11/2(土)~
ドキュメンタリー オブ ベイビーわるきゅーれ
©2024「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」製作委員会
2024年/日本/配給:渋谷プロダクション
監督・撮影・編集:高橋明大
製作:奥村雄二、人見剛史、松原 憲、小林良二、和田佳恵、五十嵐淳之、後藤 剛
エグゼクティブプロデューサー:鈴木祐介
企画・プロデューサー:小林良二
構成:高橋明大、赤坂浩亮
撮影協力:小林雄一郎
音楽:根田義市
出演:髙石あかり、伊澤彩織、池松壮亮、前田敦子、大谷主水、カルマ、水石亜飛夢、中井友望、阪元裕吾、園村健介、鈴木祐介
『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の壮絶な撮影現場に密着したメイキングドキュメンタリー
2021年7月、超低予算のアクション映画『ベイビーわるきゅーれ』は公開されるやいなや、日本のアクション界に衝撃を巻き起こした。脱力系殺し屋コンビ、ちさととまひろの日常を、ゆるゆるトークとソリッドなアクションの合せ技で描き出し、若き俊英、阪元裕吾監督の卓越したセンスと、白熱のスタントのハイクオリティを見せつけたのだ。
また、今や出演作が目白押しの人気俳優となったちさと役の高石あかりと、本業はスタントパフォーマーで「ベビわる」で映画初主演を果たしたまひろ役、伊澤彩織という名コンビの、途方もない実力を世に知らしめることになった。
「ベビわる」はたちまち熱狂的なファンを生み、翌年には続編『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』が公開。そして24年には第3作にして集大成となる『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』が公開となる。さらに24年秋にはテレビシリーズ「ベイビーわるきゅーれ エブリディ!」が放送されるなど、「ベビわる」ワールドは増殖を続けている。
そして、日本のアクションの最高峰にして最前線と呼ぶべき「ベビわる」の舞台裏が、ついにドキュメンタリー映画として劇場公開されることが決定!宮崎県でロケを敢行した『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の制作現場に完全密着。ジョン・ウーとのコラボでも知られるアクション監督、園村健介の怒涛のアクションがいかにして生まれるのかをつまびらかに明かすだけでなく、現場に襲いかかるトラブルの数々、体力と精神力のギリギリまで追い詰められる出演者たち、予想外の事態に妥協を迫られる阪元監督らの苦悩など、決して順風満帆とはいかない映画作りの生々しい現場のリアルが映し出される。
また、従来のメイキングドキュメンタリーと一線を画すのは、“スタント”という人間と人間のぶつかり合いを、アスリートの闘いを観察するかのように克明に記録していること。史上最強の敵、冬村かえでを怪演した池松壮亮と、ちさととまひろの死闘シーンの撮影の模様では、演技とスタントが渾然一体となり、技と技とがせめぎあう緊張感に息を呑む。
我々がアクションを観て興奮するのは一瞬のできごとだが、それは氷山の一角に過ぎない。“映画”といううたかたの夢のために注ぎ込まれたエネルギーの総量に、誰もが圧倒さるはず。世界最高レベルのアクションの現場を特等席で眺める興奮。そしてここでしか得られないカタルシスと感動を与えてくれるメイキングドキュメンタリーが完成した。
11/2(土)~
フレデリック・ワイズマン傑作選 〈変容するアメリカ〉
フレデリック・ワイズマン傑作選
〈変容するアメリカ〉
11/2(土)-11/15(金)
フレデリック・ワイズマン傑作選
〈変容するアメリカ〉
11/2(土)-11/15(金)
現存する最も偉大なドキュメンタリー監督と言われるフレデリック・ワイズマン。1930年ボストン生まれの94歳の巨匠は、今年も新作『至福のレストラン 三つ星 トロワグロ』が日本公開され、フィルム時代の作品33本が4K復元デジタル化されるなど話題を提供しています。1967年の第一作以来、半世紀以上にわたって発表したドキュメンタリーは全44作。その中でも、ほぼ大半を占めるアメリカ社会の記録は、繁栄と矛盾に満ちた大国の姿を伝える偉大な足跡と讃えられています。
今年11月に行われるアメリカ合衆国大統領選挙。ドナルド・トランプ前大統領の動向によって「もしトラ」「ほぼトラ」という言葉がニュースを賑わせる今、ワイズマン作品を通して〈変容するアメリカ〉を見る特集上映を企画しました。
上映作品は、記念すべき第一作、1967年に完成させながら合衆国裁判によって1991年まで一般上映が認められなかった『チチカット・フォーリーズ』、 オバマ政権からトランプ政権へ、かつてない変化を経験した2010年代のアメリカ社会を記録し、民主主義の価値を問うた5作、近年の大ヒット作『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』『ボストン市庁舎』、劇場未公開の『大学 -At Berkeley』『インディアナ州モンロヴィア』、年内が最終上映となる後期の傑作『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』を上映いたします。
あらためてフレデリック・ワイズマン傑作選を通して、〈変容するアメリカ〉をご覧ください。
主催 ムヴィオラ、ミモザフィルムズ、チャイルド・フィルム
公式ホームページ https://moviola.jp/wiseman_america2024/
協力 コミュニティシネマセンター、山形ドキュメンタリー映画祭
コミュニティシネマセンターページ https://arthousepress.jp/wiseman_events_2024/
入場料一般1,800円/会員1,500円/大専・シニア1,200円/高校生以下800円
※リピーター割:半券提示で一般料金が300円引き
11/2(土)16:05『インディアナ州モンロヴィア』上映後、舩橋淳さん(映画監督)のトークイベントがございます。
上映作品とスケジュール
11/2(土) | 11/3(日) | 11/4(月祝) | 11/5(火) | 11/6(水) | 11/7(木) | 11/8(金) |
14:25-15:50 チチカット・フォーリーズ |
14:25-18:40 大学 途中休憩あり |
14:25-17:40 ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ |
14:25-18:10 ニューヨーク公共図書館 途中休憩あり |
14:25-16:55 インディアナ州モンロヴィア |
14:25-17:40 ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ |
14:25-19:10 ボストン市庁舎 途中休憩あり |
16:05-18:35 インディアナ州モンロヴィア 上映後【トーク】あり |
17:05-18:35
チチカット・フォーリーズ |
予定表 横にスクロールできます
11/9(土) | 11/10(日) | 11/11(月) | 11/12(火) | 11/13(水) | 11/14(木) | 11/15(金) |
18:05ー22:50 ボストン市庁舎 途中休憩あり |
18:05ー21:50 ニューヨーク公共図書館 途中休憩あり |
18:05ー19:35 チチカット・フォーリーズ |
18:05ー22:25 大学 途中休憩あり |
18:05ー21:15 ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ |
18:05ー21:50 ニューヨーク公共図書館 途中休憩あり |
18:05ー22:25 大学 途中休憩あり |
19:45-22:15 インディアナ州モンロヴィア |
21:25-22:50 チチカット・フォーリーズ |
予定表 横にスクロールできます
上映プログラム
A チチカット・フォーリーズ Titicut Follies劇場未公開
1967年/84分/白黒/作品提供:コミュニティシネマセンター
ワイズマンの記念すべき長編ドキュメンタリー第一作。精神異常犯罪者のための州立刑務所マサチューセッツ矯正院の日常を記録。収容者だけでなく、看守やソーシャル・ワーカー、心理学者たちがそこで何をしているかを見ることができる。合衆国裁判所で一般上映が禁止された唯一の作品で、永年に渡る裁判の末、91年にようやく上映が許可された。
B 大学 At Berkeley劇場未公開
2013年/244分/カラー/作品提供:コミュニティシネマセンター
カリフォルニア大学バークレー校。アメリカで最も古く権威のある総合大学で、世界有数の研究教育機関で、学生運動の拠点にもなったリベラルな校風でも知られる。授業や研究活動から、学費に対するデモ、運営のための無数の会議や行政との折衝など多視点で“大学”を記録した。
C ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ In Jackson Heights日本最終上映
2015年/189分/カラー/配給:チャイルド・フィルム、ムヴィオラ
世界中からの移民とその子孫が暮らし、167の言語の言語が飛び交うジャクソンハイツ。ワイズマンの視線はあらゆる場所、人に向けられる。教会、モスク、シナゴーグ…セクシャル・マイノリティ、不法滞在者、商店主、そして再開発の波に飲みこまれかける街を守ろうと闘う人々…。後期の傑作と名高い一作。
D ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス Ex Libris-The New York Public Library
2017年/205分/カラー/配給:ミモザフィルムズ、ムヴィオラ
世界で最も有名な図書館のひとつを記録した大ヒットドキュメンタリー。本を探すだけでではなく、多種多様なサービスや機会を提供するこの図書館を「政治情勢がどうであれ、この図書館は今なお、社会的包摂民主主義、表現の自由のひとつの理想形であり続けている」とワイズマンは語る。
E インディアナ州モンロヴィア Monrovia, Indiana劇場未公開
2018年/143分/カラー/作品提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭
ドナルド・トランプが勝利した2016年アメリカ大統領選の結果を受け、ワイズマンは、保守的な共和党支持者が多いことで知られる中西部インディアナ州の小さな農村モンロヴィアを映画にする。農場、高校、教会、銃砲店など様々な場所や活動を撮影し、“善きアメリカ人”が暮らす町の実像を記録する。
F ボストン市庁舎 City Hall
2020年/274分/カラー/配給:ミモザフィルムズ、ムヴィオラ
多様な人種と文化が共存する大都市ボストンの市庁舎。そこでは、警察、消防、保健衛生、高齢者支援、ホームレスの人々の支援、同性婚の承認など数百種類ものサービスを提供している。トランプ時代のアメリカで、市民のための市役所であろうと奮闘するマーティン・ウォルシュ市長の姿が印象に残る。
11/9(土)~
ブラッド・スウェット&ティアーズに何が起こったのか?
©2023 James Sears Bryant All Rights Reserved. Exclusively licensed to TAMT Co., Ltd. in Japan
2023 年/アメリカ/112 分/配給:ディスクユニオン
原題:What The Hell Happened To Blood Sweat & Tears?
監督:ジョン・シャインフェルド
出演:ボビー・コロンビー、スティーヴ・カッツ、デヴィッド・クレイトン・トーマス、ジム・フィールダー、フレッド・リプシウス(以上 BS&T メンバー)、クライヴ・デイヴィス(プロデューサー)
字幕:山口三平
【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,200円(税込)を当館受付にて発売中!特典:オリジナルポストカードをプレゼント!
全米No.1バンドはなぜ失墜したのか?
米ソ冷戦の渦に巻き込まれたロックの悲劇
1960年代後半から1970年代。シカゴ、チェイスなど、ホーンセクションを従えるバンドが一世を風靡することになるその時代、ブラスロックというジャンルを打ち立てたブラッド・スウェット&ティアーズは、ホーン入りバンドブームの先駆者となった。運命の1970年春も、彼らはグラミー賞を受賞したセカンドアルバム『Blood, Sweat & Tears(邦題:血と汗と涙)』と、〈You’ve Made Me So Very Happy〉〈And When I Die〉〈Spinning Wheel〉 といったヒットでチャートを席巻し、絶好調だった。
しかし彼らはこの年、アメリカ国務省が主催した、東欧諸国を回る“鉄のカーテンツアー”の直後、二分化した大衆の社会騒乱に巻き込まれ、人気絶頂から転落していく――。
国務省側が手配した撮影スタッフもバンドに同行したが、このドキュメンタリーは未完のまま隠され、陽の目を見ることはなかった。しかしそれらが奇跡的に発掘され、半世紀以上の時を経て初公開となった。鉄のカーテンの向こう側で撮影された門外不出のフィルム、当時の関係者から提供された数多くの写真、ニクソンとヘンリー・キッシンジャー国務長官との間のホワイトハウスでのやり取りを含むアメリカ政府文書、ユーゴスラビアとドイツのテレビ局向けのパフォーマンス映像、ルーマニアの秘密警察からのファイル――これまで明らかになっていなかった数多の機密データが、不都合な歴史の真実をあぶり出す。
全米No.1まで昇りつめながら突如として陥落した人気バンドに一体何が起こったのか? 彼らが鉄のカーテンで目撃してしまったもの、そして、それ故に帰国した彼らを待ち受けていた事は――?当事者であるBS&Tメンバーの全面協力のもと、ロック史のみならず現代の世界史にも繋がっている大国アメリカの闇と分断を垣間見る、壮大な音楽サスペンス・ドキュメンタリーが日本に上陸。
【ブラッド・スウェット&ティアーズ】
1967年、ブルース・プロジェクトを脱退したアル・クーパー(vo, key)がボビー・コロンビー(ds)、スティーヴ・カッツ(gt)と結成。ロック、ブルース、カントリー、ジャズなど様々なアメリカンミュージックを巻き込んだ新世代の音楽、そしてホーンセクションを従えるロックバンドという斬新なサウンドは、ホーン入りバンドが一世を風靡する先駆けとなった。68年のデビュー作『子供は人類の父である』は全米TOP50ヒットとなるが、直後アルは脱退。新ヴォーカルのデヴィッド・クレイトン・トーマス加入後のセカンドアルバム『血と汗と涙』は7週連続全米1位を記録、69年グラミー賞の4部門を受賞。収録曲の「スピニング・ホイール」「アンド・ホエン・アイ・ダイ」「ユーヴ・メイド・ミー・ソー・ヴェリー・ハッピー」もシングルチャートを席巻。そんな絶頂期の中、本作の舞台となる東欧ツアーへと旅立ってゆく。
11/16(土)・17(日)
柳下美恵の ピアノdeフィルム vol.13
柳下美恵のピアノdeフィルムvol.13
『囁きの合唱』
サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの即興生伴奏
2024.11.16[土] & 11.17[日] 各日12:20
映画が誕生してまもなく130年。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。
フィルム提供:国立映画アーカイブ
1918年/アメリカ/93分[18fps]予定/35mm/染色/サイレント/フィルム提供:国立映画アーカイブ
原題:The Whispering Chorus
監督: セシル・B・デミル/原作・原案:パーリー・プーア・シーハン/製作:フェイマス・プレイヤーズ=ラスキー/撮影:アルヴィン・ワイコフ
出演:レイモンド・ハットン、イーディス・チャップマン、キャスリン・ウィリアムズ
会社の金を使い込み、その発覚を恐れて死を偽装するも、やがて自らの「殺人」の犯人として窮地に立たされる男。暗闇にぼんやり現れる「顔」たちの“囁き”が、男を追い詰めてゆく。セシル・B・デミルはスペクタクルや史劇の巨匠として知られ、多くのファンを持つ監督、プロデューサー、脚本家、俳優。大スター早川雪洲主演の監督作『チート』(1915)はヒットしたが、白人女性に焼印を押す残酷な描写が国辱映画として日本では公開されなかったという逸話がある。『囁きの合唱』は自伝で経歴上の転換点になったと語る心理ドラマ。今回はジョージ・イーストマン・ハウス(現ミュージアム)復元による染色版を上映。(映画を残す、映画活かす。―無声映画篇―より転載、加筆)
11.16[土]・17[日]宮下啓子さん(無声映画愛好家)
料金一般・シニア2,000円/会員1,700円/ユース(25歳以下)1,000円
サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。1995年 山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕 リュミエール!』でデビュー。 以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのフィルム・アー カイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料 院、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地 域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、タイ無声映画祭、 ポルデノーネ無声映画祭、ボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ) などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された 『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。音楽で見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館に ピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、 サイレント映画週間“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。
11.13[水]より、横浜シネマリンオンラインチケット予約サイト、劇場受付にて、座席指定券を販売いたします。詳細は劇場Webサイトにてご確認ください。
11/16(土)~
シュルレアリスム100年映画祭
シュルレアリスム100年映画祭
SURREALISM
シュルレアリスム宣言から100年――
その深遠なる世界を紐解く10作品、一挙公開!
11/16(土)-12/6(金)
シュルレアリスム100年映画祭
SURREALISM
シュルレアリスム宣言から100年――
その深遠なる世界を紐解く10作品、一挙公開!
11/16(土)-12/6(金)
1924年10月。アンドレ・ブルトンが「シュルレアリスム宣言」を発表。
ここに20世紀最大の芸術運動がはじまる。
それから100年。
その運動は、文学、絵画、映画、音楽、思想など広範な領域に影響を及ぼし、
その本質は今の時代にも受け継がれている。
シュルレアリスムとはいったい何か?その深遠なる世界を紐解く―
公式ホームページ https://trenova.jp/surrealism100/
主催・配給 トレノバ
入場料入場料:一般1,700円/会員1,400円/大専・シニア1,200円/高校生以下800円
イベント情報【トークイベント】11/16(土)14:40『金で買える夢』上映後、木水千里さん(近代美術史・フランス文化論/フェリス女学院大学准教授)
【トークイベント】11/17(日)『謎の巨匠 ルネ・マグリット』上映後、利根川由奈さん(20世紀美術史/文教大学専任講師)
上映スケジュール
11/16(土) | 11/17(日) | 11/18(月) | 11/19(火) | 11/20(水) | 11/21(木) | 11/22(金) |
14:40ー16:00 A金で買える夢 上映後【トーク】あり 木水千里さん |
14:40ー17:00 Fルネ・マグリット 上映後【トーク】あり 利根川由奈さん |
12:00ー13:40 B皆殺しの天使 |
12:00ー13:40 Eマックス・エルンスト |
12:00ー13:40 Gトワイヤン |
12:00ー13:25 A金で買える夢 |
12:00ー13:05 Cダダからシュルレアリスムへ |
13:50ー15:00 Dアンドレ・ブルトン |
13:50ー15:00 Cダダからシュルレアリスムへ |
13:50ー15:30 B皆殺しの天使 |
13:50ー15:35 Eマックス・エルンスト |
13:15ー15:35 Fルネ・マグリット |
予定表 横にスクロールできます
11/23(土) | 11/24(日) | 11/25(月) | 11/26(火) | 11/27(水) | 11/28(木) | 11/29(金) |
15:45ー17:25 Gトワイヤン |
15:45ー17:25 B皆殺しの天使 |
15:45ー17:25 Eマックス・エルンスト |
15:45ー18:05 Fルネ・マグリット |
15:45ー17:10 A金で買える夢 |
15:45ー16:50 Cダダからシュルレアリスムへ |
15:45ー17:25 Gトワイヤン |
17:35ー18:45 Dアンドレ・ブルトン |
17:35ー19:00 A金で買える夢 |
17:35ー19:15 Gトワイヤン |
18:15ー19:20 Dアンドレ・ブルトン |
17:35ー19:20 Eマックス・エルンスト |
17:00ー19:20 Fルネ・マグリット |
17:35ー19:15 B皆殺しの天使 |
予定表 横にスクロールできます
11/30(土) | 12/1(日) | 12/2(月) | 12/3(火) | 12/4(水) | 12/5(木) | 12/6(金) |
18:50ー21:10 Fルネ・マグリット |
18:50ー20:30 Eマックス・エルンスト |
18:50ー20:15 A金で買える夢 |
18:50ー20:30 B皆殺しの天使 |
18:50ー21:10 Fルネ・マグリット |
18:50ー20:30 Gトワイヤン |
18:50ー20:30 Eマックス・エルンスト |
21:20ー22:25 Cダダからシュルレアリスムへ |
20:40ー21:45 Dアンドレ・ブルトン |
20:40ー21:45 Cダダからシュルレアリスムへ |
20:40ー22:20 Gトワイヤン |
21:20ー22:25 Dアンドレ・ブルトン |
20:40ー22:20 B皆殺しの天使 |
20:40ー22:15 A金で買える夢 |
予定表 横にスクロールできます
上映プログラム
プログラム A金で買える夢
1947年/アメリカ/80分/英語/カラー/原題:Dreams That Money Can Buy
監督・脚本・編集:ハンス・リヒター
原案:マックス・エルンスト、フェルナン・レジェ、マン・レイ、マルセル・デュシャン、アレクサンダー・カルダー、ハンス・リヒター
出演:ジャック・ビットナー、ドロシー・グリフィス、マックス・エルンスト、ジョン・ラトゥーシュ
ジョーは家賃の支払いに悩む平凡な男。ある日、人の頭の中を見ることができる能力を持っていることに気づいた彼は、ビジネスを立ち上げ、欲求不満や不安を抱える人々にオーダーメイドの夢を売りはじめるが…。本編に登場する7つの夢は、マックス・エルンスト、フェルナン・レジェ、マン・レイ、マルセル・デュシャン、アレクサンダー・カルダー、ハンス・リヒターがそれぞれ原案を創作。シュルレアリスムや前衛芸術のオールスターが競い合うだけでなく、夢のパートの音楽にはジョン・ケージやポール・ボウルズも参加。若き日のスタンリー・キューブリックのエキストラ出演も。
皆殺しの天使
1962年/メキシコ/95分/スペイン語/B&W/原題:El angel exterminador
監督・脚本:ルイス・ブニュエル
撮影:カブリエル・フィゲロア
出演:シルビア・ピナル、エンリケ・ランバル、ジャクリーヌ・アンデレ、ルシー・カリャルド、エンリケ・G・アルバレス
トナー、ドロシー・グリフィス、マックス・エルンスト、ジョン・ラトゥーシュ
ある夜、ブルジョアの邸宅で晩餐会が催される。会がはじまると、使用人たちは次々と姿を消し、執事一人が残される。晩餐を終えた招待客は、客間に腰を落ち着かせるが、夜が明けても全員が帰る方法を忘れたかのように何故か外に出ることができなくなってしまい、ついには食料も底をつき…。人間の基本的な欲求が満たされなくなるにつれ、彼らの社会性は急速に崩壊していく。解読不能な夢のようなイメージを次々と登場させブラックユーモアたっぷりに描いた本作は、ブニュエルのメキシコ時代の最高傑作と称される。 第15回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞受賞。
ダダからシュルレアリスムへ
『幕間』1924年/フランス/22分/B&W/原題:Entr’acte
監督・脚本:ルネ・クレール/脚本:フランシス・ピカビア/音楽:エリック・サティ/出演:ジャン・ボルラン、インゲ・フリス、フランシス・ピカビア、マン・レイ、エリック・サティ、マルセル・デュシャン
『貝殻と僧侶』1928年/フランス/39分/B&W/原題:La Coquille et le Clergyman
監督:ジェルメーヌ・デュラック/脚本:アントナン・アルトー/撮影:ジョルジュ・ペリナール/出演:アレックス・アリン、ルシアン・バタイユ、ジェニア・アタナシウ
『幕間』は、フランシス・ピカビアのバレエ『本日休演』の幕間に上映するために作られた、名匠ルネ・クレールによるダダイズムの短編映画。音楽は20世紀の音楽に多大な影響を与えたエリック・サティが担当。ピカビア、サティに加えて、マン・レイやデュシャンも出演。
『貝殻と僧侶』は、歴史上初めてのシュルレアリスム映画。性的な欲望に取りつかれていく僧侶の妄想を幻想的に描いた作品。シュルレアリスムの詩人であり俳優としても知られるアントナン・アルトーの脚本をジェルメーヌ・デュラックが演出。ダダからシュルレアリスムに至る過渡期の2本を1プログラムで。
アンドレ・ブルトン ドキュメンタリー集 日本劇場初公開
2003年/フランス/63分 (『アンドレ・ブルトン あらゆるものにもかかわらず』27分、『野性の目』25分、『2003年3月31日、オテル・ドルーオ』11分)/フランス語/カラー/原題:André Breton malgré tout/L’oeil à l’état sauvage/Hôtel Drouot, March 31st 2003 監督:ファブリス・マゼ
シュルレアリスムを主導した詩人・作家であるアンドレ・ブルトンの活動の軌跡を追ったドキュメンタリー『アンドレ・ブルトン あらゆるものにもかかわらず』、彼が生涯をかけて集めたコレクションで満たされた伝説のアトリエの映像と彼の肉声によって、追い求めていたものに迫る『野性の目』、パリのオークションハウス「オテル・ドルーオ」にて、2003 年に開催されたブルトンのコレクション展の開幕直前に展示室を撮影し、コレクション散逸前の全貌を記録した『2003 年3 月31 日、オテル・ドルーオ』。ブルトンの思考、思想を深掘りする3つのドキュメンタリーを集めたプログラム。
マックス・エルンスト 放浪と衝動 日本劇場初公開
1991年/ドイツ/100分/英語、ドイツ語/カラー/原題:Max Ernst: Mein Vagabundieren – Meine Unruhe
監督:ピーター・シャモーニ
出演:マックス・エルンスト 声の出演:ピーター・マリンカー、シェリー・トンプソン、リンダ・ジョイ
シュルレアリスム絵画の理論的支柱であり、フロッタージュやデカルコマニーといったオートマティスムの技法を駆使して多様な作品を創造した、変幻自在の画家・彫刻家マックス・エルンスト。ドイツ出身の彼は第一次大戦への出征、レオノーラ・キャリトン、ペギー・グッゲンハイムらとの恋愛や別れ、第二次大戦時の迫害と亡命、ブルトンとの確執など波乱の人生を送った。ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞監督ピーター・シャモーニが、エルンストのインタビューや創作活動の貴重な映像、彼と30年連れ添ったドロテア・タニングや周囲の人々の証言などによって、その革命的な精神や創造的な思考に迫る。
謎の巨匠 ルネ・マグリット 日本劇場初公開
2023年/フランス/137分/フランス語/カラー/原題:René Magritte, le maître du Mystère
監督:ファブリス・マゼ
出演:ルネ・マグリット、ジャック・ロワザン、リリアン・サバティーニ、グザヴィエ・カノンヌ
シュルレアリスムを代表する画家の一人、ルネ・マグリット。「言葉とイメージ」の関係を探求し、絵画に哲学的要素を取り入れた彼の表現は、従来の美術の範疇にとどまらず、ポップアートやコンセプチュアルアート、広告デザイン、思想家などにも大きな影響を与えた。本作は、ベルギーでの幼少期から、デ・キリコの絵との出会い、パリのシュルレアリストたちとの交流、ブリュッセルでの国際的成功、第二次大戦期の苦境と戦後の新たな活動まで、マグリットの映像と作品もふんだんに使ってその足跡を追い、作風を移行させながら独自の世界を築いた彼の知られざる複雑な個性に迫る。
トワイヤン 真実の根源 日本劇場初公開
2015年/フランス・チェコ/93分/フランス語/カラー/原題:Toyen, the origin of truth
監督:ジュリアン・フェランドゥ、ドミニク・フェランドゥ
出演:アニー・ル・ブラン、アンナ・プラヴドワ、フランソワーズ・カイユ、ジョルジュ・ゴルドフェン
チェコの近代絵画、シュルレアリスムを牽引したトワイヤン。本名はマリー・チェルミーノヴァ。トワイヤンという通称は、仏語で「市民」という意味の単語”citoyen”に由来する。人一倍の好奇心と探究心を持つ彼女は、大戦や共産党政権の台頭など激動の時代の 中、芸術活動に取り組み、独自の表現方法を切り拓いた。サーカスや遊園地など娯楽のスケッチから始まる画家の道、画家・詩人のインジフ・シュティルスキーとの協業、「人工主義」の標榜、エロティシズムへの傾倒、シュルレアリスムへの接近、ブルトンやエリュアールらとの親交など、彼女の人生と表現について、丹念に掘り下げていく。
11/16(土)~
ロール・ザ・ドラム!
© 2018 POINT PROD / RTS / TELECLUB
2019年/スイス/90分/配給:カルチュアルライフ
原題:TAMBOUR BATTANT
監督:フランソワ=クリストフ・マルザール
音楽:ニコラ・ラベウス
出演:ピエール・ミフスッド、パスカル・ドゥモロン、ザビーネ・ティモテオ、ジャン=リュック・ビドー
日本語字幕:高橋彩
字幕監修:サミュエル・ドロン
後援:在日スイス大使館、日本ブラスバンド指導者協会
スイスで実際に起きた新旧ブラスバンドの対立を映画化!
1970年、スイス・ヴァレー州の小さな村、モンシュ。ワイン醸造家のアロイスは地元のブラスバンドの指揮者で、毎年、村で開かれる音楽祭のオーディション通過を目指して日々練習に励んでいる。しかし、アロイスの指導力を疑問視する楽団のメンバーが、村出身でプロの音楽家として活躍するピエールをこっそりパリから呼び寄せてしまう!伝統を重んじるアロイスと違い、才能ある女性や移民を次々と楽団のメンバーに加えるピエール。それぞれを指揮者に立てた2つの楽団が出来上がり、楽団の対立は村全体を巻き込んだ大騒動へと発展していく…。
監督は、スイスで多くの映画やTVシリーズを手掛けているフランソワ=クリストフ・マルザール。ヴァレー州で実際にあった出来事をベースに、伝統と革新がぶつかり合う地元のブラスバンドの対立を、ユーモアとウィットに満ちたタッチで描いた。スイスで最も権威あるスイス映画賞の撮影部門で審査員特別賞を受賞したほか、アロイスの妻マリー=テレーズ役のザビーネ・ティモテオは最優秀女優賞にノミネートされた。劇中のスコアを担当したのは、これまでスイス映画賞で3度、最優秀音楽賞に輝いたニコラ・ラベウス。オリジナル楽曲に加え、巧みにアレンジされた伝統的なブラスバンドの楽曲で映画の世界観に彩りを加えた。ワインの名産地ヴァレー州の美しい自然と、参政権を求めて闘う70年代のスイスの女性たちのファッションにも注目!
11/16(土)~1週間限定
郷愁鉄路~台湾、こころの旅~
©Pineal Culture Studio
2023 年/106 分/台湾/配給:武蔵野エンタテインメント
原題:南方、寂寞鐵道
英題:On The Train
監督:シャオ・ジュイジェン(蕭菊貞)
プロデューサー:チェン・ボーウェン(陳博文)、シェン・イーイン(沈邑頴)
音楽:チェン・ミンジャン(陳明章/陳明章音楽工作有限公司)、シェ・ユンヤー(謝韻雅/MIA)
編集:チェン・ボーウェン(陳博文)、チェン・ユーツォン(陳昱璁)
日本語字幕:樋口裕子
翻訳協力:小田急電鉄株式会社
鉄道と鉄道員の姿を記録した
台湾初の鉄道文化ドキュメンタリー映画が入線!!
台湾南部の鉄道路線「南廻線」。パイナップル畑や線路の近くまで迫る海など大自然の中をSLやディーゼル列車がのんびりと走り抜ける旅情豊かな路線だったが、2020年に全線で電化され、その模様は変化を遂げた。台湾でドキュメンタリー監督として活躍するシャオ・ジュイジェン監督が4年の歳月をかけ、失われていく沿線の原風景と鉄路をカメラにおさめ、鉄道員やその家族、「南廻線」を愛する人々の想いを記録として残した。
本作を完成させるため、シャオ・ジュイジェン監督のもとに台湾映画界を代表する精鋭スタッフ陣が集まった。4年間で撮りためた莫大な映像を巧みにつなぎ合わせたのはチェン・ボーウェン。さまざまな列車の走る音を繊細に映像に載せたのは音響の巨匠 ドゥ・ドゥーチー。そして台湾民謡の要素を取り入れた音楽は、是枝裕和監督『幻の光』やホウ・シャオシェン監督『戯夢人生』などの音楽を手掛けたチェン・ミンジャンが作曲している。
さぁ、郷愁鉄路を走る列車で、あなたもこころの旅に出ませんか――。
11/16(土)~
ピアニストを待ちながら
©合同会社インディペンデントフィルム/早稲田大学国際文学館
2024 年/61 分/日本/制作・配給:合同会社インディペンデントフィルム
監督・脚本:七里圭
プロデューサー:熊野雅恵
撮影:渡辺寿岳
照明:高橋哲也
録音:松野泉、黄 永昌
音楽:宇波拓
編集:宮島竜治、山田佑介
出演:井之脇海、木竜麻生、大友一生、澁谷麻美、斉藤陽一郎
イベント情報
11/16(土)上映後、宮島竜治さん(本作編集)× 七里圭監督、11/20(水)上映後、渋谷哲也さん(日本大学教授/ドイツ映画研究)× 七里圭監督のトークイベントがございます。
――――繋がりにつながれて、真夜中――――
異才・七里圭監督 × 主演・井之脇海
世界的建築家・隈研吾が手掛けた村上春樹ライブラリーで全編撮影!
出られない図書館を舞台に描く、目に見えないものに紐付けられた若者たちの物語
目覚めるとそこは真夜中の図書館だった。瞬介(井之脇海)が倒れていた階段の両側には、吹き抜けの天井まで高く伸びた本棚がそびえ、あちこちの段に小さなヒトガタが潜んでいる。扉という扉を開けて外に出てみるが、なぜか館内に戻ってしまう。途方に暮れた瞬介は、導かれるようにして一台のグランドピアノを見つけ、そっと鍵盤を鳴らす。
やがて瞬介は、旧友の行人(大友一生)とその彼女だった貴織(木竜麻生)に再会する。三人は大学時代の演劇仲間だった。行人と貴織はもう随分前からここにいるらしい。他にも、見知らぬ中年男の出目(斉藤陽一郎)や謎の女絵美(澁谷麻美)もいる。行人は、この状況を逆手にとって、かつて上演できなかった芝居の稽古を始める。それは、行人が作・演ずるはずだった「ピアニストを待ちながら」。しかし、瞬介には気になることがあった。確か、行人は死んだはずでは……?
ガラスの向こうは明けない夜。自動ドアはいつでも開くが、どういうわけか外には出られない。どこにも行けない理不尽な状況で、居合わせた男女5人は、なぜか芝居の稽古に興じ始める。まるで、幽閉されたことに甘んずるかのように。そこにはいない誰か、不在の視線を意識しながら……。
このおかしな物語は、私たちが経験したコロナ禍や、今や当たり前になったオンライン、SNSでの非対面コミュニケーションの奇妙さを暗示している。20世紀の不条理は、すでにリアル。私たちは、いつも不在の相手につながれて、待たされて、くたびれている。サミュエル・ベケットの有名戯曲を思わせる題名に、その意図が込められている。
映画の舞台となるのは、世界的な建築家の隈研吾が手掛けた、村上春樹ライブラリー。村上文学をイメージした迷宮的空間で全編撮影されたことも、見どころの一つだ。本作は、この村上春樹ライブラリー(早稲田大学国際文学館)の開館記念映画として製作された短編をもとに、約1時間の劇場公開(ディレクターズカット)版として完成された作品である。
主演は、若手実力派の井之脇海。『東京ソナタ』(08)の天才ピアノ少年、『ミュジコフィリア』(21)の現代音楽に目覚める学生を更新するように、本作でも吹替なしのピアノ演奏を披露している。共演には、『福田村事件』(23)『熱のあとに』(24)など話題作の出演が続く木竜麻生とともに、『カゾクデッサン』(20)『劇場版 美しい彼〜eternal』(23)の大友一生を抜擢。そして、『王国(あるいはその家について)』等で鮮烈な印象を残す澁谷麻美、故青山真治監督作品で常連のベテラン俳優、斉藤陽一郎がわきを固める。
監督は、今年デビュー20周年を迎える七里圭。劇場初作品の『のんきな姉さん』(04)で注目され、カルト的な人気を誇る『眠り姫』(07/サラウンドリマスター版16)や『DUBHOUSE』(12)、「音から作る映画」プロジェクト(14〜18)、『背 吉増剛造×空間現代』(22)など、常に先鋭的な作品を生み出してきた異才である。唯一無二のフィルモグラフィーを重ねる七里にとって、本作は久々の劇映画となる。
上映日時
11/16(土) | 11/17(日) | 11/18(月)~11/22(金) | 11/23(土)~11/29(金) |
18:45-19:46 | 19:20-20:21 | 19:10-20:15 | 19:30-20:35 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |
のんきな姉さん
来場者プレゼント
ポストカードとステッカーを先着40名様にプレゼント!
塩田貞治さん(弟役)が今回の上映のために描き下ろしました。
2004年/87分/DCP(オリジナル35mm/デジタルリマスター2022年)
原作:山本直樹
脚本:七里圭
撮影:たむらまさき
音楽:侘美秀俊
編集:宮島竜治
出演:梶原阿貴、塩田貞治、大森南朋、梓、佐藤允、三浦友和、細田玲菜、細田晃慶
姉(梶原阿貴)との禁じられた愛の記憶を小説に書き、雪山で自殺しようとする弟(塩田貞治)と、聖なる夜にオフィスで残業する姉。その二人の現在に、記憶=小説がフラッシュ・バックされてゆく。雪山と都会、現在と過去という二つの空間、二つの時間が錯綜し、いつしか姉弟はふたりきりで、夜空一杯に打ちあがる花火を見ている。そこは夢の世界か、黄泉の国か…。
目覚めれば目覚めるほど夢に近づいていく、不思議な感触の長編劇場公開映画第一作。七里はこのデビュー作を監督するにあたり、敬愛する山本直樹の同名漫画を原作にして、その漫画の霊感源、唐十郎『安寿子の靴』、森鴎外『山椒大夫』までを射程に収めた。
上映日時
11/19(火)、11/21(木) | 11/23(土)、11/25(月)、11/27(水)、11/29(金) |
17:30-19:00 | 20:45-22:15 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1600 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1300 | ¥1200 | ¥800 |
眠り姫
2007-2016年/80分/DCP(オリジナルDVテープ/DCP2024年)
原作:山本直樹
撮影:七里圭、高橋哲也
音楽:侘美秀俊
録音:小林徹哉、七里圭
演奏:カッセ・レゾナント
声の出演:つぐみ、西島秀俊、山本浩司、大友三郎、園部貴一、橋爪利博、榎本由希、張替小百合、横山美智代、五十嵐有砂、馬田幹子、坂東千紗、鶴巻尚子、斉藤唯、北田弥恵子、新柵未成
いま出てきたトイレの中に、誰かがいるような気がしてならない…。パジャマ姿の青地(つぐみ)が眩しそうにカーテンをめくる。もう陽も高い。中学の非常勤講師をしている彼女は、このごろ学校へ行くのがおっくうで、いくら寝ても寝たりない感じが抜けない。同僚教師の野口(西島秀俊)は、自分の顔のことは棚に上げ、青地の顔がだんだん膨らんできていると笑う。長く付き合い過ぎた彼氏(山本浩司)との会話は上滑りし、好きだという気持ちもすでにおぼろになっている。繰り返し見続けるのは、記憶とも妄想ともつかぬ奇妙な夢。どうも何かが変だ…。
夢は、体が眠っているのに脳は活動している半覚醒状態に現れるが、冒頭、夜が朝へと移りゆくまどろみの時間を映し出す本作は、全編、夢の中の出来事かのように思わせる。ほとんど人の姿が映らない空っぽの風景にさざめく、濃密な人の気配と声。静かに狂気を孕んでいく男女の日常が、美しい朝焼けや薄明の光景とともに、声や物音だけでつづられていく。山本直樹原作の同名漫画は、幻聴を主題にした内田百閒『山高帽子』を下敷きにしている。2007年の初公開から毎年アンコール上映が繰り返されているほど、熱狂的なファンを持つカルト映画。なぜ人々がこの作品に魅かれ続けるのか、それは観た者にしか分からない。
上映日時
11/18(月)、11/20(水)、11/22(金) | 11/24(日)、11/26(火)、11/28(木) |
17:30-19:00 | 20:45-22:15 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1600 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1300 | ¥1200 | ¥800 |
11/23(土)~
二つの季節しかない村
©2023 NBC FILM/ MEMENTO PRODUCTION/ KOMPLIZEN FILM/ SECOND LAND / FILM I VÄST / ARTE FRANCE CINÉMA/ BAYERISCHER RUNDFUNK / TRT SİNEMA / PLAYTIME
2023年/トルコ・フランス・ドイツ/198分/配給:ビターズ・エンド
監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
脚本:アキン・アクシュ、エブル・ジェイラン、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
出演:デニズ・ジェリオウル、メルヴェ・ディズダル、ムサブ・エキチ、エジェ・バージ
春は来ない
トルコ、アナトリア東部。
果てしなく続く壮大な自然の前で、人間は如何に小さなものか――。
美術教師のサメットは、冬が長く雪深いトルコ東部のこの村を忌み嫌っているが、村人たちからは尊敬され、女生徒セヴィムにも慕われている。しかし、ある日、同僚のケナンと共に、セヴィムらに虚偽の”不適切な接触”を告発される。同じころ、美しい義足の英語教師ヌライと知り合い……。
プライド高く、ひとりよがりで、屁理屈を並べ、周囲を見下す、”まったく愛せない”のに”他人事と思えない”主人公サメット。辺境の地でくすぶる男は、雪解けとともに現れた枯れ草に何を見つけ出すのか――。
11/30(土)~
ジェーン B.とアニエス V. 〜 二人の時間、二人の映画。
©︎ CINÉ TAMARAS / ReallyLikeFilms 2024
ジェーン・バーキン一周忌を追悼して、アニエス・ヴァルダとの2作品を特別追悼上映!
2023年7月16日に急逝したジェーン・バーキン。
時の大統領が弔意を示し、多くの映画人・音楽家がその死を悼んだ。
葬儀は全仏に生中継され、国民は悲しみの禍へ。
あれから一年。
ジェーン・ベー、あなたにもう一度会いたい。
ヌーヴェルヴァーグの母が伝説の女性に捧げた、鮮烈のイマジナリーポートレイト。
ジェーン・バーキン一周忌を追悼して、アニエス・ヴァルダとの2作品『アニエス V.によるジェーン B.』『カンフーマスター!』を特別追悼上映。
入場料:一般1,800円、会員1,500円、大専・シニア1,200円、高校生以下800円
作品紹介
アニエス V.によるジェーン B. デジタルレストア版
1988年/フランス/99分/配給:リアリーライクフィルムズ
原題:jane b. par agnes v.
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
出演:ジェーン・バーキン 、ジャン=ピエール・レオー、ラウラ・ベティ、フィリップ・レオタール、アラン・スーション、セルジュ・ゲンズブール、シャルロット・ゲンズブール、マチュー・ドゥミー、フレッド・ショペル
「ジェーン、いつもカメラのレンズを直視することを躊躇うのはなぜ?」
ジェーンが40歳の誕生日に、自身の30歳の誕生日を回想する間、アニエス・ヴァルダの伝説の女性への尽きることのないイメージがヴィヴィッドに展開する。その空想は、犯罪映画の妖婦、サイレントシネマの凸凹コンビ、モンローのような男たちのファンタジーの対象、よくあるメロドラマの恋人たち、西部劇のカラミティ・ジェーン、ターザンとジェーン、そしてジャンヌ・ダルクへと、ジェーンのイメージを自由自在に拡張させていく。一方で綴られるジェーンの日常のスケッチ。そこにはセルジュ・ゲンズブールや娘たちとの時間も織り込まれる。そのどれもが、シャイで大胆で逞しくて危うくて儚くて美しい、ジェーン・バーキンの魅力が余す事なく詰まっている。
カンフーマスター! デジタルレストア版
1988年/フランス/88分/配給:リアリーライクフィルムズ
原題:Kung-fu Master
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
出演:ジェーン・バーキン、マチュー・ドゥミ、シャルロット・ゲンズブール、ルー・ドワイヨン、デヴィッド・バーキン、ジュディ・キャンプベル、アンドリュー・バーキン
ジェーン・バーキンから発案された『アニエスV.によるジェーンB.』の為のプロットの一つを、ア二エス・ヴァルダが独立した作品として映画化が実現した作品。娘ルシー(シャルロット・ゲンズブール)が自宅の庭で開いたパーティーで、泥酔した同級生の少年ジュリアン(マチュー・ドゥミ)を介抱したマリー・ジェーン(ジェーン・バーキン)は、あろうことか15歳の少年に不思議な感情を抱く。ジュリアンもまた、40歳のマリー・ジェーンに恋愛感情を抱くようになる。微妙な力関係の中、人目を盗んで密会を重ねる二人。そんなある日、二人がキスを交わしているところを、ルシーに目撃されてしまう。パリとロンドンのジェーンの自宅と実家で撮影。シャルロットの他、ルー・ドワイヨン、アンドリュー・バーキン、ジェーンの実の両親などファミリーが総出演している。タイトルはジュリアンが夢中になっているゲームの名前が由来。
11/30(土)~
劇場版 荒野に希望の灯をともす
© Nihon Denpa News Co.,LTD.
2022年/日本/カラー/90分/企画:ペシャワール会/製作:日本電波ニュース社
朗読:石橋蓮司
語り:中里雅子
取材:柿木喜久男、大月啓介、アミン・ウラー・ベーグ
CG:平野雄一
音効:渡辺真衣、大島亮
演奏:中村幸
編集:櫻木まゆみ
構成・制作:上田未生
これは「生きるための」戦いだ。
20年以上に渡り撮影した映像素材から
医師 中村哲の生き方をたどるドキュメンタリーの完全版!
アフガニスタンとパキスタンで35年に渡り、病や貧困に苦しむ人々に寄り添い続けた、医師・中村哲。戦火の中で病を治し、井戸を掘り、用水路を建設した。なぜ医者が井戸を掘り、用水路を建設したのか?そして中村は何を考え、何を目指したのか?
中村の誠実な人柄が信頼され、医療支援が順調に進んでいた2000年。思いもよらぬ事態に直面し、中村の運命は大きく変わる。それが“大干ばつ”だ。渇きと飢えで人々は命を落とし、農業は壊滅。医療で人々を支えるのは限界だった。その時、中村は誰も想像しなかった決断をする。用水路の建設だ。大河クナールから水を引き、乾いた大地を甦らせるというのだ。しかし、医師にそんな大工事などできるのか?戦闘ヘリが飛び交う戦火の中で、無謀とも言われた挑戦が始まった―。
戦火のアフガニスタンで21年間継続的に記録した映像から、これまでテレビで伝えてきた内容に未公開映像と現地最新映像を加え劇場版としてリメイク。混沌とする時代のなかで、より輝きを増す中村哲の生き方を追ったドキュメンタリー。
12/7(土)~
パドレ・プロジェクト/父の影を追って
©ぶらっくかんぱにー All right reserved.
2023年/80分/日本/配給:ミカタ・エンタテイメント
監督・プロデューサー:武内 剛
撮影監督:成富紀之
構成:吾妻蓮
整音:藤木和人
カラリスト:星子駿光
音楽:青木晋太郎
通訳:Compagnone Francesca
字幕:三浦アーク、Elly、Maxwell Powers
コロナ禍の真っ只中、2歳で生き別れた父を探してイタリアへ
“ハーフ”として日本で育った監督が自らの旅を記録した、
ルーツを巡るドキュメンタリー
本作の監督である武内は、日本人とカメルーン人の間に生まれ、“ハーフ”として日本で育った。イタリアで出会った両親は、彼が2歳になる頃に別れ、母は日本へ戻って女手一つで武内を育てることになった。もちろん武内は父のことを何一つ覚えていない。「映画監督を目指していた」「DJをやっていた」……母の思い出話から浮かび上がるのはクリエイター気質の父の姿。その影を追うように、お笑い芸人・ぶらっくさむらいとしてエンターテインメントの世界で活動していた武内だったが、2020年に予期しない契機が訪れる。「COVID-19」それは命を落とす可能性もある正体不明のウイルスの世界的なパンデミックだった。もしかすると、もう二度と父親に会えないかもしれない――そう思った武内は父を探すため、イタリアへ旅立つことを決意。さらには、その記録を自ら監督・プロデューサーとして映画にすることに。
しかし緊急事態宣言の只中、渡航のハードルは高く、認知症の母から聞き出せる父の情報は驚くほど少なかった。手元にあるのは40年前の父の写真だけ。10日間という限られた滞在期間、イタリアの人口・約130万人の中から会ったこともない一人の肉親を探し出すのは予想以上の困難を極めた。自らの生い立ちにあらためて向き合いながら、異国の地で必死に捜索を続ける武内だったが、ある日ついに父親の手がかりを掴んで……。
12/13(金)~
バグダッド・カフェ 4Kレストア
© 1987 / Pelemele Film GmbH – Pro-ject Filmproduktion im Filmverlag der Autoren GmbH & Co. Produktions-Kommanditgesellschaft München – Bayrischer Rundfunk/BR – hr Hessischer Rundfunk
1987年/西ドイツ/108分/英語、ドイツ語/カラー/1.66:1/提供:是空、TCエンタテインメント/配給:アルファズベット
監督: パーシー・アドロン
脚本:パーシー&エレオノーレ・アドロン
出演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト、ジャック・パランス、CCH・パウンダー、ほか
あの場所で、また会おう
1989年、公開とともに熱狂を巻き起こしミニシアターブームの象徴となった不朽の名作が4Kレストアで再びスクリーンに
きこえる?
わたしは、あなたをよんでいる。
アメリカ西部、モハヴェ砂漠にたたずむ寂れたモーテル「バグダッド・カフェ」に現れたのは、場違いな風貌のドイツ人旅行者ジャスミン。オーナーのブレンダは家庭も仕事もうまくいかずいつも不機嫌。持ち物は全て男物、勝手に掃除を始め店を手伝おうとする得体の知れぬ訪問者ジャスミンに対して怪訝な態度をみせるが、朗らかなジャスミンは周囲の人々を巻き込み、店は活気付いていく。次第にブレンとジャスミンの心は近づいていき、かけがえのない友情で結ばれていく……カフェに集うのは、近くのトレーラーハウスに住む老画家ルディ、アンニュイなタトゥーイストのデビー、モーテルの隣にテントを張って住み着いているエリックなど個性的な面々。訪れるのも立ち去るのも自由、誰をも受け入れる場所、それが「バグダッド・カフェ」。
青く広い空、砂漠の乾いた空気、給水塔と空を舞うブーメラン
公開から35年。名曲「コーリング・ユー」とともに鮮やかによみがえる、あの風景。
1989年に日本公開され、ミニシアターブームの象徴となった珠玉の名作『バグダッド・カフェ』。多くの人が「好きな映画」として挙げ、リバイバルのたびに熱心なファンを生んでいる本作が、今年3月に亡くなったパーシー・アドロン監督監修のもと4K修復され、日本のスクリーンに戻ってくる。どこまでも広い空、砂漠の乾いた空気、ふしぎな光(ルビ:ビジョン)とちいさな魔法(ルビ:マジック)――どこか寂しく、なぜだか懐かしいあの景色。アカデミー賞歌曲賞にノミネートされ、数多のアーティストがカバーした名曲「コーリング・ユー」とともに、鮮やかに蘇った本作をぜひスクリーンでご堪能ください。
「あらゆる肌の色、バックグラウンド、信条の違いを理解し受け入れる温かさを描いたこの物語は、現代における癒しの源になるのだと感じたんだ」
――パーシー・アドロン監督
12/14(土)~
映画作家 ジャンヌ・モロー
© 1976-1979-1983 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS
女が女の映画を作るということ
映画作家 ジャンヌ・モロー
女が女の映画を作るということ
映画作家 ジャンヌ・モロー
12/14(土)-12/27(金)
映画史にその名を刻む、フランスを代表する「⼥優」ジャンヌ・モロー(1928-2017)。
オーソン・ウェルズ、フランソワ・トリュフォー、ルイ・マル、ルイス・ブニュエルら「巨匠」「名匠」たちと共に数々の名作に携わった彼⼥の映画への情熱と好奇⼼に満ちた創造⼒は、「映画監督」としても発揮された。40歳代で初めて監督を務めたモローは「私は⼥たちを称賛している。ありのままの姿を彼⼥たちに⽰そうと思った。男たちが⽰す形ではなく」と語った。その⾔葉通り、彼⼥の映画には様々な年代の⼥性たちの率直な⾔葉や飾り気のない姿が映し出されている。
本特集では、70年代から80年代にかけて作られた、⼥性(たち)をめぐる3つの監督作品を⼀挙公開!監督第⼀作『リュミエール』とドキュメンタリー作品『リリアン・ギッシュの肖像』は⽇本の劇場では初めてのロードショーとなる。今こそ現代的な視点で⾒返すべき傑作群をぜひご覧ください。
前売券:全国共通特別鑑賞券1,400円(税込)を当館受付にて発売中!特典:前売券3枚ご購入でポストカードセットをプレゼント!(数量限定)
入場料:一般1,800円、会員1,500円、大専・シニア1,200円、高校生以下800円
作品紹介
リュミエール 国内劇場初公開
LUMIÈRE © 1976 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS
1976年/102分/フランス/カラー/ヨーロピアン・ビスタ
原題:Lumière
監督・脚本:ジャンヌ・モロー
撮影:リカルド・アロノヴィチ
音楽:アストル・ピアソラ
出演:ジャンヌ・モロー、ルチア・ボゼー、フランシーヌ・ラセット、キャロリーヌ・カルティエ、ブルーノ・ガンツ、キース・キャラダイン、フランソワ・シモン、ルネ・フェレ、ニエル・アレストリュプ、フランシス・ユステール、 パトリス・アレクサンドル、ジャック・スピエセル
日本語字幕:横井和子
ジャンヌ・モロー監督第一作。
サラ、ラウラ、ジュリエンヌ、キャロリーヌ。4人の「女優」たちの欲望、葛藤、そして連帯が鮮やかに描かれる監督第一作。
サラ役をモローが演じ、ドイツの名優ブルーノ・ガンツも出演。
タンゴを革新した作曲家アストル・ピアソラが音楽を担当。
南仏の別荘でヴァカンス中の4⼈の⼥たち、サラ、ラウラ、ジュリエンヌ、キャロリーヌ。異なる年 代の彼⼥たちの共通点は⼥優であること。親密な友情で結ばれた4⼈たちは、⼀年前のパリでの想 い出を語り始める。若き監督トマや医師グレゴワールと浮き名を流しながらドイツ⼈作家ハインリ ヒへの情熱に⽣きるサラ、キャリアを断ち夫と⼦どもを世話するだけの⽣活に焦るラウラ、試⾏錯 誤しつつイメージの殻を破ろうとするジュリエンヌ、そして今後のキャリアと束縛する恋⼈との関 係に悩むキャロリーヌ。さまざまな愛と⼈⽣の形を振り返る中で、サラの前に現実の死と孤独が近づいてくるのだった。
思春期
L’ADOLESCENTE © 1979 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS
1979年/94分/フランス/カラー/ヨーロピアン・ビスタ
原題: L’adolescente
監督・脚本:ジャンヌ・モロー
共同脚本:アンリエット・ジェリネク
撮影:ピエール・ゴタール
音楽:フィリップ・サルド
主演:レティシア・ショヴォー、シモーヌ・シニョレ、フラ ンシス・ユステール、ジャック・ヴェベール、エディット・クレヴェ ール、ジャン=フランソワ・バルメ、ユーグ・ケステル
日本語字幕:横井和子
モロー監督第二作目は、12歳の少女が大人への一歩を踏み出す姿を描く瑞々しい物語。戦争の影が迫る1939年。フランス中部の村で12歳のマリーが母、祖母と共に過ごした特別な夏休み(ヴァカンス)。
伝説的 な女優シモーヌ・シニョレが孫を見守る優しい祖母役で出演し、製作も兼ねている。共同脚本を作家アンリ エット・ジェリネクが担当。
戦争の影が迫る 1939年7⽉、12歳のマリーは両親とともに⽗の出⾝地であるフランス中部の村で 夏休みを過ごすことになる。⼤好きな祖⺟に⽢え、同年代の友⼈たちと遊び回る中、パリからやってきた若き医師アレクサンドルと出会う。マリーはハンサムで優しいアレクサンドルに恋してしまうが、彼は⼦どもを全く相⼿にするはずもなく……。
リリアン・ギッシュの肖像 国内劇場初公開
LILLIAN GISH © 1983 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS
1983年/59分/フランス/カラー、白黒/スタンダード
原題:Lillian Gish
監督・脚本:ジャンヌ・モロー
撮影:トーマス・ハーウィッツ、ピエール・ゴタール
音楽:ローランド・ロマネッリ
主演:レティリリアン・ギッシュ、ジャンヌ・モロー
日本語字幕:横井和子
1983年の夏、ニューヨーク。サイレント映画期から活躍し、ハリウッドの頂点を極めたリリアン・ギッシュとの邂逅。「歴史的女優」との対話から、その生涯と映画への情熱に迫る至高のドキュメンタリー。
リリアン・ギッシュ Lillian Gish 1893 年 10 ⽉ 14 ⽇、⽶国オハイオ州スプリングフィールド⽣まれ。幼少期から演劇の舞台に⽴つ。 1912 年に映画監督 D・W・グリフィスと出会い、その後『國⺠の創⽣』(1915)、『イントレランス』 (1916)、『散り⾏く花』(1919)、『嵐の孤児』(1921)など多くのグリフィス監督作品に出演した。サイ レント映画期を代表する俳優となり、トーキー映画の時代に⼊ってからも活躍。出演作品にキング・ ヴィダー監督『ラ・ボエーム』(1926)、ヴィクトル・シェストレム監督『真紅の⽂字』(1926)、ウィ リアム・ディターレ監督『ジェニィの肖像』(1947)、チャールズ・ロートン監督『狩⼈の夜』(1955)、 ジョン・ヒューストン監督『許されざる者』(1959)や最後の出演作品となったリンゼイ・アンダーソ ン監督『⼋⽉の鯨』(1987)などがある。1971 年に⽶アカデミー賞名誉賞を受賞。1993 年 2 ⽉ 27 ⽇、死去
12/28(土)~
私は憎まない
© Filmoption
2024年/カナダ・フランス/92分/ドキュメンタリー/制作: Filmoption/配給:ユナイテッドピープル
監督:タル・バルダ
脚本:タル・バルダ、ジェフ・クライン、サスキア・デ・ボア
プロデューサー:ポール・カデュー、マリーズ・ルイヤー、イザベル・グリッポン、タル・バルダ
製作総指揮:マヤ・カデュー=ルイヤー、マルタン・カデュー=ルイヤー、マリーズ・ルイヤー
撮影:ハンナ・アブ・アサド
編集:ジェフ・クライン
音楽:ロベール・マルセル=ルパージュ
サウンドデザイン:マルタン・カデュー=ルイヤー
登場人物:イゼルディン・アブラエーシュ、クリスティアン・アマンプール、シュロミ・エルダー 他
3 人の愛娘を殺されてもなお共存の可能性を信じ、ヒューマニティに基づき行動するガザ地区出身の医師、アブラエーシュ博士に迫るドキュメンタリー
ガザ地区の貧困地域、ジャバリア難民キャンプ出身の医師で、パレスチナ人としてイスラエルの病院で働く初の医師となったイゼルディン・アブラエーシュ博士は産婦人科でイスラエル人とパレスチナ人両方の赤ちゃんの誕生に携わってきた。「ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒の赤ちゃんの違いは?みんな同じく生まれたての赤ちゃんだ」「すべての人の平等、正義、自由の上に共存は可能である」と、自らの医療で体現してきた。彼は、ガザからイスラエルの病院に通いながら、病院で命が平等なように、外の世界でも同じく人々は平
等であるべきだと、分断に医療で橋を架けようとする。しかし、両者の共存を誰よりも望んできた彼の赦しと和解の精神が、究極の試練にさらされる。
2009 年 1 月、アブラエーシュ博士の自宅がイスラエル軍の戦車の砲撃を受け、3 人の娘と姪が殺害されてしまうという悲劇が彼を襲う。砲撃直後、博士の涙の叫びの肉声はイスラエルのテレビ局で生放送され、イスラエル中に衝撃と共に伝わった。翌日、テレビカメラの前で、博士は突然憎しみではなく、共存について語りだす。その後、正義を求めてイスラエル政府を訴え、娘の死の責任を追求するも、決して復讐心や憎しみを持たずに、知恵と決意とレジリエンスを持ち続けた。彼の赦しと和解の精神は、世界中の人々に感動を与え、数
え切れないほどの賞を受賞し、“中東のガンジー、マンデラ、キング牧師”とも呼ばれる存在となる。自伝『それでも、私は憎まない』は世界的ベストセラーとなった。しかし、2023 年 10 月 7 日のハマスのイスラエルへの攻撃、それ以降のガザへの攻撃を経て、彼の信念は再び試されることになる。
12/28(土)~
フード・インク ポスト・コロナ
©2023 Another Perfect Meal, LLC. All Rights Reserved
2023年/アメリカ/94分/1.85:1/英語/カラー/5.1ch/配給:アンプラグド
原題:FOOD,INC.2
提供:パーティシパント&リバーロード
製作・監督:ロバート・ケナー、メリッサ・ロブレド
音楽プロデューサー:ブルース・ローレン、マリー・ミカス
音楽:マーク・アドラー
編集:レオナルド・ファインスタイン、ライアン・ロフラー
撮影:ジェイ・レドモンド
共同製作:リズ・シア
製作総指揮:キム・ロス、クリスタ・ワークマン、ジェフ・スコール、ダイアン・ワイヤーマン
製作:エリック・シュローサー、マイケル・ポーラン
出演:マイケル・ポーラン、ゲラルド・レイエス・チャベス、エリック・シュローサー、トニー・トンプソン、サラ・ロイド、ジョン・テスター、コリー・ブッカー、ドナルド・トランプ(アーカイブ)
字幕:福原 龍一
あなたのごはん、大丈夫!?
第82回アカデミー賞ノミネート
動員10万人の大ヒットを記録したフード・ドキュメンタリーの続編が登場!
アメリカのフード・システムに鋭く切り込み、タブーとされていた食品業界の闇を暴いた『フード・インク』(09)の続編。グローバル・フードの発達の陰にある巨大食品企業や農業問題の闇を暴きながら、オーガニック・フードの本当の価値を訴えたフード・ドキュメンタリー『フード・インク』。2009年にアメリカで公開されると、約10万人を動員&興行収入は約460万ドルを超え、第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされるなど大ヒットを記録。日本では2011年に公開され、ロングランヒットとなった。
続編となる『フード・インク ポスト・コロナ』は、新型コロナウイルスの世界的流行後に浮き彫りになった、アメリカのフード・システムの脆弱性を暴き出す。パンデミック後、巨大食品企業の市場独占がより一層進み、個人農家の衰退と貧富の格差が大きく広がった実態や、“超加工食品”による健康被害や子どもの糖尿病の増加、さらには巨大企業による奴隷のような移民労働者の搾取など、今話題の米大統領選挙の争点となっている移民問題、社会的格差を「食」の観点から浮き彫りにしていく。一方で、解決策を求め、持続可能な未来を作り出そうと奮闘する農家や活動家、政治家たちの前向きな姿も映し出される。これはアメリカに限った話ではない。日本でも起こっていることである。自分の食が自身を変える。私たちが学ぶべき食の知識や、明日を生きるヒントが満載のフード・ドキュメンタリーが再び誕生した。
1/17(金)~
港に灯がともる
©Minato Studio 2025
2025年/日本/119分/配給:太秦
英題:The Harbor Lights
監督・脚本:安達もじり
脚本:川島天見
音楽:世武裕子
出演:富田望生、伊藤万理華、青木柚、山之内すず、中川わさ美、MC NAM、田村健太郎、土村芳、渡辺真起子、山中崇、麻生祐未、甲本雅裕
みんなもろい
街も、家族も、
わたしの心も
1995年の震災で多くの家屋が焼失し、一面焼け野原となった神戸・長田。かつてそこに暮らしていた在日コリアン家族の下に生まれた灯(富田望生)。在日の自覚は薄く、被災の記憶もない灯は、父(甲本雅裕)や母(麻生祐未)からこぼれる家族の歴史や震災当時の話が遠いものに感じられ、どこか孤独と苛立ちを募らせている。一方、父は家族との衝突が絶えず、家にはいつも冷たい空気が流れていた。ある日、親戚の集まりで起きた口論によって、気持ちが昂り「全部しんどい」と吐き出す灯。そして、姉・美悠(伊藤万理華)が持ち出した日本への帰化をめぐり、家族はさらに傾いていく――。なぜこの家族のもとに生まれてきたのか。家族とわたし、国籍とわたし。わたしはいったいどうしたいのだろう――。
1月~
オン・ザ・ロード~不屈の男、金大中~
©2024 MYUNGFILMS & CINEMA6411 ALL RIGHTS RESERVED
2024年/韓国/129分/配給:スモモ
英題:Kim Dae Jung on the road
原題:길위에 김대중
製作:ミョンフィルム、シネマ6411
監督:ミン・ファンギ
[日本編集版]ナレーション:ソウジ・アライ
編集:平野一樹
【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,200円(税込)を当館受付にて発売中!
民衆と共にゆく――
元韓国大統領 金大中が駆け抜けた
1924年から1987年までの激動の記録
民主主義と平和の実現にすべてを懸けた政治家・金大中。拉致、軟禁、投獄、死刑判決、幾多の困難にその道を阻まれても決してあきらめなかった金大中を突き動かしたものとは――
生誕100周年を迎えた、元韓国大統領・金大中(キム・デジュン)の生涯と政治家人生を本人の肉声や関係者のインタビュー、そして本邦初公開の映像を含む6,000時間に及ぶ膨大な映像資料を基に制作された画期的なドキュメンタリー映画。
日本の植民地時代に全羅南道に生まれ海運会社を経営し、朝鮮戦争を経て、政治家を志す。軍事政権下で何度も死の危険にさらされながらも信念を貫いたこの男の人生は、どんな映画よりもドラマティックでスリリング、そして感動的である。
激動の韓国現代史を映し出す鏡とも言える金大中の生き様こそ、個人の勇気を信念が、いかに国家の未来を変えうるかを示し、わたしたちが新しい時代を切り拓いていくための道標にほかならない。
1月~
シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録
©いまじん 蒼玄社 2007
2007年/日本/102分/配給:ネツゲン
監督・脚本・構成:大島新
プロデューサー:於保佐由紀
製作:柏井信二、大島新
撮影:桜田仁
編集:斎藤淳一
出演:唐十郎、烏山昌克、久保井研、辻孝彦、稲荷卓央、藤井由紀、赤松由美、丸山厚人、多田亜由美、髙木宏、岡田悟一、気田陸、野村千絵、大美穂、土屋真衣、大鶴美和子、大鶴美仁音、大鶴佐助
追悼 唐十郎/17年ぶりの再上映
ドキュメンタリーという名のホラー
唐的妄想大爆発!
1967年、新宿・花園神社の紅テント公演で、演劇界に革命的な衝撃を与えた天才劇作家・唐十郎。それから40年、67歳になっても芝居に対する情熱は衰えることを知らず、唐は自らを「偏執狂」と呼ぶ。2006年秋の新作戯曲執筆から2007年春の公演初日までを追った今回のドキュメントには、芝居作りに賭ける唐のすさまじい「偏執」ぶりがありありと描き出される。その才能に惹かれ、唐のもとに集まった劇団唐組の面々は14名、平均年齢30歳。俳優としての修業と同時に、座長という圧倒的な存在を受け入れる修業を続けている。格差社会と呼ばれ、経済至上主義が蔓延する時代の波とは全く無縁に、信じた道を走り続ける唐十郎と若者たち。どこまでもシアトリカル(=劇的)に、演じ、語り、怒鳴り、笑い、炸裂する!カメラがとらえたのは、真実か白昼夢か?
近年『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』『国葬の日』などの話題作を手掛けた大島新の第一回監督作品。この映画は、平成の世を疾走する最重要無形文化財の魂の記録である。
唐十郎 kara juro
劇作家・演出家・俳優
1940年生。1964年、劇団「状況劇場」を率い劇作家デビュー。70年代にかけて大ブームが起きる。状況劇場出身の主な俳優は、李麗仙、麿赤児、根津甚八、小林薫、佐野史郎ら。1970年「少女仮面」で第15回岸田國土戯曲賞受賞。作家としても活躍し、1983年「佐川君からの手紙」で第88回芥川賞受賞。1988年、状況劇場を解散、劇団唐組を設立。2004年「泥人魚」で第38回紀伊國屋演劇賞・第7回鶴屋南北戯曲賞・第55回読売文学賞を受賞。2006年、読売演劇大賞芸術栄誉賞受賞。2024年5月4日、逝去。
公開日未定
クローズ・アップ
© 1990 Farabi Cinema
1990年/イラン/98分/配給:ノーム、東風
原題:CLOSE-UP
監督・脚本・編集:アッバス・キアロスタミ
撮影:アリ=レザ・ザリンダスト
出演:ホセイン・サブジアン、ハッサン・ファラーズマンド、アボルファズル・アーハンハー、メフルダード・アーハンハー、モフセン・マフマルバフ
J・L・ゴダールに、「映画はグリフィスに始まりキアロスタミで終わる」と言わしめたアッバス・キアロスタミ監督、魔法的大傑作!
『友だちのうちはどこ?』やカンヌでパルムドールを受賞した『桜桃の味』などで知られる巨匠アッバス・キアロスタミ。その美しく独創的なフィルモグラフィにおいてもひときわ異彩を放ち、いまなお数多くのシネアストを魔法のように魅了し続けている本作『クローズ・アップ』。 ある男が映画監督のモフセン・マフマルバフになりすまし、裕福な一家を騙したという詐欺事件を知ったキアロスタミ監督は、すぐに裁判所を訪れ、その公判の模様をカメラに収めることに成功する。さらに、事件に至る過程を当事者たち自身に演じさせて再現することで、事の次第を明らかにしていく。ドキュメンタリーと再現、虚構と現実を精巧に織り上げていった果てに、ついに映画は詐欺容疑で逮捕された青年の心の奥に秘められた真実を探り当てる。めくるめくサスペンスと不意打ちをくらわされたような衝撃的な感動。時代を超えても色褪せない稀代の大傑作が、HDリマスター版でスクリーンに甦る!
嘘からはじまる、本当のはなし
バスで隣に座った婦人から声をかけられた映画青年サブジアン。持っていた映画の本について尋ねられ、思わず自分は本の著者である映画監督のモフセン・マフマルバフだと名乗ってしまう。すんなりとその嘘を信じた婦人は、家族全員が映画好きだと言って彼を家へ招き入れる。嘘に嘘を重ね、一家を架空の映画製作に巻き込んだサブジアンは、ついには詐欺罪で逮捕されてしまう。そして迎えた判決の時、サブジアンが明かす真実とは…。