9/19(金)~
ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家

©-MACT PRODUCTIONS-LE SOUS-MARIN PRODUCTIONS-INA-PANTHEON FILM-2024
2024年/フランス/109分/配給:アンプラグド
原題:IL ÉTAIT UNE FOIS MICHEL LEGRAND
監督・脚本:デヴィッド・ヘルツォーク・デシテス
脚本:ウィリー・デュハフオーグ
編集:マルゴッド・イシェール、ヴァンサン・モルヴァン、デヴィッド・ヘルツォーク・デシテス
撮影:ニコラス・ボーシャン、リヤド・カイラット、スタン・オリンガー
音楽:デヴィッド・ヘルツォーク・デシテス、ミシェル・ルグラン
出演:ミシェル・ルグラン、アニエス・ヴァルダ、ジャック・ドゥミ、カトリーヌ・ドヌーヴ、バンジャマン・ルグラン、クロード・ルルーシュ、バーブラ・ストライサンド、クインシー・ジョーンズ、ナナ・ムスクーリ
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,600円(税込)を当館受付にて発売中!特典:A5クリアファイルをプレゼント!(数量限定)
『ラ・ラ・ランド』にも多大な影響を与えた、ルグランの創作の舞台裏と人生を描く
人生の軌跡と最後の舞台に迫る圧巻のドキュメンタリー
数々の映画音楽で後世に影響を与え続けている、フランスを代表する音楽家ミシェル・ルグラン。2019年に亡くなるまでの75年間の音楽人生の中で、特にジャック・ドゥミ監督とのコンビで名作映画を数多く生み出し、マイルス・デイヴィス、シャルル・アズナヴール、バーブラ・ストライサンドなど伝説的なアーティストとも共演を重ねてきた。ジャン=リュック・ゴダールなどヌーヴェルヴァーグの監督たちから評価され、以後多くのフランス映画音楽を手掛ける。名声は海を越えハリウッドの映画音楽でも次々と成功を収め、『華麗なる賭け』(68)で第41回アカデミー歌曲賞、『思い出の夏』(71)では第44回アカデミー賞作曲賞を受賞し、計3度の受賞を誇る。『シェルブールの雨傘』(64)はセリフの代わりに全て音楽で物語を展開させるという画期的な手法で、第17回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞。後にデイミアン・チャゼルが『ラ・ラ・ランド』(16)のモデルにしたことでも知られる。
本作ではルグラン本人と関係者が映画を振り返る形で貴重な作曲の舞台裏が明らかに。練習において自他共に一切の妥協を許さない厳格な姿勢、数々の栄光に隠された挫折と苦悩など、これまで知ることのなかったルグランの姿も余すところなく描かれる。
死の直前まで日本でのブルーノート東京公演に情熱を燃やすなど、長年にわたる親日家として知られ、日本映画『ベルサイユのばら』(79)の音楽を手掛け、自身が60年代に作曲した「ディ・グ・ディン・ディン」は日本のCMで現在も親しまれている。日本にゆかりの深い世界的音楽家の人生最後の舞台までを描く。ルグランの生き様は、私たちに心揺さぶる感動と生きる指針を与えてくれる。

9/20(土)-10/3(金)
ペドロ・コスタ はじまりの刻(とき) 1989-1997

ペドロ・コスタ
はじまりの刻(とき) 1989-1997
9/20(土)-10/3(金)
ペドロ・コスタ
はじまりの刻(とき) 1989-1997
9/20(土)-10/3(金)
瑞々しくも激しく、そして鮮烈に――
伝説となった『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』に至る
鬼才ペドロ・コスタ、“はじまりの軌跡”を4Kレストア版でみつめる
『ヴァンダの部屋』から25年、『コロッサル・ユース』から19年――世界を驚かせ続けるポルトガルの鬼才、ペドロ・コスタ。その伝説前夜とも言える、漆黒のモノクロが鮮烈な長編デビュー作『血』、“カーボ・ヴェルデ”というペドロ・コスタの後の作品群に繋がる場所が初めて登場した重要作『溶岩の家』、スラム街フォンタイーニャスに住む人々を起用し、圧倒的なリアリズムで底辺の生活の厳しさを描く『骨』の初期3作を監督自ら監修した4Kレストア版で初めて劇場公開する。また、破壊されつつあるフォンタイーニャスを舞台にそこに生きる人々の営みを強烈な映画手法で描いた、『ヴァンダの部屋』と『コロッサル・ユース』も特別上映し、その類まれな軌跡を見つめる――。
公式サイト https://www.cinematrix.jp/early_pedro/
配給 シネマトリックス
配給協力 ノーム
入場料一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円
イベント情報
『溶岩の家 4Kレストア版』9/21(日)16:40回上映後、小野正嗣さん(作家、フランス文学者)のトークイベントがございます。
上映スケジュール
9/20(土) | 9/21(日) | 9/22(月) | 9/23(火) | 9/24(水) | 9/25(木) | 9/26(金) |
![]() 溶岩の家 4K |
![]() コロッサル・ユース 2K |
![]() 骨 4K |
![]() ヴァンダの部屋 2K |
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![]() 溶岩の家 4K トークイベント 小野正嗣さん |
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9/27(土) | 9/28(日) | 9/29(月) | 9/30(火) | 10/1(水) | 10/2(木) | 10/3(金) |
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![]() ヴァンダの部屋 2K |
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作品紹介
血 4Kレストア版

1989年/ポルトガル/99分/ポルトガル語/モノクロ/DCP
出演:ペドロ・エストネス、ヌーノ・フェレイラ、イネス・デ・メデイロス、ルイス・ミゲル・シントラ
不安や恐れに苛まれる恋人たち、幻想的な森、黒く光る沼、得体の知れない男たち…。
自らが受けた映画史と自国の記憶を色濃く反映し、「ポルトガル映画の最も美しい一本」との評価を得たペドロ・コスタ初の長編作品。
青年ヴィンセントは病に苦しむ父親を安楽死させ、墓地に埋める。父親の消息に疑問を持った伯父は青年の許にやってきて弟を連れ去ってしまった。一方、父親の負債の返済を求めて二人組が現れる。弟を取り返すべく動く青年を二人組が追っていく・・・。
ペドロ・コスタ長編第1作となる本作はフィルムノワール的風貌を見せつつ、瑞々しく輝く画面が観る者を魅了する。マノエル・ド・オリヴェイラ作品常連のルイス・ミゲル・シントラが重要な役で華を添えている。
2022年 ヴェネチア国際映画祭 国際批評家週間出品
1989年 ヴェネチア国際映画祭出品
1990年 ロッテルダム国際映画祭 国際批評家連盟表彰
溶岩の家 4Kレストア版

1994年/ポルトガル・フランス・ドイツ/110分/ポルトガル語・クレオール語/カラー/DCP
出演:イネス・デ・メデイロス、イサック・デ・バンコレ、エディット・スコブ
アフリカ、カーボ・ヴェルデの言葉、習慣、気候、風土――
その現実的な生活と歴史を映画に取り込みながら、荒々しい色彩と感情に彩られた記念すべき長編第2作。
看護師のマリアーナは、リスボンの工事現場で意識不明となった男レオンに付き添って彼の故郷カーボ・ヴェルデに向かうが、病人とともに荒野に取り残される。島民に病院まで運んでもらうが島民の誰一人として病人のことは語ろうとしなかった・・・。
本作の撮影後に、託された手紙をフォンタイーニャス地区に届けたことを契機に、“カーボ・ヴェルデから届いた手紙” というペドロ・コスタの重要なモチーフが生まれるきっかけとなった重要作。伝説的女優、エディット・スコブが特別出演している。
1994年 カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門出品
1994年 テサロニキ国際映画祭 最優秀芸術貢献賞
1994年 ベルフォール国際映画祭 最優秀外国映画賞
骨 4Kレストア版

1997年/ポルトガル・フランス・ドイツ/98分/ポルトガル語/カラー/DCP
出演:ヴァンダ・ドゥアルテ、ヌーノ・ヴァス、マリア・リブキナ、イザベル・ルート、イネス・デ・メデイロス
狭い路地、壁に背をもたせ何かを待つ男と女、行き場のない空気。
リスボンのスラム街フォンタイーニャスで絶望を抱えた人々の息づかいが圧倒的なリアリズムで迫る。
赤ん坊を産んだティナはリスボン郊外にあるスラム街に戻ってくるが、夫は赤ん坊を連れて家を出て行ってしまう。彼は物乞いをし、看護婦のエドゥアルダと知り合い、彼女の家に居候するようになる。ティナの隣人クロチルドは家政婦をしているが、ある日エドゥアルダの家でティナの夫に出会う。
スラム街フォンタイーニャスに住む人々を起用し、圧倒的なリアリズムで底辺の生活の厳しさを描き、高く評価された。『ヴァンダの部屋』のヴァンダも家政婦役で出演。
1997年 ヴェネチア国際映画祭 金のオゼッラ賞(撮影賞)
1997年 ベルフォール国際映画祭 審査員特別賞
〔特別上映〕
ヴァンダの部屋 2Kレストア版

2000年/ポルトガル・ドイツ・スイス/170分/ポルトガル語・クレオール語/カラー/DCP
出演:ヴァンダ・ドゥアルテ、ジータ・ドゥアルテ、レナ・ドゥアルテ、アントニオ・セメド・モレノ、パウロ・ヌネス
数十人の規模の映画制作に疑問を持ったコスタは小型のDVキャメラを手にフォンタイーニャスに戻り、撮影を敢行。『骨』に出演したヴァンダ・ドゥアルテとその家族を中心に、再開発が進み、パワーショベルによる破壊が進む街に暮らす人々を見つめる。小津、溝口、フォードを想起させるスタンダードサイズの画面と、街に響く破壊音の対比が強烈な印象を残し、新たなドキュメンタリー表現として多くの映画作家に影響を与えた。
2000年 ロカルノ国際映画祭 ドン・キホーテ賞・特別賞・青年批評賞・最優秀賞
2001年 山形国際ドキュメンタリー映画祭 最優秀賞・国際批評家連盟賞
コロッサル・ユース 2Kレストア版

2006年/ポルトガル・フランス・スイス/150分/ポルトガル語・クレオール語/カラー/DCP
出演:ヴェントゥーラ、ヴァンダ・ドゥアルテ、ベアトリズ・ドゥアルテ、イザベル・カルドーゾ
『ヴァンダの部屋』のスラム街は取り壊されて、ヴァンダは新しい集合住宅に移り住んで夫と子どもと暮す。カーボ・ヴェルデから移り住み34年間、フォンタイーニャス地区に住んできたヴェントゥーラ。妻に去られた後、まだ残るスラム街と新築住宅を行き来し”子どもたち”を訪ねる。過去と現在を縦横無尽に交錯させながら、彷徨える魂を描き出す。ヴェントゥーラが繰り返し口ずさむ手紙が感動を呼ぶ。
2006年 カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品
9/26(金)~
ピアノフォルテ

©Pianoforte
2023年/ポーランド/89分/英語・ポーランド語・中国語・イタリア語・ロシア語/配給:コピアポア・フィルム
原題:Pianoforte
監督:ヤクブ・ピョンテク
出演:アレクサンダー・ガジェヴ、レオノーラ・アルメリーニ、エヴァ・ゲヴォルギヤン、ラオ・ハオ、ミシェル・カンドッティ、マルチン・ヴィエチョレク 他
提供:マーメイドフィルム
後援:ポーランド広報文化センター、日本ショパン協会
世界最高の舞台、ショパン国際ピアノコンクール。
夢に挑む若きピアニストたちに迫った、珠玉のドキュメンタリー映画
5年に1度、ショパンの出身国であるポーランドのワルシャワで開催されているショパン国際ピアノコンクール。スタニスラフ・ブーニン、マルタ・アルゲリッチら多くの名だたるピアニストを輩出し、出場を果たすだけで 名誉なこと、入賞すればその後の成功が約束される随一のコンクールとあって、世界中の若きピアニストたちが頂点を目指す憧れのステージ。本作は反田恭平さんと小林愛実さんの日本人ふたりが入賞するという快挙を成し遂げた2021年の第18回大会をクローズアップ。コロナ禍のため1年延期となったこの大舞台に臨む6人の出場者にスポットをあて、彼らの情熱を余すところなく映し出す。奇しくも今年2025年はコンクール開催年。世界各地が盛り上がる中、その決定版が今、幕を開ける。
すべてを捧げて戦い終えた若者たちを
“ノクターン第8番”が包み込むとき、
魂を揺さぶるような感動が胸に押し寄せる。
審査は1次から本選まで全4回、21日間にわたって行われる。ポーランド、ロシア、中国、イタリアなど国籍も育ってきた環境も異なる6人の出場者たち。とてつもない緊張に負けてしまう者もいれば、そのプレッシャーを楽しみ、力に変える者もいる。優しい先生と二人三脚で栄光を目指す者もいれば、威圧的な指導者に押しつぶされそうになる者もいる。だが、幼いころからここで演奏することを夢見てきた強い思いは同じ。我々はいつしか競技に挑む彼らとともに舞台裏にいるかのような凄まじい臨場感を体験する。栄冠をつかむのは誰なのか。そのとき彼らは何を思うのか。本作はポーランド映画としてはじめて国際エミー賞の芸術番組部門最優秀賞を受賞した。
ショパン国際ピアノコンクールとは
フリデリク・ショパン研究所がポーランドのワルシャワで開催する、世界最古の国際ピアノコンクール。1927年に第一回が行われ、第二次大戦中に中断するも、その後は5年に1度開催される。課題曲はすべてショパン作品で占められる。



9/27(土)~
蔵のある街

©︎ 2025 つなぐ映画『蔵のある街』実行委員会
2025年/日本/103分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/DCP/配給・宣伝:マジックアワー
監督・脚本:平松恵美子
撮影:森口大督
編集:小堀由起子
音楽:村松崇継
主題歌:手嶌葵「風につつまれて」(ビクターエンタテインメント)
制作プロダクション:松竹撮影所
企画・製作:つなぐ映画『蔵のある街』実行委員会
企画協力:倉敷市
出演:山時聡真、中島瑠菜、堀家一希、櫻井健人、田中壮太郎、陽月華、長尾卓磨、前野朋哉、ミズモトカナコ、北山雅康、高橋大輔、MEGUMI、林家正蔵、橋爪功
【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,500円(税込)を当館受付にて発売中!特典:ポストカードセットをプレゼント!
頑張って生きるあの人に、笑顔と希望を届けたい
高校生たちの強い願いは、街中の人々を巻き込んで、やがて大きな希望になっていく――
「約束じゃ。この街に、でっかくて綺麗な花火を上げちゃる」自閉症の青年と、夢をあきらめかけている同級生を励まそうと、とっさに口から飛び出した約束。その言葉が、街に思いがけない波紋を呼び起こす…!無謀な計画だと笑われても、厳しい現実にくじけそうになっても、ひたむきに突き進む。そんな高校生たちの強い願いは、やがて街中の人々を巻き込み、大きな希望になっていく——。
この物語が生まれたきっかけは、2020年から続いたコロナ禍の最中、日本全国の約300もの街で開催された「サプライズ花火」。過酷な環境で働くエッセンシャルワーカーへの感謝、楽しみを奪われたこどもたちへのエール、今は会えない人との再会を願う気持ちなど、さまざまな思いを込めた花火が夜空に打ち上げられ、人々に明るい笑顔と希望をもたらした。そして苦しい時期を経て、今を生きるすべての人たちに向けた応援の花火が、爽やかなひと夏の青春物語とともにスクリーンに打ち上がる!
ふるさとは若者の夢を応援する場所であってほしい
ヒューマンドラマの名手、平松恵美子が文化と歴史の街、倉敷の人々にインスパイアされて紡いだ物語
監督と脚本は、山田洋次監督のもとで長年にわたり助監督と共同脚本を務め、『武士の一分』『母べえ』『東京家族』『小さいおうち』など9作品で日本アカデミー脚本賞を受賞、『ひまわりと子犬の7日間』『あの日のオルガン』の監督としても高い評価を受ける平松恵美子。
キャストには平松監督の思いに賛同した多彩な面々が集まった。友人との約束を果たすために花火を上げようと奔走する高校生の蒼役に、スタジオジブリ映画『君たちはどう生きるか』主演で話題を呼んだ若手実力派の山時聡真。もう一人の主人公で、家庭の事情により美術の道をあきらめようとする高校生・紅子に、2021年松竹JAPAN GP GIRLS CONTESTグランプリを受賞し、大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」にも出演中の中島瑠菜。二人をサポートするひょうきんな同級生。祈一役に映画・ドラマ・舞台出演が相次いでいる櫻井健人。自閉スペクトラム症を持つヒロインの兄・きょんくんを演じるのは『世界は僕らに気づかない』や「虎に翼」等で知られる堀家一希。そして若者たちをサポートする美術館の学芸員・緑郎役には、本作で映画初出演を飾るフィギュアスケート界のスーパースター・高橋大輔。ほかMEGUMI、前野朋哉といった倉敷・岡山出身者に加え、山田洋次・平松作品常連の林家正蔵、橋爪功らが人間味あふれる演技で脇を固める。主題歌「風につつまれて」を歌うのは、『ゲド戦記』『コクリコ坂から』などでその天性の声を響かせてきた手嶌葵。たくさん笑って、泣いて、温かい気持ちに包まれる、希望の物語が誕生した。



9/27(土)~
ラストムービーPART2

2025年/日本/29分/DCP
プロデューサー・脚本・編集・VFX・監督:古澤健
撮影:山田達也
照明:玉川直人
音響:川口陽一
音楽:宇波拓
メイク:堀たえこ
企画協力:宮崎大祐
出演:廣田朋菜、指出瑞貴、福間健二
イベント情報
9/27(土)上映後、古澤健監督×八幡温子(支配人)、9/28(日)上映後、古澤健監督×七里圭さん(映画監督)のトークイベントがございます。
冒険に
冒険の途中で、はなればなれになってしまったハルとアキ。
お互いの行方を追うふたり。
ハルは横浜シネマリンで上映中の『ラストムービーPART2』を観る。
アキは俳優としてオーディション会場に潜入する。
「カメラを使わないで撮られた映画ってありますか?」
ふたりの問いに、老映画監督はなんと答えるのか?
これは冒険の映画だ。
「横浜シネマリンでしか観られない映画というのがあっても面白いですよね」という他愛ない雑談が交わされたのが2019年初頭。
2020年末に撮影された本作は、それから5年の歳月をかけて完成したが、それは本家『ラストムービー』(デニス・ホッパー)とは関係がない。
出発を振り返ると、ここに辿り着いたことが奇跡のようにも必然のようにも感じられる。
スタッフ・キャスト、フィクションの人物たち、そして死者たちと手を取り合うことで、映画(館)への道が見出された。
映画の冒険そのものの日々を経て、『ラストムービーPART2』が横浜シネマリンに帰還する。
(古澤健)



併映作品
生き仏2020

2020年/9分/日本/DCP
撮影・編集・監督:古澤健
企画協力:大槻貴宏、ポレポレ東中野
出演:古澤健、宇波拓、石川雄也、小原治
リビングデッドは東洋では生き仏として敬われている、という伝承に基づいて描かれる人類の愚かさ。
横浜シネマゾン

2018年/7分/日本/DCP
撮影・編集・監督:古澤健
助監督:石川貴雄
出演:高橋隆大、長尾理世
エーガ海に臨む港町にある映画館「横浜シネマゾン」。
映画が町に届かなくなったことから、2人の若者の冒険が始まる。
9/27(土)~
ふつうの子ども

©︎2025「ふつうの子ども」製作委員会
2025年/96分/日本/配給:murmur
監督:呉美保
脚本:高田亮
製作:石井紹良、清水伸司、水谷晴夫、村松秀信、山国秀幸、岩田潤、野儀健太郎、伊藤伴雄、森君夫、地崎昌和
プロデュース:中村優子
企画:菅野和佳奈
プロデューサー:菅野和佳奈、佐藤幹也
撮影:田中創
照明:溝口知
録音:小清水健治
出演:嶋田鉄太、瑠璃、味元耀大、瀧内公美、少路勇介、大熊大貴、長峰くみ、林田茶愛美、風間俊介、蒼井優
監督:呉美保×脚本:高田亮
『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』の黄金コンビ再び!
いつだって、世界は「好き」で、まわってる
上田唯士(ゆいし)、10才、小学4年生。両親と三人家族、おなかが空いたらごはんを食べる、いたってふつうの男の子。最近、同じクラスの三宅心愛(ここあ)が気になっている。環境問題に高い意識を持ち、大人にも臆せず声を挙げる彼女に近づこうと頑張るが、心愛はクラスのちょっぴり問題児、橋本陽斗(はると)に惹かれている様子。そんな三人が始めた“環境活動”は、思わぬ方向に転がり出して――。
『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』の呉美保監督と脚本家・高田亮が三度めのタッグを組んだ最新作『ふつうの子ども』は、子ども同士のリアルな人間ドラマを描く完全オリジナルストーリー。
主人公を演じるのは、気鋭の監督たちに愛されてきた嶋田鉄太。本作が初めての本格的な芝居となる瑠璃、映画公開作を多数控える味元耀大も加わり、子どもたちの生き生きとした姿がスクリーンに躍動する。彼らのクラスメイト役はすべてオーディションで選ばれ、呉監督と共にそれぞれのキャラクターを創り上げていった。また、子どもたちを取り巻く大人たちに、蒼井優、風間俊介、瀧内公美ら実力者たちが顔を揃えた。
平和なようで“事件”だらけの毎日に体当たりでぶつかる子どもたちのドキドキ・モヤモヤ・ハラハラは大人のそれとも地続きで、いつかの思い出ではなくリアルタイムの現実と重なる。そう、彼らと一緒に出会い直す私たちの世界は、こんなにも明るくて、スリリングで、ドラマチック!



10/4(土)-10/17(金)
ペルー映画祭2025 vol.3

ペルー映画祭2025
Festival de Cine Peruano vol.3
2025.10.4㊏~10.17㊎
アンデスと アマゾンを行く、 時空を超えて―
ペルー映画祭2025
Festival de Cine Peruano vol.3
2025.10.4㊏~10.17㊎
アンデスと アマゾンを行く、 時空を超えて―

ペルーの国土は、地形や気候の違いから異なる3つの地域に分けられます。砂漠が広がる太平洋沿岸部の「コスタ」とアンデス山脈が連なる山岳部の「シエラ」、アマゾン川流域の熱帯雨林地帯の「セルバ」です。地域により農作物も異なり、多彩な文化を形成しています。ペルー映画祭vol.3では、アンデスとアマゾンを眺め、時空や作品の境界をこえたところには何が映るのかを求めました。南米ペルーから届いた多様なフィクションやドキュメンタリーをお楽しみください!
企画・主催 ブエナワイカ https://www.buenawayka.info/festival3
入場料一般1,600円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円
全国共通3回券:3,600円(税込)を劇場受付にて発売中!
- 10/4㊏『ルイス・パルド』【活弁付上映】活動弁士:佐々木亜希子さん
- 10/5㊐『ペルー・水と巡る道』【トークイベント】マリオ・ホセ・アタパウカルさん(ケチュア語・アイマラ語言語学者、学会正会員)
- 10/11㊏『私はタニア』【トークイベント】水口良樹さん(文化人類学・ペルー音楽文化)
- 10/12㊐『UCHPA/ウチュパ 再生の歌』【トークイベント】佐々木直美さん(法政大学教授)
- 10/13祝『Bunka-ブンカ』【マリネラ舞踊】Amigos Peru

上映スケジュール
10/4(土) | 10/5(日) | 10/6(月) | 10/7(火) | 10/8(水) | 10/9(木) | 10/10(金) |
![]() ルイス・パルド 活動弁士付き上映 活動弁士 佐々木亜希子さん |
![]() ペルー、水と巡る道 トークイベント マリオ・ホセ・アタパウカルさん |
![]() ママ・イレーネ |
![]() 午後の終わり |
![]() 私はタニア |
![]() みどりの壁 |
![]() UCHPA/ウチュパ |
![]() みどりの壁 |
![]() ワルテル先生とキピの教室 |
![]() ムーンハート |
![]() 恐れられし肌 |
![]() 霧+おしょうゆ物語 |
![]() 罪なき罰のゆくえ① |
![]() Bunka-ブンカ |
予定表 横にスクロールできます
10/11(土) | 10/12(日) | 10/13(祝) | 10/14(火) | 10/15(水) | 10/16(木) | 10/17(金) |
![]() 私はタニア トークイベント 水口良樹さん |
![]() UCHPA/ウチュパ トークイベント 佐々木直美さん |
![]() Bunka-ブンカ マリネラ舞踊 Amigos Peru |
![]() みどりの壁 |
![]() ペルー、水と巡る道 |
![]() ママ・イレーネ |
![]() UCHPA/ウチュパ |
![]() ムーンハート |
![]() 午後の終わり |
![]() 恐れられし肌 |
![]() ワルテル先生とキピの教室 |
![]() 罪なき罰のゆくえ |
![]() 霧+おしょうゆ物語 |
![]() みどりの壁 |
予定表 横にスクロールできます
上映プログラム
ルイス・パルド Luis Pardo特別上映

監督・脚本・主演:エンリケ・コルネホ・ビジャヌエバ
ペルー|1927年|49分|スペイン語|Blu-ray
有名な盗賊ルイス・パルドの生涯を描いたペルー初の長編劇映画。2022年にデジタル化された。本編(33分)に加え、監督へのインタビュー映像を交えたドキュメンタリー映画『El famoso bandolero』(監督:アルベルト・ドゥラント1987年/15分)を収録。
- 活動弁士付き上映
活動弁士:佐々木亜希子さん
みどりの壁<レストア版> La muralla verde

©Filmoteca PUCP
監督:アルマンド・ロブレス・ゴドイ
助監督:マリオ・アチャ、ノラ・デ・イスクエ
出演:フリオ・アレマン、サンドラ・リヴァ
ペルー|1970年|116分|スペイン語|Blu-ray|英語字幕付
●1969 アカデミー賞 国際映画賞ペルー代表作品
●1970 シカゴ国際映画祭 ゴールド・ヒューゴ賞
結婚を機に首都リマを離れ、ジャングルの開拓者となった家族の物語。入植時の苦悩や役所との対立など、若い夫婦と幼い息子の暮らしに次々とトラブルが降りかかるが・・・。ペルー社会の問題と矛盾を静かに描く。1970年に日本で初めて公開されたペルー映画。2023年の監督生誕100年を機にデジタル化。
午後の終わり La Última Tarde日本初公開

©Factoría Sur,Bhakti Media 2016
監督・脚本:ジョエル・カレロ
撮影:マリオ・バッシーノ(『レタブロ』)|出演:カテリーナ・ドノフリオ、ルチョ・カセレス
ペルー・コロンビア|2016年|81分|スペイン語|Blu-ray
●2016 リマ映画祭 観客賞&最優秀主演男優賞
●2016 プンタ・デル・エステ映画祭 最優秀主演女優賞
●2017 グアダラハラ国際映画祭 イベロアメリカ部門最優秀監督賞
<記憶:映画三部作>の1作目。元ゲリラ戦士の2人は離婚届にサインするために19年ぶりに再会する。それぞれの生活について語り合う中で、政治活動に明け暮れ愛し合った記憶をよみがえらせていく。過去と現在を結ぶ秀逸な会話劇。
恐れられし肌 La Piel Más Temida日本初公開

©Factoría Sur,Bhakti Media 2023
監督・脚本:ジョエル・カレロ
出演:フアナ・ブルガ、マリア・ルケ、 ルチョ・カセレス、アミエル・カジョ(『レタブロ』)
編集:ロベルト・ベナビデス(『Willaq Pirqa, el cine de mi pueblo』、『ファルファン 路地裏からの栄光』)
ペルー・コロンビア|2023年|109分|スペイン語|Blu-ray
<記憶:映画三部作>の2作目。22年ぶりに故郷のペルーに帰国したアレハンドラ。帰国後、死亡したと思っていた父親がゲリラ組織の一員であったために投獄されていることを知る。アレハンドラは、3歳だった自分を捨てた父親がどのような人物だったのかを知りたいと思い始めるが…。
ママ・イレネ アンデスの癒し Mamá Irene-Sanadora de los Andes日本初公開

©2022 Mama Irene Documentary. All rights reserved.
監督:ベッティーナ・エアハルト、エリザベス・モールマン
出演:ママ・イレネ
ペルー|2022年|72分|ケチュア語、英語、スペイン語|ドキュメンタリー|Blu-ray|一部スペイン語字幕付
●2022 ウッドストック映画祭 正式出品
●2022 ブエノスアイレス国際映画祭 正式出品
女性治療師、ママ・イレネの軌跡を描く。84歳を迎えた今もなお、彼女は消えゆく危機に瀕する先住民の叡智と伝統を実践し続けている。失われつつある知恵を記録するだけでなく、女性の力の物語であり、母なる大地と共に生きる尊き道への讃歌でもある。
ペルー、水と巡る道 Yakuqñan, caminos del agua日本初公開

©Huaca Rajada S.A.C. 2022
監督・編集:フアン・ドゥラン
出演: バルタザル・プーマ、ミゲル・ウイルカ
ペルー|2022年|88分|スペイン語、アワフン語、ケチュア語|ドキュメンタリー|Blu-ray|一部スペイン語字幕付
ペルーの文化は、水と大地への畏敬の念を基礎に築かれてきた。海辺の街、山岳地帯、アマゾンの密林――それぞれの地に暮らす人々は今も尚、水と深いつながりを持ちながら日々を営んでいる。彼らにとって資源以上の存在である「水」の意味とは。ペルーの人々の水とともにある暮らし、そしてその根底に流れる精神性を豊かな映像美とともに映し出す。
霧 + おしょうゆ物語 Bruma

©DOCUPERU 2021
監督:ホセ・バラド
制作:ドクベル―
ペルー|2021年|70分|スペイン語|ドキュメンタリー|Blu-ray
●2018 DAFO ドキュメンタリー制作奨励賞
ペルー北部沿岸で育まれる3つの物語を通じて、懸命に生きる人々の姿を描く。古代から続く漁の営みのなかに映し出される人間の犠牲、忍耐と脆さが静かに紡がれていくビジュアルドキュメンタリー。ドクペルーが福岡滞在時に制作した100年以上使われる木樽で再熟成される醤油をテーマにした『おしょうゆ物語』(監督:ヒメナ・モラ、ホセ・バラド/2025年/20分/ドキュメンタリー)を同時上映。
UCHPA/ウチュパ 再生の歌 Uchpa日本初公開

©2025 Ayni Producciones
監督・制作:アントニオ・ロドリゲス・ロマ
出演:フレディ•オルティス、アンドレス・“チマンゴ”・ラレス(『わたしはここにいる』)
ペルー|2025年|86分|スペイン語・ケチュア語|ドキュメンタリー|Blu-ray
ペルーで文化功労章を受賞したことがあるケチュア語ロック&ブルースバンド「Uchpa(ウチュパ)」のリーダー、フレディ・オルティスの再会の旅を描く。警察時代の記憶からウチュパ結成の秘話を同級生やメンバーの証言で辿る。ワイノやハサミ踊りといったアンデス音楽を西洋音楽と融合し新たなサウンドが生み出される。やがて音楽は、彼自身の過去におった心の傷を癒していく。
罪なき罰のゆくえ Este fue nuestro castigo日本初公開

©ESTE FUE NUESTRO CASTIGO 2023
監督・撮影・編集:ルイス・シントゥラ
ペルー・スペイン|2023年|89分|スペイン語・ケチュア語|ドキュメンタリー|Blu-ray|一部スペイン語字幕付
●2023 Festival de cine del Mar 最優秀ドキュメンタリー観客賞
●2023 マラカイボ映画祭 最優秀長編ドキュメンタリー賞
●2023 プーノHanan映画祭 国内長編ドキュメンタリー賞
80年代初頭、センデロ・ルミノソはペルー高地のワリャ地区を初期の「解放」地帯の一つとした。ワリャは、ゲリラ運動の支援拠点になったことで、すぐに高い代償を払うことになる。暴力の終息から30年後、住民は沈黙を破り、今もなお続く痛々しい過去について語りだした。
ワルテル先生とキピの教室 Misión Kipi

©Ayni Producciones
監督:ソナリ・トゥエスタ
出演:ワルテル・ベラスケス、キピ
ペルー|2024年|81分|スペイン語、ケチュア語、ヤネシャ語|ドキュメンタリー|Blu-ray|一部スペイン語字幕付
●2024 Voces Contra el Silencio HHRR Film Festival 作品賞
●2024 ワヌコ映画祭“Cinema Goes to School” 部門 最優秀作品賞
ペルーの高地に住む教師のワルテルは、廃材を集めて女の子のロボットのキピを作った。新型コロナウィルスのパンデミックによって、多くの生徒は学校を辞めそれぞれの村に帰っていた。ワルテル先生はキピと共に各地域を訪れ、学びを届けるプロジェクトを開始する。キピと子どもたちが一緒になって文化を学び合う姿を描く。
ムーンハート El corazón de la luna日本初公開

©Aldo Salvini 2021
監督・脚本:アルド・サルビニ
出演:アイデ・カセレス(『ユートピアクラブ 消えた真実』)
ペルー|2021年|80分|スペイン語|Blu-ray
●2021 SFロンドン映画祭 最優秀作品賞
●2022 アカデミー賞 国際映画賞ペルー代表作品
●2022 ポルト・アレグレ国際ファンタスティック映画祭 最優秀女優賞
ある日一匹の蟻と出会ったホームレスの老婆は、蟻に自分の境遇を見いだし、生活を共にすることに。彼女の目に映る世界は、懐かしい思い出や幸せへの道を遮る悪魔的存在で溢れていた。そこに、“機械仕掛けの天使”が現れ彼女を導いていくが…。孤独に暮らす老婆の姿を全編セリフなしで描くファンタジー。
Bunka -ブンカ Bunka日本初公開

©Creative Film Vision
監督:オマル・ヤング
出演:ハジメ・カスガ(Hanzo)、ブルーノ・ナカンダカリ(Bepocah)
ペルー|2025年|60分|スペイン語|ドキュメンタリー|Blu-ray
日本人がペルーに移住してから約125年。日系人がペルー人に与えたアイデンティティへの影響は大きく、特にペルーの食文化の中に強く現れている。ペルー発祥の“日系料理”は “ニッケイ(Nikkei)”という言葉を象徴する存在となり、国際的にも高く評価されている。文化の変容を体現している人々の視点を通して、単なるフュージョンを超えて文化として根づきつつある姿を描き出す。
私はタニア Con el nombre de Tania日本初公開

© 2019 CLIN D’ŒIL FILMS, DÉRIVES, CBA, RTBF and CANVAS All rights reserved
監督:ベネディクト・リエナール、メリ・ヒメネス
出演:タニット・リディア・コキチェ・セネポ、イスマエル・バスケス・コルチャド
ベルギー・オランダ・ペルー|2019年|85分|スペイン語|ドキュメンタリー|Blu-ray
●2019 ベルリン国際映画祭 ジェネレーション14プラス部門出品
●2019 リマ映画祭 正式出品
ペルー北部の鉱山地帯。熱帯雨林の間をアマゾン川がゆるやかに流れいく。実際の証言に基づき、ある10代の少女が閉塞した村の暮らしから脱出しようとするも失敗し、やがて売春を強いられるまでの過程を、ドキュメンタリーとフィクションを掛け合わせて再現していく。名もなき少女の奪われた声とアイデンティティ、そして尊厳の回復を描く。
10/4(土)~
ユリシーズ

©ikoi films 2024
2024年/日本、スペイン/73分/⽇本語、スペイン語、バスク語、ロシア語、英語/配給:新谷和輝、入江渚月、ikoi films
監督・編集:宇和川輝
制作:宇和川輝、関野佳介
撮影:宇和川輝、エイヴリー・ドゥンカン、関野佳介
録⾳:ニコラス・アウジェー、吉川諒
整⾳:⻩永昌
出演:アレフティーナ・ティクホノーヴァ、ディミトリ・ティクホノーヴ、エナイツ・スライカ、⽯井泉、原和⼦、宇和川輝
マドリード、バスク、岡山──
国境を越える私たちの時代の叙事詩
ラドゥ・ジュテ、マティアス・ピニェイロ、マリアノ・ジナスらによる先鋭的な映画作家育成プログラムによって世界中から注⽬されるスペイン、サン・セバスチャンのエリアス・ケレヘタ映画学校(Elías Querejeta Zine Eskola)。この学校の修⼠課程を⽇本⼈ではじめて修了した宇和川輝監督の⻑編デビュー作が、フィクションとドキュメンタリーのあわいに⽴つ『ユリシーズ』だ。スペインと⽇本を⾏き来してトランスナショナルな映画制作を続けてきた宇和川の個⼈史と、ホメロス『オデュッセイア』の⼤胆な翻案をかけあわせた73分の本作は、さまざまな⼟地に瞬く親密な時間をつなぎとめ、寄る辺なき現代を⽣きる私たちすべてのための物語を描き出す。
本作は3つの⼟地で撮影され、3部構成により出来ている。第1部ではスペイン、マドリード在住のロシア⼈アレフティーナとその息⼦ディミトリが⽗親の帰りを待つ。第2部ではバスク地⽅、サン・セバスチャンに暮らすエナイツが⽇本⼈のイズミと出会う。第3部では岡⼭県北中部の真庭市で、カズコが亡き夫のお盆を孫のヒカルと迎える。異なる国、⾔語、思い出をさまよう追憶の映画。



10/10(金)~
ホーリー・カウ

© 2024 – EX NIHILO – FRANCE 3 CINEMA – AUVERGNE RHÔNE ALPES CINÉMA
2024年/フランス/92分/配給:alfazbet/提供:キングレコード
監督:ルイーズ・クルヴォワジエ
脚本:ルイーズ・クルヴォワジエ、テオ・アバディ
撮影:エリオ・バレゾー
編集:サラ・グロセ
⾳楽:リンダ・クルヴォワジエ、シャルリ・クルヴォワジエ
出演:クレマン・ファヴォー 、ルナ・ガレ、マティス・ベルナール、ディミトリ・ボードリ、マイウェン・バルテレミ、アルマン・サンセ・リシャール、リュカ・マリリエ、イザベル・クラジョー
⽗が死んだ。
残されたのは、行き詰まったチーズ⼯房と幼い妹。
フランス、コンテチーズの故郷ジュラ地方。18歳のトトンヌは、仲間と酒を飲み、パーティに明け暮れ気ままに過ごしている。しかし現実は容赦無く彼に襲いかかる。ある日チーズ職人だった父親が不慮の事故で亡くなり、7 歳の妹の面倒を見ながら、生計を立てる方法を見つけなければならない事態に……。そんな時、チーズのコンテストで金メダルを獲得すれば3万ユーロの賞金が出ることを知り、伝統的な製法で最高のコンテチーズを作ることを決意する。
押し寄せる現実の荒波と不確かな未来、打算とロマンス。不器用な手つきで人生を切り開こうとする彼らの日々を鮮やかに描いた青春譚。
フランスで約100万人を動員!
「コンテチーズの村」で⽣きる若者たちの⽇々を、鮮やかに⼼打つ⻘春譚
監督のルイーズ・クルヴォワジエは、本作の舞台であるジュラ地方で育ち、リヨンの映画学校La CinéFabriquでの卒業制作がカンヌの若手育成部門 “シネフォンダシオン” でグランプリを獲得した注目の女性監督。2024年のカンヌ国際映画祭を皮切りに、夭折の天才ジャン・ヴィゴにちなみ若手監督に授与されるジャン・ヴィゴ賞、フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞など数々の映画祭を席巻。小規模な作品ながらフランスで約100万人を動員し、オスカー受賞作を上回るサプライズヒットとなった。
キャストには地元の演技未経験者を起用し、農場を営む監督の家族が音楽や美術スタッフとして参加。ジュラ山地が生み出す壮大な自然の景色と共に、美しいだけでない農村のリアルな暮らしに確かな息吹を与えている。
タイトルの「HOLY COW」とは「マジかよ!」「なんてこった!」など感嘆を表す言葉。
*2024年カンヌ国際映画祭 ある視点部⾨ ユース賞受賞
*2024 年ジャン・ヴィゴ賞受賞
*2025 年セザール賞最優秀新⼈監督賞受賞
10/11(土)~
壁の外側と内側 パレスチナ・イスラエル取材記

©Kawakami Yasunori
2025年/日本/104分/製作協力・配給:きろくびと
監督・撮影・編集・製作:川上泰徳
編集協力:大重裕二
整音:小川武
ガザ写真:ムハンマド・マスリー
字幕・ナレーション:川上泰徳
イベント情報
10/11(土)上映後、川上泰徳監督の舞台挨拶がございます。
「なぜこの戦争が続くのか。」
10.7後のパレスチナ・イスラエルを
この目で確かめたいと思ったー
2023年10月7日、イスラエルに「壁(分離壁)」で封鎖されたガザ地区からイスラム組織・ハマスが越境攻撃を行い、それに対してイスラエル軍による「壁の向こう」へのすさまじい報復攻撃。死者は5万人を超え、そのうち1万8千人以上が子どもという惨状で、停戦が見えない中、その数はいまも増え続けている。
外国人ジャーナリストがガザに入ることが困難な中、2024年7月、同じく「壁」で分離されたパレスチナ・ヨルダン川西岸地区に、ボーン・上田記念国際記者賞の受賞経験もある中東ジャーナリスト・川上泰徳が取材に入った。今年3月に米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』でも舞台となったマサーフェル・ヤッタにも入り、イスラエル軍による攻撃・破壊やユダヤ人入植者の暴力の激化を目の当たりにする。一方、イスラエル側では国民の多くが「壁」の外側の惨状に目を向けない中、兵役を拒否する三人の若者がいた。
中東を見つめつづけたジャーナリストがいま伝えたい、パレスチナとイスラエルの”現在”とは――。



10/18(土)~
揺さぶられる正義

©2025カンテレ
2025年/日本/129分/配給:東風
監督:上田大輔
プロデューサー:宮田輝美
撮影:平田周次
編集:室山健司
音声:朴木佑果、赤木早織
音響効果:萩原隆之
整音:中嶋泰成
製作:関西テレビ放送
イベント情報
10/25(土)上映後、上田大輔監督の舞台挨拶がございます。
「揺さぶられっ子症候群」、多くの冤罪を生んだ“虐待”事件――これは贖罪と覚悟の物語。
弁護士記者が長年の調査報道の末に描く、唯一無二のドキュメンタリー
無実の人を救う弁護士を志すも、有罪率99.8%の刑事司法の現実に絶望し、企業内弁護士として関西テレビに入社した上田大輔。しかし、一度は背を向けた刑事司法の問題に向き合おうと記者になった。上田が記者1年目から取材を始めた「揺さぶられっ子症候群(Shaken Baby Syndrome)」。通称SBS。2010年代、赤ちゃんを揺さぶって虐待したと疑われ、親などが逮捕・起訴される事件が相次ぎ、マスコミも報じてきた。
SBSは子ども虐待対応のための厚労省のマニュアルや診断ガイドにも掲載され、幼き命を守るという強い使命感を持って診断にあたる医師たち。その一方で、刑事弁護人と法学研究者たちによる「SBS検証プロジェクト」が立ち上がった。チームは無実を訴える被告と家族たちに寄り添い、事故や病気の可能性を徹底的に調べていく。虐待をなくす正義と冤罪をなくす正義が激しく衝突し合っていた。やがて、無罪判決が続出する前代未聞の事態が巻き起こっていく。
実名、顔を晒され、センセーショナルに報じられる刑事事件。逮捕報道に比べ、その後の裁判の扱いは小さい。無罪となっても一度貼られた“犯人”のレッテルはネット空間から消え去ることはなく、長期勾留によって奪われた時間も戻ってはこない。SBS事件の加害者とされた人や家族との対話を重ねた上田は、報じる側の暴力性を自覚しジレンマに苛まれながら、かれらの埋もれていた声を届け、司法とメディアのあり方を問う報道に挑む。そして、記者として何を信じるべきか、上田を最も揺さぶることになる人物と対峙することになる――。
自分にしかできない、と編み上げたこの映画は、贖罪と覚悟の物語だ。日々流れるニュースのその先を、私たちは知らない。



10/18(土)-10/31(金)
ショーン・ベイカー 初期傑作選

ショーン・ベイカー 初期傑作選
10/18(土)-10/31(金)
ショーン・ベイカー 初期傑作選
10/18(土)-10/31(金)
すべてが劇場初公開!
社会が見過ごしてきた、今この瞬間を生きる人々の声に耳を傾ける—
ショーン・ベイカー監督の貴重な初期4作品を一挙上映
iPhoneでの全編撮影に挑戦した『タンジェリン』(2015)で話題を呼び、貧困層の日常を6歳の少女の瞳を通して描く『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(17)、元ポルノスターの男が再起を目指す姿を追った『レッド・ロケット』(21)、そして『ANORA アノーラ』(24)で第77回カンヌ国際映画祭<最高賞>パルムドールを受賞したほか第97回アカデミー賞®作品賞含む最多5部門を受賞し、インディペンデント映画のもつ無限の可能性を世界へと示し続けてきたショーン・ベイカー。
ケン・ローチやダルデンヌ兄弟といった巨匠から大きな影響を受けながら、偏見や差別にさらされる立場にある人々を内側からありのままに描き出す独自のスタイルを確立し、移民、セクシャルマイノリティ、セックスワーカーなどへと光をあてる。人々の境遇や暮らしに正面から向き合いながら常にユーモアも忘れないその姿勢は、初期監督作品からブレることなく貫かれていた。
本特集では、長編デビュー作から現在地へとショーン・ベイカーが歩んだ軌跡を辿る、日本初公開の貴重な4作品を上映。そこにある「生きた声」を聴き、暖かい眼差しで掬い上げた作品群は、異なる世界や文化を知ること、そして他者への想像力をもつことの尊さを改めてわたしたちに教えてくれる。
公式サイト https://seanbakermovies.jp/
提供・配給 マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
入場料一般1,900円/会員・シニア1,300円/<学生応援プライス500>大専・高校生以下500円
作品紹介
テイクアウト

© CreFilm. All Rights Reserved
2004年/87分
監督・脚本:ショーン・ベイカー、ツォウ・シンチン
撮影:ショーン・ベイカー
出演:チャールズ・チャン、エング・フア・ユー、ワン・ザイ・リー
密入国業者への多額の借金を抱えながら、ニューヨークの中華料理屋で配達員として働く不法移民の青年の1日を捉えた長編第二作目。徹底した社会派リアリズムのスタイルで、マンハッタンに暮らす移民たちの厳しい日々を浮き彫りにする。
プリンス・オブ・ブロードウェイ

© CreFilm. All Rights Reserved
2008年/100分
監督:ショーン・ベイカー
脚本:ショーン・ベイカー、ダレン・ディーン
撮影:ショーン・ベイカー
出演:プリンス・アドゥ、カレン・カラグリアン、エイデン・ノエシ
ニューヨークのストリートで偽ブランド品を売って生計を立てるラッキーの元へ、かつての恋人が存在すら知らない”息子”を連れてきたことで全てが一変する。いきなり”パパ”になった黒人青年と幼い子供、それを取り巻く人間模様をチャーミングに描く。
スターレット

© 2012 STARLET FILMS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED
2012年/103分
監督:ショーン・ベイカー
脚本:ショーン・ベイカー、クリス・ベルゴーク
撮影:ラディウム・チャン
出演:ドリー・ヘミングウェイ、ベセドカ・ジョンソン、ジェームズ・ランソン、カレン・カラグリアン
女優志望のジェーンは、愛犬のチワワといつも一緒。ある日ガレージセールで購入したポットに大金が入っていることに気づく。ポットの持ち主である老婦人とジェーン、歳の離れた女性二人の心の交流を生き生きと描くユーモラスな感動作。
※過去に『チワワは見ていた』のタイトルでソフト化済み
〔特別上映〕
フォー・レター・ワーズ

© CreFilm. All Rights Reserved
2000年/82分
監督・脚本:ショーン・ベイカー
撮影:サム・セルバ
出演:デイヴィッド・アリ、ヘンリー・ベイリン、フレッド・バーマン
ある真夏の夜のパーティーで酔っ払い、戯れ、いさかいを起こす若者たちを描いた長編デビュー作。アメリカ郊外に暮らす男子大学生たち特有の生々しい会話が飛び交う。リチャード・リンクレイター作品などを彷彿とさせる青春のポートレートに、ベイカーの鋭い観察眼が光る。
10/25(土)/26(日)
柳下美恵のピアノdeフィルムvol.16

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.16
『嵐の孤児』ORPHANS OF THE STORM
1921年/アメリカ/150分[20fps]予定/35mm
監督:D・W・グリフィス/出演:リリアン・ギッシュ、ドロシー・ギッシュ
サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの即興生伴奏
2025.10.25[土]&26[日] 各日14:45
映画が誕生してまもなく130年。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。


フィルム提供:国立映画アーカイブ

1921年/アメリカ/150分[20fps]予定/35mm/サイレント/ユナイテッド・アーティスツ
監督:D・W・グリフィス/原作:アドルフ・フィリップ・デヌリ、ウジェーヌ・コルモン/脚本:ガストン・ド・トロリニャック/撮影:ヘンドリック・サートフ/美術:チャールズ・M・カーク、エドワード・スコル/フィルム提供:国立映画アーカイブ/出演:リリアン・ギッシュ、ドロシー・ギッシュ、ジョージフ・シルドクラウト、クレイトン・ヘール、モント・ブルー
今年生誕150年を迎えるデヴィッド・ウォーク・グリフィス監督の後期代表作。グリフィスはモンタージュ、カットバック、クローズアップなど映画作りに欠かせない技法を編み出し、映画文法を確立した。
リリアンとドロシーのギッシュ姉妹がフランス革命とその後のロベスピエールの恐怖政治という歴史の嵐に巻き込まれる。二人の熱演と共に18世紀末のパリを再現した大野外セットや群衆シーン、グリフィス作品の代名詞となった「ラストミニッツ・レスキュー」は見逃せない。
ギッシュ姉妹はグリフィス監督の『見えざる敵』(1912)で鮮烈なデビューを果たした。その後、姉のリリアンはグリフィス組のミューズとして数々の作品に主演、ガラス細工の様な繊細な表現、生まれ持った芯の強さ、神のような深遠な存在感で数多くのファンを魅了した。
10.25[土] 井上正昭さん(映画研究・翻訳)オンライン
10.26[日] 宮下啓子さん(無声映画愛好家)
入場料一般・シニア2,000円/会員1,700円/ユース(25歳以下)1,000円
10.22[水]より、横浜シネマリンオンラインチケット予約サイト、劇場受付にて、座席指定券を販売いたします。

サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。1995年、山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕リュミエール!』でデビュー。 以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのアーカイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料院、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地 域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、タイ無声映画祭、 ポルデノーネ無声映画祭、ボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ) などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された 『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。音楽で見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館にピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、 サイレント映画週間“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。2025年デビュー30周年を迎える。
10/25(土)~
オスロ、3つの愛の風景
第75回ベルリン国際映画祭でノルウェー映画初の最高賞<金熊賞>受賞!(DREAMS)
イングマール・ベルイマン、アキ・カウリスマキ、ヨアキム・トリアーに続く、北欧映画界の知られざる名手、ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督の長編作が日本初上陸!
ベストセラー小説家や図書館の司書といった異色の経歴を持ちながらも、長編映画デビュー作「I Belong」(英題/2012)や「Beware of Children」(英題/2019)がノルウェー・アカデミー賞(アマンダ賞)を席巻するなど、北欧映画界ではその確かな実力が評価されてきたダーグ・ヨハン・ハウゲルード。トリロジーとして発表した『SEX』で昨年の第74回ベルリン国際映画祭にてエキュメニカル賞を含む3部門を受賞、『LOVE』では第81回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品、そして『DREAMS』では今年の第75回ベルリン国際映画祭にてノルウェー映画初となる金熊賞という快挙を成し遂げ、世界的な映画監督の仲間入りを果たした。歴代の名匠たちに続く北欧映画界の知られざる名手の渾身の3作品が、満を持しての日本初劇場公開となる。
これまでにない感情に出会うとき、人は何を考え、どんな言葉を交わすのか――
自然と文化の美しい街、オスロから届く「恋」「愛」「性」にまつわる3つの”風景”。
女性教師に恋をした17歳の少女の赤裸々な初恋手記をめぐる『DREAMS』、2人の医療従事者が様々な愛の形を模索する『LOVE』、妻子がいる男性がとある体験から”らしさ”を再考する『SEX』。3作に共通するのは、自らの心の奥底にある欲望に気づいた人々が繰り広げる、ウィットに富んだ会話の数々。正義のジャッジを下すことなく、これまでに刷り込まれてきた価値観と内から湧き出てくる感情を、穏やかに、時には葛藤し紐解いていく人々の姿にわたしたちは共感し、戸惑い、そして未知の刺激と余韻に出会う。さらに、日常的に使用されるフェリー、ランドマークであるオスロ市庁舎、煙突のある家々など、ノルウェーの首都・オスロならではの自然と文化が融合する美しい景色が広がり、人々の優しくささやかな営みを映し出す。エリック・ロメールから多大な影響を受けたというハウゲルードが描く、現代社会で生きる人間の”おかしみ”をご堪能あれ。
作品紹介
DREAMS

©Motlys
2024年/ノルウェー/110分/配給:ビターズ・エンド
原題:Drømmer
英題:Dreams (Sex Love)
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード
撮影:セシリエ・セメク
出演:エラ・オーヴァービー 、セロメ・エムネトゥ、アネ・ダール・トルプ、アンネ・マリット・ヤコブセン
後援:ノルウェー大使館
女性教師のヨハンナに初めての恋をした17歳のヨハンネは、この恋焦がれる想いや高揚を忘れないようにと自らの体験を手記にする。そしてこの気持ちを誰かに共有するため詩人の祖母に手記を見せたことから、物語は思いもよらない展開へと進み始める。
第75回ベルリン国際映画祭最高賞<金熊賞>受賞(国際映画批評家連盟賞&ドイツ・アートハウス映画組合賞)
LOVE

©Motlys
2024年/ノルウェー/120分/配給:ビターズ・エンド
原題:Kjærlighet
英題:Love
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード
撮影:セシリエ・セメク
出演:アンドレア・ブレイン・ホヴィグ 、タヨ・チッタデッラ・ヤコブセン、マルテ・エンゲブリクセン、トーマス・グレスタッド、ラース・ヤコブ・ホルム
後援:ノルウェー大使館
泌尿器科に勤める医師のマリアンヌと看護師のトール。共に独身でありステレオタイプな恋愛を避けている。マリアンヌはある晩、友人から紹介された男性と対面するが、子どもがいる彼との恋愛に前向きになれない。その後乗ったフェリーで偶然トールに遭遇すると、彼はマッチングアプリなどから始まるカジュアルな恋愛の親密性を語り、マリアンヌに勧める。興味を持ったマリアンヌは自らの恋愛の方法の可能性を探る。一方トールはフェリーで知り合った精神科医のビョルンを偶然勤務先の病院で見かけー。
第81回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品
SEX

©Motlys
2024年/ノルウェー/118分/配給:ビターズ・エンド
原題:Sex
英題:Sex
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード
撮影:セシリエ・セメク
出演:トルビョルン・ハール、ヤン・グンナー・ロイゼ、シリ・フォルバーグ、ビルギッテ・ラーセン
後援:ノルウェー大使館
煙突掃除を営む妻子持ちの2人の男。ひとりは客先の男性との思いもよらない一度きりのセックスを通じて新しい刺激を覚えるが、悪びれることなく妻にこの体験を話してしまったことで夫婦間がこじれてしまう。もうひとりはデヴィッド・ボウイに女として意識される夢を見て、自分の人格が他人の視線によってどう形成されていているのか気になり始める。良き父、良き夫として過ごしてきた2人は、衝撃的な出来事がきっかけで自らの“男らしさ”を見つめ直すようになる。
第74回ベルリン国際映画祭パノラマ部門3部門受賞(エキュメニカル審査員賞&ラベル・ヨーロッパ・シネマズ賞&国際アートシネマ連盟賞受賞)
11/1(土)~
リンダ リンダ リンダ 4K

© 「リンダ リンダ リンダ」パートナーズ
2005年/日本/114分/カラー/配給:ビターズ・エンド
監督:山下敦弘
脚本:向井康介、宮下和雅子、山下敦弘
主題歌:「終わらない歌」(ザ・ブルーハーツ)
出演:ぺ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織(Base Ball Bear)、三村恭代、湯川潮音、山崎優子(新月灯花/RABIRABI)、甲本雅裕、松山ケンイチ、小林且弥
音楽:James Iha
製作:「リンダ リンダ リンダ」パートナーズ
過ぎていく時間
何よりもやさしい 何よりもあたたかい
⽂化祭前⽇に突如バンドを組んだ⼥⼦⾼⽣たち。
コピーするのはブルーハーツ。
ボーカルは韓国からの留学⽣!
本番まであと3⽇。
4⼈の寄り道だらけの猛練習が始まった!
ゼロ年代を代表する珠玉の青春映画がcoming back!!
公開から20年経っても色あせるどころか、世界中にファンを増やし続ける珠玉の青春映画『リンダ リンダ リンダ』。熱いファンの想いは海を越え、アメリカでは本作タイトルにインスパイアされたバンドTHE LINDA LINDASが誕生するなど、世界的な現象も!
韓国のみならず、世界で活躍する俳優ペ・ドゥナが歌う、たどたどしくも心に響くブルーハーツの名曲たち、実際にドラムとギターに挑んだ前田亜季と香椎由宇のひたむきなたたずまい、演技初挑戦ながら女優たちと渡り合った本職ミュージシャンの関根史織(Base Ball Bear)。このコンビネーションを奇跡的な作品にまとめ上げたのは当時弱冠28歳だった山下敦弘監督。4Kデジタルリマスター版では、35mmフィルムの質感は残しながらも、細部をクリアに。誰もが心に抱く青春の記憶がより一層鮮やかに胸に迫る!



11/8(土)~
ヴィターリー・カネフスキー トリロジー

ヴィターリー・カネフスキー トリロジー
11/8(土)~
ヴィターリー・カネフスキー トリロジー
11/8(土)~
人生を揺るがす映画がある
永遠なる清冽な瞬間を切りとった
伝説のカネフスキー監督3部作、一挙上映!
1990年、映画の表舞台に彗星の如く現れた54歳の新人監督、ヴィターリー・カネフスキー。
『動くな、死ね、甦れ!』でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人賞)に輝き驚愕のデビューを果たした彼は、その続編『ひとりで生きる』でカンヌ国際映画祭審査員賞受賞。そして3作目となる初のドキュメンタリー『ぼくら、20世紀の子供たち』では、ソ連解体後の混沌としたロシアで社会から弾き出されたストリート・チルドレンたちの生きる姿や心の内をありのままに映し出し、世界に衝撃を与えた。
この3部作は、自身もストリート・チルドレンで不良少年だった監督の経験をもとに撮られたものであり、フランソワ・トリュフォー作品におけるアントワーヌ・ドワネルのように、主人公ワレルカを演じるパーヴェル・ナザーロフと彼の守護天使ガリーヤ/ワーリャを演じるディナーラ・ドルカーロワを追った3部作でもある。
映画と出会った悪童が起こした奇跡は、人生を揺るがす作品として人々の中で生き続ける―。
公式サイト https://www.gnome15.com/kanevsky3/
配給 ノーム
入場料一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円
作品紹介
動くな、死ね、甦れ! 〈デジタルリマスター版〉

1989年/ソビエト/モノクロ/104分
監督・脚本:ヴィターリー・カネフスキー
出演:パーヴェル・ナザーロフ、ディナーラ・ドルカーロワ、エレーナ・ポポワ
舞台は第二次世界大戦直後、収容所地帯と化したソ連の炭鉱町。大人でさえ自分を守ることで精一杯な世の中を、危うげながらも逞しく生きる12才の少年ワレルカ。彼の引き起こす無垢な、しかし、やってはならない悪さは、母親への反発と相まって次第にエスカレートしていく。そんな彼の前に、守護天使のように現れては、危機を救ってくれる幼馴染の少女ガリーヤ。二人に芽生えた淡い想いは次第に呼応していくが、やがて運命はとんでもない方向へ転じていくのだった…。世界を魅了し続ける少年映画の金字塔。
★第43回カンヌ国際映画祭カメラドール受賞
ひとりで生きる

1991年/フランス・ロシア/カラー/100分
監督・脚本:ヴィターリー・カネフスキー
出演:パーヴェル・ナザーロフ、ディナーラ・ドルカーロワ、エレーナ・ポポワ
15才になったワレルカは少年期に別れを告げようとしていたが、大人たちの世界はますます悲劇的な様相を呈し、彼にとって唯一、ガリーヤの妹ワーリャと一緒にいる時だけが心落ち着く時だった。そんな中、ある事件をきっかけに学校を退学になったワレルカは、ワーリャの思いをよそに、ひとりで町を出る。故郷や家族と離れ、ひとりで生きるワレルカ。一方、残されたワーリャは、返事のないワレルカに手紙を送り続け・・・。幼さを見せながら、大人へと成長していく少年の心の風景をスクリーン上で開花させた傑作。
★第45回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞
ぼくら、20世紀の子供たち 〈デジタルリマスター版(日本初公開)〉

1993年/フランス/カラー/83分
監督:ヴィターリー・カネフスキー
出演:パーヴェル・ナザーロフ、ディナーラ・ドルカーロワ
国際的な評価を得たカネフスキーが次にカメラを向けたのは、社会体制が崩壊したロシアの都市に巣くうストリート・チルドレンたち。窃盗、強奪、売春、そして殺人…残忍性をエスカレートさせていく彼らの裏側に傷つきやすい感受性を見るカネフスキー。やがてカメラは、思わぬ場所でワレルカの面影を残したパーヴェル・ナザーロフの姿を捉える。そして、2本の映画で共演したのち、全く異なる人生を歩み成長していったパーヴェルとディナーラが再会を果たす。デジタルリマスター版を日本初公開!
★第44回べルリン国際映画祭ヤングフォーラム部門正式出品作品
11/15(土)~
蟲
日本では10年ぶりの特集上映!
チェコの老錬金術師ヤン・シュヴァンクマイエルが放つ
最新3作品、ついに公開!
1988年の『アリス』以来、『ファウスト』『悦楽共犯者』『オテサーネク』『ルナシー』『サヴァイヴィング ライフ』と、これまで6本の長編を発表してきたチェコのシュルレアリストにして、アニメーション&映画作家ヤン・シュヴァンクマイエル(現在90歳!)が、「最後の長編劇映画」と宣言して2018年に完成させた『蟲(むし)』、ついに一般公開!
加えて、作家のこれまでの人生、先立った妻エヴァとの思い出を振り返るドキュメンタリー『錬金炉アタノール』(2020)、さらにシュヴァンクマイエルが世界中から集めた奇怪なコレクションを約2時間、ひたすら見せ続ける驚愕の映画『クンストカメラ』(2022)も同時公開!
<ヤン・シュヴァンクマイエル Jan Švankmajer>
1934年9月4日、プラハ生まれ。プラハにある応用美術大学の舞台美術科およびプラハ芸術アカデミーの人形劇学科で演出と舞台美術を学んだことが、その後の創作活動の発展を大きく方向づける。映像と演劇を融合させたパフォーマンスの一種である「ラテルナ・マギカ(Laterna Magika)」で、特殊効果を含むいくつかの映画的手法を初めて試みた。1964年、プラハのクラーツキー・フィルム・スタジオ(the Krátký film Studio)で初の映画作品『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』を制作。映画という枠を超え、独立した自由な視覚表現の創作活動を続けている。
(参照:アタノール公式サイト)
作品紹介
蟲

© Athanor Ltd.
2018年/チェコ・スロバキア/チェコ語/98分
原題:Hmyz
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
字幕翻訳:北村広子
字幕監修:ペトル・ホリー
字幕協力:イメージフォーラム
チャペック兄弟の有名な戯曲『虫の生活』の第二幕「捕食生物たち」に取り組む、小さな町のアマチュア劇団。遅刻や欠席するメンバーたちのやる気の無さに、コオロギ役兼任の演出家は怒りが収まらない。そしてやはりコオロギ役を務める彼の妻ルージェナはハチ役の男と明らかに不倫中……不穏な空気でリハーサルが進むなか、やがて劇の展開と役者たちの行動が交錯し、ついに舞台に惨劇が訪れる! 演劇の中の物語、それを演じる役者たちの素の姿、さらに彼らを撮影したこの映画『蟲』のメイキングも同時進行で提示される斬新な3層のメタ構造。そして例によってアニメーション技法も使われ、また本物の虫たちが目を覆いたくなるほど登場! 製作時には資金を補うためのクラウドファンディングが行われ、シュヴァンクマイエルを師と仰ぐクエイ兄弟やギレルモ・デル・トロも大々的に協力、日本のファンも含め世界中から多くの出資が得られて完成した「最後の長編劇映画」。
錬金炉アタノール

© Athanor Ltd.
2020年/スロバキア・チェコ/英語、チェコ語/123分
原題:ALCHYMICKÁ PEC
原題:The Outsiders
監督:ヤン・ダニヘル、アダム・オリハ
出演:ヤン・シュヴァンクマイエル
字幕翻訳:前田理子、御囲ちあき、髙山智絵(JVTA)
字幕監修:ペトル・ホリー
字幕協力:ひろしまアニメーションシーズン
創作上のパートナーでもあった亡き妻エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの想い出、長年、製作を支えてきたプロデューサー、ヤロミール・カリスタとの愛憎入り交じる関係、参加しているシュルレアリスト集団の定例会、怪しげな呪物や作品の制作風景、展覧会の準備や講演、そしてスーパーで買物をする日常の姿など、あらゆる側面が赤裸々に映し出される。過去作品の抜粋や記録映像もインサートされ、彼の全貌を把握する「入門編」とも言える1本。なお「アタノール」とは錬金術で使う炉のことで、シュヴァンクマイエル自身の制作会社の名前でもある。
クンストカメラ

© Athanor Ltd.
2022年/チェコ/120分
原題:Kunstkamera
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
「クンストカメラ」とは「驚異の部屋」「博物陳列室」の意味で、17世紀初頭のプラハ城にルドルフ2世が作ったそれが有名だが、この映画に映し出されるのは、チェコの南西部ホルニー・スタニコフにあるお城と旧穀物庫にあるシュヴァンクマイエル自身の「クンストカメラ」。2時間、世界中から集めた絵画や彫像、動物の剥製や貝殻、自身や妻の作ったオブジェなど、一般の価値基準とは無縁の不思議なコレクションがヴィヴァルディの「四季」に乗って、ナレーションもなしに延々と映し出される。シンプルに撮影されたもののように見えて、編集、床やドアの軋む効果音にシュヴァンクマイエル臭が強烈に香る一作。
11/15(土)~
原爆スパイ

© Participant Film
2022年/イギリス、アメリカ/101分/配給:パンドラ/提供:メニーウェル
監督:スティーヴ・ジェームズ
原題:A Compassionate Spy
登場人物:テッド(セオドア)・ホール、ジョーン・ホール
日本版字幕:若林 信乃
字幕監修:新田 宗土(慶應義塾大学 / 広島大学 SKCM2)
オッペンハイマーを裏切った男
戦後80年の今暴かれる、米ソ核開発をめぐる衝撃の事実――
広島と長崎に原爆が投下された1945年から今年で80年。第二次世界大戦下、「マンハッタン計画」において、〈原爆の父〉オッペンハイマー博士の下、原子爆弾の研究・開発に最年少の18歳で参加した天才物理学者テッド・ホール。彼は開発に関わる国家機密をソ連へと密かに流していた─。米ソ間で競うように開発され、広島・長崎へと投下された原子爆弾。そして戦後激化していく軍拡競争と冷戦構造…。一人の物理学者の大胆な行動が世界をどう変えたのか?「原爆スパイ」の驚くべき人生と、核開発をめぐる大国の思惑を克明に描く衝撃のドキュメンタリー。
当時計画に携わった物理学者の多くが、米国による原爆の独占を危険視し、ソ連と情報を共有すべきだと考えていた。共産主義に傾倒しソ連へ機密を流し続けたテッド。核戦力の均衡をもたらした一方で、ソ連に禁断の兵器を握らせたとも言える彼の行動は、「正しかった」のか? 1997年、その驚くべき人生が知れ渡ると同時に米国で一大論争を巻き起こしたテッド・ホール。同じ容疑で死刑判決が下ったジュリアス・ローゼンバーグ夫妻との違いを生んだのは何だったのか?後年、動機を「思いやり」だったと語るテッドが、現代にある“警鐘”を投げかける──。
後年までFBIに追われ続けたテッド。妻と娘たちは“スパイの父”とどのように秘密を共有し、共に生きてきたのだろうか?米国で“タブー”とさえ言える「原爆投下」に疑義を突き付けるテッドを一人の人間として描き出したのは、『フープ・ドリームス』(1994年/アカデミー賞編集賞ノミネート、サンダンス映画祭観客賞)、『プリフォンテーン』(1997年)『スティーヴィー』(2002年)等で知られ、二度のアカデミー賞ノミネート、多数の受賞歴を誇る米国で最も重要なドキュメンタリー作家のひとり、スティーヴ・ジェームズである。



11/15(土)~
女性の休日

© 2024 Other Noises and Krumma Films.
2024年/アイスランド・アメリカ/71分/アイスランド語・英語 /ドキュメンタリー/カラー・モノクロ/DCP /原題:The Day Iceland Stood Still/提供・配給:kinologue
製作:フラプンヒルドゥル・グンナルスドッティル
監督:パメラ・ホーガン
エグゼクティブ・プロデューサー:イライザ・リード
編集:ケイト・タベルナ
撮影:ヘルギ・フェリクソン
音響:ベルガー・プリズン
アニメーション:ジョエル・オルロフ
音楽:マルグリエト・ラウン・マグヌスドッティル(Vök, GusGus)
エンドクレジットソング:ビョーク「Future Forever」
出演:ヴィグディス・フィンボガドッティル (船長にはなれないと言われていたが、1980年世界初の女性大統領に) グズルン・エルレンズドッティル (諦めずに弁護士になる夢を叶え、初代女性最高裁長官に) アウグスタ・ソルケルスドッティル (農場主として認められていなかったが、140年で初の女性農業組合幹部に) グズニ・トルラシウス・ヨハネソン (「女性の休日」に初めて父親が料理をした思い出を語る前大統領)他
字幕翻訳:額賀深雪
後援:アイスランド大使館
【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,600円(税込)を当館受付にて発売中!特典:ステッカーセットをプレゼント!
1975年10月24日 アイスランド全女性90%が
仕事も家事も一斉に「休んだ」
世界を変えた、知られざる運命の1日のドキュメンタリー
1975年10月24日、アイスランド全女性の90%が仕事や家事を一斉に休んだ、前代未聞のムーブメント「女性の休日」。国は機能不全となり、女性がいないと社会がまわらないことを証明した。その後、アイスランドは最もジェンダー平等が進んだ国(2025年世 界経済フォーラム発表・ジェンダーギャップ指数16年連続1位、日本は118位)となった。女性大統領と女性首相が国を治めるようになった2025年、アイスランドがジェンダ ー平等先進国となる大きなきっかけとなった運命の1日を振り返るドキュメンタリーが、 50周年を記念して公開となる。
やるの?できるの?
必ずやる!
なぜ女性は船長になれないのか。
なぜ女性は農場主として認められないのか。
なぜ女性は家事のすべてを担うのか。
なぜ女性は男性より賃金が低いのか。
祖母や母の時代から続いている多くの「なぜ」を抱えた女性たちが世界中で立ち上がった1970年代、それは、北欧の小国アイスランドでも起こっていた。最初に行動をおこしたのは「レッドストッキング」の女性たち。クリスマスの家事に疲れ切ったお母さんの人形をつくってツリーにはりつけ、 男性目線な美人コンテストの会場に白く美しい雌牛を連れて行き、ラジオ番組で生理や性生活、賃金不払いについて赤裸々にトーク。ユーモアある過激な活動で世間の注目を集めていた。男性を憎んでいるわけじゃない。ほんの少し変わってほしかっただけ。
1975年、国際婦人(女性)年。6月に全国各地から約300名の様々な女性たちが集まり、女性会議が開かれた。どうすれば、女性の存在意義を全国民に示せるのか。徹底的に話し合った結果、彼女たちが決断したのは、10月24日に一斉に仕事や家事を休むストライキを行うこと。「ストライキなんて共産主義者みたいで論外!」という右派の反対意見に 「だったら『ストライキ』じゃなくて『休日』にしたら?」という提案。それぞれに思うところがあっても、団結するには妥協も必要だ。こうして「女性の休日」は動き出した。運営委員会は組織されたが、リーダーはいない。みんなが男女平等というひとつの目的を達成するために、とにかくできることをする。男性たちは「バカだね」と笑う。しかし女性たちは本気だった。



11/22(土)~
やがて海になる

© ABILITY
2025年/日本/92分/カラー/ビスタサイズ/5.1ch/配給宣伝:MAP/配給協力:ミカタ・エンタテインメント/製作:ABILITY
監督:沖正人
脚本:沖正人、鈴木太一
エグゼクティブプロデューサー:伊藤崇
音楽:小山絵里奈
撮影:彦坂みさき(JSC)
照明:金子秀樹
録音:庄司寿之
出演:三浦貴大、武田航平、咲妃みゆ、山口智恵、柳憂怜、緒形敦、伊沢弘、三浦マイルド、市村優汰、 後藤陽向、川口真奈、ドロンズ石本、武田幸三、高山璃子、占部房子、白川和子、大谷亮介、渡辺哲
主題歌:「おとなになったら」作詞・作曲:オニザワマシロ、超☆社会的サンダル(Perfect Music)
制作協力:本音 ベイビーブレス クレ・マスメディア・スタディオ
制作プロダクション:KAZUMO
【前売券】ムビチケカード 1,500円(税込)を当館受付にて発売中!
あの海が憶えている—
人生に惑う《あなた》に贈る、第二の青春ストーリー
広島県の西部、瀬戸内海島嶼部に位置する江田島市。そこで生まれ、これまで一度も島から出る事なく生きてきた修司(三浦貴大)は数年前、家の畑で父親が突然死した事にずっと責任を感じ、それからはずっと、うだつの上がらない生活を送っていた。そんなある日、江田島から東京に出て映画監督として活躍している幼馴染みの和也(武田航平)が、故郷の江田島を舞台に映画を撮る事をテレビで知る。和也は高校時代、修司が思いを寄せていた同級生の幸恵(咲妃みゆ)と付き合っていたこともあり、余計に遠い関係だった。その頃、幸恵は呉市のスナックで働いていた。定期的に江田島に戻り実家の母親の面倒を見ている幸恵には江田島で水産会社を営む交際相手がいて、妻子あるその相手との交際は決して幸せなものではなかった。3人の思いが交錯する中、和也が監督する映画の撮影がスタートする。それは亡くなった母が遺した、ある願いを叶えるためでもあった……
広島県江田島市出身の沖正人監督が描くヒューマンドラマ
コロナ禍の2020年に撮影日数僅か1日、制作費0円で撮影した短編映画『ある役者達の風景』が、NHK「おはよう日本」や週刊新潮などで大々的に取り上げられ、その後長編映画として完成、同年9月に渋谷ユーロスペース他全国公開され話題となった沖正人監督。本作は、沖監督が生まれ故郷を舞台に自身の人生を投影して描いた、もう若いと言えない人生半ばの男女の《第二の青春映画》の誕生!主人公の修司役に、『国宝』『行きがけの空』「DOCTOR PRICE」など、今や映画・ドラマに欠かせない実力派俳優、三浦貴大。父親への負い目から島から出ることができず、好きな女性にも気持ちをストレートに伝えられない不器用な中年ニートを飾らずに演じた。修司の幼馴染みで映画監督の和也役に、『仮面ライダーキバ』で注目され『この小さな手』、『Floating Holidays』など主演作が続く武田航平。本作では、亡くなった母への想いを胸に秘めながら故郷で映画を撮ろうと邁進する、沖監督の分身とも言える役を爽やかに務めた。その二人に愛される幸恵役に、宝塚歌劇団雪組出身で退団後も、舞台を中心にコンサートやドラマなど大活躍中の咲妃みゆ。本作では2人の男性に愛されながら自身の生き方を貫く女性を好演。修司・和也・幸恵の高校時代を、後藤陽向、市村優汰、川口真奈が演じる他、ドロンズ石本、武田幸三、高山璃子、山口智恵、緒形敦、柳憂怜、占部房子、白川和子、大谷亮介、渡辺哲ら、個性豊かな面々が揃った。脚本は監督作「みんな笑え」が話題の鈴木太一が、沖監督と共に担当。瀬戸内海の美しいロケーションをバックに、人生に悩みながら懸命に生きる主人公たちの姿に、多くの人々が勇気をもらえだろう。



11/29(土)~
メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章

メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章
11/29(土)-12/12(金)
メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章
11/29(土)-12/12(金)
“東欧の奇跡”メーサーロシュ・マールタ
代表作『日記』三部作の全貌がついに明らかに
青春、家族、恋愛、冷戦……個人的な記憶と戦後ハンガリーの歴史が交錯した、
深遠なる記録の数々。
1975年、『アダプション/ある母と娘の記録』で、女性監督として初めてベルリン国際映画祭の最高賞を受賞したメーサーロシュ・マールタ。2023年、同作を含む5作品が日本でもようやく公開された。
今回の特集では、メーサーロシュの代表連作「日記」三部作を含む7作品を新たにラインナップ。孤児として育った女性が両親を追い求めるデビュー作『エルジ』、中年の危機に瀕した未亡人の息苦しさをシスターフッド的に描破した『月が沈むとき』、階級格差が男女の結び付きを蝕む『リダンス』など、初期作品には「家族」の有り様を洞察するメーサーロシュの作家性が光る。アンナ・カリーナを共演に迎えた中期の傑作『ジャスト・ライク・アット・ホーム』では、血の繋がらない男と少女の、親子のような親密さにカメラが向けられ、やはりここでも「家族」の形が問い直される。
そして「日記」三部作には、冷戦下の恐怖政治を生き抜いた、メーサーロシュ自身の記憶が刻まれている。軍靴が耳をつんざくなか、生き別れた両親への思いがこだまするパーソナルな一大叙事詩が、ついにその全貌を現す。
メーサロシュ・マールタ
1931年、ハンガリー生まれ。同国を代表する名匠ヤンチョー・ミクローシュの手引きで、長編劇映画デビュー作となる『エルジ』を監督。当時ヤンチョーとは配偶関係にあり、彼の息子ヤンチョー・ニカはその後、「日記」三部作の撮影監督を務めることになる。
監督作には、サボー・ラースロー(ラズロ・サボ)やアンナ・カリーナ、イザベル・ユペール、デルフィーヌ・セリッグなどの名優がこぞって出演し、アニエス・ヴァルダに至っては自身の映画制作の参考にするなど、その影響は計り知れない。
公式ホームページhttps://meszarosmarta-feature.com/
配給 東映ビデオ
後援 駐日ハンガリー大使館、リスト・ハンガリー文化センター
© National Film Institute Hungary – Film Archive
入場料 一般1900円/会員・大専・シニア1300円/高校生以下800円
作品紹介
エルジ

1968年/ハンガリー/84分/スタンダード/モノクロ/HDデジタルリマスター
英題:The Girl
原題:Eltávozott nap
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:ソムロー・タマーシュ
出演:コヴァーチュ・カティ
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ
児童養護施設で育ったエルジは、24年ぶりに小村で暮らす実の母を訪ねる。再婚していた母は、娘の来訪に戸惑い、彼女を姪と偽って新しい家族に引き合わせた。家族関係の修復も曖昧なまま街へ戻ったエルジは、行きずりの男と交際しながら、鬱々と日々を過ごす。ある日、素性の知れぬ中年男性がエルジの前に現れ、「君の両親は死んだ」と告げる。長編デビュー作であり、のちに繰り返し描かれる“養子”をテーマとした自伝的作品。
月が沈むとき

1968年/ハンガリー/86分/シネマスコープ/モノクロ/2Kレストア
英題:Binding Sentiments
原題:Holdudvar
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:ケンデ・ヤーノシュ
出演:トゥルーチク・マリ、コヴァーチュ・カティ、バラージョヴィチ・ラヨシュ
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ
政治家の夫に先立たれたエディトは、保険金や邸宅の相続を頑なに拒む。父の名声が汚されることを恐れた息子は、母エディトを別荘に軟禁した。息子の婚約者も「看守」として手を貸すが、壊れていくエディトを見るうち、結婚という結び付きに違和感を募らせていく。「家」に囚われた女性の苦しみと、彼女に寄り添う女性の交流が描かれたシスターフッド映画。
リダンス

1973年/ハンガリー/81分/スタンダード/モノクロ/4Kレストア
英題:Riddance
原題:Szabad lélegzet
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:コルタイ・ラヨシュ
出演:クートヴェルジ・エルジェーベトゥ
字幕翻訳:高橋文子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ
工場勤務のユトゥカは、ダンスパーティーで出会った大学生アンドラーシュと恋に落ちる。彼に拒絶されることを恐れたユトゥカは、自分も学生であることを装い、名前も偽る。やがてアンドラーシュはユトゥカの素性を知るが、両親には真実を告げられずにいる。両家合同の食事会。アンドラーシュ家の階級意識が剥き出しになっていく。
アニエス・ヴァルダがそのシャワーシーンに強く魅了されたという、労働者階級とインテリの格差を背景に女性の選択を描く静かな力作。撮影はジュゼッペ・トルナトーレ作品で知られるコルタイ・ラヨシュ。
ジャスト・ライク・アット・ホーム

1978年/ハンガリー/109分/ビスタ/カラー/4Kレストア
英題:Just Like at Home
原題:Olyan, mint otthon
脚本:コーローディ・イルディコー
撮影:コルタイ・ラヨシュ
出演:ヤン・ノヴィツキ、ツィンコーツィ・ジュジャ、アンナ・カリーナ、サボー・ラースロー(ラズロ・サボ)
字幕翻訳:高橋文子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ
アメリカからハンガリーへ帰国したアンドラーシュ。根無し草状態の彼は、放し飼いにされていた犬に惚れ込み、飼い主の少女から強引に買い取った。わだかまりを残したふたりは、やがて親子とも言い切れぬ親密な関係を育んでいく。アンドラーシュのかつての恋人アンナも、そんなふたりを気に掛けている。彼女はアンドラーシュに、愛を告白するが……。
父への献辞で始まる本作は、メーサーロシュにとって非常に個人的な父との物語だといえる。アンナ・カリーナがふたりの関係に揺らぎを与える人物を好演。
日記 子供たちへ

1980-83年/ハンガリー/108分/スタンダード/モノクロ/4Kレストア
英題:Diary for My Children
原題:Napló gyermekeimnek
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:ヤンチョー・ニカ
出演:ツィンコーツィ・ジュジャ、ヤン・ノヴィツキ
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ、秋山晋吾
1947年、ソ連からハンガリーへ帰国したユリは、共産党員の養母マグダの保護下で育つ。父は秘密警察に捕らわれ、母はこの世を去っていた。恐怖政治が布かれるこの国で、ユリは不安定な生活を強いられる。ある日、ユリはヤーノシュと名乗る男と出会う。彼は父と瓜二つの人物だった。
「日記」三部作の第一部。冷戦下の自身の苦難を描き、1984年のカンヌで審査員グランプリを受賞。撮影は義理の息子ヤンチョー・ニカが担当した。
日記 愛する人たちへ

1987年/ハンガリー/132分/スタンダード/カラー・モノクロ/2Kレストア
英題:Diary for My Loves
原題:Napló szerelmeimnek
脚本:メーサーロシュ・マールタ、パタキ・エーヴァ
撮影:ヤンチョー・ニカ
出演:ツィンコーツィ・ジュジャ、ヤン・ノヴィツキ
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ、秋山晋吾
マグダの元を離れたユリは、織物工場で働いている。映画監督を志すユリは、モスクワの大学で映画制作を学ぶことになった。スターリンの死後、ユリは卒業制作として、労働者の実情を捉えたドキュメンタリー映画を完成させたものの、反-社会主義リアリズム的な内容から、再編集を命じられた。そしてユリは父がすでに死去したことを知らされる。
「日記」三部作の第二部で1987年のベルリンで銀熊賞を受賞。モスクワ留学から1956年のハンガリー事件前夜までを描く。ユリが父と瓜二つの男に抱く愛情は複雑になり、ふたりの関係は次第にメロドラマ性を帯び始めていく。
日記 父と母へ

1990年/ハンガリー/117分/スタンダード/カラー・モノクロ/2Kレストア
英題:Diary for My Father and Mother
原題:Napló apámnak, anyámnak
脚本:メーサーロシュ・マールタ、パタキ・エーヴァ
撮影:ヤンチョー・ニカ
出演:ツィンコーツィ・ジュジャ、ヤン・ノヴィツキ、トゥルーチク・マリ
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ、秋山晋吾
1956年10月23日、ブダペシュトで民衆が蜂起する。モスクワで足止めを食っていたユリは、12月に入りようやくハンガリーへの帰国を許された。ユリはカメラを手に、荒廃した街並みや犠牲者を見つめていく。その年の大晦日、ユリたちは一堂に会する。政治的立場を異にする者たちも、仮装や音楽、ダンスに耽る。しかし反動分子の弾圧はとどまるところを知らず……。
「日記」三部作の最終作。1956年のハンガリー事件から民主化運動の挫折までを描き、戦争の余波と闘いの行方を問う。
11/29(土)~
こんな事があった

©松井良彦/ Yoshihiko Matsui
2025年/130分/日本/配給・宣伝:イーチタイム
監督・脚本・企画・製作:松井良彦
プロデューサー:窪田将治、江守徹
ラインプロデューサー:宮下昇
撮影監督:髙間賢治(JSC)
照明:上保正道
録音:浦田和治、藤本賢一
美術:畠山和久
美術(福島班):山本伸樹
特殊造型:松井祐一
ヘアメイク:東なつみ
スタイリスト:森内陽子
助監督:山口雄也、YAMAOKA
音楽:菅沼重雄 編集:藍河兼一
制作プロダクション:フェイスエンタテインメント
制作協力:ふればり
出演:前田旺志郎、窪塚愛流、柏原収史、八杉泰雅、金定和沙、里内伽奈、大島葉子、山本宗介、波岡一喜、近藤芳正、井浦新
原発事故で離散した家族と、青春を奪われた青年たちが向かう先は––––
2021年、夏、福島。17歳のアキラは、母親を原発事故の被曝で亡くし、父親は除染作業員として働きに出、家族はバラバラに。拠りどころを失ったアキラを心配する友人の真一も、深い孤独を抱えていた。ある日、アキラはサーフショップを営む小池夫婦と店員のユウジに出会い、閉ざしていた心を徐々に開いていく。しかし、癒えることのない傷痕が、彼らを静かに蝕んでいく――。
松井良彦監督、18年の沈黙を破り世界に叩きつける、心揺さぶる魂の映画
前田旺志郎×窪塚愛流×井浦新ほか日本映像界を牽引する実力派俳優が集結
舞台は、東日本大震災から10年後の福島。原発事故で離ればなれになった家族と、青春を奪われた青年たちの姿をまざまざと映し出す。監督・脚本は、79年のデビューから監督作は5本と寡作ながらも、代表作『追悼のざわめき』(88年)など日本のみならず世界中の映画ファンから支持されている松井良彦。震災から1年後に訪れた福島の惨状を目の当たりにし、映画制作を決意。自らの足で何度も福島を訪れ、多くの取材とリサーチを重ね、オリジナルストーリーを書き上げた。構想から13年、美しいモノクロームの世界の中に、社会への痛烈な怒りと切実な祈りを込め、観るものの心を揺さぶる魂の映画が今解き放たれる。
主人公のアキラを演じるのは、是枝裕和監督『奇跡』(11年)で映画デビューにして初主演を飾り、以降、映画やドラマ、舞台を中心に俳優として着々とキャリアを積む前田旺志郎。アキラの友人・真一役には、18年に俳優デビュー後、篠原哲雄監督『ハピネス』(24年)で映画初主演を果たし、映画やドラマ、CMなど活躍の場を広げる窪塚愛流。期待の若手俳優2人の共演によって、行き場のない怒りを抱えた青年たちの感情がリアルに浮かび上がる。さらに、家族の再生に苦心する真一の父親・篤人役には、今の日本映像界を牽引する俳優、井浦新。さらに、柏原収史、波岡一喜、近藤芳正ら実力派俳優が集結。傷痕が深く残る福島の地で、それぞれの立場で苦しみもがく市井の人々の姿を露わにしている。



12/6(土)~
ザ・フー キッズ・アー・オールライト

©Who Group Ltd
1979年/イギリス/110分/英語/配給:オンリー・ハーツ
原題:The Kids Are Alright
監督:ジェフ・スタイン
音楽監督:ジョン・エントウィッスル(ザ・フー)
出演:ザ・フー(ロジャー・ダルトリー、ジョン・エントウィッスル、キース・ムーン、ピート・タウンゼント)、リンゴ・スター
字幕:福永詩乃
老いる前に死にたいね
ロックをロックたらしめた最高最強の4人組
すべての反抗と冒険を肯定した魂のドキュメント
ビートルズ、ローリング・ストーンズと共にブリティッシュ・ロックの黄金期を牽引し、ロックを革新し続けたスーパーバンド、ザ・フー。それにもかかわらず全盛期の来日がかなわなかった彼らの1964年から1978年までの代表曲のライブパフォーマンスを中心に、プロモーションフィルム、インタビューなどを含む、ロック・ドキュメンタリー映画史上の傑作。
数多い歴史的なシーンの中でもとりわけ、本作のために1978年5月にシェバートン・スタジオで撮影された、伝説的天才ドラマー、キース・ムーン最後の渾身のパフォーマンス(32歳での死の3か月前、メンバー全員が死力を尽くした)がフィーチャーされているのは貴重。
監督ジェフ・スタインは、「直線的で年代順のドキュメンタリー」ではなく、「フィルムによるロックンロール復活集会」や「スリル満点のジェットコースター」のような作品を創り出そうと試みたという。
映画はキース・ムーン死後の1979年、73年のアルバム『四重人格』を原作とした映画『さらば青春の光』と同時公開されたが日本では未公開。
ザ・フー レコード・デビュー60周年、そして、彼らのほぼすべての曲を作ったピート・タウンゼントが80歳を迎える2025年、完成から46年を経て、全曲歌詞字幕付きで日本初劇場公開!



