作で金鶏奨助演女優賞に見事輝いた。


舟に乗って逝く 舟に乗って逝く 舟に乗って逝く

7/26(土)~

パフィンの小さな島

パフィンの小さな島

© 2023 Puffin Rock and The New Friends

2023年/アイルランド、イギリス/80分/配給:チャイルド・フィルム
原案:トム・ムーア、リリー・バーナード、ポール・ヤング
脚本:サラ・ダディ
監督:ジェレミー・パーセル
助監督:ロレイン・ローダン
後援:駐日アイルランド大使館

公式ホームページ

うまくいかなくても大丈夫。ずっとそばにいるよ。
やさしい友情につつまれて、きっとここがしあわせな“居場所”になる。

アイルランド西部の小さな島(トンガリ島)に暮らすパフィン(ニシツノメドリ)の女の子ウーナと弟のババ、仲間の動物たちが繰り広げる冒険と、友情の物語です。ある日、大きな嵐によって故郷を失った動物たちがトンガリ島に逃れてきます。パフィンの仲間の鳥であるエトピリカのイザベルは、新しい環境になじめず、なかなか友達を作ることができません。みんなに認めてもらいたくて、イザベルが誰にも相談せずにしたことが、思いもかけない結果を招いてしまいます。ウーナと仲間たちは、イザベルを助けることができるでしょうか。

世界中にファンを持つカートゥーン・サルーン最新作

本作は、アカデミー長編アニメ賞に4度ノミネートされたアイルランドのスタジオ、カートゥーン・サルーンが、幼い子供たちのために製作した人気TVシリーズをもとに、長編映画化した作品です。愛らしいキャラクターたち、耳に残る音楽、美しい自然描写と、スタジオの特徴を最大限に生かした本作は、本国ダブリンの映画館で一年にわたるロングランヒットとなるほど、多くの人に愛されています。
主人公は絶滅危惧種に指定されている海鳥パフィン(ニシツノメドリ)の女の子ウーナと弟のババ。世界遺産スケリグ・マイケル島などアイルランドの島々にインスパイアされたというトンガリ島を舞台に、愛らしい冒険が繰り広げられます。戦いなどの暴力を排し、行方不明のパフィンの卵を探すという一見シンプルな物語にみえて、自然保護、多様性、調和といった深いテーマが、美しい自然の中に描かれます。


パフィンの小さな島 パフィンの小さな島 パフィンの小さな島

8/2(土)~

戦後80年

戦後80年

日本の戦後が未来永劫続くことを願う特集上映

8/2(土)-8/22(金)

横浜シネマリンでは毎年、戦後特集を開催してまいりました。戦後80年の今年は、映画の先人たちが繰り返し描いてきた戦争映画を、今再び見つめ直すための旧作特集上映を企画しました。国が始めた戦争によって国民がどのような目に遭うのか、戦争に駆り出された若者がどのような目に遭うのか、戦争の狂気によって人々はどのように変わっていくのか、刮目してご覧いただければ幸いです。

戦後80年

日本の戦後が未来永劫続くことを願う特集上映

8/2(土)-8/22(金)

横浜シネマリンでは毎年、戦後特集を開催してまいりました。戦後80年の今年は、映画の先人たちが繰り返し描いてきた戦争映画を、今再び見つめ直すための旧作特集上映を企画しました。国が始めた戦争によって国民がどのような目に遭うのか、戦争に駆り出された若者がどのような目に遭うのか、戦争の狂気によって人々はどのように変わっていくのか、刮目してご覧いただければ幸いです。

協力 アイ・ヴィー・シー、アンスティチュ・フランセ、太秦、映画同人社、海獣シアター、KADOKAWA、奇跡への情熱[核廃絶プロジェクト]、木川剛志、近代映画協会、松竹、新日本映画社、東宝、独立プロ名画保存会、パンドラ

入場料 一般1,600円/会員・大専・シニア1,300円/ハンディ1,000円/高校生以下800円

『野火 4K』『ジョニーは戦場へ行った 4K』『人間の條件 第一部/第二部』『人間の條件 第三部/第四部』『人間の條件 第五部/第六部』
一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/ハンディ1,000円/高校生以下800円

『東京裁判 4Kデジタルリマスター版』
一般2,500円/大専・シニア2,000円/会員1,600円/ハンディ・高校生以下1,200円

※招待券、ポイント鑑賞、職能割、ミニシアター相互割、サービスデーによる割引鑑賞不可

【トークイベント】

8/10(日)14:30『野火』上映後、塚本晋也監督 ※登壇者は予告なく変更となる場合がございます。

8/17(日)14:10『Yokosuka1953』上映後、木川剛志監督

8/17(日)16:30『原爆の子』上映後、新藤次郎さん(近代映画協会代表)

上映スケジュール

8/2(土) 8/3(日) 8/4(月) 8/5(火) 8/6(水) 8/7(木) 8/8(金)
野火 4K(1959)18:00ー19:50
野火 4K(1959)
ジョニーは戦場へ行った 4K18:00ー19:55
ジョニーは戦場へ行った 4K
野火 4K(1959)18:00ー19:50
野火 4K(1959)
ジョニーは戦場へ行った 4K18:00ー19:55
ジョニーは戦場へ行った 4K
ヒロシマ・モナムール18:00ー19:35
ヒロシマ・モナムール
野火(2014)20:05ー21:40
野火(2014)
美しい夏キリシマ20:05ー22:10
美しい夏キリシマ
肉弾20:05ー22:05
肉弾
真空地帯20:05ー22:20
真空地帯
ひろしま19:45ー21:35
ひろしま

予定表 横にスクロールできます

8/9(土) 8/10(日) 8/11(月) 8/12(火) 8/13(水) 8/14(木) 8/15(金)
ひろしま14:30ー16:15
ひろしま
野火(2014)14:30ー16:00
野火(2014)
トークイベント
塚本晋也監督
人間の條件 第一部,第二部人間の條件 第一部,第二部12:25ー15:55
人間の條件 第一部,第二部
野火 4K(1959)14:30ー16:15
野火 4K(1959)
肉弾14:30ー16:26
肉弾
人間の條件 第一部,第二部人間の條件 第一部,第二部12:25ー15:55
人間の條件 第一部,第二部
東京裁判 4K14:30ー19:20
東京裁判 4K
ヒロシマ・モナムール16:45ー18:20
ヒロシマ・モナムール
野火 4K(1959)16:40ー18:25
野火 4K(1959)
人間の條件 第三部,第四部人間の條件 第三部,第四部16:10-19:11
人間の條件 第三部,第四部
ジョニーは戦場へ行った 4K16:25ー18:20
ジョニーは戦場へ行った 4K
真空地帯16:40ー18:50
真空地帯
人間の條件 第三部,第四部人間の條件 第三部,第四部16:10-19:11
人間の條件 第三部,第四部
ジョニーは戦場へ行った 4K19:30ー21:30
ジョニーは戦場へ行った 4K
原爆の子18:35ー20:20
原爆の子
ジョニーは戦場へ行った 4K18:35ー20:30
ジョニーは戦場へ行った 4K
人間の條件 第五部,第六部人間の條件 第五部,第六部19:25ー22:35
人間の條件 第五部,第六部
美しい夏キリシマ18:30ー20:30
美しい夏キリシマ
野火 4K(1959)19:00ー20:45
野火 4K(1959)
人間の條件 第五部,第六部人間の條件 第五部,第六部19:25ー22:35
人間の條件 第五部,第六部

予定表 横にスクロールできます

8/16(土) 8/17(日) 8/18(月) 8/19(火) 8/20(水) 8/21(木) 8/22(金)
東京裁判 4K14:10ー19:00
東京裁判 4K
Yokosuka195314:10ー15:57
Yokosuka1953
トークイベント
木川剛志監督
野火 4K(1959)14:10ー16:00
野火 4K(1959)
美しい夏キリシマ14:10ー16:10
美しい夏キリシマ
原爆の子14:10ー15:50
原爆の子
野火(2014)14:10ー15:45
野火(2014)
真空地帯14:10ー16:20
真空地帯
原爆の子16:30ー18:10
原爆の子
ジョニーは戦場へ行った 4K16:10ー18:10
ジョニーは戦場へ行った 4K
ひろしま16:20ー18:10
ひろしま
ジョニーは戦場へ行った 4K16:10ー18:10
ジョニーは戦場へ行った 4K
野火 4K(1959)16:00ー17:50
野火 4K(1959)
Yokosuka195316:30ー18:17
Yokosuka1953

予定表 横にスクロールできます

作品紹介

人間の條件

全六部、計9時間30分にも及ぶ未曾有のスケールで描かれる反戦映画の世界的傑作!名優・仲代達矢演じる主人公、梶の理想をつらぬく姿に心打たれる!

第一部 純愛篇 第二部 激怒篇

第一部 純愛篇

© 1959 松竹株式会社

第二部 激怒篇

© 1959 松竹株式会社

1959年/日本/208分/35mm/モノクロ/シネスコ/にんじんくらぶ=歌舞伎座映画
監督:小林正樹/原作:五味川純平/脚色:松山善三、小林正樹/撮影:宮島義勇/音楽:木下忠司/美術:平高主計
出演:仲代達矢、新珠三千代、淡島千景、有馬稲子、佐田啓二、山村聰、石濱朗

「青春を戦争の中で送り、自分の意思に反して戦争に協力する形でしか、あの時代を生き残ることができなかった不幸な経験を、梶という人間像の中でもう一度確かめてみたい」と、戦中派の小林が並々ならぬ意欲を燃やした。五味川純平の原作を壮大なスケールで映画化した第1弾。

第三部 望郷篇 第四部 戦雲篇

第三部 望郷篇

© 1959 松竹株式会社

第四部 戦雲篇

© 1959 松竹株式会社

1959年/日本/181分/35mm/モノクロ/シネスコ/人間プロダクション
監督:小林正樹/原作:五味川純平/脚色:松山善三、小林正樹/撮影:宮島義勇/音楽:木下忠司/美術:平高主計
出演:仲代達矢、新珠三千代、桂小金治、多々良純、佐田啓二、川津祐介

労務管理の職を解かれ、関東軍に配属された梶を待っていたのは、厳しい訓練と上官による体罰だった。その後に配属された隊ではソ連軍と衝突して壊滅状態となり、梶は生き残った仲間を探して荒野を彷徨う。大河シリーズ第2弾。にんじんくらぶと松竹の合同ユニットが製作。

完結篇 第五部 死の脱出 第六部 曠野の彷徨

第五部 死の脱出

1961 松竹株式会社

第六部 曠野の彷徨

1961 松竹株式会社

1961年/日本/190分/35mm/モノクロ/シネスコ/にんじんくらぶ
監督:小林正樹/原作:五味川純平/脚色:松山善三、小林正樹、稲垣公一/撮影:宮島義勇/音楽:木下忠司/美術:平高主計
出演:仲代達矢、新珠三千代、中村玉緒、高峰秀子、川津祐介、笠智衆

生き延びた梶らは避難民と合流し、戦争が終わったのかどうかもわからぬまま歩き続ける。民兵とソ連軍の追従から逃れつつ、やがて梶はソ連軍の捕虜となる…。シリーズ堂々の完結。戦争という非人間的な行為を、人間として乗り越えようとする姿を力強く描いた反戦映画の傑作。

東京裁判 4Kデジタルリマスター版

※当館の上映は2K

©講談社2018

1983年/日本/277分/DCP//モノクロ/スタンダード/配給:太秦
監督:小林正樹/原案:稲垣俊/脚本:小林正樹、小笠原清/音楽:武満徹/ナレーター:佐藤慶

満州事変に始まる、17年8カ月の間日本を支配した指導者の中から、太平洋戦争開戦時の首相・東條英機ら28名が被告に指定された“東京裁判”。アメリカが撮影していた膨大な裁判記録をもとに制作。初公開から36年、戦争がもたらした負の遺産を改めて観る者に知らしめる。

真空地帯

1952年/日本/129分/モノクロ/スタンダード/製作:新星映画、配給:北星映画
監督:山本薩夫/原作:野間宏/脚本:山形雄策/撮影:前田実/製作:嵯峨善兵、岩崎昶/音楽:団伊久磨/美術:川島泰造
出演:木村功、下元勉、三島雅夫、金子信雄、岡田英次、利根はるえ、高原駿雄、花沢徳衛、西村晃、加藤嘉

自らの体験をもとに、天皇制軍隊の過酷な日常を描いた野間宏の「眞空地帯」の映画化。木谷一等兵は、林中尉の金入れをぬすんだと疑われ、激しい拷問の末、二年間牢獄へ。その後隊に戻るも、陰謀で戦場行きとなる。出発前、林中尉を探し出し、追いつめるが…。

肉弾

©1968 TOHO CO.,LTD.

1968年/日本/116分/35mm/配給:ATG、東宝
監督・脚本:岡本喜八/製作:馬場和夫/撮影:村井博/音楽:佐藤勝
出演:寺田農、大谷直子、天本英世、笠智衆、北林谷栄、春川ますみ、伊藤雄之助、小沢昭一、田中邦衛、中谷一郎、高橋悦史、菅井きん

主人公の兵士“あいつ”は、魚雷とともに海に出て敵を待つが、糞尿処理船に救助され敗戦を告げられる。岡本喜八の戦争体験をもとに、終戦間際に特攻兵となった青年の運命を、痛烈な皮肉を込めて描いた代表作。自身の自宅を抵当に入れて製作費を捻出した話は有名。

原爆の子

1952年/日本/98分/モノクロ/スタンダード/製作:近代映画協会=民藝
監督・脚本:新藤兼人/原作:長田新
出演:乙羽信子、細川ちか子、清水将夫、斎藤美和、下元勉、滝沢修、北林谷栄

日教組と決裂し、近代映協はじめての自主製作となった作品。原爆投下時、広島に住んでいた石川孝子は家族の中でたった一人生き残った。戦後は小学校の教師をしていたが、被災の頃に勤務していた幼稚園の園児達の消息を確認したいと思い、彼らを訪ね歩く。

ひろしま

©奇跡への情熱[核廃絶プロジェクト]

1953年/日本/104分/35ミリ→DCP/モノクロ/スタンダード/提供:独立プロ名画保存会/配給:奇跡への情熱[核廃絶プロジェクト] 監督:関川秀雄/製作:菊池武雄、伊藤武郎/撮影:中尾駿一郎、浦島進/音楽:伊福部昭/編集:河野秋和
出演:岡田英次、月丘夢路、加藤嘉、山田五十鈴

自らも広島で被爆した教育学者・長田新が編集した「原爆の子~広島の少年少女のうったえ」を日教組が映画化、広島市民ら約8万8千人が出演し、原爆が投下された直後の惨状を再現。その後の急性被爆の症状、差別や貧困に悩む姿を被爆者自らが演じている。

*1955年ベルリン国際映画祭 長編映画賞 受賞

ヒロシマ・モナムール

©1959 ARGOS FILMS

1959年/フランス=日本/91分/BD/モノクロ/スタンダード/作品提供:アイ・ヴィ―・シー/上映権提供:アンスティチュ・フランセ
監督:アラン・レネ/脚本:マルグリット・デュラス
出演:エマニュエル・リヴァ、岡田英次

映画のロケで広島を訪れたフランス人女優と、日本人建築家の男は、束の間の濃密な情事を交わす。惹かれあう気持ちが、傷ついた愛と苦しみの記憶を呼び覚ます。デュラスの脚本と斬新なフラッシュバックの構成で苦悩と痛みが繊細に織りなされる、アラン・レネ初の長編作。

美しい夏キリシマ

©映画同人社

2002年/日本/118分/カラー/シネスコ/35mm/配給:パンドラ
監督:黒木和雄/脚本:松田正隆、黒木和雄/撮影:田村正毅
出演:柄本佑、小田エリカ、石田えり、香川照之、左時枝、牧瀬里穂、原田芳雄

敗戦の影が漂う1945年夏、自分だけが生き残ったことを責める15歳の少年と、<戦争という日常>を必死に生きようとする周辺の人々がきめ細かく描かれた人間ドラマ。監督自身の体験を元に、生涯忘れることのなかったある夏の記憶を結実させた、日本映画史に残る傑作。

*第77回「キネマ旬報」ベストテン第一位、日本映画監督賞、新人男優賞
*日本映画ペンクラブ会員選日本映画一位 他多数受賞

ジョニーは戦場へ行った 4K

※当館の上映は2K

©ALEXIA TRUST COMPANY LTD.

1971年/アメリカ/112分/DCP/カラー・モノクロ/ビスタ/配給:KADOKAWA
原作・脚本・監督:ダルトン・トランボ「ジョニーは戦場へ行った」/製作:ブルース・キャンベル/撮影:ジュールス・ブレンナー/編集:ミリー・ムーア/字幕翻訳:高内朝子
出演:ティモシー・ボトムズ、キャシー・フィールズ、ジェイソン・ロバーズ、ダイアン・ヴァーシ、ドナルド・サザーランド

第一次世界大戦下、砲弾により身体のほぼ全ての器官を失った青年兵士・ジョーは、姓名不詳の<407号>と呼ばれ、軍の実験材料として生かされる…。第二次世界大戦直前に発表された問題作を、赤狩りでハリウッドから追放された監督がベトナム戦争中に映画化した名作。

野火 4K

※当館の上映は2K

©KADOKAWA 1959

1959年/日本/105分/DCP/モノクロ/シネマスコープ/2022年のデジタル修復によるマスター/配給:KADOKAWA
監督:市川崑/原作:大岡昇平「野火」/脚本:和田夏十/撮影:小林節雄/音楽:芥川也寸志
出演:船越英二、ミッキー・カーチス、滝沢修

実体験を基にした大岡昇平による戦争文学の最高傑作「野火」。第二次世界大戦下、フィリピンのレイテ島を舞台に、病魔に侵された中年兵士が飢餓と孤独に苦しんだ末、目の当たりにした陰惨な戦場を描く。巨匠・市川崑と和田夏十がタッグを組み1959年に映画化。

野火

©SHINYA TSUKAMOTO / KAIJYU THEATER

2014年/日本/87分/DCP/PG12/配給:海獣シアター、新日本映画社
監督・製作・脚本・撮影:塚本晋也/原作:大岡昇平
出演:塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也、森優作、中村優子

なぜ大地を血で汚すのか。第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。日本軍の敗戦が色濃くなった中、田村一等兵は野戦病院を追い出され、はてしない原野を彷徨うことになる。主演を自ら務めた塚本晋也監督が、構想から20年の歳月をかけ完成させた意欲作。

*日本映画プロフェッショナル大賞 監督賞
*第30回高崎映画祭 最優秀作品賞、最優秀新人男優賞(森優作)
*第10回KINOTAYO(キノタヨ)現代日本映画祭 批評家賞、最優秀撮影賞
*第7回TAMA映画賞 特別賞
*第70回毎日映画コンクール 監督賞、男優主演賞(塚本晋也)

Yokosuka1953

© Yokosuka1953

2021 年/日本/ 107 分/ DCP 監督:木川剛志/撮影:木川剛志、上原三由樹、関戸麻友/編集:筏万州彦、木川剛志/グラフィック:松原かおり/題字:木川泰輔/主題歌:「おやすみ」キャラバンキョウコ/プロデューサー:上原三由樹 木川剛志
出演:バーバラ・マウントキャッスル、木川洋子/ナレーション:津田寛治

『木川洋子を知っていますか。』気鋭の映像作家・木川剛志の元に寄せられたSNS のメッセージ。戦後混乱期の横須賀に外国人の父と日本人の母の間に生まれた一人の女性の66 年にも及ぶ悲痛な思いと、その数奇な運命を静かな映像で紡ぎ出す圧巻のドキュメンタリー。


8/2(土)~

冬冬の夏休み デジタルリマスター版

冬冬の夏休み

©︎ CITY FILMS LTD.

1984年/台湾/98分/配給:Stranger
原題:冬冬的暇期
監督:ホウ・シャオシェン
原作:チュー・ティエンウェン
脚本:チュー・ティエンウェン、ホウ・シャオシェン
撮影:チェン・クンホウ
編集:リァオ・チンソン
音楽:エドワード・ヤン、トゥー・トゥーチー
製作:チャン・ホアクン
キャスト:ワン・チークアン、リー・シュジェン、エドワード・ヤン、グー・ジュン、メイ・ファン、 ティン・ナイチュ、チャン・ホン

公式ホームページ

日本の劇場初公開時から35年の時を経て蘇る―
台湾ニューシネマの巨匠ホウ・シャオシェンが刻んだ永遠の夏の記憶

日本の現代映画作家にも大きな影響を与えた台湾ニューシネマの旗手、ホウ・シャオシェン監督。彼の詩情が結実した初期の代表作である本作は、少年と少女が過ごすひと夏の時間を静謐なまなざしでとらえる。
台北で暮らす小学校を卒業した少年、冬冬(トントン)と幼い妹の婷婷(ティンティン)。母の入院をきっかけに、ふたりは夏休みの間、厳格な祖父の住む田舎の家へと預けられ、祖父母とともに暮らすことになる。冬冬は、近所の同世代の子どもたちとすぐに打ち解け、遊びながらのびのびと日々を過ごす。一方、婷婷はふとしたきっかけで寒子という若い女性と出会い、交流を重ねていく。 陽射しに包まれた風景の中、周囲の大人たちの会話に耳を傾けながら、ふたりの夏の日々が静かに過ぎていく―― 。
台湾中部の銅鑼を舞台に、懐かしくも美しい田園風景は観る者の心を掴み、誰もが自身の子ども時代の記憶を呼び覚まされるだろう。

エドワード・ヤン監督が俳優として出演!
台湾ニューシネマの重要人物たちが結集した貴重な一本

本作では『牯嶺街少年殺人事件』『ヤンヤン夏の思い出』のエドワード・ヤン監督が俳優として出演。主人公・冬冬の父親役を演じるほか、劇中音楽の選曲も手がけている。 脚本は『悲情城市』をはじめ数々のホウ・シャオシェン作品を支えてきたチュー・ティエンウェン、撮影は『台北ストーリー』『風櫃の少年』などの撮影を手がけたチェン・クンホウが担当。1980年代の台湾ニューシネマの核心を担った才能が集結した歴史的にも貴重な一作。
1980年の日本初公開時より35年を迎えた今、待望のデジタルリマスター版としてふたたびスクリーンに蘇る!


冬冬の夏休み 冬冬の夏休み 冬冬の夏休み

8/2(土)~

よみがえる声

よみがえる声

2025年/日本・韓国/148分/日本語・英語・韓国語/配給:「よみがえる声」上映委員会
監督:朴壽南、朴麻衣(共同監督)

90歳を迎える映画作家・朴壽南(パク・スナム)と娘の朴麻衣が共同監督
歴史に埋もれる声なき者たちの物語を刻銘に記録したドキュメンタリー

在日朝鮮人2世である映画作家・朴壽南(パク・スナム)は、2025年に90歳を迎える。彼女と娘の麻衣が共同で監督したドキュメンタリー『よみがえる声』は、約40年前から朴壽南が撮り続けていた16mmフィルムを基に制作された。広島や長崎で原爆被害を受けた朝鮮人、長崎の軍艦島に連行された徴用工、沖縄戦の朝鮮人元軍属、そして日本軍の「慰安婦」にされた女性たちの声なき物語を描き出す。

本作は2023年の釜山国際映画祭においてワールドプレミアされ、ドキュメンタリー部門で最優秀賞を受賞。審査委員の原一男監督は「この作品を見た瞬間、ある存在を破壊する力を感じた」と激賞した。さらに、ベルリン国際映画祭では「豊かで脱植民地的なアーカイブ」としてフォーラム部門に正式招待され、ジャン・ルーシュ国際映画祭では「生きている遺産賞」を受賞。2025年2月の高円寺ドキュメンタリー映画祭でもコンペティション部門でグランプリを受賞した。


よみがえる声 よみがえる声 よみがえる声

8/2(土)~

野火 4K

野火メイン画像

©KADOKAWA 1959

1959年/日本/105分/DCP/モノクロ/シネマスコープ/2022年のデジタル修復によるマスター/配給:KADOKAWA
監督:市川崑
原作:大岡昇平「野火」
脚本:和田夏十
撮影:小林節雄
音楽:芥川也寸志
出演:船越英二、ミッキー・カーチス、滝沢修

公式ホームページ

一線を超えられるか
生死の境で人間が獣と化す
極限状態に追い込まれた兵士に迫る非情な選択

第二次世界大戦下、フィリピンのレイテ島を舞台に、病魔に侵された中年兵士が飢餓と孤独に苦しんだ末、目の当たりにした陰惨な戦場を描く。自身のフィリピンでの戦争体験を基にした大岡昇平による戦争文学の最高傑作を、『犬神家の一族』『ビルマの竪琴』などの巨匠・市川崑監督が、脚本・和田夏十とタッグを組み1959年に念願の映画化。第14回ロカルノ国際映画祭®グランプリほか国内外で数多くの映画賞を受賞した。

<STORY> 第二次世界大戦末期、フィリピンのレイテ島。日本の敗北が濃厚な状況下で、肺病を患った一等兵・田村は部隊から追い出され、病院からも食糧不足を理由に入院を断られる。病院の前で、田村は同じく厄介者として見放された若い兵の永松、足の負傷で歩けなくなった中年兵の安田と出会う。病院が襲撃され、一人逃げた田村は、飢えに駆り立てられるように熱帯のジャングルを彷徨う。途中、別の部隊に同行するが、米軍の一斉砲撃により他の兵士たちは全滅し・・・。


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8/3(日)~

ジョニーは戦場へ行った 4K

ジョニーは戦場へ行ったメイン画像

©ALEXIA TRUST COMPANY LTD.

1971年/アメリカ/112分/DCP/カラー・モノクロ/ビスタ/配給:KADOKAWA
原作・脚本・監督:ダルトン・トランボ「ジョニーは戦場へ行った」
製作:ブルース・キャンベル
撮影:ジュールス・ブレンナー
編集:ミリー・ムーア
字幕翻訳:高内朝子
出演:ティモシー・ボトムズ、キャシー・フィールズ、ジェイソン・ロバーズ、ダイアン・ヴァーシ、ドナルド・サザーランド

公式ホームページ

これは夢か、現実か
触覚以外の全感覚と四肢を失い
“意識ある肉塊”と化した青年の魂の叫び

赤狩りによりハリウッドから追放されるも、『ローマの休日』『黒い牡 牛』『スパルタカス』など脚本家として多くの名作を生み出したダルトン・トランボが、第一次世界大戦時に身体のほぼ全ての器官を失った青年兵士の視点から戦争の闇を暴いた反戦小説を1971年に自らの脚本・監督で映画化。第24回カンヌ国際映画祭®で審査員特別グランプリほか三冠に輝いた名作が50年以上の時を経て4K版日本初公開。

<STORY> ジョーが目を覚ますと、病院のベッドの上に横たわっていた。第一次世界大戦下、志願してヨーロッパ戦線に出征したアメリカ兵の彼は、砲弾により目、鼻、口、耳を失い、運び込まれた病院で両腕、両脚も切断。首と頭がわずかに動き、皮膚感覚だけが残ったが、姓名不詳の<407号>と呼ばれ、軍部の実験材料として生かされる。鎮痛剤を打たれ意識が朦朧とする中、ジョーは想いを巡らせる。最愛の恋人カリーンとの出発前の一夜、釣り好きだった父親と過ごした日々…。


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8/7(木)~

ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム

ザ・ゴールデン・カップスメイン画像

© 2004 ALTAMIRA PICTURES, INC.

2004年/日本/130分/配給・製作:アルタミラピクチャーズ
監督:サン・マー・メン
製作:桝井省志
プロデューサー:土本貴生
音楽監督:ミッキー吉野
撮影監督:長田勇市
編集:宮島竜治
出演:デイヴ平尾、ケネス伊東、エディ藩、ルイズルイス加部、マモル・マヌー、ミッキー吉野、林恵文、アイ高野、柳ジョージ、ジョン山崎、忌野清志郎、内田裕也、北野武、スティーブ・フォックス、CHAR、土屋昌巳、中村裕介、鳴瀬喜博、矢野顕子、李世福、CHIBO(パワーハウス)、陳信輝、横山剣(クレイジーケンバンド)、小金丸峰夫(本牧ナポレオン党)、井上堯之(ザ・スパイダース)、ムッシュかまやつ、萩原健一(ザ・テンプターズ)、ジョー山中(フラワー・トラヴェリン・バンド)、鈴木ヒロミツ(ザ・モップス)、樋口晶之(ブルース・クリエイション)

本編終了後、エディ藩さん追悼映像(約15分)の上映があります。

公式ホームページ

1966年、横浜・本牧から日本のR&Bが始まった
強烈に激しく、粗野で荒々しいビートは
若者の言葉となり、映画となった――

“トーキョーなんてハマの残りカスみたいなもんさ”
1960年代、基地の街<横浜 本牧>がここにある。

ベトナム帰休兵が踊り狂うクラブ“ゴールデンカップ”、“米兵に群がるオンナたち”そして“ドラッグ”、トヨタS800で疾駆する“ナポレオン党”、横浜発“週末ダンスパーティー”、本牧の丘に広がる“ベースキャンプ”、市電の車窓に流れる“米軍住宅”。初めて映画で明かされる知られざる<本牧の伝説>と不良たちの素顔。ザ・ゴールデン・カップスをリスペクトするミュージシャンとヨコハマの不良たちの生々しい証言。そして31年の時を経て実現した奇跡のライブ。

‘67年、グループサウンズ(GS)としてデビューした「ザ・ゴールデン・カップス」。『長い髪の少女』のヒットで一躍、タイガースやテンプターズと肩を並べる人気グループとなる。しかし、それは彼らの本当の姿ではなかった…。<横浜 本牧>で生まれた日本で初めての本格派R&Bバンドだった。
忌野清志郎、内田裕也、北野武、ジョー山中、CHIBO、CHAR、萩原健一、矢野顕子、横山剣など総勢44名がゴールデン・カップスへの熱い思いを語る史上空前のインタビュー叙事詩が誕生。奇跡的に発見された<本牧ゴールデンカップ>店内の記録写真や‘68年に放送された『R&B天国』の演奏シーンなど幻の映像。日本ロック史の扉を開いた先駆者たちの壮大なクロニクル。


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8/15(金)・8/16(土)

東京裁判 4Kデジタルリマスター版

東京裁判

©講談社2018

1983/日本/モノクロ/277分/DCP/配給:太秦
監督:小林正樹
原案:稲垣俊
脚本:小林正樹、小笠原清
音楽:武満徹
ナレーター:佐藤慶

※当館での上映は2K版

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券2,000円を当館受付にて発売中!

時を超えて問いかけてくる…
君たちは、なぜに繰り返す。歴史から何を学んだのかと。

1945年日本はポツダム宣言を受諾し、8月15日に全面降伏の旨を国民に伝えた。戦後の日本を統治する連合軍最高司令官マッカーサー元帥は、戦争犯罪人の処罰を早急に実施するよう望み、1946年1月22日に極東国際軍事裁判所条例を発布。俗にいう“東京裁判”である。
満州事変に始まり、日中戦争の本格化や太平洋戦争に及ぶ17年8カ月の間、日本を支配した指導者の中から、太平洋戦争開戦時の首相・東條英機ら28名が被告に指定された。一方、国の内外から問われ、重要な争点となった天皇の戦争責任については、世界が東西陣営に分かれつつあるなか米国政府の強い意志により回避の方向へと導かれていく。
同年5月3日より東京裁判は開廷。まずは「平和に対する罪」など55項目に及ぶ罪状が読み挙げられるが、被告は全員無罪を主張した。検察側は日本軍の非道の数々を告発。弁護側は「戦争は国家の行為であり、個人責任は問えない」と異議申し立てするが、「個人を罰しなければ、国際犯罪を実効的に阻止できない」と、裁判所はこれを却下した。1948年11月12日、残る25名のうち東條ら7名が絞首刑、他18名は終身刑もしくは有期刑の宣告が下された。

巨匠、小林正樹が遺したかった戦後日本への重い問いかけ

アメリカ国防総省が撮影していた50万フィートに及ぶ膨大な裁判記録のフィルムをもとに、『壁あつき部屋』(56)や『人間の條件』シリーズ(59~61)などで戦争の非を訴えた、反骨の巨匠・小林正樹監督が5年の歳月をかけて編集、制作した。客観的視点と多角的分析を施しながら「時代の証言者」としての“映画”を完成させたのである。83年に公開され、単に裁判の記録といった域を越え、日本の軍国主義の歩みと激動の世界情勢を照らし合わせながら、戦後38年当時の日本人に人類がもたらす最大の愚行「戦争」の本質を巧みに訴え得た本作は、第35回ベルリン映画祭国際批評家賞をはじめ国の内外で絶賛された。

初公開から36年、故小林正樹監督に代わり、脚本・監督補の小笠原清とエグゼクティブプロデューサー杉山捷三の全面協力のもとで完成した4Kフィルムスキャン&2K修復デジタルリマスター版。音響もブラッシュアップされ、特に昭和天皇の玉音放送のシーンでは詔書全文の完全字幕化も実現。鮮明な画像と音響がもたらすリアルな臨場感とともに蘇った本作は、再び「戦争と平和」なる言葉の重みとともに、昭和から平成そして令和へと時代が移り変わっても戦争がもたらした負の遺産を改めて観る者に知らしめていく。


東京裁判 東京裁判 東京裁判

8/16(土)~

選挙と鬱

選挙と鬱

©ノンデライコ/水口屋フィルム

2025年/日本/124分/製作:水口屋フィルム、ノンデライコ/配給・宣伝:ノンデライコ
監督・撮影:青柳拓
撮影・編集:辻井潔
音楽:秋山周
構成・プロデューサー:大澤一生
出演:水道橋博士、町山智浩、三又又三、原田専門家、やはた愛、大石あきこ、山本太郎ほか

公式ホームページ

Me We/私はあなたたちだ あなたたちは私だ
2022年参院選に急遽出馬した水道橋博士と素人選挙チームは勢いのまま躍動する
奇跡の当選後、誰もが予想しなかった鬱病による休職~辞任の果てに...

2022年6月。偶然と必然が重なり急遽、参議院議員選挙にれいわ新選組から立候補することなった水道橋博士。弟子や元・マネージャー、仲間の芸人たちで構成された素人チームは、手探りしつつもドタバタと選挙活動を躍動する。水道橋博士はモハメド・アリの名言「Me We(私はあなたたちだ。あなたたちは私だ)」から民主主義の根幹としての政約を打ち出した。比例代表候補として全国を飛び回り、期間中に起こった“安倍元首相銃撃事件”に翻弄されながらも、奇跡の当選を勝ち取る。晴れやかな国会初登院の場で国会議員としての活躍を誓った3カ月後、水道橋博士は“鬱病”により休職~辞任を余儀なくされるのだが...

「オレ、もう終わっちゃったのかな?」
政治家として、誰かのために生きること
鬱病を経て、まず自分のために生きようとすること
民主主義のもとで生きる全ての “私” たちと繋がるポリティカルドキュメンタリー

偶然にも選挙の“従軍カメラマン”となり選挙活動チームに加わりながら密着撮影したのは『東京自転車節』『フジヤマコットントン』の青柳拓。持ち前の人懐こいキャラクターを活かしチームの一員となった青柳監督は、内側から選挙活動のディテールを描き出した。一方、水道橋博士の鬱病による休職~辞任とその後も追い続けたことによって、個人視点から社会を浮かび上がらせる作家性を本作でも発揮。数多の選挙ドキュメンタリーとは一線を画す人間ドラマとして本作を完成させた。一人の芸人のチャレンジを通して、政治家の根幹である“誰かのために生きること”、一方で鬱病というキーワードから垣間見える、現代社会で重要な“自分のために生きること”を同時に問いかける、私たちのポリティカルドキュメンタリー。


選挙と鬱 選挙と鬱 選挙と鬱

8/16(土)~

摩文仁 mabuni

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© ユーラシアビジョン

2025年/日本/97分/配給:ユーラシアビジョン
監督・撮影・編集:新田義貴
プロデューサー:七沢潔
撮影協力:山城知佳子、砂川敦志、仲宗根香織、松林要樹、norico、瀬底梨恵、島袋笑美
音楽:上畑正和
ナレーター:知花くらら
主題歌:寺尾紗穂

公式ホームページ

多くの慰霊塔が建ち並ぶ摩文仁の丘。
“英霊の顕彰”か?“犠牲者の慰霊か”?
戦後80年を迎える沖縄――
花売りのおばぁは死者の魂に祈り続ける

膨大な数の慰霊碑が林立する摩文仁の丘。戦争で遺された者は死者の魂をどう受け止めその霊を慰めるのか。沖縄住民、日本軍戦友、自衛隊、アメリカ軍関係者、韓国人遺族。丘にはそれぞれの思いがすれ違う。この丘では“英霊の顕彰”と“犠牲者への慰霊”が常にせめぎ合い、本土と沖縄の分断を象徴してきた。それでも、その傍では花売りのおばあが死者の魂を慰めようと祈り続けるのだった。
地元で生まれ育った大屋初子(89歳)は、沖縄戦で集団自決が起きた壕から命からがら生き残り、戦後はずっと「魂魄之塔」という慰霊碑の前で遺族に参拝用の花を売ってきた。本作では初子おばあを主人公に、膨大な数が存在する沖縄戦の慰霊碑を訪ね、そこにこめられた人々の様々な思いを描く。
戦争とは?平和とは?そして”摩文仁”とは?このひとつの丘からは沖縄のみならず、多くの紛争に揺れる世界の今も見えてくるはずだ。
監督は、沖縄や中東などで戦争をテーマに映像制作を行ない、現在もウクライナで取材を続ける新田義貴。沖縄の市場の再生を描いた劇場映画デビュー作「歌えマチグワー」(2012年)に続き、戦後80年となる今年、いまなお沖縄が抱える多くの矛盾や、そこで生きる人々の姿を見つめる。ナレーションは沖縄出身でモデル・タレントとして活躍する知花くらら、そして主題歌はシンガーソングライターの寺尾紗穂が手掛け、鎮魂の祈りをともに捧げる。


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8/23(土)~

KNEECAP/ニーキャップ

KNEECAP/ニーキャップ

© Kneecap Films Limited, Screen Market Research Limited t/a Wildcard and The British Film Institute 2024

2024年/イギリス、アイルランド/105分/配給:アンプラグド
原題:KNEECAP
監督・脚本:リッチ・ペピアット
製作:トレバー・バーニー、ジャック・ターリング
撮影:ライアン・カーナハン 音楽:マイケル・“マイキー・J”・アサンテ
出演:モウグリ・バップ、モ・カラ、DJプロヴィ、ジョシー・ウォーカー、マイケル・ファスビンダー

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,600円(税込)を当館受付にて発売中!特典:特製ステッカーをプレゼント!

俺たちの言葉《プライド》を取り戻せ
アイルランドに実在する放送禁止ヒップホップ・トリオの半自伝的ドラマ
アイルランド語を守るための武器は《言葉と音楽》
ベルファストのアナーキーな3人組が立ち上がる!

母国語の復権を掲げてアイルランド語でラップをし、その過激な言動から「セックス・ピストルズ以来の物議を醸すヒップホップ・トリオ」と呼ばれるグループ、KNEECAP(ニーキャップ)。彼ら自身が主演し「アイルランド版”トレインスポッティング”」と評されている、ほぼ実話の物語がここに誕生。
舞台は北アイルランド、ベルファスト。父親から「アイルランド語は自由のための弾丸だ」という教育を受けながら共に育ったニーシャと友人のリーアム。ある夜、リーアムと音楽教師のJJがひょんなことから出会ったことをきっかけに、アイルランド語の歌詞による楽曲制作を開始。3人は「ニーキャップ」を結成し、楽曲を通じて母国語の権利を取り戻すべく活動していくのだが……。

2022年まで公用語として認められていなかったアイルランド語と、自分たちのアイデンティティのために闘う彼らの姿をエネルギッシュに描いた半自伝的物語。本国ではアイルランド語映画として初週動員歴代1位の大ヒットを記録。世界の映画祭でも大絶賛を受け、25の受賞と63のノミネートを果たした話題作。今年、世界最大級の音楽フェスであるコーチェラにも出演し、パワフルなパフォーマンスで音楽ファンの間でも注目が集まっているニーキャップが今夏、日本のスクリーンでも大暴れ!

*第97回アカデミー賞® 国際長編映画ショートリスト選出(アイルランド代表)
*第40回サンダンス国際映画祭 観客賞(NEXT部門)
*第27回英国インディペンデント映画賞 作品賞・新人脚本家賞・助演男優賞・キャスティング賞・編集賞・音楽賞・音楽監修賞


8/23(土)~

OKAは手ぶらでやってくる

OKAは手ぶらでやってくる画像

Ⓒ2024 NPO映像記録/ウェストサイドプロダクツ

2024年/日本/90分/ドキュメンタリー/配給:ミカタ・エンタテインメント
監督・朗読:牧田敬祐
挿入歌:友部正人
制作:松林展也、小林洋一
脚本:牧田敬祐
撮影:吉本憲正、桜田純弘、梅本承平、鶴岡由貴
録音・編集:細川雅浩
MA:吉田一郎(スレダボ)、ガリレオクラブ
題字:糸田トコ
アニメーション:徳永尚和
バリアフリー字幕:COMプラニング
デザイン:塩山一志、押方泰彦
Web:Haising
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
製作:特定非営利活動法人映像記録、ウェストサイドプロダクツ
宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト

公式ホームページ

売られる子どもをなくしたいと日本を飛び出した
「一人NGOのOKA」こと栗本英世のカンボジアでの苦闘の記録

東南アジアで「ひとりNGO」として活動し、2022年に71歳でこの世を去った栗本英世の人生を、生前の彼の映像や、関係者の証言でひも解く。人身売買や地雷の危険にさらされた人々を支援し、子どもの教育のため草葺きの寺子屋を立てるなど、各地を奔走した栗本。いつも一文なしで、手ぶらで現れることから、いつしか「OKA(カンボジア語でチャンスの意)」と呼ばれるようになった。何が彼をそこまで駆り立てたのか。彼が残したものとはーー?
監督は、主に近畿圏の民俗行事や芸能を記録し、市民活動やNGOを映像で支援するNPO映像も撮影してきた牧田敬祐。これまでに、大峯修験を記録した『峰入』(映文連アワード2017:部門優秀賞)、日中戦争時代の日本人反戦兵士を描いたドキュメンタリー映画『戦影』(2021)などを手がけてきた。

*東京ドキュメンタリー映画祭2024 長編部門コンペティション グランプリ受賞


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8/23(土)~

囁きの河

囁きの河

2024年/日本/108分/配給:渋谷プロダクション
監督・脚本:大木一史
エグゼクティブプロデューサー:青木辰司
音楽:二宮玲子
撮影監督:山中将希
録音:森下怜二郎
出演:中原丈雄、清水美砂、三浦浩一、渡辺裕太、篠崎彩奈、カジ、輝有子、木口耀、宮﨑三枝、永田政司、堀尾嘉恵、福永和子、白砂昌一、足達英明、寺田路恵、不破万作、宮崎美子

公式ホームページ

巻き戻しができない1回きりの人生、無理をしなきゃいけない時がある
令和2年7月豪雨の被災地である熊本県球磨川を舞台に、失くした居場所を自分で取り戻すまでを描く

熊本豪雨から3か月目のある日、母の訃報を聞いた今西孝之は、22年ぶりに故郷の町に足を踏み入れた。山が削られ、多くの家屋が流されて、川の地形まですっかり変わり果てていた。孝之は、故郷を離れて以来会う事のなかった息子の文則と再会する。だが、文則はかつて幼い自分を見捨てた父に心を開こうとはしなかった。文則は、球磨川下りの船頭になるための修業に励んでいたが、水害後航行不能となった球磨川下りの再開の目処は、たっていなかった。孝之たちの家の対岸に、老舗旅館「人吉三日月荘」が建っている。旅館の主、山科宏一は、孝之の幼馴染であり、女将の雪子は、孝之のかつての恋人である。帰還を機に、夫婦との交流が再開した。水害の時、旅館の建物が半壊してしまった。さらに宏一の父は、その最中に溺死しまう。この出来事によって宏一は、大きなトラウマを抱えることになる。なんとか旅館を再生しようとする雪子と、旅館を畳んでしまいたいと思う宏一との間に、心の溝が生まれる。水害を機に多くの人々が、進むべき道筋を見失い混乱していた。孝之は、先ずは荒れ果てた田畑の開墾に乗り出した。水害を受けた土を耕すことに次第に、深い生きがいを感じるようになった。雪子も、宏一を何とか説得して、旅館再生に向けての道を歩み始めていた。だが、河と共に生きようとする人々に、次々と試練が訪れる。彼らの復興への歩みは閉ざされてしまうのであろうか。彼らは、どのような決断をするのであろうか。球磨川の水が、逆巻くように流れて行く。


囁きの河 囁きの河 囁きの河

8/30(土)~

また逢いましょう

また逢いましょう

©Julia / Omuro

2025年/日本/91分/製作:ジュリア、オムロ/配給:渋谷プロダクション
製作・監督:西田宣善
原案:伊藤芳宏
脚本:梶原阿貴
音楽:鈴木治行
撮影監督:藍河兼一
美術:竹内公一、竹内悦子
後援:京都市
特別協力:ふくろう宮前、活水女学院関西支部(伊藤路子、西田松子)
出演:大西礼芳、中島ひろ子、カトウシンスケ、伊藤洋三郎、加茂美穂子、田川恵美子、神村美月、梅沢昌代、田中要次、田山涼成、筒井真理子

公式ホームページ

明るく生きよう
介護施設ハレルヤでの日々

東京でアルバイトをしながら漫画を描いている夏川優希は、父親・宏司が転落事故で入院した知らせを聞いて京都市右京区の実家に戻る。宏司の診断の結果は、手足に重い麻痺が残る頸髄損傷だった。 優希はひとり娘で、母はすでに他界している。家に残って父親の世話をするが、無口で頑固な宏司とは昔から会話もろくに弾まない。
宏司は退院後、介護施設「ハレルヤ」に通所を始める。優希も付き添いでおそるおそる行ってみると、そこは利用者と職員が和気あいあいと談笑しリハビリテーションに励む、居心地の良さそうな空間だった。いつしか優希もハレルヤに行き、明るいベテラン職員らと会うのが楽しみになっていく。通所先にハレルヤを勧めてくれたケアマネジャー・野村隼人とも、野村が大の漫画好きなのをきっかけに距離が近づいていく。急に様々なことが起きるなかで、優希も自分自身と出逢い直す日を迎える―。

原案は、京都市右京区でデイケア施設「ナイスデイ」を運営する伊藤芳宏の著書「生の希望 死の輝き 人間の在り方をひも解く」(幻冬舎刊)。利用者のライフストーリーの聞き取りを治癒に活かす独自の取り組みは今、介護業界を越えた大きな反響を呼んでいる。監督は、やはり京都と東京を拠点に映画のプロデュースを続け、ご当地映画といえる2019年の『嵐電』で高い評価を受けた西田宣善。2人の出逢いから新たな京都発映画が生まれた。
主人公の漫画家・夏川優希を演じるのは『嵐電』の大西礼芳。編中のマンガとピアノ演奏も、自身で手がけているのにも注目。優希の父で、頸髄損傷で生活の自由を奪われた絶望と闘う宏司を演じるのは伊藤洋三郎。施設で明るく奮闘するベテラン職員・洋子役は中島ひろ子。利用者と職員どちらも仲間として信頼の目で見つめる所長役は田山涼成。そのほかカトウシンスケ、筒井真理子、田中要次、梅沢昌代など、実力派キャストが脇を固め、誰もが自分だけの人生を生きているし、生きて良いのだ、というこの映画の根幹のメッセージを見事に体現している。


また逢いましょう また逢いましょう また逢いましょう

8/30(土)~

バロウズ

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© 1983 Citifilmworks/© 2013 Pinball London Ltd. All rights reserved.

1983年/アメリカ/90分/カラー&モノクロ/モノラル/1.33:1/提供:マーメイドフィルム/配給:コピアポア・フィルム
原題:BURROUGHS:THE MOVIE
監督:ハワード・ブルックナー
撮影:トム・ディチロ、ジェームズ・A・レボヴィッツ、マイク・サウソン、ニコラス・ストラザース、リチャード・L・キャンプ、キャシー・ドーシー
録音:ジム・ジャームッシュ、エドワード・ノヴィック、G・オズボーン、ピーター・ミラー、ケヴィン・ゴードン、デヴィッド・E・ハウレ
スチール:ポーラ・コート
出演:ウィリアム・S・バロウズ、フランシス・ベーコン、モーティマー・バロウズ、ウィリアム・S・バロウズ Jr.、ルシアン・カー、ジャッキー・カーティス、アレン・ギンズバーグ、ジョン・ジョルノ、ジェームズ・グラウアーズ、ブライオン・ガイシン、ハーバート・ハンケ、ローレン・ハットン、スチュワート・メイヤー、パティ・スミス、テリー・サザーン

公式ホームページ

映画『クィア/QUEER』原作者であり、20世紀最凶の作家にして破壊者
ウィリアム・S・バロウズの傑作ドキュメンタリーが蘇る

アレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックらと並びビート・ジェネレーションを代表する作家であり、発禁騒ぎにもなった『裸のランチ』はじめ衝撃的な実験小説を発表、<カットアップ>の手法で言語世界に新たな地平を示した文学界の極北ウィリアム・S・バロウズ。同性愛者にして麻薬中毒者、ウィリアム・テルごっこで内縁の妻を射殺するという驚愕の事件を起こし、晩年には画家や俳優としても活躍、ナイキのCMに出演するなど、破天荒過ぎる生き様そのものが20世紀最大のカルト・アイコンだ。映画『バロウズ』はバロウズ本人が全面協力し、自らの人生や文学スタイル、創作の秘密を語る最初で最後のドキュメンタリー。83年の製作当時高く評価されたものの、その後フィルムが紛失、2011年にデジタルリマスター化が実現するも、我が国ではソフト化も配信もされなかった伝説の作品がついに日の目を見ることになった。<妻殺し>の真相や銃への執着、強烈なブラックユーモア、詩の朗読、無機質な自宅の公開、そして常にスーツ姿の飄々と異様なたたずまい…。ギンズバーグやハーバート・ハンケといった友人の作家たちやフランシス・ベーコン、ブライオン・ガイシンらが出演、さらには兄や息子も登場し、謎につつまれたバロウズの複雑な肖像が浮き彫りとなる。死の国から手をふる偉大なる作家ウィリアム・S・バロウズ────21世紀になっても、まだ世界は彼を忘れることができない。

真実などない。すべて許されている。

20世紀アメリカ文学を代表する伝説の作家ウィリアム・S バロウズの全面協力で作られた最初で最後のドキュメンタリー。常にスーツに身をつつみ、飄々と彼が語るのは内縁の妻の射殺事件や文学のスタイル、これまでの人生の思い出、1日のルーティーンに銃や機械へのオブセッション…。兄や息子など知られざる家族も登場するほか、アレン・ギンズバーグやブライオン・ガイシン、フランシス・ベーコンなど作家の友人や芸術家の仲間も出演し、数々の証言や彼自身の言葉をとおして、ひとりの男の複雑な人生の様相が生々しく浮き彫りになっていく。


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9/6(土)~

Dr.カキゾエ 歩く処方箋〜みちのく潮風トレイルを往く〜

Dr.カキゾエ 歩く処方箋

© 2024 Dr.カキゾエ歩く処方箋映画制作委員会

2024年/日本/120分/配給:武蔵野エンタテインメント株式会社
監督:野澤和之
ゼネラルプロデューサー:田寺順史郎
撮影監督:堂本昌宏
音楽監督:合田亨生
編集:平井将人
俳句朗読:山根基世
出演:垣添忠生、みちのく潮風トレイルで出会った人々

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,600円(税込)を当館受付にて発売中!

がんサバイバーと3.11被災者に出会う
Dr.カキゾエ・82才の1025km

がんの専門家である垣添忠生医師が、青森県八戸市から福島県相馬市までのみちのく潮風トレイル1025キロを歩くロードムービー。
がんサバイバーの支援と東日本大震災の被災者の心の傷に少しでも寄り添いたいという思いから、82歳になるドクターカキゾエは、歩く決意をした。雨が降っても風が吹き荒れてもひたすら歩き続けるドクターカキゾエ。移り変わる美しい自然の風景の中を歩くと、様々な人々との出会いが生まれる。がんと共に生きる女性、震災の悲しみをそれぞれのやり方で乗り越えようとしている人々。ドクターカキゾエは、歩きながら思索を重ね、一つの確信にいたる。
「がんでも震災でも人は、逆境にたたされても必ず復活する力を持っている。」
復活する人の強さとは何か?映画は、静かにその答えを示唆してくれる。


Dr.カキゾエ 歩く処方箋 Dr.カキゾエ 歩く処方箋 Dr.カキゾエ 歩く処方箋

9/6(土)~

ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション

ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション

9/6(土)-9/19(金)

ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション

9/6(土)-9/19(金)

大人向けの長編アニメが皆無に等しかった1970~1980年代のフランスで、ただ一人、壮大なSF世界の視覚化に情熱を燃やした監督ルネ・ラルー。

イマジネーションにあふれる世界観と唯一無二の独創性で、時代を超え熱狂的に愛されるSFアニメーション界の鬼才ルネ・ラルー。彼が残した長編全3作を一挙上映いたします。
アニメーションとして世界で初めてカンヌ国際映画祭の審査員特別賞を受賞、日本でも長きにわたってカルト的人気を博し、コロナ禍の2021年に行われた上映では満席回を全国各地で出した、デビュー作『ファンタスティック・プラネット』。2作目『時の支配者』では、世界中のクリエイターに多大な影響を与えたバンド・デシネ界の巨匠メビウスを迎え、3年の歳月をかけてタイム・パラドックスSFを創りあげ、3作目となる『ガンダーラ』は、平和な未来都市を舞台に、やがて起こり得る世界の問題を予見していたかのような衝撃的な物語で、多くの観客を驚かせます。 2025年にデジタルリマスターで甦る、ルネ・ラルーの世界をとくとご堪能ください。

ルネ・ラルー René Laloux (1929.7.13~2004.3.14)

1929年7月13日、フランス・パリ生まれ。デッサン、絵画、彫刻に打ち込んだ後、銀行勤務、兵役を経て、再び芸術の世界へ。1964年にローラン・トポールと共同で作った短編アニメーション『かたつむり』が絶賛、各地の映画賞を受賞。この短編の製作中に、長編映画の監督のオファーを受け、『ファンタスティック・プラネット』が完成し、第26回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。その後、『時の支配者』『ガンダーラ』と寡作ながらも後世に語り継がれる作品を生み出した。享年74。

公式ホームページhttps://www.zaziefilms.com/renelaloux/

配給 ザジフィルムズ

作品紹介

ファンタスティック・プラネット

ファンタスティック・プラネット

©1973 Les Films Armorial – Argos Films

1973年/フランス=チェコスロヴァキア/72分
監督・脚色:ルネ・ラルー
原画・脚色:ローラン・トポール
原題:La Planète sauvage

地球ではないどこかの惑星で、真っ青な肌に赤い目をした巨人ドラーグ族と、彼らに虫けらのように虐げられる人類オム族の、種の存続をかけた決死の闘いを描く―。
フレンチSFのパイオニアであるステファン・ウルの原作「Oms en série」をもとに、ブラックユーモア溢れる幻想的な画風のアーティスト ローラン・トポールが4年の歳月をかけて原画デッサンを描き、<切り絵アニメーション>という手法でルネ・ラルーが映画化。
第26回カンヌ国際映画祭 審査員特別賞受賞

時の支配者 4K修復版

時の支配者 4K修復版

©1982 CITE FILMS – TF1 Film Productions

1982年/フランス=ハンガリー/78分
監督:ルネ・ラルー
設定:メビウス
ストーリーと脚色:ルネ・ラルー、メビウス
原題:Les maîtres du temps

砂漠の惑星ペルディッド星で、巨大なスズメバチに襲われ父を亡くした少年ピエルは、天涯孤独の旅をつづけていた。父から託された最新式のトランシーバー・マイクで、父の友人ジャファーたちに助けを求めるが、ジャファーたちは恐るべき惑星に囚われの身となってしまう―。
ルネ・ラルーが、再びステファン・ウルの「ペルディッド星の孤児」を元に、バンド・デシネの巨匠メビウスの協力を得て制作した。メビウスは、キャラクターデザインから、衣装、宇宙船、背景、色彩の設定、ストーリーボードの作成を担っている。

ガンダーラ 4K修復版

ガンダーラ 4K修復版

©1987 COL-IMA-SON – France 2 Cinéma – TF1 STUDIO

1987年/フランス=北朝鮮/83分
監督・脚色:ルネ・ラルー
原作:ジャン=ピエール・アンドルヴォン
脚本:ラファエル・クリュゼル
原題:Gandahar

平和と悦楽の未来世界“ガンダーラ”では人々と動物が平穏に暮らしていたが、突如、レーザーですべてのものを石化してしまう機械人間メタルマンの攻撃にあう。ガンダーラの指導者たちは勇者シルバンを捜査に向かわせ、メタルマンを操っていたのは“ガンダーラ”の科学者がかつて生み出した人工生命体であることを突き止める―。
SFイラストレーターのフィリップ・カザがキャラクターデザインを担当し、音楽は『イングリッシュ・ペイシェント』『リプリー』等も手掛けたガブリエル・ヤレド。

9/13(土)~

私の見た世界

私の見た世界

©️2025 Triangle C Project

2025年/69分/日本/製作・配給:トライアングルCプロジェクト/配給協力・宣伝:Playtime
監督・脚本・編集・主演:石田えり
プロデューサー:佐藤ちひろ
音楽:ジャイルス・リーブス
音響監督:臼井勝
撮影:伊集守忠
照明:大久保礼司
美術:前田巴那子
装飾:角田綾
衣装・ヘアメイク:松延沙織
出演:大島蓉子、佐野史郎、夏川さつき、後藤ユウミ、下総源太朗、林歩楓、蒲生純一、佐藤まんごろう、桑田佳澄、島村苑香、スガ・オロペサ・チヅル、日下部そう、峰秀一、石井ひとみ、くれ みわ、 小田和江、関口ふで、山内ナヲ、櫻井紗季、岡本舞、仲野元子、黒井悠未、塩野谷正幸、吉田武房、松下太亮、西山水木、齋藤光司、世志男、栗田昌治

公式ホームページ

昭和57年、松山ホステス殺人事件で逮捕された福田和子。顔と名前を変え14年11ヶ月10日間におよぶ逃走の日々を新たな視点で描く。「女」は、何から逃げたのか ——

福田和子ーーその名前は、昭和と平成をまたいで日本中を騒がせた事件とともに記憶されている。1982年(昭和57年)、松山ホステス殺人事件の犯人として指名手配された福田は、顔や名前を変えるなどして警察の目を欺き、時効直前の約15年間にわたり逃走を続けた。妻であり母親でもあった彼女の逃走劇とその背景は、当時の日本社会に大きな衝撃を与え、犯罪の恐ろしさだけでなく、人間の弱さや社会の闇を映し出す鏡としても多くのメディアや書籍で紹介されている。痛みや孤独、そして恐れに満ちていたようにも思える福田和子の人生。その中で何が彼女を追い詰め、どのようにして彼女自身がその道を選んだのかーー。

昭和と平成を震撼させた逃走劇が、令和の時代に新たに問いを投げかける。 福田和子の人生を通じて浮かび上がる社会の闇と光、人間の弱さと強さ。

本作はしかし、過去の出来事を単なる犯罪史として再現する映画ではない。監督は女優としても知られる石田えり。芸能界で華々しいキャリアを持つ石田が、SNSやデジタル技術が普及した令和の時代に、あえて福田和子の物語を描くことは、人間の本質や社会の矛盾を改めて問い直すきっかけとなるだろう。彼女の逃走生活を描くことで、「罪を犯した者」が社会との接点をどのように持ち続けたのか、その中で何を感じていたのかについても新たな視点が得られるはずだ。これは福田和子の物語に重ねて、社会の光と人間の強さにもわずかな希望を見出している石田えりの物語でもある。


私の見た世界 私の見た世界 私の見た世界

9/19(金)~

ミシェル・ルグラン 世界を変えた音楽家

ミシェル・ルグラン

©-MACT PRODUCTIONS-LE SOUS-MARIN PRODUCTIONS-INA-PANTHEON FILM-2024

2024年/109分/フランス/配給:アンプラグド
原題:IL ÉTAIT UNE FOIS MICHEL LEGRAND
監督・脚本:デヴィッド・ヘルツォーク・デシテス
脚本:ウィリー・デュハフオーグ
編集:マルゴッド・イシェール、ヴァンサン・モルヴァン、デヴィッド・ヘルツォーク・デシテス
撮影:ニコラス・ボーシャン、リヤド・カイラット、スタン・オリンガー
音楽:デヴィッド・ヘルツォーク・デシテス、ミシェル・ルグラン
出演:ミシェル・ルグラン、アニエス・ヴァルダ、ジャック・ドゥミ、カトリーヌ・ドヌーヴ、バンジャマン・ルグラン、クロード・ルルーシュ、バーブラ・ストライサンド、クインシー・ジョーンズ、ナナ・ムスクーリ
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,600円(税込)を当館受付にて発売中!特典:A5クリアファイルをプレゼント!(数量限定)

『ラ・ラ・ランド』にも多大な影響を与えた、ルグランの創作の舞台裏と人生を描く
人生の軌跡と最後の舞台に迫る圧巻のドキュメンタリー

数々の映画音楽で後世に影響を与え続けている、フランスを代表する音楽家ミシェル・ルグラン。2019年に亡くなるまでの75年間の音楽人生の中で、特にジャック・ドゥミ監督とのコンビで名作映画を数多く生み出し、マイルス・デイヴィス、シャルル・アズナヴール、バーブラ・ストライサンドなど伝説的なアーティストとも共演を重ねてきた。ジャン=リュック・ゴダールなどヌーヴェルヴァーグの監督たちから評価され、以後多くのフランス映画音楽を手掛ける。名声は海を越えハリウッドの映画音楽でも次々と成功を収め、『華麗なる賭け』(68)で第41回アカデミー歌曲賞、『思い出の夏』(71)では第44回アカデミー賞作曲賞を受賞し、計3度の受賞を誇る。『シェルブールの雨傘』(64)はセリフの代わりに全て音楽で物語を展開させるという画期的な手法で、第17回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞。後にデイミアン・チャゼルが『ラ・ラ・ランド』(16)のモデルにしたことでも知られる。
本作ではルグラン本人と関係者が映画を振り返る形で貴重な作曲の舞台裏が明らかに。練習において自他共に一切の妥協を許さない厳格な姿勢、数々の栄光に隠された挫折と苦悩など、これまで知ることのなかったルグランの姿も余すところなく描かれる。
死の直前まで日本でのブルーノート東京公演に情熱を燃やすなど、長年にわたる親日家として知られ、日本映画『ベルサイユのばら』(79)の音楽を手掛け、自身が60年代に作曲した「ディ・グ・ディン・ディン」は日本のCMで現在も親しまれている。日本にゆかりの深い世界的音楽家の人生最後の舞台までを描く。ルグランの生き様は、私たちに心揺さぶる感動と生きる指針を与えてくれる。


ミシェル・ルグラン

9/20(土)-10/3(金)

ペドロ・コスタ はじまりの刻(とき) 1989-1997

ペドロ・コスタ
はじまりの刻(とき) 1989-1997

9/20(土)-10/3(金)

ペドロ・コスタ
はじまりの刻(とき) 1989-1997

9/20(土)-10/3(金)

瑞々しくも激しく、そして鮮烈に――
伝説となった『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』に至る
鬼才ペドロ・コスタ、“はじまりの軌跡”を4Kレストア版でみつめる

『ヴァンダの部屋』から25年、『コロッサル・ユース』から19年――世界を驚かせ続けるポルトガルの鬼才、ペドロ・コスタ。その伝説前夜とも言える、漆黒のモノクロが鮮烈な長編デビュー作『血』、“カーボ・ヴェルデ”というペドロ・コスタの後の作品群に繋がる場所が初めて登場した重要作『溶岩の家』、スラム街フォンタイーニャスに住む人々を起用し、圧倒的なリアリズムで底辺の生活の厳しさを描く『骨』の初期3作を監督自ら監修した4Kレストア版で初めて劇場公開する。また、破壊されつつあるフォンタイーニャスを舞台にそこに生きる人々の営みを強烈な映画手法で描いた、『ヴァンダの部屋』と『コロッサル・ユース』も特別上映し、その類まれな軌跡を見つめる――。

公式サイト https://www.cinematrix.jp/early_pedro/

配給 シネマトリックス

配給協力 ノーム

入場料一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円

作品紹介

血 4Kレストア版

血 4Kレストア版

1989年/99分/ポルトガル/ポルトガル語/モノクロ/DCP
出演:ペドロ・エストネス、ヌーノ・フェレイラ、イネス・デ・メデイロス、ルイス・ミゲル・シントラ

不安や恐れに苛まれる恋人たち、幻想的な森、黒く光る沼、得体の知れない男たち…。
自らが受けた映画史と自国の記憶を色濃く反映し、「ポルトガル映画の最も美しい一本」との評価を得たペドロ・コスタ初の長編作品。

青年ヴィンセントは病に苦しむ父親を安楽死させ、墓地に埋める。父親の消息に疑問を持った伯父は青年の許にやってきて弟を連れ去ってしまった。一方、父親の負債の返済を求めて二人組が現れる。弟を取り返すべく動く青年を二人組が追っていく・・・。
ペドロ・コスタ長編第1作となる本作はフィルムノワール的風貌を見せつつ、瑞々しく輝く画面が観る者を魅了する。マノエル・ド・オリヴェイラ作品常連のルイス・ミゲル・シントラが重要な役で華を添えている。

2022年 ヴェネチア国際映画祭 国際批評家週間出品
1989年 ヴェネチア国際映画祭出品
1990年 ロッテルダム国際映画祭 国際批評家連盟表彰

溶岩の家 4Kレストア版

溶岩の家 4Kレストア版

1994年/110分/ポルトガル・フランス・ドイツ/ポルトガル語・クレオール語/カラー/DCP
出演:イネス・デ・メデイロス、イサック・デ・バンコレ、エディット・スコブ

アフリカ、カーボ・ヴェルデの言葉、習慣、気候、風土――
その現実的な生活と歴史を映画に取り込みながら、荒々しい色彩と感情に彩られた記念すべき長編第2作。

看護師のマリアーナは、リスボンの工事現場で意識不明となった男レオンに付き添って彼の故郷カーボ・ヴェルデに向かうが、病人とともに荒野に取り残される。島民に病院まで運んでもらうが島民の誰一人として病人のことは語ろうとしなかった・・・。
本作の撮影後に、託された手紙をフォンタイーニャス地区に届けたことを契機に、“カーボ・ヴェルデから届いた手紙” というペドロ・コスタの重要なモチーフが生まれるきっかけとなった重要作。伝説的女優、エディット・スコブが特別出演している。

1994年 カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門出品
1994年 テサロニキ国際映画祭 最優秀芸術貢献賞
1994年 ベルフォール国際映画祭 最優秀外国映画賞

骨 4Kレストア版

骨 4Kレストア版

1997年/98分/ポルトガル・フランス・ドイツ/ポルトガル語/カラー/DCP
出演:ヴァンダ・ドゥアルテ、ヌーノ・ヴァス、マリア・リブキナ、イザベル・ルート、イネス・デ・メデイロス

狭い路地、壁に背をもたせ何かを待つ男と女、行き場のない空気。
リスボンのスラム街フォンタイーニャスで絶望を抱えた人々の息づかいが圧倒的なリアリズムで迫る。

赤ん坊を産んだティナはリスボン郊外にあるスラム街に戻ってくるが、夫は赤ん坊を連れて家を出て行ってしまう。彼は物乞いをし、看護婦のエドゥアルダと知り合い、彼女の家に居候するようになる。ティナの隣人クロチルドは家政婦をしているが、ある日エドゥアルダの家でティナの夫に出会う。
スラム街フォンタイーニャスに住む人々を起用し、圧倒的なリアリズムで底辺の生活の厳しさを描き、高く評価された。『ヴァンダの部屋』のヴァンダも家政婦役で出演。

1997年 ヴェネチア国際映画祭 金のオゼッラ賞(撮影賞)
1997年 ベルフォール国際映画祭 審査員特別賞

〔特別上映〕

ヴァンダの部屋 2Kレストア版

ヴァンダの部屋 2Kレストア版

2000年/170分/ポルトガル・ドイツ・スイス/ポルトガル語・クレオール語/カラー/DCP
  出演:ヴァンダ・ドゥアルテ、ジータ・ドゥアルテ、レナ・ドゥアルテ、アントニオ・セメド・モレノ、パウロ・ヌネス

数十人の規模の映画制作に疑問を持ったコスタは小型のDVキャメラを手にフォンタイーニャスに戻り、撮影を敢行。『骨』に出演したヴァンダ・ドゥアルテとその家族を中心に、再開発が進み、パワーショベルによる破壊が進む街に暮らす人々を見つめる。小津、溝口、フォードを想起させるスタンダードサイズの画面と、街に響く破壊音の対比が強烈な印象を残し、新たなドキュメンタリー表現として多くの映画作家に影響を与えた。

2000年 ロカルノ国際映画祭 ドン・キホーテ賞・特別賞・青年批評賞・最優秀賞
2001年 山形国際ドキュメンタリー映画祭 最優秀賞・国際批評家連盟賞

コロッサル・ユース 2Kレストア版

コロッサル・ユース 2Kレストア版

2006年/150分/ポルトガル・フランス・スイス/ポルトガル語・クレオール語/カラー/DCP
出演:ヴェントゥーラ、ヴァンダ・ドゥアルテ、ベアトリズ・ドゥアルテ、イザベル・カルドーゾ

『ヴァンダの部屋』のスラム街は取り壊されて、ヴァンダは新しい集合住宅に移り住んで夫と子どもと暮す。カーボ・ヴェルデから移り住み34年間、フォンタイーニャス地区に住んできたヴェントゥーラ。妻に去られた後、まだ残るスラム街と新築住宅を行き来し”子どもたち”を訪ねる。過去と現在を縦横無尽に交錯させながら、彷徨える魂を描き出す。ヴェントゥーラが繰り返し口ずさむ手紙が感動を呼ぶ。

2006年 カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品

9/27(土)

蔵のある街

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©︎ 2025 つなぐ映画『蔵のある街』実行委員会

2025年/日本/103分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/DCP/配給・宣伝:マジックアワー
監督・脚本:平松恵美子
撮影:森口大督
編集:小堀由起子
音楽:村松崇継
主題歌:手嶌葵「風につつまれて」(ビクターエンタテインメント)
制作プロダクション:松竹撮影所
企画・製作:つなぐ映画『蔵のある街』実行委員会
企画協力:倉敷市
出演:山時聡真、中島瑠菜、堀家一希、櫻井健人、田中壮太郎、陽月華、長尾卓磨、前野朋哉、ミズモトカナコ、北山雅康、高橋大輔、MEGUMI、林家正蔵、橋爪功

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,500円(税込)を当館受付にて発売中!特典:ポストカードセットをプレゼント!

頑張って生きるあの人に、笑顔と希望を届けたい
高校生たちの強い願いは、街中の人々を巻き込んで、やがて大きな希望になっていく――

「約束じゃ。この街に、でっかくて綺麗な花火を上げちゃる」自閉症の青年と、夢をあきらめかけている同級生を励まそうと、とっさに口から飛び出した約束。その言葉が、街に思いがけない波紋を呼び起こす…!無謀な計画だと笑われても、厳しい現実にくじけそうになっても、ひたむきに突き進む。そんな高校生たちの強い願いは、やがて街中の人々を巻き込み、大きな希望になっていく——。
この物語が生まれたきっかけは、202年から続いたコロナ禍の最中、日本全国の約300もの街で開催された「サプライズ花火」。過酷な環境で働くエッセンシャルワーカーへの感謝、楽しみを奪われたこどもたちへのエール、今は会えない人との再会を願う気持ちなど、さまざまな思いを込めた花火が夜空に打ち上げられ、人々に明るい笑顔と希望をもたらした。そして苦しい時期を経て、今を生きるすべての人たちに向けた応援の花火が、爽やかなひと夏の青春物語とともにスクリーンに打ち上がる!

ふるさとは若者の夢を応援する場所であってほしい
ヒューマンドラマの名手、平松恵美子が文化と歴史の街、倉敷の人々にインスパイアされて紡いだ物語

監督と脚本は、山田洋次監督のもとで長年にわたり助監督と共同脚本を務め、『武士の一分』『母べえ』『東京家族』『小さいおうち』など9作品で日本アカデミー脚本賞を受賞、『ひまわりと子犬の7日間』『あの日のオルガン』の監督としても高い評価を受ける平松恵美子。
キャストには平松監督の思いに賛同した多彩な面々が集まった。友人との約束を果たすために花火を上げようと奔走する高校生の蒼役に、スタジオジブリ映画『君たちはどう生きるか』主演で話題を呼んだ若手実力派の山時聡真。もう一人の主人公で、家庭の事情により美術の道をあきらめようとする高校生・紅子に、2021年松竹JAPAN GP GIRLS CONTESTグランプリを受賞し、大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」にも出演中の中島瑠菜。二人をサポートするひょうきんな同級生。祈一役に映画・ドラマ・舞台出演が相次いでいる櫻井健人。自閉スペクトラム症を持つヒロインの兄・きょんくんを演じるのは『世界は僕らに気づかない』や「虎に翼」等で知られる堀家一希。そして若者たちをサポートする美術館の学芸員・緑郎役には、本作で映画初出演を飾るフィギュアスケート界のスーパースター・高橋大輔。ほかMEGUMI、前野朋哉といった倉敷・岡山出身者に加え、山田洋次・平松作品常連の林家正蔵、橋爪功らが人間味あふれる演技で脇を固める。主題歌「風につつまれて」を歌うのは、『ゲド戦記』『コクリコ坂から』などでその天性の声を響かせてきた手嶌葵。たくさん笑って、泣いて、温かい気持ちに包まれる、希望の物語が誕生した。


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シネマリンインスタグラム